一冊の絵本を真ん中に、抱っこしたり寄り添ったり…。互いのぬくもりを感じながら、ママと子がしあわせを分かち合う、読み聞かせの時間。このひとときをもっと幸福に過ごせたら最高ですよね。ほかの家庭ではどのように過ごしているのか、先輩ママたちのひと工夫を聞いてみました!■読んで聞かせて、こころ穏やか!想像力や創造力が育まれる、注意力や集中力が身につく、スキンシップで絆が深まる、ママの優しい声で精神が安定する…などなど、誰にでも気軽にできる絵本の読み聞かせは、究極かつ最高の幼児教育かもしれません。もちろん、ママにだってメリットがいっぱい! 読んであげることで脳が活性化するのはもちろん、感情のコントロールにも役立つのだそうです。先輩ママの声を紹介します。「ひとり遊びができるようになると、毎日一緒にいるのにスキンシップは激減。唯一べったりできるのが読み聞かせで、そのときは子どももうれしそう。ずいぶん大きくなったなとか、まだまだかわいいところがあるなとか…。腕の中の我が子に愛しさがあふれ、『もっと大切にしてあげなくちゃ』という、やさしく穏やかな気持ちになります」(40代前半)絵本の時間を楽しんでいれば、子どもに対するイライラやガミガミも激減!? ストレスフルな暮らしの中でも、やさしく穏やかな、天使のこころを取り戻せるみたいです。■物語をとことん味わって!絵本を読んでもらったときの情景、やさしいママの声、そのとき感じたぬくもりなど、絵本にまつわる記憶は、こころの奥底で永遠に生きるもの。つらいときや悲しいとき、ふいにそれらがよみがえってきて自身を癒し、勇気や活力をくれるのだそう。先輩ママたちは、どのように読み聞かせをしているのでしょうか。「ダンボールで仕切った一角を絵本の小部屋と呼び、読み聞かせはそのスペース内で。狭い空間で身を寄せ合っていると集中できるみたい。何だか秘密のことをしているみたいでワクワクドキドキ。完全に、絵本の世界に入っちゃいます」(30代後半)「自分が読んでいると、字を追うことに集中して子どもの反応に無頓着になってしまうから、読み聞かせ係はパパ。それを子どもとふたり、楽しみます。一緒に笑ったり驚いたり、意見を言い合ったり…。ママと子どもというよりは、共感し合う親友のような感覚に」(30代前半)子どもをひざにのせ、ゆっくりとページをめくるシンプルなスタイルもいいけれど、せっかくのラブラブ母子時間、シチュエーションをいろいろ工夫しても楽しそうですね。■「読み終わった後」の親子時間も楽しもう!また、読み聞かせの記憶をより鮮明にするのが、実体験。読んで終わりではなく、そこからさらなる広がりを工夫することで、ママとの思い出が、より楽しく豊かになるのです。「我が家の読み聞かせは、読み終わったあとが本番。物語の舞台のような森へ探険に出かけたり、主人公が挑戦していたお菓子を作ってみたり…。子どもとふたり、絵本の世界を再現するのにハマり中」(20代後半)「読んだ絵本を脚本にして、ごっこ遊び。うちの子はとても几帳面なので、セリフは一言一句正確に言いたい派。そのため、読み聞かせの最中は超真剣。話の流れや言葉を完璧に覚えるべく、食い入るように集中している」(30代後半)絵本がもたらす効果は計り知れないもの。とことん追究&味わいつくすつもりで本に向き合うと、その一冊から、多くのよろこびを共有できるはずです。
