「離婚話が持ち上がっててね」三軒茶屋の三角地帯の焼き鳥屋。数年ぶりに会ったAちゃんが開口一番こう言ったので、私は生中を吹きそうになった。会ったのは彼女の結婚式以来。それから今日までの間にAちゃんは子供を授かり仕事復帰してバリバリ働いており、ママになってもその美貌とスタイルは全く変わらない。「いや、離婚だと何かと損だから未亡人になりたいんだよね…ほんと死んでくれないかな」ちょ待って待って待って。私が最後に見たあなたは最高に美しくて幸せな新婦姿だからさ…脳内の処理が全然追いつかないんですけど…。とりあえず話を聞いていくと、どうやらAちゃんは夫の「変わらなさ」に愛想が尽きており、夫は「いい奥さんだった彼女が変わってしまった」ことにお手上げ状態になっているようだ。「子供ができる前は私が家のことも頑張らなきゃって思ってた。お互い同じくらいに仕事が終わっても、私はすっ飛んで帰ってごはん作ったり片付けたりしてね。彼が帰ってきて見るのは、キレイになった部屋のソファでくつろぐ私なわけよ。それが急に泣いたり怒ったりするようになったからさ…子供できたのにそのままでいられるわけないじゃん!!」Aちゃんの夫は別に「妻はこうあれ」と言うわけではない。彼女が育児に追われていて彼のメシがなくても怒りはしない。自分で何とかするのである。でも、「こっちは子供見ながら立ったままご飯かっ込んでるのに、一人分のコンビニ弁当とビールだけ買ってきて勝手にのんびり食べてる。そんな人に『おかえりー♡』とか笑顔で言える??」それなのに「時短勤務のAちゃんよりも遅くまで働く俺の方が大変」と言うらしい。最初は「まあ早まるな」と言おうとしていた私だが、次第に「わかる!」とうなってジョッキを机に打ちつける回数が増えていく。しっかりした目で素敵な伴侶を選んだはずなのに、結婚生活が進んでいくにつれ「こんなはずじゃなかった」が増えていき、どんどん溝ができてしまう。特に妻たちの根本的な不満は「夫が変わらない」ことである。このケース、ほんっとに多い。古くさい「仕事至上主義」が変わらないのと、「独身男→夫→子を持つ親」と立場が変わっているのに中身が全く変わらないこと、両方だ。「人は変わらない、変えようとしても無理!」という人もいる。もちろん本質は変わらないかもしれないが、誰かと協力して生きていく上で「発言ややり方を変える」ことくらいはできるだろう、大人なんだから。女性はいまだ「結婚したら家事育児は自分がメインにやらねば」という呪縛からは逃れ切れていない上に、子供が産まれれば否応なしにすべてが激変するから、結婚を機に働き方も暮らし方も意識も、おのずと変わっていく。なのに、病める時もすこやかなる時も共にと誓った伴侶が、独身時代と対して変わらない意識でのほほんとふんぞり返ってりゃ、そりゃ「旦那死ね」で検索もかけたくなったりするわな…。東京医大の「女子受験生を一律減点」もそうだけど、日本という国はいまだむちゃくちゃ根強い男女差別が残っていることが最近どんどん可視化されている。アラサーくらいの男性と話すとジェンダー観や働き方に関する価値観はとてもフラットで、時代は変わったなあとうれしくなるのだけど、そんな彼らでも根っこには思わぬ偏見がくっついてたりする。それは一見したら分からないので、泥つきのほうれん草を買った時みたいに茎の根元をかきわけてそこにこびりついてる泥をしっかり見つけないといけない。長い長い結婚生活。その年月の間に、最初大事だと思われたスペックの数々はどうでもよくなってくる。かわりに別のものが夫婦の間には大事になってくるのだ。というわけで、結婚を考えている皆さんに既婚女たちが血を吐きつつおくる(いやだな…)「結婚するなら男性のこういう部分に注目しよう」をつづりますので、後篇をお楽しみに。Written by こんどうあゆみ
2018年08月31日今の時代、見ないようにしようと思っても、他人のキラキラしている写真をインスタやフェイスブックが絶え間なく流してくるので、「キラキラってこういうものなのね」と、さもわかったかのような気持ちになってしまうことがよくあるんですが、ホントのキラキラはそんな「わかったようなもの」ではなかった。結婚式当日、妻と僕はキラキラの渦中にいました。なにもお金をかけまくって豪勢な式&披露宴をしたわけではなく、結婚式ってほら、式場のスタッフ総出でキラキラを分刻みで演出してくださるじゃないですか。1つのキラキラが終わると、「はい、次のキラキラ入りま~す!」みたいな感じで、キラキラに次ぐキラキラ、さらにそれに次ぐキラキラみたいな感じで、キラキラを1つずつ噛みしめている暇がない。今でも不思議に思うことがあって、新婦って何回か衣装を変えますよね?しかもその衣装って十万円単位でレンタルしますよね?そんな「生涯で1回しか着られない最高の衣装&愛の結実の衣装」を着たと思ったら「はい、お色直しの時間です」となって、場合によっては衣装を着ている歓びを噛みしめないまま着替えちゃうわけでしょ?そういうのって女性はどう感じているのかな?妻はどう感じていたのかな?男の僕からすればすごく不思議に思います。衣装のみならず、結婚式&披露宴って、主役からすれば、ともすれば流れ作業に感じます。お付きの人が「はい、立ってください」「マイクを持ってください」「座ってください」「今度はあっちに立ってご挨拶してください」「こっちに顔を向けてください」「笑ってください」「いま食事をしてください」とか、もう言われたままに粗相しないように動くので精一杯。スタッフの方々や参列してくださった方々の温かな気持ちのおかげで、無事にすべてのことが終わったとき、もちろんホッとしたけれど、それ以上になぜかすごく謙虚な気持ちになったのを今でも覚えています。皆様のおかげで分刻みの行事が最高のカタチで終わった――皆様ありがとうございました。この気持ちしかなかった。キラキラしているものとか、インスタ映えするものとかが流行っているけれど、真のキラキラを経験すると人は謙虚な気持ちになり、それゆえ経験したキラキラをことさら他人に見せようとは思わないのではないか?自分の大切なものとして、ひそかに胸の中で輝かせ続けたいとは思っても、他人に「すごいっしょ?」と見せないのではないか?キラキラ中毒の女子だって、もっとぶっ飛んだキラキラを経験すれば、その写真はちょっとやそっとのことでは他人に見せたいと思わないのではないか?部屋に飾った披露宴の時に頂いた花をインスタに載せようかどうしようかと迷いつつ、その花がしおれた頃、ふとこんなことを考えたのでした。(ひとみしょう/文筆家)
2018年08月07日身内をネタにコラムを書く場合、通常は身内の失敗などを取り上げつつ身内の立場を下げ、相対的に読者の立場を上げる、ということをします。それが昔からある「身内ネタコラム」におけるひとつの型なんですが、今回ばかりは「妻はスゲー人でした」と言わざるをえない。結婚式の準備期間って、ふつう女性は忙しいじゃないですか。招待状の発送ひとつをとっても「じつはわたしは参列したかったのに、どうして招待状を送ってくれなかったの?」とか「おれは招待されても絶対に出席しねぇ!」とか、こういうことを避けようと思えば、事前の根回しが必要なわけで、根回しするのだって手間も時間もかかるしね。ウエディングドレス選びだって、女性は時間がかかりますよね。男は「じゃあこれで」と、なにが「じゃあ」かわからないけど、なんかすぐに決まってしまうのに対し、女性は1日かけてもまわりきれない感じの「ドレスのお城」の中から1着選ぶのだから大変ですよね。それに加えて、ブーケをどうするのか、テーブルコーディネートをどうするのか、BGMは?写真撮影は?動画は?など、細かな打ち合わせがあり、そういう打ち合わせが挙式1ヵ月前くらいから怒涛のように押し寄せてきて、写真や動画、花にこだわりたいのは女性のほうだから、どうしても女性は忙しくなり、加えてブライダルエステやネイルサロンに通ったりして。さらにこの時期は、コーディネーターさんからいろんなことを「確認してください」と言われます。「引き出物の数、合ってますか?」「食事なさる人の数、合ってますか?」「子どもの数、合ってますか?」「いくつですか」と何回尋ねられたことやら、ですが、確認、確認、再確認で忙しかったのも妻でした。ぼくは……ここで初めて正直に告白しますが、妻が言ったことを「そうですね」となぞっていたのでわりと暇でした。「親戚の子どもって10人でいいのよね?」と言う妻に「そうですね」と答えただけ、みたいな。決して手を抜いているとか結婚式をしたくないとか、そういう気持ちだったわけではなく、ほら「船頭多くして船山に上る」って言いますよね。結婚式は妻のしたいようにやればいいとぼくは思っていたので、「誰がどう考えてもそれはおかしいだろ」と思えることに対して以外、ぼくはなにも言わなかったのでした。1ヵ月前のドタバタに加え、送賓のときに手渡すもの(お菓子などの詰め合わせにした)も、妻がひとりでスタバや「おかしのまちおか(これ、予測変換で出る!スゲェ!)」などでお菓子を買ってきて、それを袋に詰めて(80袋くらい)、その袋に「今日はありがとうございました」のスタンプを押したメッセージカードを貼り、しかもそのスタンプも妻みずからネットで探して発注して……という感じで、とにかく妻の負担が大きかったです。準備作業に精を出す妻を傍目に、猫の手も借りたいくらいの気持ちなのかなあと、不安に思ったものでした。ブライダルエステ、確認、確認の結果まちがっていた時の修正、スタバ、まちおか、お菓子の詰め作業、ハンコの発注、ハンコを押す紙にインクがのらなかったのでメッセージカードの買い直しなどなど、それらぜ~んぶ妻がやりました。そんなある日、式場のかつら合わせの打ち合わせから戻った妻はぼくに言いました。「今日、かつら合わせしてたら、後ろのブースの女性が『結婚式前ってホントに忙しくて、カラダがいくつあっても足りないわ』とぼやいてたよ。この前もそう言っている女性が何人かいたよ。みんな何がそんなに忙しいんだろうね?わたし全然忙しくないんだけど。なにがそんなに忙しいのか聞いてみたいわ」身内をネタにコラムを書く場合、通常は身内の失敗などを取り上げつつ身内の立場を下げるわけですが、今回ばかりは「妻はスゲー人でした」と言わざるをえない。(ひとみしょう/文筆家)
2018年07月31日一昔前ならカタカナ職業や遊び慣れてる業界人、また年収の高い男性らが女性たちの人気の的となった。男の職業や肩書、会社名だけで合コンに参加するか否かを決めていた時代があった。「合コンのメンツの勤め先は?」「そこだどお給料はたいしたことなさそう」などと男を値踏みし、いかに年収の多い男をゲットしようとガツガツしていたのだ。しかし、不況続きや度重なる震災などで、女性が結婚に求めるものにも変化が現れた。「贅沢をすることよりも安定した生活を送りたい」……結婚相手に望むのは一時的な楽しさよりも安心感に比重を置くことになったのだ。今回は「こんな職業に就いている男性なら浮気の心配ナシ!?」穏やかに暮らしていけそうな職種別男子の落とし方を教えよう。安心第一!地方公務員を攻略せよ!公務員と言っても決して国家1種の“キャリア官僚”などを狙ってはいけない。ハイステータスな公務員は高級料亭や高級クラブの類にも足を踏み入れるわけで、浮気の可能性が低いどころかグレーゾーンと言えるだろう。しかし地方公務員なら話は別!!派手目なことが苦手な彼らは堅実。就職しても実家に居座っておかーちゃんのお世話を素直に受けながら「自宅通勤」みたいな男性も多かったりする。もちろん出会いは少なく、女遊びを進んでしたりはしない。恋愛においてのんび~りしている彼らは女性に対する免疫があまりない分、女側は一旦惚れさせてしまえば操作がしやすいといえる。冒険するより確実性を望む彼らはトキメキや刺激を与えてくれる女性よりも安心できる女性が好ましい。 別の男と比べられることを極端に恐れているので、男友達が多そうだとか、男慣れしているような雰囲気をチラつかせるのはアウト!他の男や過去の男とのシーンを彼らに想像させてはならない。そこで競争心に燃えるようなヤツも肉食男子のカテゴリならばいるっちゃいるが、リスク回避で手堅い道を選ぶ彼らはファイティングポーズを取らない。 「女性はこうであってほしい」という処女信仰的な要素があるので、控えめで慎ましやかな振る舞いでいることが攻略のカギとなる。露出の多いファッションや濃い化粧は絶対NG!化粧はナチュラルに……デコルテラインや胸元がバッチリ見えるオフショルダーなんて身につけてはならない。オトナ可愛いのエロスは彼らにはハレンチでしかない。肩からそのままズルッと全部脱げ落ちてしてしまうのではないかとハラハラさせるようなものはご法度。スカートはミモレ丈やミディアム丈以上。きついカールやパーマは当てず黒髪のロングヘア。紺や水玉ワンピなど、とにかくベタなくらい「清楚風」を装っていれば勝手に落ちてくれる。