2016年10月28日毎年10月31日に行われるお祭りといえば「ハロウィン」ですよね。もとは秋の収穫をお祝いして悪い霊を追い払うという宗教的な意味が込められたお祭りでしたが、アメリカでは「みんなで楽しもう!」という民間的なイベントになり、そうした意味合いはほとんどなくなったそう。日本でもそんな風習を真似て、魔女やおばけの変装を楽しんだりするようになりましたね。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、親子でハロウィン気分が楽しめる絵本を集めてみました。おさるのジョージ ハロウィーン・パーティーにいく原作:M.レイ H.A.レイ/訳:福本 友美子/出版社:岩波書店 「おさるのジョージ ハロウィーン・パーティーにいく」(絵本ナビ紹介ページ) 大人気おさるのジョージシリーズ。初めて仮装パーティーにお呼ばれしたジョージはあれこれと考えた末、カウボーイに変身することに。ところが仮装を披露する前におばけ騒ぎが起こってしまって…。愛らしい仕草と、ユーモアあふれる行動で、そこにいるみんなを笑顔にしてくれるジョージ。ちょっとそうぞうしいけれど、参加したらきっと楽しいハロウィンパーティーの様子に、子どもたちの目もキラキラ輝いてしまいそうですね。ハッピー ハロウィン!作:新井 洋行/出版社:講談社 「ハッピー ハロウィン!」(絵本ナビ紹介ページ) ハロウィンの夜、誰かがドアをノックしています。ガラス越しに映るシルエットに「誰だろう?」と親子で顔を見合わせ、ページをめくってみるとそこにはニコニコ笑顔のおばけちゃん。オオカミ男にドラキュラと、次々にやってくる珍しいお客さんにワクワク!「うちの子は、おばけが苦手だからどうかなぁ…」とお悩みのママも、ここに登場するおばけたちはみな愛らしくてかわいいキャラクターばかり! だから安心できます。最後には自分も変身できる「おばけになれるしかけ」がついているサプライズもありますよ。ゆめちゃんのハロウィーン 作・絵:高林 麻里/出版社:講談社 「ゆめちゃんのハロウィーン」(絵本ナビ紹介ページ) ニューヨークで暮らし始めたゆめちゃんは今年、本格的にハロウィンのお祭りに参加することになりました。お母さんがつくってくれた魔女の衣装をきて「トリックオアトリート!(お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!)」と家々を巡ります。玄関先に顔の形にくりぬいたかぼちゃ「ジャックオーランタン」を置いたり、どんな仮装をするか考えたり、ハロウィンはその準備期間もまた、心躍る時間です。舞台はハロウィンの本場であるアメリカなので、当日の様子、お祝いの仕方などを子どもに教えるときにも役立ちますね。 モリくんのハロウィンカー 作・かんべ あやこ/出版社:くもん出版 「モリくんのハロウィンカー」(絵本ナビ紹介ページ) コウモリのモリくんから、かえる、きつね、ねずみの兄弟たちのもとに届いたのはハロウィンパーティー開催のお知らせ。みんな、どんな格好をしていくかで大盛り上がりです。この日のためにカボチャのランタンの車をつくったモリくん。みんなで乗り込んで森の中のおうちを回り、お菓子をたくさんもらうことができたのもつかの間、ねずみ兄弟がお菓子をつまみ食いしてしまい…。モリくんが夜のお出かけを楽しみにするのは、夜行性のコウモリならでは! そんなことを感じながら、ハロウィンの非日常気分をほっこり楽しめる絵本です。めくってものしり絵本 もっとたのしい ハロウィンがいっぱい!文:リチャード・プラット/絵:リチャード・ワトソン/訳:田中 亜希子/出版社:小学館 「めくってものしり絵本 もっとたのしい ハロウィンがいっぱい!」(絵本ナビ紹介ページ) ハロウィンってなに? 世界には他にどんなお祝いがあるの? など、ハロウィンにちなんだことがたくさん紹介されている絵本。日本に浸透してきたといっても、本当はどんなお祭りなのか、分かりやすく子どもに説明するのが難しいときもありますよね。この絵本ではハロウィン発祥や世界一大きな仮装行列のこと、トリックオアトリートの意味などが、しかけをめくることによって解説されています。ハロウィンをとことん堪能したいなら、この絵本で知識を増やしてみるのもおすすめです。今年のハロウィンはどんな風に過ごしますか? 仮装してパーティーに参加する人も、おうちを飾り付ける予定の人も、いつもと変わらず過ごすという人も、絵本を読んで心躍らせてみてはいかがでしょうか。ハロウィンは1年に1度! そんな非日常気分を味わうのも、たまにはいいかもしれませんね。データ協力: 絵本ナビ
2016年10月27日「ムーミン絵本の世界展 トーベ・ヤンソンの原作から、描きおろし新作絵本ができるまで」が、松屋銀座8階イベントスクエアで、2016年11月30日(水)から12月7日(水)まで開催されます。トーベ・ヤンソンの絵本がパネルや特別映像で詳しく紹介され、ムーミンの世界観をたっぷり楽しめます。また、トーベ作品に忠実に新作絵本を描きおろす公認作家、カーラ夫妻の原画約80点が日本初公開されます。●トーベ・ヤンソンが残した3冊のムーミン絵本ムーミンは、トーベ・ヤンソン(1914~2001)が書いた童話に“ムーミントロール”として登場しました。さらにコミックスや絵本、アニメーションなどを通して世界中に広がっていき、今では世代を超えて多くの人々に愛されています。その中でもトーベが残した3冊のムーミン絵本は、モノクロで描かれている童話やコミックスとは違い、彼女の豊かな色彩を楽しむことができる人気のシリーズです。やわらかなカラーで彩られたムーミンの世界をじっくり堪能しましょう。●新しいムーミン絵本の原画約80点を日本初公開!リーナ&サミ・カーラ夫妻は、トーベの世界観を尊重しながら最新のムーミン絵本を描きおこしており、その新作絵本は日本でも次々と翻訳出版され話題となっています。今回は、オリジナル作品がもつ世界観に独自のユーモアを加えたカーラ夫妻の絵本原画約80点を展観。さらに、トーベの絵本や映像とも比較しながら制作過程を紹介しています。普段みられない制作の裏側を知れる、貴重な機会ですね。また、他では手に入らない展覧会限定グッズも用意されており、ムーミンファンの心くすぐる内容となっています。ぜひ足を運んでみてくださいね。■イベント詳細名称「ムーミン絵本の世界展 トーベ・ヤンソンの原作から、描きおろし新作絵本ができるまで」開催期間2016年11月30日(水)~12月7日(水)開催場所松屋銀座8階イベントスクエア開催時間午前10時から午後8時(最終日午後5時閉場。入場は閉場の30分前まで)主催ムーミン絵本の世界展実行委員会入場料一般 500円、小中学生 300円※一般前売券 400円<プレイガイド>ローソンチケットLコード 33659セブンイレブンセブンコード 050-245チケットぴあPコード 767-994ヤフーパスマーケット<販売期間>2016年11月29日(火)まで
2016年10月26日「ムーミン絵本の世界展 トーベ・ヤンソンの原作から、描きおろし新作絵本ができるまで」が、東京・松屋銀座で2016年11月30日(水)から12月7日(水)まで開催される。人気キャラクターの‟ムーミン”は、トーベ・ヤンソンが手掛けた童話から生まれた。“ムーミントロール”として登場以降は、コミックスや絵本、アニメーションなど様々な媒体でフォーカスされ、今では世代を超えて多くの人々に愛されている。中でもトーベが残した3冊のムーミン絵本は、モノクロで描かれている童話やコミックスとは違い、豊かな色彩で描かれた作品。今回は、このトーベ・ヤンソンの絵本をパネルや特別映像で詳しく紹介する。