女性経験が乏しいゆえ、女の本性を見抜くような洞察力はないのであくまで清楚な“フリ”をすれば問題ない。結婚生活に波風は不要!アクシデントを避け穏やかに過ごしたい女性にはオススメ№1。リストラがない安全物件だ。仕事熱心なエンジニア、研究職、技術職、を攻略せよ!学生時代から「男ばっか」の環境だったり、「異性との交流が少ない」職場環境のため“女心を読む力”はめっぽう弱いが、電気系統や数字には強いのが彼ら。 外で女とうつつを抜かすより、部屋や仕事場に引きこもって機械いじりや専門分野の知識を身につけることに力を注いできた彼らは自分の仕事や専門職に誇りを持っている。中には女の身体より機会いじりやゲームのほうがいいという輩も稀にいるが、女がキライというわけではない。女性と接触する機会が少なかったため、うまく声をかけることができないだけ……。女性に拒否られることを恐れるあまり、告白できず、交際もしてこないでそのままいい大人になってしまった男性も……。しかし奥手な分だけ彼らはウブで生真面目。アウトドアでないばっかりに学生時代から女子には「キモっ」「生理的にムリ」などと陰口を叩かれたことはあっても、褒められることがなかった。得意分野や特殊能力、または素晴らしい個性があるのにもかかわらず、当時女の子たちは全く近づいてきてくれなかったのだ。そここそが突破口!「自分を語る場」「アピールする機会」が少なかった男性は実は教えたがり。だから女性が「私なにも知らなくって~」「わ~~~その分野のことすごく詳しいんですね。もっと教えてください」「○○にすごく興味あって知りたいんですぅ」と明るく声を掛けてあげれば、顔はクールを装っていても内心ドキドキ、そしてニヤニヤ。いつもは寡黙男子の仮面をかぶっているが調子にのって話してくれるだろう。さらに、トドメの一発はコレ!「へ~~~。そうだったんだ!○○さんのお話ってすごく面白い!」で彼のテンションはマックスに! これまで「俺はつまらない男だ」「女を喜ばせる気の利いた会話などできない」と思いこんでいた彼らに自信を与えれば、彼はあなたの手中に落ちたも同然。専門職系の男性は比較的インドアで育ったため、逆に明るく活発で社交的な女性にあこがれを持っていたりするので、無邪気に声をかけるのが吉。警察官、消防士、自衛隊……平和を守ってくれる体育会系男子を攻略せよ!体育会系の男性のメリットは単純でわかりやすいこと!このタイプは男気があり「男たるもの」「女には金を出させない」というスタンスでいることが多く、いい意味で男尊女卑傾向アリ。結婚に至るまであまり時間をかけないのも特徴。女慣れしていないというよりは、恋の駆け引きが苦手なので直球型。学生時代から好きな子ができると徐々に距離を縮めて様子を見る、という回りくどい手口はとれず、性急にコトを運ぼうとして玉砕してきた体育会系男子は少なくない。真っ直ぐな彼らは女性との交際はほぼ結婚を意識して付き合うことになる。自衛官の場合などは長い期間留守することもあるので早々に身を固めようと考える人も多い。そんな体育会系男子を攻め落とすのは「あなたってすごい」「カッコいい」「男の中の男」「頼りになる」と持ち上げてあげること。自分の身体をはった職業を選んだ男性というのは、なにか個別な事情があるにしても、心のどこかに「人を護りたい」「困ってる人を助けたい」「誰かの役に立ちたい」という使命感を持たなくてはできないことだ。 だからそこをリスペクトするべし。しかも危険な任務に就くことが多い体育会系の職種は上下関係が厳しく、そのような縦社会を生き抜くことを尊敬してあげることで彼のハートを鷲掴みに。また習うより慣れろ精神の実践型の彼らはじっとしていることが苦手。難しい話や理屈ぽい話は避けてアウドドアデートで彼らの好感度を上げよう。体育会系の職種の男性は「女、子どもは守らなきゃアカン!」的な気持ちも強いのでいいパパになる可能性大。休日やバカンスでは子供と楽しく遊んでくれるだろう。結婚したいならどんな男性を狙うかを早々に決めるべし!結婚したいアラサー女子は悠長に構えている場合ではない。昨今はなんたって婚活市場に女性が余っている時代。出会い系サイトなら男性登録の比率は高くとも、“婚活してる”と一発でわかるものに男性は引き気味。婚活イベントも結婚相談所も女性比率がだんだん高くなっている。し、か、も、近頃は20代女子も婚活市場に乱入してきているときたもんだ!!まさに女の婚活はレッドオーシャン。アラサー女子に警告する。「どんな男性と結婚したいか」「どんなタイプを伴侶にするか」を明確にすること。早めにターゲットを絞らなくては攻略などできない! 相手の望む、理想の女性像をうまく演出することで、この婚活サバイバルから抜け出すことができるのだから……。(体験型恋愛コラムニスト・神崎桃子)
2018年07月13日結婚式の3日前、ふっと気を抜いたら憂鬱な気分が襲ってきました。なにも妻と結婚式を挙げたくないとかそういうことではなくて、忙しすぎるので気を抜くと眠気が襲ってきて、睡魔と葛藤するときの身体はつらく、心は憂鬱。寝てはいけない拷問を受けてきた歴史上の死屍累々に同情したくなる瞬間。結婚式の3日前ともなれば、物理的にものすごく忙しいかといえば、そうでもないです。式自体については、半年以上も前から何回となくコーディネーターさんと打ち合わせをしてきたので、そこまで忙しくはない。今の結婚式はホントによくできていて、初回の打ち合わせ時にマニュアルを手渡されます。式の120日前にはこれを決めましょう、90日前にはこれをやりましょう、みたいなことが書かれてあるマニュアルに沿ってやっていけば、無事に本番を迎えることができるようになっています。あとは金次第……みたいなのが憂鬱といえば憂鬱ですが、でもまあ、式を挙げる側も「一生に一度のことだから」と思い(僕は二度目ですが)、式場側も商売なので、まあなんというかそのへんはすごくよくできていて、両者の思惑がなんとなく一致するところが「金次第」というところなのだから、それでいいのでしょう。地獄の沙汰も金次第なら、この世においては結婚式が金次第。なんか儲かる商売ないですか?物理的にはさほど忙しくないのに、なにがそんなに忙しいのかといえば、式に来てくださるゲストの方々に感謝の気持ちをちゃんとお伝えしたいと思っていて、ゆえにゲストお一人おひとりのお顔とお名前を思うのに忙しい。ぼくの友人知人、親族は、言うまでもなくさらっと思い出せるし、心の中でありがとうございますと言うのがたやすいけれど、大人数いる妻のほうの親族や友人知人については、まだお顔を存じあげない方もいらっしゃれば、お顔とお名前が一致していない方もいらっしゃれば(ホントすみません!)、というかんじ。なので、お顔を思い浮かべるか、お名前からお顔を想像しながら、当日来てくださったらどんなふうに挨拶しようかなとか、どう言ったら気持ちが伝わるのかな、とかということを思います。心の中で思うって、つまり心の中で会話するということだから、わりとパワーを使うんですよね。そのパワーを100人に向けたら、もう大学の授業中に(大学に通っています。この話はまた今度します)睡魔が襲ってくるんです。岩波新書の哲学の本を、なんの読み合わせですか的に先生が読み上げるだけの授業で、睡魔と戦っている時にこの胸に湧き上がってくるちょっとした憂鬱。睡魔に勝っても負けても憂鬱って、あれ、なんでなんやろ?(ひとみしょう/文筆家)
2018年07月10日先月は小説の取材のために、いくつかの婚活会社を取材しました。婚活会社のサービスって高価なんだろうなあと思っていたら、なんと2万円(たぶん税別)で受けられる婚活サービスを提供している会社があったり(これはマジでびっくりした)、結婚したらハワイで暮らしたいと思っている人には、日本でできる「ハワイ婚活」なるものがあったりと、婚活サービスがかなりカラフルな様相を呈していて驚きました。2万円で受けられる婚活ちなみに、2万円で受けられるサービスは婚活力診断とカウンセリングのみのサービスで、パートナーエージェントという会社がやっています。自身の婚活状況を分析した結果をもとにカウンセリングを受けるとかなりいろんなことがわかるそうですが、それに恩義を感じて、この会社で婚活をしなくてもいいらしく、「カウンセリングの内容を振り返りつつ、うち以外の婚活会社で婚活してくださってもかまいません」とのことです。これもすごくないですか?一方、ハワイ婚活は、マッチメイキング・ハワイという会社がやっていて、ハワイの会社ですが日本にも法人があります。「ヨメと結婚したのは必然だったな」と、ふと思いました取材をしながら、正直「おれも婚活会社に登録していたら、今の嫁ではない他の女性と結婚(いや、再婚)していたのかな」と、ふと思いました。だって、2万円で婚活サービスを受けたら、実際に何人の女性と出会えるのか知りませんが、理屈の上では何人かの女性と出会えるでしょう。それにハワイも加えたら、まだ見ぬ可能性が大きく広がりますよね。理屈の上では。で、ここでヨメが登場して「まだ見ぬ可能性なんて、ありもしないことをぼんやり考えているくらいならしっかり働け!」とかなんとか言って、ぼくの頭をはたきました、ということではなくて、「ヨメと結婚したのは必然だったな」と、ふと思いました。エクセル人生設計なるものがあるらしい今の世の中、エクセルに人生設計を入力している人がいるらしいんですよね。びっくり。頭の中であれこれと将来設計をしているってことでしょう。きっと、偏差値が高い人ほどこの傾向が強いんだろうね。それにしてもすごいですよね、エクセルで人生設計するって。関数とかも入力しているのかな。エクセルに何らかを入力しつつ「理論上得られる可能性は最大限享受したい」というようなことを考えて、「あそこに行くと高収入男子と出会えそう」とか「あの人から紹介を引き出せば彼氏ができるかも」とかと、計算づくで婚活している人だっているらしいです。男にも結婚適齢期なるものがあるじつは男にも結婚適齢期というか、「無性に結婚したいと思う時期」があって、その時期に出会った女性とサクッと結婚しちゃう、なんてことが実際に起こるんですよね。あなたのエクセル表の理論上の数値をひょいっと飛び越えて、誰かとサクッと結婚しちゃった、みたいな。僕以外にも、そういう男性っているらしいです。「この人、すごく仕事ができるイケメンなのに、連れている奥さんが……」みたいな男性は、たいてい無性に結婚したい時期に結婚したパターンです。本人は奥さんに満足しているんですよ。他人が「連れている奥さんが」と思うだけであって、本人はいたって幸せなんです。満足なんです。心からそうしたいと望めば手に入るお腹が減ったから何かを食べたいとか、眠いから寝たいとかというのとまったく同列に、「結婚したいから結婚した」というのが男にもある――経験者であるぼくはこの説を支持しています。不思議なことに、結婚したいと思った時に、なぜか適任と思える誰かがそばにいるんですよね。僕の場合は今の嫁がそばにいました。なので「心からそうしたいと望めば手に入る」という説も僕は支持しています。心から結婚したいと望めば結婚できるし、心から嫁のことを幸せにしたいと思えばきっとそうできる――この説を、人類の真理だと、僕は子供みたいに信じているのです。エクセルの嫁より全然いいなと思ってるんですよね。アホっちゃあ、アホでしょ?(ひとみしょう/文筆家)