さらに、トーベの世界観を尊重しながら最新のムーミン絵本を描きおこしている、リーナ&サミ・カーラ夫妻も協力。オリジナル作品がもつ世界観に独自のユーモアを加えたカーラ夫妻の絵本原画約80点が日本初公開となる。さらに、トーベの絵本や映像とも比較しながら制作過程も公開されるので、新しいムーミン絵本の世界を存分に楽しむことができそうだ。会場では、約300種類を超える他では手に入らない展覧会限定グッズも販売予定だ。【イベント詳細】「ムーミン絵本の世界展 トーベ・ヤンソンの原作から、描きおろし新作絵本ができるまで」開催期間:2016年11月30日(水)~12月7日(水)会場:松屋銀座8階イベントスクエア住所:東京都中央区銀座3-6-1開場時間:10:00~20:00※最終日は17:00閉場。入場は閉場の30分前まで入場料:一般 500円、小中学生 300円■一般前売券価格:400円取扱い:ローソンチケットLコード 33659、セブンイレブン セブンコード 050-245、チケットぴあ、Pコード 767-994ヤフーパスマーケット販売期間:2016年11月29日(火)まで
2016年10月24日運動会は印象に残っている、という人も多いですよね。がんばった成果が出ずに悔しい思いをしたことのある人もいれば、手に汗握る展開に大盛り上がりだった競技など、忘れられない興奮を覚えている人も。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、運動会にまつわる絵本を集めてみました。ジャッキーのうんどうかい作・あいはら ひろゆき/絵:あだち なみ/出版社:ブロンズ新社 「ジャッキーのうんどうかい」(絵本ナビ紹介ページ) くまの子がたくさん登場する、くまのがっこうシリーズ。今回は運動会が舞台です。兄弟の末っ子でいちばん小さなジャッキーは、大きなお兄ちゃんたちに勝ちたくて、一等賞をとりたくて…。勝てないとあきらめていたところに「速く走れる方法」を見つけて一念発起! はたして結果はどうだったのでしょう。最後にジャッキーを優しく包んでくれる、お兄ちゃんたちの優しさにもジーンときてしまう一冊。こぶたのブルトン あきは うんどうかい作:中川 ひろたか/絵:市居 みか/出版社:アリス館 「こぶたのブルトン あきは うんどうかい」(絵本ナビ紹介ページ) ぶたのブルトン、イタチのアンドレ、ダルマのタカサキさんなど強烈なキャラクターが登場するこの絵本には、玉入れや綱引きやパン食い競争など「運動会」のお楽しみ要素がこれでもか! というくらいつまっています。綱引きの途中で力がはいりすぎ、ダルマのタカサキさんが思わずおならをしてしまうシーンでは、大爆笑するお子さんも多いよう。運動会の熱気や興奮がダイレクトに伝わってくる絵本です。 にんじゃつばめ丸 作:市川真由美/絵:山本 孝/出版社:ブロンズ新社 「にんじゃつばめ丸」(絵本ナビ紹介ページ) いたって普通の一軒家にすむ、いたって普通の5人家族。でも実は、忍者一家だった…! 奇想天外な設定から始まる物語の中には、廊下を素早くかけぬけたり、手裏剣をなげたり、天井にはりつくなど、子どもたちが大好きな忍者の修行シーンがたくさん! でも、つばめ丸はどうしても高いところから飛び降りる術が苦手。それでも練習を積み、むかえた忍者の運動会。ライバルとの勝負は一体どうなるのでしょうか。テンポのいい、大衆演劇のような文章も魅力のひとつ。さかさことばでうんどうかい作・西村 敏雄/出版社:福音館書店 「さかさことばでうんどうかい」(絵本ナビ紹介ページ) さかさことば=回文がこんなにもスムーズに展開する絵本はなかなかありません。ゴリラ、キリン、ウマにブタなど、とぼけた動物たちが運動会を進行していくので、なんともほのぼのとした気分に…。