2018年06月21日ついさっきまで、今年の夏に出版される予定の小説を直していました。主人公が離婚を決意して、元妻の荷物が引っ越し業者の手でトラックに積まれ、今まさに元妻が主人公の目の前から消えていく――その瞬間を書いたパートを、何度も読んでは直していました。なので今、僕の頭の中は離婚の切なさでいっぱいです。さて今回は、結婚してわかった、というか離婚→結婚でわかった結婚相手を選ぶ時の絶対条件についてお話しましょう。これから結婚する人は特に、どんな条件があれば幸せな結婚生活を送ることができるのか、知りたいでしょ?そうでもないですか?*僕はこれまで、全財産が52円しかない時期もあれば、クレジットカードの刻印がすり減ってしまってカードがツルッツルになっちゃうんじゃないかと思えるくらいお金を使った時期もあれば、いろんな時期を過ごしてきました。このような経験からまず言えるのは、お金はないよりあったほうがいいということですね。貧乏は愛を壊す、と。でも世の中にはお金がある不幸というのもあるわけですよ。たとえば年収1000万超というのが結婚相手に求める条件である場合、額面で1000万ということは手取りでざくっと年収700万円くらい、月平均をここでは60万円としましょうか。月60万で生活を組み立てたら、例えば旦那の小遣いが月10万ということもあり得ますよね。男に10万の小遣いを与えたら、言うまでもなく旦那の浮気の心配が出てきます。女子は不倫相手と会うのに財布くらい持って行ったほうがいいんじゃないですか、持っていくのは化粧ポーチとPASMOだけっすか?それマジですか?という人もいるらしいけど、男は金がないと遊べない、というか金があると遊ぶようになる。だから奥さんから見たら、お金がある不幸というものもある。*で、思うんですが、お金があってもなくても大切なことは、自分が思っていることを相手に正直に言えるかどうか、なんですよね。「ねえ、今日はこんなことがあったよ」と、包み隠さず互いに言えるかどうか。「ごめん、今月はお給料が少ないから、悪いけど君の給料で家賃を払ってもらえないかな」と旦那が奥さんに正直に言えるかどうか。「彼氏には元カレのことを言ってはいけない」と書いてある恋愛コラムをよく目にするけれど、元カレのことを彼氏や旦那に言うべきか言わざるべきか、というのは、その時々のふたりの関係をもとに決めればよく、他人がとやかく言うほどのことではない。言わなければ言わないで、特に問題は起こらないです。でも究極にお金がない時に「ごめん、お金ない」と相手に言えるかどうか、というのはすごく大事。これが言えなければ、結婚生活はチャラっと破たんします。反対に究極にお金がある時、お金を握りしめてパートナーに言えないことをする……これが続くと夫婦の関係はまるっと終わります。*夫婦生活って、淋しさとか孤独によって、波にさらわれる砂のお城みたいに簡単に壊れます。淋しさや孤独はどこから生まれるのかといえば「これは相手に言えない」というあなたの気持ちです。「これは妻には(旦那には)言わないほうがいいのではないか」とか「これは隠しておこう」とか、そういう判断が淋しさや孤独を生む。だから、「なんでも言い合える相手である」というのが、結婚相手を選ぶ時の絶対条件。相手のことが好きだから言えないとか、相手のことを思ってあえて隠す、ということもあると思うけど、でもそのレベルを超えて「お金ない」「ならお前が稼いでこい」「アホか、お前が稼げ」とかと喧嘩しながら、夫婦で半額の弁当を食べてもそれがちっとも苦に思えない相手が一番よい。不思議なもので、今なくてもやがて手元に残るようになるもの、それがお金だから。(ひとみしょう/文筆家)
2018年06月05日本当に結婚したいのに、全然できそうにない。そういう女性はたくさんいます。何がいけないのかは、周りの男性に聞けば一発でわかります。男友だちにすら結婚できなさそうだと思われていたら、チャンスもめぐってこなくなるので注意です。今回は、男性が「この子は結婚無理そうだな」と思う女性の特徴をご紹介したいと思います。文・白武ときお【みんなの恋テク】男性が「この子は結婚無理そうだな」と思う女性の特徴1.飲み歩いている「夜な夜な飲み歩いてて結婚できないっていうのは、ひとりが楽しいんだろうなって思う。出会いもあるのに結婚してないっていうのは深刻だと思う」(28歳・建築)飲み歩いていると出会いがあります。しかし、本命にはされません。毎日飲み歩いている女性は浮気の心配もあるし、誠実さを感じないからです。一緒に飲んでいる分には楽しいけど、結婚となると話は別です。付き合ったら飲み歩きをやめるとも思えないし心配です。2.二次元や芸能人に夢中「芸能人に夢中なタイプは、冷めるのを待つしかないと思う。何かをおっかけたり応援するものがある女性を、寛容に受け入れる男は少ない」(27歳・飲食)アニメのキャラやアイドルにハマっている女性に対して、男性はアプローチしようと思いません。自分が入り込む隙がないし、そういう女性とどう付き合ったらいいのか、これまでの経験値がいかせないと思ってしまいます。3.飲み会が嫌いすぎる「飲み会とか新規の人がいる場所が嫌いな女の子って多い。大人になったら出会いなんかないんだから、そういう場所に顔を出さなきゃしょうがないのに」(27歳・貿易)初対面の人がいる飲み会をして、気を使ってつまんないジョークに愛想笑いして、テンプレみたいな自己紹介トークを延々する。そんなことなら家で海外ドラマを見てるほうがマシだと思う気持ちはわかります。しかし、あまりにも飲み会に行かないでいると、新たな出会いも会話の反射神経も鈍っていきます。自分に都合のいい男なんてほとんどいないですが、たったひとりを見つけるまでは頑張ってみましょう。結婚できるのは、フットワークが軽くノリが良い子かも!フットワークが軽かったり、ノリが良かったりする女性こそが、次々にいい男性と出会えます。結婚できないのは自分の習慣の結果です。今一度、自分の考え方や行動を見直して、結婚に向かっているのか考えてみましょう!©hoozone/Gettyimages©_chupacabra_/Gettyimages
2018年05月31日結婚したら何が変わるのかを知りたい人もいると思うので、今回は結婚によって変化したことについて書こうと思っていましたが、変化した、というより、変化させられた、という感覚の方がかなり強いので、今回はこの「変化させられてゆく感覚」について書きたいと思います。*たとえば、これはほんの偶然なのかもしれないけれど、結婚前に僕が頻繁に通っていた近所の飲み屋さんが、入籍の数週間前に閉店しました。それに伴って飲みに行く回数が極端に減りました。そして疎遠になる飲み仲間と、それでもまだ親しくしてくださる飲み仲間とにはっきり分かれました。「寿司屋や居酒屋からのスナックという流れで、週に3日も4日も遊ぶのは明らかにおかしいからもうやめよう」と、これまで何回思ってもやめられなかったことが、何をもってしてもやめられなかったことが、結婚を機にいとも簡単にやめられた。やめるのが嫌だとか、やめるのが惜しいという感覚などまったくなく、朝が来たのでベッドから出ますみたいな感じで、飲み歩く習慣をふっと卒業できて、その後、自分が行きたかった場所にすっと行けた。行きたかった場所というのは、時間をかけて丁寧に小説を書く環境に行きたいと以前から思っていたんだけど、そこにすっと行けた。そこに行くと、紙の小説の出版がまるっと決まり、それは今夏アマゾン独占販売になります。*仕事がつまらないと思っている人は特に、結婚を機に専業主婦になることを夢見ていたりするよね。でも結婚して専業主婦になったのも束の間、夫婦で働かないといけない状況になって再び就職して「わたしが思い描いていた結婚生活とちがう」と思ったり、結婚が人生をいい方向に大きく変えてくれるなんてのは幻想だと思ったり、という人もいたりするよね。僕も結婚ってそういうものかもしれないなあと思っていました。でも僕の意思を超えて、ある日突然、変化が向こうからやってきた――というか何者かに腕を掴まれて「こっちに来なさい」とぐいっと、なかば強引に引っ張られている感じ。不思議なもので、いかに変化を望んでも変われない時って、もう何をやっても変化できなくて、自分の無力さや意思の弱さを知るのみ、みたいな時ってあるじゃない?なんかもう、わたしの人生はこの狭い枠の中だけで完結してしまうんでしょうか?わたしはこの枠の外に出られないまま死んでしまうのでしょうか?ここで死にたくないんですが、と、神様に相談しちゃったりする時期って、みんな持ってるよね。持っていたよね。何者かによって変化させられてゆく感覚をあなたもやがて持つことになるのか、それともそういう感覚はごく一部の人にしか味わえないものなのか?その答えは僕にはわからないけれど、もしあなたの人生にこの波がやってきたら、楽しみながら波に乗るといいです。どこに連れて行かれているのか今の僕がわからないように、あなたもきっとわからないと思うけど、でも楽しむといいです。だって、思い出してもみてくださいよ。変わりたくて、でも変われなくて、人知れずやるせなさと不安に怯えた夜を数えたら、あなただってきっと片手では足らないでしょ?(ひとみしょう/文筆家)
2018年05月21日少し前に「このセリフを言う男は、危ない。」というコラムを書きましたが、今回はその「結婚篇」です。別に既婚者や婚約中の人対象ではありません。男性の結婚観がかいま見えるので、彼や男友達、気になるあの人からこういうワードがでてきたらさりげなく真意を探っておきましょう。でないと本当に結婚してから困ることになる…かもしれない。「俺が君を守るから」女性なら一度は言われてみたいセリフ。我が国のプリンスもプロポーズの時にこんな感じのことをおっしゃった記憶があります。確かに男らしくて素晴らしい。でも皇族じゃない一般男性の場合、具体的に「何から妻を守るのか」が想定できていないどころか、見当違いな恐れもあります。このセリフにハート撃ち抜かれる前に、意味を問いただしたい。例えば「俺が女を守る」的ヒロイズムは、マッチョ思想に転びやすい。「俺が妻子を養うんだ」の心意気がいつの間にか「誰が食わせてやってると思ってんだ」や「一日家にいてラクでいいな」みたいな暴言に変化する夫もいるので気をつけましょう。そういうタイプはお姑さんからの嫌味や育児家事疲れからは全然守ってくれなかったりするしな。「食わせる・養う」にまつわるカッコいいセリフを言いがちな男性は要注意です。「俺についてくれば間違いない」こちらも大変(前時代の)男らしいセリフ…まあ今どきこんなこと言う男いないかもしれないけど…もしいたら危ないので逃げた方がいいかもです。決断力と頼りがいのある男性なのかもしれないけど独善的すぎます。たとえあなたが優柔不断で引っ込みじあんでもやめといた方がいい。俺の言うことがいつも正解。「お前は何にも分かってないから」みたいな方向になるとモラハラ夫への第一歩です。結婚は主従関係ではなく、果てなく続くチームでの共同作業。頼りがいよりも、相手の意見をきちんと聞く耳を持ち、フラットに考えられる人かどうかを重要視しましょう。「結婚しても女の人にはバリバリ働いて欲しい」これは平成の世にあって大変喜ばしいセリフに聞こえます。ただこれもよくよく突っ込んで聞いておいた方がいい案件。例えば今の我が国では「女性はもっと社会進出して輝いてくれ」と「育児と介護は整備がおっつかないからまあ家庭内でうまくやってよ」が同時に並べられてて地獄です。これと同じように「結婚しても仕事は続けなよ」「でも家事育児もよろしくね時々手伝うから♪」みたいになってる男性、意外と多いです。女はスーパーマンじゃねっつの。これからは性差にこだわらず夫婦が分担して柔軟に物事にあたる時代。このセリフを言うからには「俺も家のことバリバリやるぜ」が後に続かないと、意味がないのです。「帰ったら家に灯りがついてて欲しい」今でも男性芸能人への「結婚に憧れは?」的インタビューでたまに耳にする驚きのセリフです。「マジでそれがあなたの結婚か、なら私はごめんだよ…」といつも思います(まあ私に言われてないんですが)。仕事で疲れて帰ってきたら家はくつろぎと食事の準備が万端になされている状態であってほしい…そんなの女だってそうあってて欲しいよ。しかし現実は、夫婦どちらかが迎えに行った子供と買い物袋と共に真っ暗な家に帰ってきて電気をつけるところから始めないといけないかもしれない。結婚に対して「心地よい空間を準備し自分に尽くしてくれる女性が常駐する」という憧れしか持ってない男性は幼なすぎるのでヤバい。同様に「毎朝いってらっしゃい♪て送り出されたい」とか「俺は居間で子供と遊んでてキッチンには奥さんが立ってて…」とか、小坂明子の「あなた」(知らない人は歌詞を検索!)みたいな具体的かつファンシーすぎる夢を語る人も要注意なので、早めに確認を。「結婚したら変わるかも」「子供できたら変わるかも」という甘い期待はわりかし粉々に砕かれます。顔より男らしさより財力より、地に足ついた結婚観とパートナー観。今のうちに見極めときましょう。