最初は「さかさことば」に気付かない子も「ほら、この字よ~く見てごらん」と注意をうながしてみると「すごい!」と大きなリアクションが期待できるかも。耳で聞くだけでは分かりにくいので、字が読めるようになったタイミングで楽しんでみるといいですね。10ぴきのかえるのうんどうかい作・間所 ひさこ/絵:仲川 道子/出版社:PHP研究所 「10ぴきのかえるのうんどうかい」(絵本ナビ紹介ページ) ひょうたんぬまの10ぴきのかえる。それがこの絵本の主人公です。綱引きの紅組代表として出場したところで突然の竜巻にみまわれ、運動会はしっちゃかめっちゃか! 沼いちばんの年寄りがえるがトロフィーと一緒に風にとばされてしまい、山の中を探し回っていたら…。登場キャラクターはみんなかえるですが、緑、黄、黄緑、薄いオレンジなど絶妙に色分けされているのが憎い!「1、2、3、4…」と、ページごとにそろっているか数えたくなってしまうのが不思議です。運動会は運動の得意な子だけが楽しめる行事… ではありません。力がはいりすぎて失敗してしまうのは、一生懸命取り組んだ証。結果はさておき「がんばったこと」に注目して、思いきり運動の秋を楽しんでみませんか?絵本ナビ監修のこちらの連載は毎週木曜日にお届けします! データ協力: 絵本ナビ
2016年10月20日きたるハロウィンに向けて仮装の準備をしている人も、毎年気が付いたら終わっていた! なんて人も、今年は絵本でハロウィンに親しんでみてはいかがでしょうか。生まれた起源や、意外な過ごし方など新たな発見が期待できます。今回は 絵本ナビ 協力のもと、ハロウィンをもっと好きになる絵本を集めてみました。■ハロウィーンって なぁに?作・クリステル・デモワノー/訳:中島 さおり/出版社:主婦の友社 「ハロウィーンって なぁに?」(絵本ナビ紹介ページ) 魔女の少女ビビはかぼちゃ集めに夢中になる大人たちが不思議で仕方ありません。おばあちゃんまでも、かぼちゃにつきっきりで「かぼちゃしか、かわいくないんだ!」とすねる様子が子どもらしく、クスッとしてしまいます。「ハロウィンはみんなでワイワイ仮装する日」と、なんとなくのイメージで楽しんでいる人も多いのでは? この絵本では大人ですらあいまいなハロウィンの起源について、ビビと一緒に学ぶことができます。これを読めば今までより、堂々とハロウィンを楽しめるようになるかもしれません。■きょうはハロウィン作:平山暉彦/出版社:福音館書店 「きょうはハロウィン」(絵本ナビ紹介ページ) ケンちゃんは新しい街に引っ越してきたばかり。まだハロウィンの存在を知りません。友だちのピートに誘われておばけに変身したケンちゃんは、初めてのハロウィンでみんなからお菓子をもらいます。でも最後に訪れたのは…。絵本には日本人の男の子が外国に引っ越して、ハロウィンを初めて体験する様子が描かれています。日本では近所の家をまわってお菓子をねだる習慣までマネすることは少ないですが、もしかしたらみんなケンちゃんのようにドキドキ・ワクワクしてしまうのかもしれませんね! ■ハロウィンドキドキおばけの日! 作:ますだ ゆうこ/絵:たちもと みちこ/出版社:文溪堂 「ハロウィンドキドキおばけの日!」(絵本ナビ紹介ページ) 怖がりのレイはハロウィンが苦手。おばけに魔女など怖い存在ばかりだけれど、ある日出会ったのはレイと同じく怖がりの幽霊・シェイク。最初はびっくりしたけれど、一緒にいるうちに、なんだか楽しくなってきます。この絵本にはその他に衣装やハロウィンメニューの作り方など、おまけが盛りだくさん! ママにも役立つ情報となっています。ハロウィンの雰囲気がなんとなく怖いと思っているお子さんにも読み聞かせたい一冊です。