2018年05月01日この連載の第1回目から、ぼくは彼女のことをヨメと書いてきましたが、ちょっとここにきて、お詫びというか訂正というか、その両方というか、そういうのをしなくてはならない時期がやってきたので、正直にお詫びして訂正します。じつは昨日、入籍届を役所に提出してきました。昨日というのは、あなたがこれを読んでいる日の前日ではなくて、2月のものすごく寒くてものすごく天気がよくて、空気中にインフルエンザウイルスがめちゃめちゃ元気に暴れまわっていた日のことです。ヨメのことを「まだ入籍していないんですが、やがて入籍することがわかっている相手」と書くと、読んでいてまどろっこしいだろうということで、ヨメのことをヨメになる前から端的にヨメと書いてきました。ここにお詫びして訂正いたします(と神妙な面持ちで言って、深々と頭を下げ、はい、なにもなかったかのようにチャラっと話を続けます)。ヨメと(あと数十分でヨメになることがほぼほぼ確定している彼女と)役所の戸籍課の窓口に行ったのは、平日の朝の8時半すぎでした。暗い表情で女子ひとりで婚姻届を出しに来ている人もいたり、待合室に葬儀代の補助制度を案内しているポスターが貼られてあったり(棺桶のLサイズは追加料金が発生すると、ぼくはこのときはじめて知った。大きい人って死んでもお金かかるんやな、かわいそうやな)、なにかと20%くらいシュールな場所が、ふたり独身最後のひと時を過ごす場所でした。こんなんでいいのかなと思いましたが、まあ役所ってそういうところなわけで……婚姻届を提出する人も、離婚届を提出する人も、葬式の相談をしたい人も、赤ちゃんが産まれた人もみんなが一堂に会する場所、それが戸籍課の窓口。なんか人生のジャンクションみたいな場所に(何回通ってもなんか疎外感を覚える首都高3号線の池尻ジャンクションみたいな場所/あるいは初心者が気軽に行くと事故りそうな箱崎ジャンクションみたいな場所に)、おそらく多くの人がそう考えているであろう「精神的な愛の、最高の結実の証」である婚姻届を、あなたも提出することになるわけですよ。やれやれでしょ?で、提出日までに入念にチェックしたにもかかわらず、入籍届の書き方に不備があり(本籍をどこに置きますかという項目)、窓口のお兄さんにうながされるまま二重線を引いて訂正印を押して、番号札を渡されて、番号を呼ばれて、今度は窓口にちょっと見ただけではどんな人生を歩んできたのかさっぱり想像できないお顔立ちのおばさまが出てきて、書類を受理したと小声で宣言されて(なぜ小声?)、おめでとうございますと言われて、無事入籍しました。だからあなたも、あなた方おふたりの入籍の事実に最初におめでとうと言ってくれるのは、名前も知らない戸籍課の人です。まちがっても、入籍したらまっさきに愛しのパパとママにおめでとうと言われるはず!なんて思わないことです。やれやれでしょ。*で、窓口をあとにして駅までヨメと歩いていたら、ヨメが「わたし1週間くらい身分を証明するものがない」と言いました。結婚したこと(苗字が変わったこと)を公的に証明する簡易的な書類はその場でもらえたのですが、運転免許証もパスポートも保険証もぜんぶ、これから彼女自身で手続きをしないと、彼女には自分のことを自分で正式に証明するものがないという事実に直面するのが、入籍直後なわけです。言うまでもなく、この日本で身分が証明できないというのは、かなりしんどいことです。シリア国籍の人が、パスポートを紛失したままドイツで難民として暮らしているようなものです、たぶん。社会的弱者を通り越して、もう存在そのものを否定されかねないし、否定されたところで「わたしがわたしです!」と声を大にして意味深にして哲学的なことを言っても無理みたいな、か弱すぎる存在イコール、ヨメ。当然ぼくは強く思いました。「か弱いヨメのことを守ってあげないといけない」と。婚姻届を提出した(ほぼ)直後の気持ちって、こんなんでした。(ひとみしょう/文筆家)
2018年04月28日女性としては、やはり彼氏にするなら一途な男性がいいですよね。一途な男性であれば浮気の心配をしなくていいですし、結婚を考える上でも安心できます。そこでこの記事では、一途な男の3つの見極め方をご紹介しましょう。1:モテ自慢をしない男モテ自慢をする男性は、浮気性のことが多いです。モテ自慢をする男性はモテることがアイデンティティーになっているので、彼女がいようがいまいがモテ続けないと自分の価値を認識できません。そのため浮気をしてでもモテようとします。そのため、モテ自慢をしない、ということが一途な男性の見極め方のひとつのポイントになるでしょう。「ぶっちゃけモテるでしょ?」と質問して反応を見てみるのもいいでしょう。2:浪費しない男お金を浪費しない男性は、一途な可能性が高いです。無駄遣いをしないということは、自制心が高いことを意味しています。そのため、浮気の誘惑にもその自制心で打ち勝つことができるのです。また、自分にとってなにが必要でなにが不必要かをわかっているので、浮気をしてまで彼女を失うリスクを犯す可能性は低いです。3:パリピじゃない男パーティーピーポーにとって、どれだけ女遊びをしているかがステータスのひとつになります。そのため、パリピは浮気をする可能性が高まります。またパリピの行動範囲や人脈は広いため、その分誘惑も多くなり、浮気の可能性が高まります。もちろんパリピ全員が浮気性だと言っているのではなく、あくまで傾向の話です。以上の3つのポイントを中心に判断すれば、一途な男を見極めやすくなりますので、周囲の男性を観察してみてください。
2018年04月15日先日ある男性と話をしていたとき、男にとっての結婚の効果ってこういうことかもしれないと、はたと膝を打ちました。その男性は、結婚する前は、酒を飲んでは暴れていたそうです。仕事が終わるとなぜか毎晩、お酒が飲みたくなる。飲みはじめのときは、「今日こそはほどほどに飲もう」と決意する。でもお酒が進んでくると、どこかのタイミングで「ほどほど」を測る(計る?)機械がバカになって、とことん飲んでしまう。で、誰かとケンカする……自己嫌悪に陥る。でも翌日もまた……みたいな感じだったそうです。それが結婚した途端、お酒というものを毎晩欲しなくなったそうです。「とくに飲まなくても全然OK」とか「飲みたいと思わない」のだそう。で、まっすぐおうちに帰って、お酒なしで奥さんと一緒に夕飯を食べて、テレビを見て寝るそうです。子供ができたら、ますますお酒というものを日常的に欲さなくなり、また、たとえば車の運転が慎重になり、仕事では誰ともケンカしないよう理性をしっかりと働かせるようになったのだとか。*ぼくはお酒を飲んでケンカしたことはほとんどないですが(ということは少しはあるということだ)、この彼の言っていることがとてもよく理解できました。なぜなら、正月が明けてからというもの、お酒を飲みたいとまったく思わなくなったから。お酒ってほら、気持ちが荒れていたり、淋しかったりしたら、つい飲んでしまうみたいな側面も持っているじゃないですか。でもここ最近は、荒れる気持ちもないし、淋しくもないから、お酒なしで1万キロくらい歩けそうな気がしています。ぼくはよく恋愛コラムに「女子は男子より安定感がある。ゆえにすばらしい生き物だ」というようなことを書きます。安定感というのは、男子のように切れやすくないとか、けんかっ早くないとか、いかなるときも家庭的な雰囲気にさっと戻ることができるとか、なんかそういうことなのですが、結婚したらこのような女子が持つ安定感に心が侵食されていく感覚がある……言われてみればたしかにある……彼の話を聞きながら、こんなことを考えていました。それにしても以前はなぜ、あんなにたくさんのお酒が飲めたのだろう?焼酎のなんとか割を10杯飲んだら、きっと3リットルくらいでしょ?ひと晩に3リットルの水を飲めと言われたら「無理無理」ってなりますよね?なぜそんな量の水分を、みずから進んで飲めたのだろう?荒ぶる気持ち?淋しさ?今となっては昔の自分をうまく思い出すことができない。(ひとみしょう/文筆家)
2018年03月22日結婚を考えるときに心配なのが、彼がいい夫になるかどうかだと思います。いい彼ではあっても、いい夫になるとは限りません。結婚前は優しい彼だったのに結婚してから「こんなハズじゃなったのに...」と愚痴を嘆く方はとても多いのです。この記事では、将来いい夫になる男性の特徴を3つご紹介します。1:ささいなことで怒らない世の中にはどんなささいなことでも怒る子どもみたいな男性がいます。足が物に引っかかっただけで物を蹴飛ばしたり、スマホの動作が鈍くなったらスマホを投げつけるような男性がこの世の中にはいるのです。このような男性は、結婚するとささいなことであなたに怒るようになる可能性があります。いまの彼がささいなことでイライラしていたら、要注意です!逆に、何事もおおらかな男性は、結婚してからも平和な家庭が築けそうです。2:勉強家勉強家の男性はいい夫になります。勉強家の男性は、ローンを組む際や、お金が絡む部分で熱心に勉強してから投資をします。そのため、お金のトラブルに巻き込まれる可能性が低くなります。育児の場面でも子どもの勉強に付き合ってもらえまね。勉強家は、フェイクニュースに騙されにくいからです。3:親しき仲にも礼儀がある仲良くなったら暴力的な言葉を吐いたり、相手を傷つけるようなことをする男性は要注意。普段は猫の皮をかぶっていい人をやっていますが、その本質はやばい男性です。一緒にドライブに行く機会があれば、「横入りするなババア」「後ろから抜かれちゃったよ、チッ」など彼の本質をみることができるのでチェックしてみてくださいね。逆に言えば、どんなに仲良くなっても相手への気遣いや、言葉遣いに気をつける男性は中身もしっかりしていることが多いので、そのような男性は妻になったあなたにも産まれてくる子どもにも誠実に接してくれることでしょう。
2018年03月02日女性に好きな男性のタイプを聞くと、必ずと言ってよいほど「優しい人」という回答が出てきます。もちろん、優しい男性は、長いお付き合いにもなりやすいので、結婚にもつながる良いお付き合いが出来そう。でも、優しい男性はメリットだけではありません。優しすぎる男性と結婚すると色々なデメリットも出てくるみたい。そのデメリットとは一体どんなものなのでしょうか?今回は、優しいだけじゃダメ!優しすぎる男と結婚した場合に出てくるデメリットについてお届けします。結婚後に母親の肩を持つ優しい男性というのは、大抵全ての人間に優しくしたいと考えます。そのため、結婚後「嫁姑戦争」になった時、母親の肩を持つ確率も高くなるというのです。自分を生んでくれた母親に敬意を払う事はとても大切な事ですが、優しすぎるが故に奥さんと自分の母親の間で板ばさみになり、結局奥さんを守りきれないというケースも多々あるようです。優柔不断で物事を決められない優しい人というのは、みんなが出来るだけ傷つかない方法を探ろうとします。その為、周りの人の意見に左右され、自分の意見を主張できなかったり、物事を決められないことが多いのだとか。女性側が先陣を切って色々と決めていけるタイプの女性なら上手くいくかもしれません。でも、男性にある程度決めてもらいたい!引っ張って行って欲しいと思う女性は、彼の優しさが次第に、「なんて頼りないんだろう」と苛立ちに変わってしまうかもしれません。子供を叱れず威厳ゼロの父親になる優しすぎる男性というのは、子供に対しても叱ったり、注意したりすることが出来ないことが多いようです。優しいパパだと最初は子供にも愛されますが、子供はだんだん大きくなにつれて父親の本性を見抜いていきます。優しいのではなく、バシッと厳しく親の意見を子供に言えないのだと、舐められた存在に格付けされてしまいます。情けないただのおじさんに成り果ててしまう可能性も高いです。情に流され浮気をしてしまう優しい男性というのは、女性からの誘いも上手に断れません。「断ってしまったら相手を傷つけてしまう」と考えるので誘いを断れないのです。普通は、奥さんがいるからと断るのですが、優しすぎる男性は目の前で傷つかれるのが一番の苦手です。とりあえず、その場を何とかしようと、女性の誘いを断れないまま誘いに乗ってしまい、後で浮気がバレるという行動を繰り返してしまう事もあるようです。顔が良くて気が弱いというような男性は、結婚してから浮気の心配がグッと増えそう。優しい男性というのは、ケンカをしても強い口調で責めたりしませんし、穏やかに楽しく付き合っていける相手かもしれません。でも、自分の考えをしっかり持った上での優しさじゃないと、いつまでも優柔不断で結婚してもまったく頼りない旦那になってしまう事も多いんです。優しさにはいろいろな種類がありますが、相手を本当に愛して思いやれる「真の優しさ」を持つ男性を探すようにするのが幸せへの第一歩になるでしょう。written by 亀ぱんだ
2018年02月21日多くの結婚適齢期女子を悩ませる"結婚するする詐欺男"。あなたの周りにもいませんか?女の天敵!!と、分かりつつも、好きになってしまったら中々別れることが出来ないものです。そこで今日は、そんな結婚するする詐欺男を上手に改心させる方法をご紹介してみましょう♪なぜ結婚したくないのか?を探る"結婚する気はある"と、言っておきながら話を進めようとしないのが一般的な結婚するする詐欺です。この場合、多くの男性が本当に"する気"はあるんですよね。ただそれが今は無理!ってことなんです。もう少し遊んだら…貯金が出来たら…仕事が落ち着いたら…など今は無理な理由は様々です。彼が結婚するする詐欺男になっている本当の理由を探ってみましょう。そして、結婚したからと言って時間やお金を全て奪われるわけではないことや、生活面でサポート出来ることなどをそれとなく伝えてみましょう。いつ結婚するの?と迫らない男性に限らず、追われるほどに逃げたくなってしまうこと、ありますよね。特に男性は本能的に逃げてしまう人が多くいます。プロポーズはいつ?親にいつ会ってくれるの?いつまでに子供が欲しい!など、具体的に迫れば迫るほど男性を追い詰めてしまうのです。結婚話を進めたいからと自分の未来計画を相手に無理やり押し付けては、逃げていく一方。彼のペースや考えを理解し、お互いが歩み寄る努力をしてみましょう。また、彼を理解することで自分と考えがあまりに違うことが判ればきっぱり別れる覚悟も生まれるかもしれません。尽くさない結婚するする詐欺をする心理には、結婚はまだしたくない…でもこの子を手放したくはない!と思っている場合があります。これは、男性を甘やかしがちなカップルに多い傾向です。手放したくない!と言えば聞こえが良いですが、都合よく扱われている場合がほとんど。同棲していて家事全般を女性が面倒見てくれる…セックスしたいときにさせてくれる…など、尽くされるほどに結婚をチラつかせてでも側に置いておきたくなります。結婚話が進まないようなら付き合い方も変化させるべきです。追うよりも追わせることで焦らせましょう。女性次第で改心する可能性は十分あります!!男心を上手に操りましょう♪written by aya