■ハロウィーンの星めぐり 「夜に飛ぶものたち」 詩:ウォルター・デ・ラ・メア/絵:カロリーナ・ラベイ/訳:海後 礼子/出版社:岩崎書店 「ハロウィーンの星めぐり 「夜に飛ぶものたち」」(絵本ナビ紹介ページ) 「幼な心の詩人」と評されるイギリスの詩人の歌に、これまたイギリスの新人画家が愛のあふれるイラストをつけて完成した絵本には、本物の魔女が登場! かぼちゃのジャック・オーランタンを飾り、仮装して家々を回っている子どもたちの頭上では、ほうきにのった魔女たちが星座の間を自由にいったりきたり。中にはいたずらをしかける魔女もいて…。カバーの表紙には銀箔が押してあり、月や星のきらめきが表現されていてとてもキレイです。■ハロウィンのかくれんぼ 作:いしかわ こうじ/出版社:ポプラ社 「ハロウィンのかくれんぼ」(絵本ナビ紹介ページ) シンプルな形とはっきりした色合いが赤ちゃんにもぴったりのハロウィン絵本は、シリーズ累計185万部を突破したという人気作。おばけに魔女にかぼちゃにお菓子…。ハロウィンにちなんだものがたくさん登場するので「次は何かな~?」とわくわくしながらページをめくる楽しみがあります。お子さんへの初めての一冊としてプレゼントにしても喜ばれる一冊です。日本にも浸透しているハロウィン。この時期になると街中では仮装行列などお祭りイベントもたくさん開催されますね。絵本をキッカケに、家族みんなでハッピーハロウィーンを楽しんでみてくださいね。絵本ナビ監修のこちらの連載は毎週木曜日にお届けします!データ協力: 絵本ナビ
2016年10月13日運動会シーズンがやってきました。リレーや徒競走でゴールテープを切ったり、クラス対抗競技で勝利したときなど、運動会でしか味わえない達成感ってたくさんありますよね。でも中には運動会が好きじゃない、なんてお子さんもいるかもしれません。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、運動会が楽しみになる絵本を集めてみました。ぜひ、運動会前に親子で読んでみてくださいね。よーいどん!作・中川 ひろたか/絵:村上 康成/出版社:童心社 「よーいどん!」(絵本ナビ紹介ページ) 「位置について」の姿勢のまま、引き締まった顔つきの子どもたちがなんとも愛らしい!「位置についてのポーズは、それぞれ違うもんだなぁ」と感心しているところに放たれる究極のダジャレ! 意表をつかれてズコッとなってしまうママもいそうです。ほのぼのとした優しいユーモアたっぷりの中、「何それ?」なんて、現実にはありえない競技でも楽しませてくれる、愉快な運動会をテーマにした一冊です。はしれ、ゴールの むこうまで!作:くすのき しげのり/絵:稲葉 卓也/出版社:講談社 「はしれ、ゴールの むこうまで!」(絵本ナビ紹介ページ) みんなと同じように掃除したり、給食を食べたり…。みんなから頼りにされ、愛されているとってもパワフルな「こうちょうせんせい」。赤く染まったほっぺや、緑色のジャージがなんともいえず、親しみやすいキャラクターです。クラスでいちばん走るのが遅いぼくは運動会が大嫌い。そんなぼくに「きょうそうしてみようか!」と声をかけるこうちょうせんせい。走ることを途中であきらめてしまうぼくに、こうちょうせんせいがしてくれたこととは…? 子どものリアルな心情を汲みとった行動が子育てのお手本にもなる、感動絵本です。 よーい、ドン! 作:中垣 ゆたか/出版社:ほるぷ出版 「よーい、ドン!」(絵本ナビ紹介ページ) 今日は町の運動会。子どもが主役の「ちびっこ競争」、大人数だからおもしろい「ムカデ競争」、出場選手が目玉の「障害物競争」などワクワクするような競技満載で、いてもたってもいられません。