2018年01月03日心配事は現実のものになるとはよく言ったもので、「こうやってヨメのことをネタに原稿を書いていたら、いつかヨメにバレて怒られるだろうな」と心配していたら、先日、本当に怒られました。「わたしのことを書くのなら、先にわたしの許可をとるべきでしょ?」とだけぼくに言ってくるのなら、まだかわいげがあるというものです。がしかし、我がヨメはあろうことか、「良妻賢母として書いてよ」と、ケチをつけてきました。いや、リクエストをしてきました。びっくりぽん!です。さて、年上の女性を取材していたら見えてくる、良妻賢母という言葉のむかしながらの解釈があります。たとえば60歳の、見るからに良妻賢母そうな女性がスナックで働きはじめたところに以前、取材中に遭遇したことがあります。彼女は言いました。「夫は弁護士で、『おれの稼ぎだけでやっていくから、お前は(!)専業主婦になれ。おれが帰宅するまで寝るな(以下、ご想像のとおり)』と、結婚当初わたしに言ったので、35年間わたしはずっと専業主婦でした。でも、最近は夫婦愛も覚めて、子供もうちに寄りつかず、ゆえに夫に内緒で、若い頃にしたくてもできなかったことをしたいと思っています。そのひとつが、スナックでバイトすることです。」35年のあいだに、外で伸ばす羽が錆びついてしまったのか、彼女は3日でスナックを辞めていきました。妻のことを「お前」と呼ぶことがすでに物語っているとおり、むかしながらの良妻賢母の解釈が、今の時代に通用しないことを物語っている、典型的な例かもしれません。では現代版「良妻賢母の解釈」とは?これは、男女平等と言われている現代の風潮にならって(?)、あるいは女性の読者の反感を買わないようにするため(?)、まずは男のことを考えてみようと思います。つまり「良夫賢父」のことを考えてみる。「良夫賢父」をなんと読めばいいのか知りませんが、パソコンで1文字ずつ打つと、こういう文字列が完成します。良き夫であり、賢い父親である…これはたとえば理性がちゃんとはたらく男であれ、ということである、という仮説がすぐに浮かびます。理性なき「良」も、理性なき「賢」も、ともに成立しないから。理性をはたらかせるためにはなにが必要か?むかしの賢者たちはこう言います。「思い込みで判断しないこと」「つねに、正しい判断とはなにかを『意識すること』」「自己愛を少なめにして真理を追究すること」などなど。すべて、かの有名なデカルトさんと、その周辺の哲学者たちの言葉および、その意訳です。夫婦はお互いに、相手を映す鏡なのだから、ダンナが「良夫賢父」であろうと努力すれば、ヨメも良妻賢母であろうと努力するかもしれない。これも一般論として言えることだろうと思います。鏡であるというのは、こういうことですよね。「そうあろうと努力する」のに必要なことは、デカルトさんたちの言葉をお借りするなら、たとえば「思い込みで判断しない」ように日々「意識すること」となります。冒頭に戻ると、我がヨメはぼくの原稿を読みながら「良妻賢母として書いてよ」と、のたまわりました。我がヨメは「ぼくが彼女のことを良妻賢母として書いていない」と、思い込みで判断し、その判断が、ヨメをしてそう言わしめたのかもしれません。もしそうであるなら、そして、夫婦の鏡の法則から判断するなら、ぼくもヨメのなんらかを思い込みで見、判断している、ということになります。あるいは、ぼくがヨメのなんらかを思い込みで見、判断しているという、ぼくが意識していない事実を、ヨメはすでに知っている、ということになります。他人が意識していないことを知り、それを相手にうまく指摘できるというのは、先人いわく「良」き人であり、「賢」い人です。「人」を拡大解釈すれば、女性の場合、妻や母という言葉と入れ替え可能でしょう。ということは、ヨメはすでに良妻賢母だということになります。びっくりぽん!です。(追伸。我がヨメよ、こんなんでええか?)(ひとみしょう/文筆家)
2017年12月20日誰もが知っているとおり、英語で1000のことをthousandと書きますが、これを、しばし迷って「象さん」と読んだ人がいて、聞いた瞬間おおいに笑ってしまいました。tho(ぞ)u(う)san(さん)d(発音しないと決める)で、たしかに「ぞうさん」と読めなくもないし、最後の「d」はべつに発音しなくったっていいし…エルメスの頭のHだって発音しないわけだし。英語の授業中の出来事で、先生に当てられた女性は、ホントの読み方は知らないけど、どうにかしなくちゃならなかったから、必死で読み方を考えたのち、象さんと読んだのでしょう。まちがっていると薄々わかっていても、期せずして英文の途中に登場した「1000」を読まないと授業を止めてしまうことになるという強い責任感が、彼女の記憶のどこかから象さんを引っ張り出してきたのでしょう(象さんもビックリしたと思う。「今、このタイミングでおれ?」ってな具合に)。夫婦のあいだにも「ホントのところは知らないけど、一応どうにかしなくちゃならないこと」があります。たとえば彼女のお母さん、つまり義理のお母さんが、ぼくらの結婚式についてどう考えているのか?ということは、ぼくは知らない。もちろん漠然と「こう思っているのだろうなあ」という推測はします。でも本当のところはよくわからない。みんなで寄り集まって話せばいいことですが、お互いに「これを言ってしまうと、こっちの家がわがままだと見られてしまうかもしれない」など、いろんな細かな感情が作用することだってあるでしょうから、お互いになかなか話を切り出せない。ゆえにホンネが見えない。結婚式のことがぼくとヨメの間でほぼ話題に上がらず、でもそろそろ場所や日程、おおざっぱな内容などを決めないと周囲の人たちがいぶかしく思うだろうなと内心焦っていたぼくは、ヨメに尋ねました。「結婚式どうする?」と。なぜなら男として、結婚式を一応どうにかしなくちゃならないという責任感があったから。ヨメは答えました。「ふつうの結婚式でいい」と。ぼくは即座に言い返しました。「ふつうでいいと言ったところで、お義母さんには『こういう結婚式にしたい』という思いがあるかもしれないから、お義母さんに相談しといてよ」と。なぜかふと、お義母さんという言葉が口をついて出てきました。言いながら「しまった」と思いました。「しまった、先にお義父さんのことを聞くべきだった」と思いました。女の子の家庭って、お父さんとお母さんどちらが娘をヨメに出すことをナーヴァスに感じているのかといえば、おそらくお父さんだから。でも「お義父さんは結婚式になにかリクエストないの?」と、ぼくはヨメに聞けなかった。同性は同性の気持ちに敏感だから。わが娘を嫁に出すお義父さんの心中を思えば…少なくともぼくはなにも言えない。お義父さんは、かわいい娘の結婚式について思うところがあるにせよ、きっとそれをまだ言語化できるところにはいないであろうと想像したら、なにも言えなかった。ましてや「知ったか」をして、「お義父さんも哀しいだろうね」とは、口が裂けても言えなかった。thousandを象さんと読むかのごときユーモアは、ぼくらの結婚式の話題においては、どこにも見当たらなかった。世界中の人々がthousandを「ぞうさん」と発音する日が来たら、5000ドルは「five ぞうさん だら~ず」となり、静岡や愛知の人はきっとうれしいのだろうなあとぼんやり考えているぼくに、ヨメは言いました。「わたし、結婚式にあまり興味がないから」。「でもお義父さんとお義母さんは、娘の結婚式のことを真剣に考えているはずだよ」ぼくはこう答えました。しばし重たい沈黙があり、会話はここで途切れました。その後も沈黙が続きました。英語の授業中に、知ったかで強行突破した「ぞうさん女」のことが、とてもまぶしく、勇気ある女性として思い出されたひと時でした。おおいに違和を感じつつも、象さんと発音しきった彼女に、たくましく生き抜いてきた胆力を感じたのです。(ひとみしょう/文筆家)
2017年12月08日いくら関係良好な彼女であっても、“結婚”となると男は慎重になります。状況や環境を考え、将来を見据えて答えを出します。しかし、ときにそんなものを度外視して、男が「結婚したい!」という衝動に駆られることがある。それはどんな女性に対してなのか?今回は、男が「この子となら早く結婚したい」と思う女の特徴についてご紹介しましょう!文・塚田牧夫とにかく明るい「職場にめちゃくちゃ元気で明るい女性社員がいて。ミスしてもめげないし、そんな彼女を見ている周りも明るくなる。密かに想いを寄せてる男性社員は本当に多かったけど、今度結婚するという話を聞いて、相手の男を心底羨ましいと思った! 俺もあんな子とだったら、すぐに結婚したい」ユウダイ(仮名)/27歳凹んでいるときに、明るく励ましてくれる存在はありがたい。人生なんて挫折の連続ですから、男はそういう子に傍に居て欲しいと思うもの。“明るくいる”というのは、簡単にできるものではありません。まずは、笑顔でいることが大事でしょう。子ども好き「待ち合わせをしていて、彼女が三十分も遅刻してきたことがありました。こっちはちょっとキレてた。すると、小さい女の子とお母さんが近付いてきて、彼女にお礼を言い始めたんです。なんでも、迷子になっている女の子に出くわし、一緒にお母さんを探してあげていたのだそう。超いい子だ……と感動しました。惚れ直しました」ヨシトモ(仮名)/29歳「子ども好き」と言う女性は多いですが、ただ可愛がるだけなら誰にでもできます。最後まで面倒見てあげるのが難しい。男もそういったところはちゃんと見ているものですよ。ご注意を。顔がドストライク「彼女はめちゃくちゃ可愛いっていうわけではないんですが、ものすごい僕のタイプの顔なんです。顔を見ると大抵のことは許せちゃう。多分こんな子はもう現れないと思うので、結婚したいと思う。誰にも渡したくないですからね」コウタ(仮名)/27歳結婚相手を選ぶにあたって、性格はもちろん大事。でもやっぱり、顔も大事なんです。男も別に、絶世の美女を求めているわけではありません。好みのタイプであればいい。タイプというのであれば、年齢を重ねたらタイプじゃなくなる……ってことはありません。タイプはタイプのまま。だから、もしあなたが顔で選ばれたとしても、嫌悪する必要はありません。親を大事にする「父親が突然倒れたという連絡が来たときでした。その日は夜に彼女と約束があったんですが、理由を告げてキャンセル。仕事が終わって病院に駆け付けたんです。そうしたらなんと、彼女がそこにいた。心配だからと来てくれたんです。容態もたいしたことなくて良かったし、彼女との愛も一気に深まった気がしました」ダイチ(仮名)/31歳自分の親だけでなく、彼の親まで気に掛けてくれるような女性は、男にとって理想です。なにより、将来像を描きやすい。親との関係性は、結婚を考えるバロメーターにもなるので、気を使うべきでしょうね。男が「この子となら早く結婚したい」と思う女の特徴をご紹介しました。結婚に関しては男も慎重です。上記のような一面を見たとしても、本性を入念に探るでしょう。そういうときにボロが出てしまわないよう、日々気をつけましょう。(C) Sergey Nivens / Shutterstock(C) Sofia Zhuravetc / Shutterstock(C) Nina Buday / Shutterstock(C) StudioByTheSea / Shutterstock
2017年12月02日結婚願望のある女性にとって、いつまでもその気がない男性とお付き合いを続けるのはリスキーです。一般的に、男性よりも女性の方が結婚に焦る人が多いのは事実。遊びではなく、彼に本当に大切にされているのか気になるものです。結婚願望のない男性の見分け方を知っておき、無駄なお付きあいをする時間をセーブしましょう。長く付き合っているのに家族を紹介してくれない大人の男女が付き合っているなら、ある程度の段階で家族を紹介してくれるのは普通の流れです。彼も「真剣に交際している女性がいる」と両親に話すはずですし、家族の方も「彼女を紹介して」「結婚はしないの?」と声をかけるもの。いつまでたっても家族に会わせてもらえないのなら、よほどの家庭の事情がない限りは脈なしだと思って良いでしょう。彼に何気なく家族の事を質問してみたり、煮え切らないようなら「私の両親があなたに会いたがっている」とカマをかけてみるのも方法です。浪費が激しい将来を考えているなら、いつまでも遊んでいるわけにはいきません。貯金をしなければ結婚は難しいので、それなりに節度のある生活を送るようになるはずです。彼女がいるのに毎晩飲み歩いていたり、趣味に多大なお金をかけているという男性には要注意。このような人と万が一結婚が出来たとしても、添い遂げるのは困難ではないでしょうか。優先順位が低い彼女を心から愛し、絶対に他の男性にとられたくないのなら、彼女と会う事を出来るだけ優先してくれるはずです。そのような男性は、勿論結婚も視野に入れてくれています。しかし「先約があるからごめん」「今日は疲れたから会えない」などといつも誘いに否定的な場合、単に都合の良い女性としか見られていないのです。付き合っている男性を信じたい気持ちはわかりますが、こちらがアクションを起こしてもそれにのってきてくれない場合、早めに見切りをつけることも大切です。あからさまに結婚を迫られるのを嫌う男性は多いので、不安な場合は賢く彼の態度を探ってみて下さい。
2017年11月30日世の中のおとーさんたちが、お小遣い制という言葉をこよなく愛しているのか、忌み嫌っているのか知りませんが、ときどきテレビの中継で「不景気ですが、お小遣いのほうは?」と、リポーターが新橋駅前になぜかいるおとーさんに尋ね、「いや~、嫁に小遣いを減らされまして」なんて答えているのを見るにつけ、お小遣い制に内心、反対しているおと~さんも大勢いるのではないかと思います。お小遣い制度 VS 夫婦別財布お小遣い制にするのか、夫婦別財布にするのか?は、夫婦のいかなる話し合いによって決められているのか?について、ぼくは長年興味を抱いていました。だって、新橋駅前の寒空の下、缶コーヒーをすすりながらリポーターに愚痴をこぼすくらいなら、夫婦別財布にして、喫茶店に自由に入ることができる環境くらい、大のオトナとして確保したいと思うのが人情ってものでしょう。それをみすみすお小遣い制にさせられてしまうおとーさんたちって、どういう思考回路をしているのか、不思議でならなかったから。なにもおとーさんたちを批判しているわけでなく、単純にその思考回路を知りたかった。男の条件反射を刺激せよ先日、この積年の疑問が一気に解消されました。「一緒に住んだら、家賃とかどうする?」と、ヨメはぼくに尋ねました。家賃とか、の「とか」がかなり曲者だと、瞬間ぼくは感じましたが、つねに冷静沈着なヨメを前に、「とかってなに?」と言うことができず、「毎月決まった金額を渡すから、そこから払えばいいよ」と答えました。こういうのはもう、男の条件反射みたいなものです。「家賃、折半ね」と、しれっと言える反射神経が欲しかったと思っても、そんなもの、あとの祭りですよ。続けて、「わたしのお小遣いは?」と、ヨメが尋ねました。「毎月渡すお金の中から自由にとればいいよ」と、ぼくは答えました。「ということは、あなたもお小遣い制になるけど?」と、ヨメは、しれっとぼくに言いました。今度は「けど」が怪しい、なにか良からぬにおいがプンプンする、とぼくは思いました。が、長年このカラダに染みついてしまっている哀しい反射神経ゆえ、ぼくは「はい」と答えそうになりました。が、ここは踏みとどまった。新橋の駅前で、鉄でできている黒いメタリカルなSLよりカタくこわばった表情で缶コーヒーをすすっているおとーさんたちの姿が、反射的に脳裏をよぎったから。しばし沈黙がふたりを包みました。新橋のおとーさんたちが束になって、「お前、ここで踏ん張らないと、哀しい結末にしかならないぞ!寒空の下で飲む缶コーヒーもいいけど、ルノアールで居眠りこくのもいいぞ」などと、頭の中で応援してくれていました。おとーさん100人くらい?もっと?だからぼくは「小遣い制でもいいけど、おれ、個人事務所を持っているから、会社の経費とかいろいろあって…」と、思いつく限りの、かつ、ヨメが否定しづらそうな言葉を並べました。その間中ずっと、ヨメは黙ってぼくの話を聞いていました。ぼくの言い訳の言葉が尽きてもなお、ヨメは黙っていました。ぼくも負けじと黙っていました。がしかし、長年このカラダに染みついてしまっている哀しい反射神経ゆえ、気づくと「まあ小遣い制でもいっか」と口走っていました。沈黙はカネなり…!「沈黙はキンなり」という言葉をヨメは、幼い頃から「沈黙はカネなり」と読んできたのかもしれません。沈黙はカネなり…ってまあ、確かにそのとおりやなあ…と、新橋駅前にいるおとーさんたちも、物言わぬSLをぼんやりと眺めつつ、新婚当初、感心したのかもしれません。感心している場合では全然ないけど。(ひとみしょう/文筆家)
2017年11月14日先日、長年愛用していたジャケットの、片方の袖口のボタンが1つ取れました。こういうとき、世の男たちはきっと「彼女がいてよかったなあ」と思うのだろうと思います。ぼくもそう思ったし、きっと隣の部屋に住んでいる、名前も知らない不器用そうな顔をしている男も、こう感じるはずです。なぜなら世の男の多くは、裁縫はおろか、ボタン1つ付けることができないから。男子にとって"女子力"は「スゲ〜!!」裁縫のなかにボタン付けは当然含まれるはずですが、裁縫ができるというのはたとえば、「子供服を作ること」であり(最低でもランチョンマットが作れることであり)、ボタンをつけることと子供服を作る(ランチョンマットを作る)ことの間にはかなり乖離があり……しかし、ようするにもう、ボタンを付けることができる女性も、ランチョンマットを作れる女性も、子供服を作れる女性もみな、男にとってはスゲ~わけですよ。女子だって、そういうことができる女子をスゲ~と思いますよね。最近はスゲ~とは言わず、しれっと「女子力」と言うのかもしれませんが。で、その「スゲ~」を我がヨメに感じたくて、ぼくは彼女に「悪いけど、袖口のボタンが取れたから付けてもらえる?」と言いました。いついかなるときも冷静なヨメはまず、ぼくのジャケットの両方の袖口を手に取って眺めました。右の袖口に3つボタンがついてあり、左には2つ付いていることを確認したヨメは、ぼくに言いました。「ジャケットを買ったとき、スペアのボタンがあったでしょ?」と。「そんなもん、もうどっかにいった」と、ぼくはしれっと言いました。言いながら内心、「彼女にユザワヤ(手芸用品を多数取り揃えているスゲ~お店)に行かせることになって悪いな」と思いました。がしかし、長年愛用してきたジャケットに対する愛情もあります。しばし沈黙がありました(きっと彼女は、いかにしてユザワヤに行かなくて済むかを考えていたにちがいない。うちから遠いから)。ほどなくしてヨメの口から、超画期的なひと言が出てきました。さらに「スゲ〜!!」嫁の発想とは…「これさ、右のボタンを1つ取って、左右2個ずつにして、最初から2個しか付いていなかったことにすればいいじゃない」「ワイルドな発想やな」動揺しつつ、ぼくはこう答えるのが精一杯でした。ぼくの常識の中に「取れたボタンは付けるもの」というのはあっても、ボタンが取れたらさらに取るという発想はなかったから。続けてヨメは、満面の笑みでこう言いました。「ワイルドなヨメはお好き?」。ぼくはさらに動揺しつつ、気づいたら「はい」と答えていました。こんなもん、「はい」と答えるしかなかろうが。(ひとみしょう/文筆家)
2017年11月06日気づいたらなんとなく結婚しましょうかということになっていたので、ぼくは彼女に対していわゆる正式なプロポーズというものをしたことがありません。で、「プロポーズなしの交際とか結婚というのも、この世にあるんだなあ」と、しばし感慨にふけっていたら、彼女が「正式なプロポーズはいつでもいいからしてね」と、こうきたもんだ。「通帳を見せてください」って…先日、テレビ東京の「通帳を見せてください」という番組を見ていたら、ある日いきなり30万円引き出している彼氏の通帳を見た彼女が、「この30万円って、なにに使ったの?キャバクラ?」と言っていました(今時、キャバクラで30万円も使えないですよね…レミーマルタンの時代じゃないんだから)。実際には、彼が彼女に交際だか結婚だかのプロポーズをしたときに、指輪だかなんだかを買った費用だったらしいのですが。こういう彼氏がいるということは、「プロポーズはしかるべきお金をかけて、しかるべき手段を踏んでお願いします」と思っている女子がいるということで。そういう女性がいる一方で、正式なプロポーズなしに結婚となったぼくは、「世の中には非常にものわかりのいい女性がいるもんだな」と、なかば彼女のことを尊敬していました。結婚式やそのあとの生活を思えば、お金などいくらあっても足りないんじゃないかと思えるほどで、プロポーズが0円で済んだというのは、なんて合理的な考えの彼女なんだろう…もう少しお金をかけてもいいから、非合理的なプロポーズをしてもよかったかな。テレビ画面に映る他人の通帳を見ながら、ぼくはこう思っていました。この、ぼくの気持ちを見事に見抜いたのが、ほかでもないぼくの嫁候補。通帳を見せるから、おれの表情を見るなよな、とも言えないしね。毛を逆立てているネコのスタンプが返ってきました彼女はしれっとぼくに言いました。「できればサプライズ感のある正式なプロポーズをしてほしい」と。だからぼくはある日、彼女とLINEで何気ないトークをしているときに「結婚してください」という文章を送りました。何気ないトークのなかに「結婚してください」という一文を混ぜると、サプライズ感が出るプロポーズになりえると考えたからでした。ソッコーで、毛を逆立てているネコのスタンプが返ってきました。ネコの絵に、ご丁寧に「シャー」という擬容語がついているスタンプでした。少しばかり反省したぼくは後日、彼女への「おはようメール」のあとに「結婚してください」と送りました。しばらくして「ケンカ売ってる?」という、非常にシンプルなお返事が返ってきました。とても静かな、神聖な朝の出来事でした。ぼくにだけなんらか致命的な欠陥があるのか、世の多くの男たちにも共通する欠陥なのか、よくわからないのですが、ぼくにはサプライズを演出する方法がよくわからないのです。わかるかわからないか、で言えば、おそらく「調べるとわかる」のだろうと思います。ググればいくらでも答えが出てくる時代、「調べるとわかる」。シャー!でもどこかしら気恥ずかしいのです。サプライズってたとえば、しんとしたレストランでいきなり明かりが消えて、ハッピバースデーが流れて、火を灯したろうそくが立てられたスイーツのプレートが運ばれてきて、多くの店員さんがテーブルの周囲を取り囲み、なんならそこに居合わせたお客さんもハピバを歌って、歌い終わって店内に明かりが戻ると、ぎこちない表情になっているお誕生日の人がいるあれのことでしょ?たとえばこれがサプライズでしょ?こういうのを彼女は望んでいるのだろうか?彼女が言う「サプライズ感のある『正式な』プロポーズ」って、なんだろう?ハピバみたいに強烈なやつじゃなくとも、レストランで食事をしている途中に指輪を渡すことか?と思ったところで、彼女はかなり強烈な金属アレルギーときたものだ。こっちが毛を逆立てているネコのスタンプを送りたいくらいだ。シャー!(ひとみしょう/文筆家)
2017年10月26日先日、彼女とちょっとした高級串揚げ屋に行きました。と書くと、「自慢か?」と思った人、そう早まるなって。「巻き」でデートを楽しもうと思ったわけですよあの~ですね、40歳も過ぎて結婚するとなると、どうしても「巻き」でやったほうがいいことがいくつか出てきます。食事デートもそのひとつだとぼくは考えています。20代30代のカップルであれば、これからいくらでもふたりで食事デートを楽しむことができますよね。時間はまだ、たっぷりとあるのだから。でもこれが40歳を過ぎると、どうしてもすべてにおいて発想が逆算になるわけです。「彼女とあと何回、食事デートを楽しむことができるかな」と。もちろん、何回でも楽しもうと思えばそれも可能なわけですが、40歳を過ぎるとリアルに、いわゆる定年のことが頭をよぎります。ということは、定年までにやり遂げておきたい仕事がいくつも脳裏をよぎるわけで、そうそう「今日も高級串揚げ屋でデートしました」と、インスタに写真をあげている場合ではない。ということで、3回分のデートの楽しみを1回のデートにハメこんでしまえと思って、ちょっとした高級串揚げ屋に彼女と行ったわけです。「あ、これ食べます」お酒がすすんだときのぼくのクセとして「みんなで楽しむ」というものがあります。みんなというのは、そこの店にいるみんな、つまり彼女はもとより、店員さんやカウンターの隣に座っているお客さんも含めてということ。その日はすでに遅い時間ということもあり、カウンターにはぼくたちふたりしかいませんでした。ホールにアルバイトの女子が1名。このアルバイトの女子がまた、マジメな素人とみえて、少し食べ残しているぼくらの皿を頻繁に下げに来るのです。たとえばウズラの卵の揚げたやつを1つ皿に残しておくと、「お下げします」と言って下げようとするのです。そのたびにぼくは「あ、これ食べます」と言って、下げるのを阻止していました。が、「これ、食べます」と言っても場が盛り上がらない、つまりアルバイトの女子も含めてみんなで楽しめないなと、酔っぱらいつつある頭でぼくは考えました。ぼくはふざけてなんかいない。多分。やおら、案の定、今度は箸休めに注文した「いぶりがっこ(大根の漬物のようなもの)」の最後の一切れを少し齧って皿のすみっこに置いているのを見たバイト女子が、「お下げします」とやってきました。すかさずぼくは「君、これ、食べる?食べるんやったら下げて向こうで食べてくれていいよ。でもぼくの食べかけだから、新しいいぶりがっこを頼んであげようか?なんなら一緒にお酒でも飲む?」と言いました。バイト女子は恥ずかしそうに、でも笑いながら(多分おもしろかったんだと思う)、「すみません。食べません」と言って(当たり前だ)、皿に伸ばしかけた手をぎこちなさそうに戻し、どこかに去って行きました。それを見た彼女が、半ギレ気味にぼくに言いました。「ふざけるのもいい加減にしなさい」。ぼくはふざけてなんかいない。「巻き」でデートを楽しもうと思って、みんなのことを楽しませたいと思っているだけだ!と、心のなかで叫んだところでどこ吹く風。彼女は「家に帰ったら説教ね」と、背筋を伸ばしシブイ顔をしてウーロン茶を飲み干しました。ぼくはふざけてなんかいない。多分。(ひとみしょう/文筆家)
2017年10月19日これからお相手のご両親に結婚のご挨拶に行く予定がある人は、あるいは知っておいて損はないと思いますが、堅苦しい雰囲気になることが想定される挨拶のときって、誰もが「言いづらい言葉」を胸に抱えています。ゆえに妊娠という言葉は使えないたとえば妊娠という言葉。挨拶のときに「彼女が妊娠したらすぐに、彼女と一緒に暮らしはじめたいと考えております」と言いたいシチュエーションって、まあ、ごくふつうにあります。相手のご両親だって、今後のわれわれの予定を一応であれ知りたいわけですから、「いずれ彼女と一緒に住みます」では言葉足らず。いつから一緒に住むのかを、具体的に述べようと思えば、そのタイミングを超具体的に言う必要がある。ゆえにたとえば「彼女が妊娠したら」となる。がしかし、彼女のお父様の耳に妊娠という言葉が入ってしまえば……当然「こいつはおれの娘とヤッたんだな」と想像(妄想)することでしょう。世界中でもっともかわいらしい生き物は、わが愛犬でもわが愛ネコでもなく、わが娘。こういうことを思っている彼女のお父様に、ヤバい妄想のきっかけを与えるのは得策ではない。ゆえに妊娠という言葉は使えない。「あの行為が現実のものとなれば」結婚という言葉も微妙。無論、結婚のご挨拶にうかがっているわけだから、結婚というワードが会話の端々に出ても、ちっともおかしいことではない。結婚という言葉を使うことなく、「あれが(=結婚が)」とか「あの行為が(=結婚が)現実のものとなれば」とか「ふたりがあそこ(=結婚)に到達すれば」なんてややこしい言葉を使うと、「あそこに到達するって……あそこって……あそこはあそこだろ!この変態野郎!」と怒られないとも限らない。そんな妄想をしていたらやおら、彼女のご両親のほうから結婚という言葉を口にしはじめました。ラッキー!「結婚したらどこに住む予定ですか」とか「娘と結婚したら、娘もほっとして、もっとまるい性格になると思います」とか、とにかく結婚の二文字を口にした彼女のご両親。大空に羽ばたいた瞬間ぼくはすかさず言いました。「あの~……どこに住むか、というか……もしご両親に結婚をお許しいただけるのであれば、ということがありまして……」言葉を濁しまくって、ぼくはやっとの思いで、おうかがいを立てました。彼女のお父様は、超イヤな上司ではなく、きわめて物わかりのいいステキなお父様でした。「娘があなたと結婚したいというのであれば、娘ももういい歳なのだから、結婚すればいい」お母様もいい女性でした。「結婚したらいろんなことがあると思うけど、わたしたち夫婦も、どうにかそういうことを乗り越えてやってきたのだから、あなたがたもきっといい家庭を築けると思う」。究極の状況を乗り越える方法は、下から上を見上げるかのごとく「おうかがいを立てること」。ブラック上司に毎日、心折れていた27歳の頃の思い出が、大空に羽ばたいた瞬間でした。(ひとみしょう/文筆家)
2017年10月05日若いころなら「あの人は優しい!」「この人はカッコいい!」というだけで男性を選べたかもしれませんが、アラサー世代ともなれば、彼氏や結婚相手を選ぶ条件として外せないのは「この人は仕事ができるか、できないか」ではないでしょうか。そこで今回は、仕事ができない男性の特徴をご紹介します。結婚相手選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。何事も他人まかせで、人のせいどんな小さな仕事でも、自分に任せられたら責任を持って全うするのが、仕事ができる男です。反対に、仕事ができない男は何事もすべて他人まかせです。自分では責任を持ちたくないので、誰かに仕事を押しつけます。そして、その仕事が上手くいかなかったときも「僕は○○だと思ったのですが、▲さんが、そうやってしまったのです」とミスを人のせいにします。こういうタイプの男性は、デートのときも、すべてプランは女性任せにするくせに「このレストランはイマイチだったね」などと文句だけ言ってくるタイプ。これでは仕事もプライベートも責任を持って、主体的にぐいぐい進めていける男性ではなさそうですね。有言不実行!口だけ達者でもダメ!「僕は必ず契約をあと3本取ってきます!」などと威勢だけはいいけれど、いざとなると、まったく仕事の目標を達成できない…こんな人、周りにいませんか?口だけなら誰にでも言えることです。それを実行するからこそカッコいいのに、口だけ立派で、行動が伴わない…。社会人としての信頼性に欠けますね。一番カッコいいのは、何も口にしないで、どんどん実行できる男性ですが、社会人としてはチームワークも必要ですので、自分の目標を言葉にして伝えることも大切です。でも一度言葉にしたのなら、それが達成できるように必死で頑張るべき。その場だけ取り繕うような言葉が口からポンポンでてくるけれど、実行力がないという男性ほどダサいものはありません。こういう男性は、「結婚を考えているよ」「君しかいないよ」などと言いながら、いつまでも具体的に行動(プロポーズ)しないタイプでしょう。夢や目標、趣味がない男仕事をするにあたり、具体的な夢や目標がなく、ただダラダラと毎日を過ごしているような男性も、仕事ができるタイプではありません。「お客様を笑顔にしたい」「自社の商品を1人でも多くのお客様の手に届けたい」「年収1000万になりたい」など、どんな目標でもいいので、心に強く描いている男性は、その目標に向けて何をすべきかを日々考えて行動するようになるので、仕事ができる男へと成長していくはずです。逆に「ただ毎月のお給料さえもらえればいいや」と思っている男性は、現状維持どころか、この先下降線をたどっていくでしょう。また、仕事ができる男や、各業界での第一線で輝いている人たちというのは、本業以外に何か打ち込める趣味を持っている人が多いと言えます。趣味の世界での人脈を大切にし、そこから仕事に繋げる人も少なくありません。つまり、家と職場の往復だけで満足している男性よりも、仕事にも趣味にも没頭しているアクティブな男性のほうが、将来有望なできる男と言うわけです。言い訳ばかりする男仕事のミスや納期おくれについて、自分の言い訳ばかりする男性も仕事ができるタイプではありません。仕事は遊びではありません。きちんとできて当たり前。それができていなかったときは、ただ一言謝って、すぐに正しくやり遂げる責任感が必要です。仕事のできない男は「仕事が忙しかった」「体調がわるかった」と言い訳だけは抱負です。言い訳ばかりで、実行しない男性は、部下としても上司としても、軽蔑され嫌われるタイプです。出世は見込めないでしょう。スマホいじりやタバコ時間が多すぎ!?集中力がないあなたの会社にも、いつもスマホをいじっていたり、頻繁にタバコを吸いに出ていったり、ふらっとどこかに消えてはコンビニの袋を持って帰ってきたりする男性社員はいませんか?この人たちは、実質何時間デスクで仕事しているでしょう。おそらく休憩時間以外はきちんと仕事をしている人たちと比べたら、2/3程度の実労働時間しかないのではないでしょうか。すぐにフラフラと席を立つタイプの男性は、恐らく仕事が早く終わったから立ち歩いているのではありません。単に集中力がないのです。もし仕事が早くデキる男なのであれば、そのタバコやコンビニ、スマホにかける時間で、もう一仕事終わらせているはずです。この手のタイプの男性は、結婚しても休日に家でも同じようにタバコを吸ったり、ゲームをしたり、テレビのチャンネルをザッピングしたりと、ひとつのことに打ち込めない生活を送るかもしれませんよ。結婚するなら、職場で信頼されている男性をいかがでしたか?仕事ができない男性は、結婚生活にも向かない傾向がありそうですね。あなたがもしこれから結婚相手を見つけるならば、ぜひ職場で「あいつは仕事ができる」「あの人なら仕事を任せておいて安心だ」と言われる男性を選びましょう。その「社会人として信頼されている」というスペックは、見た目や年収よりも、もしかしたら結婚相手選びをする際の、とても重要なファクターかもしれませんよ。
2017年10月05日「結婚できないんじゃなくて、しないんです」と、ガンと言ってのける女性がいます。言わなくても、その雰囲気を漂わせている人もいる。そんな女性に対して男はどう思うでしょう。「そりゃ結婚できないよ……」と密かに思っている場合も。でもなかには、納得の理由で結婚していない方もいます。今回は、男がグッときた女の結婚できない理由をご紹介しましょう。文・塚田牧夫親を背負わせられない「職場に40代の先輩がいるんですが、すごくキレイなのに結婚してなくて。あるとき、その理由を何気なく尋ねたんです。そしたら結構マジな話でした。数年前に父親がくも膜下出血で倒れて、半身不随になってしまったんだそう。母親と一緒に介護していたけど、その母親も具合が悪いらしくて、ひとりで二人の面倒を見ているそうです。妹がいるけど、すでに結婚して出て行ってしまっているので、もう自分が面倒見るしかないと言ってました。だから『親を背負わせるわけにはいかない』って。そう語る先輩の寂しそうな横顔が、なんか美しかった……」ハジメ(仮名)/28歳元カレを忘れられない「友だちに紹介された女性の話です。僕よりも5つ年上で、すごく落ち着いていて、紹介されてすぐに好きになりました。何度か食事にも言って、告白もしたんですけど、断られちゃって……。理由を聞いたら、『元カレが忘れられない』と。もう5年以上も前に別れた彼氏らしいんですけど、すごく好きだったそうです。そのころ彼女は仕事で悩んでいて、精神的にも追い込まれていたそう。彼氏に罵声を浴びせたり、毎日のように『別れる』と繰り返していたそうです。いったん距離を置こうということになり、別れはしたんですが、彼は心配して毎日のように連絡をくれたそうです。それでも素直になれず、突き放していた。やがて仕事も落ち着いてきたころには、彼には新しい彼女ができていて、そこで初めて失ったものの大きさを知った。後悔しかなかったと。今でもずっと忘れられなくて、ほかの人と付き合ったりすることは考えられないと言われました。思い出には勝てないですよね……」ヒロ(仮名)/29歳夢がある「最近転職してうちの会社に入ってきた女性のこと。30代後半ぐらいの独身。その人がすごく付き合いが悪いんです。会社の飲み会にもまったく顔を出さない。正直、みんなから反感を買ってて、『だから結婚できないんだよ』なんて言う人までいました。で、このままじゃマズいと思って、せめて顔ぐらい出したほうがいいと伝えたんです。そうしたら、自分のことを話してくれました。もともと画家になりたくて美大に進んだけど、途中で諦めてしまった。でも、30歳を過ぎてもう一度チャレンジしようと思ったそうです。いまは海外に行くためにお金を貯めていて、仕事が終わると夜は別のバイトをしていると。しかも、深夜に帰ってから創作活動もするので、まったく時間がないんだそうです。結婚なんて当分は考えらないって言ってました。聞いてて身につまされましたね」マサヨシ(仮名)/30歳男がグッときた女の結婚できない理由をご紹介しました。「結婚できないんじゃなくて、しないんです」という女性たちには、頑なな姿勢になる理由がきちんとあります。その人が独身だからといって、考えずに言葉をかけるのはやめましょうね。いい話ではなかったとしても、お互いにあんまり尖った姿勢は良くないですよ。(C) VGstockstudio / Shutterstock(C) Goran Bogicevic / Shutterstock(C) David Tadevosian / Shutterstock
2017年09月30日なんらかの努力をすることで、じぶんの人生や運命を変えることができる、というのは世間で、あまりによく言われていることですが、それがすべてではない。たとえば「そういう発想があると知らなかった」ことが、人の運命を変えることもよくある話。逆説的にいえば「そういう発想があると『知ってさえいれば』、運命は大きく変わる」ということ。悔やんでいない元風俗嬢だって、大勢いるのにねたとえば以前、小説を書くにあたって風俗嬢を取材したとき、ある風俗嬢は「風俗でバイトするという発想しかなかったから、風俗業界ではたらくようになった」と言いました。人が風俗ではたらくことを検討しはじめるとき、それはたいてい、お金に超困ったときです。話を聞かせてくださった24歳の大手メーカーの受付嬢も、お金がなかった。いい大学を出ていようと、一部上場企業に就職していようと、若くして都内でひとり暮らしをし(オートロック付/バス・トイレ別/2階以上/駅近)、それなりに化粧品や洋服を買うと、どうしても毎月、お給料だけで生活するのがむずかしい。誰に教わることなく、クレジットカードの支払いを、キャッシングでまかなうようになる。お金がない。さて、どうしたものか。彼女には、生活を切り詰めるとか、シェアハウスに引っ越して生活費を安くする、というような発想がなかった。「お金がない=風俗バイトをする」という発想「しかなかった」。ゆえに高収入バイトのサイトをのぞいて、風俗バイトを始めた。24歳で大手企業の受付という肩書の風俗嬢は、高級デートクラブでいたく人気だそうで、彼女はお金がない状況からすぐに脱することができたものの、風俗バイトを「黒歴史」と思いこみ、じぶんの過去を悔やんでいるとのこと。悔やんでいない元風俗嬢だって、大勢いるのにね。「娘さんと結婚させていただいてもよろしいでしょうか」さて前回の、結婚のご挨拶における「娘さんをください」という言葉を、ほかの言葉に置き換えたら、という話。彼女のお父様に「結婚を前提におつきあいさせていただいております」と言ったら、お父様が「娘がお世話になっております」と言って、長くシブイ沈黙が降りてきた話。沈黙のなかで、ぼくの頭に浮かんできた発想は、「超わがままな上司にするようにしてみよう」というものでした。彼女のお父様が、超わがままな上司のようだということではありません。単純に「究極の状況を脱する方法」として、過去に出会った(出会ってしまった)超イヤな上司のことが、ふと頭に浮かんだのでした。**知っている人は知っていると思いますが、超イヤな上司はときに、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)だけでは満足しません。そこに「おうかがいを立てる」ことが加わらないと、めちゃ不機嫌になる。たとえば「このクライアントからこういう情報を聞いたので、こういう企画書を作って、来週プレゼンに行きます(あるいは行こうと思います)」と言うと、イヤな上司は不機嫌になります。「行こうと思っているのですが、よろしいでしょうか」こう言うと、彼はきわめてご機嫌になる。すっごくヘンな上司。つまり「おれのことを立ててくれる部下=すっごくいいヤツ」こんな子どもじみた(というか、ちっともクールじゃない)思想がきっと、彼のなかにはある。そしてそういう、いわば「究極の上司」に通用したテクニックは、どのような人にも通用する。ちょうど富士山登頂に使ったあらゆる登山道具が、ふつうの山登りには過剰であるにせよ、使えるように。こう踏んだぼくは、彼女のお父様に言うべき次の言葉を、心のなかで繰り返しました。つまり「娘さんと結婚させていただいてもよろしいでしょうか」。そして、その言葉を口にできそうなタイミングは、意外にもすぐにやってきたのでした。(ひとみしょう/文筆家)
2017年09月28日長くインターネットに恋愛コラムを連載していると、「座らせていただける場所」に敏感になります。ネット上の恋愛コラムって、女子が女子に向けて書いてあるものが非常に多く、ぼくは言うまでもなく男なので、そういう場所にポジションをとることはできません。読者(女性)にとっての恋愛対象である男って、恋愛や結婚についてホンネではどう思っているのか?という、いわば「男研究」の椅子になら、末席のそのまた末席の端っこに半ケツくらいは座らせていただけるのではないか?こんなことを考えています。ということで、この連載では「男から(つまりぼくから)見た結婚のリアル」についてお話したいと思います。女性が女性に対して「結婚とは?」と語っているウエッブサイトや雑誌は、たくさんありますよね。がしかし、男は結婚について、ぶっちゃけどう思っているのか?という情報はまだまだ少ない(ですよね?)この連載が偏見も含め、あなたにとって、男のホンネの一部をうかがい知る一助になりますように。前説が長くなりました。では本編を。世間でよく言われている「娘さんをください」というセリフ「ふたりそろって、両親に『結婚します』という報告をするときって、なにを着ていけばいいの?」たとえば女子はこういう疑問を、ごくふつうに抱くと思います。グーグル先生が即座に答えてくれますよね。男は戦闘服、つまりスーツでOK。戦いに馳せ参じるわけではないけれど、いつもの戦闘服でOK。彼女のご両親への挨拶に向けて、ビームスでピンクのスーツを買うとか、絶世の高笑いを練習するというのはきっと、林家(はやしや)さんくらいなものでしょう。ゆえに、というか、なんというか、ようするに男はスーツ。決定。女性はグーグル先生が述べているとおりの服装でよろしい。洋服は「いつものもの」とか「あるもん」で済ませる男は、彼女が真剣に自身の洋服選びをしているのを横目に、ぜんぜん別のことを考えています。たとえば「結婚します(したいです)」の報告(というか挨拶)を、どのような言葉で彼女の親御さんに伝えるべきか?に苦慮します。世間でよく言われている「娘さんをください」というセリフ。これをしれっと口にしてしまえば、お父様が激おこぷんぷん丸になる可能性があります。「くださいってさ、君、うちの娘はモノじゃないんだよ」とボソッとつぶやいて、横を向いて熱い茶をしばく(すする)父親。想像できますよね?ちょッ!タンマタンマ!では、「ください」ではなく、「結婚します」あるいは「結婚したいと思っています」という言い方はどうなのか?はじめてお会いする彼女のご両親に対していきなり「結婚します」と言えば……「ちょッ!タンマタンマ!君さ、いきなりうちに来て、君がどこの馬の骨かもわからないうちに、結婚します、は、ね~だろ」常識あるご両親のホンネはきっと、こういう感じでは?作家でいえば、非常に厳格な、男の中の男である(のように見える)伊集院静氏はきっと、こう言って怒るかもしれない。「と思っています」と言うと、「君さ、思うのは君の勝手だけど、思って、で、どうするの?思うだけかい?」なんて言われかねない。で、それではと思って「結婚します」と言い切ると、「ちょッ!タンマタンマ!(以下省略)」となりそう。思考がネガティブにループして、どうにもならない。などと、ひとりで熱い茶をしばきつつ考えに考え、結局彼女のご両親にご挨拶に行く前日、ぼくは彼女に「『**さんと結婚を前提におつきあいさせていだたいております』とだけ言って、あとは沈黙、ということにしたいのだけど」と言いました。彼女は、ぼくが想定しているすべてを瞬時に理解し(聡明だ)、「うん、それでいこう」と言いました。沈黙ののちに彼女のお父様が「娘ももうオトナなのだから、娘が結婚したいと言うのであれば、それでいい」とおっしゃってくださり、その後、和やかな食事会がもたれて……沈黙に語らせる、いわば日本人的な挨拶の平和的勝利を想定したわれわれは(ぼくと彼女は)、静かに微笑みあったのでした。茶をしばく人がちゃうが、実際にはそううまくコトは運びませんでした。「**さんと結婚を前提におつきあいさせていだたいております」彼女のご両親にぼくがそう言うと、「娘がいつもお世話になっております。」と返ってきました。お世話になっております。の文末の「。」が、くっきりと空中に浮かぶみたいに、キッパリと。「ああ、結婚の報告ね、まあ娘もオトナだから(以下省略)」という答えが返ってくるであろう、というぼくたちの想定は、無慈悲な波に崩される砂の城よろしく、いとも簡単に崩れ去りました。となりに座っている彼女をちらっと見たら、彼女は空中に浮かんだ「。」の存在はおろか、いかなるものの存在も「ないもの」として、つまりきわめて冷静に、熱い茶をすすっていました(聡明だ)。「茶をしばく人がちゃう」と、内心ぼくはオロオロしつつ、結果、作り笑顔をしまい込むタイミングを完全に見失い、後頭部が痛むのを我慢していました。このタイミングで作り笑顔なんかしてしまうなんて!(愚かだ)。続きはCMのあと、じゃなくて、次週。まる。(ひとみしょう/文筆家)
2017年09月21日こんにちは、恋愛プランナーのTETUYAです。つきあう分には全く問題なくても、いざ結婚になると、結婚に向いてるタイプ、結婚に不向なタイプというのは男にもあります。結婚に向いてるタイプといえるのは、いくつかの○○感。今付き合っている彼や、これから出会う人を、これらのポイントで見てみると、結婚相手のイメージが湧くと思いますよ。■1.責任感まずは、責任感です。間違いなく大事ですよね。結婚して、いざというときに頼りにならない男は女性としても不安です。職場恋愛など、彼の仕事ぶりがわかる環境下にあなたもいれば、責任感ある仕事をしてるかどうかは、周りの人からの評判などからもわかると思います。もし、彼が全く職場の違う場合はどこで判断すればいいんでしょうか。それは、基本的に小さいことでも「約束を守る」「逃げない」ここが、ちゃんと出来ているかどうか、日頃の彼を見てください。例えば、今日連絡するって言ってたのに忘れてたとか、あとは、平気でお金を借りたりしないか、ですね。■2.価値観「観」の漢字が違いますが、価値観です。そう、あなたと彼の価値観がどれくらい合うかがとても大事です。極端なことをいうと、価値観なんて、育った環境によって決まるものですから、今から、お互いを合わせることなんて無理なんです。価値観も色々あります。たとえば、音楽、お金、食、お笑いのセンス、道徳的なこと、子供の教育、などキリがありません。一旦、あなたが優先順位をつけて自分の大事にしたい価値観を絞ってみてください。その中で、全て合わなくても8割程度合うようであれば問題ないと思います。全く合わないのは、正直、危険です。ちなみに、僕が一番大事にしている価値観は、「食」でした。というのも、美味しいものを食べたり、作ったりすることが大好きなので、食に興味がない子とは、結婚できないと思っていました。■3.安心感結婚して、トキメキが無くなったと、ぼやいてる女子周りにいませんか?しかし、結婚にはトキメキよりは、安心感のほうが大事です。ずっとトキメキを持ち続けることは、確かに素晴らしいことですし、否定はしませんが、現実的には無理です。どちらかというと、一緒にいると「ホッとする」ほうの気持ちを感じられる相手のほうが、結婚してもうまくいくと思いますよ。家庭は、帰るところですからね。■4.安定感最後に安定感です。安定感の意味合いにも2つあります。1つは、「職業」。転職ばかりやるタイプの男は、不安です。結婚していけるか心配です。2つ目に「精神」。すぐにカッとなったり、あとは、お酒を飲むと人格が変わって乱暴になったり、逆に、泣いてしまったりと。最近、メンタルが弱い男子も結構多いです。見ているとプライドの高すぎる男子が、なりやすい傾向みたいですね。そういう意味で、浮き沈みのないことが、一緒に暮らしていく上で重要なのです。■おわりにこの4つの指標で、10点を最高得点として、ぜひ、今の彼、これから気になる人を採点してみてください。全体的にバランスがとれてるなら、結婚しても問題ないといえるかもです。恋に夢中なときは、俯瞰して彼を見れないものです。このコラムを見て、俯瞰してみる大切さを学んでもらえればと思います。(TETUYA/ライター)(ハウコレ編集部)(あかねぴ@akanepi0426/モデル)(かしゅかしゅ@cashe_cashe2525/撮影)
2017年09月07日