見開きいっぱいに描かれたたくさんの人たち。その人たちそれぞれが主役になれる運動会だから、みんな生き生きと輝いています。中には「!?」なキャラクターや運動会らしくない行動をしている人も…。絵本をのぞきこんで「気になる探し」する子も多いこちらの一冊は、大興奮してしまうので寝る前厳禁(笑)。昼間の読み聞かせにおすすめですよ。 ぼくのジィちゃん作・くすのき しげのり/絵:吉田 尚令/出版社:佼成出版社 「ぼくのジィちゃん」(絵本ナビ紹介ページ) 運動会当日、練習したのに徒競走でビリだったぼく。田舎から応援しにきていたジィちゃんは「子どもの頃、走るのが早かった」なんていうけど、信用できない。ひょんなことからPTAクラス対抗リレーに父さんの代理で出場することになったジィちゃん。果たしてその結末は…? スピード感あふれる展開の中、歯がところどころ抜けたニコニコ笑顔のジィちゃんの、知られざる秘密が明らかになります。心がおどりだし、思わず「がんばれーっ!」と叫びたくなってしまう、爽快感のある一冊です。むしたちのうんどうかい作・得田 之久/絵:久住 卓也/出版社:童心社 「むしたちのうんどうかい」(絵本ナビ紹介ページ) 林の中の広場に集まった、たらこくちびるの虫たち。今から始まるのは運動会。小さかったり、大きかったり、にょろにょろしていたり、飛んでいたり…。虫好きのお子さんなら入場行進の様子から目を輝かせてくれる絵本です。応援合戦の泣き声もお見事! 虫それぞれの特徴を運動会の流れの中にうまく取り入れているのも必見。虫が苦手なお子さんも、表情豊かなユーモアあるタッチのイラストだから安心。実際の虫と似たような動きで、細かな描写にも手を抜かない作家さんの心意気を感じます。知らなかった虫の名前を覚えるいい機会にもなりそうですね。運動会を楽しみに感じる子もいれば、憂鬱に感じている子もいます。だけど、運動会はみんなで一緒に楽しむもの。勝負に負けてくやしいときもあるけれど、ほかの競技で挽回したり、誰かを応援したりとワイワイできるのも運動会の魅力のひとつ。年に一度の大イベントは、親子でめいいっぱい楽しみたいですね!データ協力: 絵本ナビ
2016年10月06日【ママからのご相談】小学校2年生の娘がいます。幼稚園のころはよく自分で絵本を借りてきていて、寝る前に私やパパが読んであげていましたが、小学2年生になっても文字ばかりの“本”は最初の数ページで挫折してしまいます。文字を読んだり書いたりすることは苦手ではありません。“本”を読めるようになる何か良い方法がありますか?●A. 絵の少ない本を読み聞かせしましょうご相談ありがとうございます、ママライターのパピルスです。「こどもが本を読まない!」「こどもが本に苦手意識がある」というママの嘆きの声をたびたび耳にします。確かに幼稚園のころは絵本が大好きだったのに、小学生になってから文字の多い“本”を読むことは好きではない というお子さんはかなり多いようです。絵本から“本”へ、自然と幅を広げていくにはどうすればよいのか、子どもと読書についての問題に長年取り組まれている脇明子氏の実践例と筆者の周りの読書好きの子どものママから聞いたコツをご紹介したいと思います。●絵の少ない絵本、絵のない“本”の読み聞かせで想像する力のトレーニングを!本が好きだという子どものママにお話を聞いてみると、2つの共通点がありました。●(1)家に本が多いまず1つ目は、「家に本が多い」ということです。家族に本好きな人がいて、家の中で大人の本や子どもの本がすぐ手に取れるところに置かれている ということです。『パパが本を読んでいる姿を見て、子どもも自分で読んでみたいと思ったみたいです』(40代ママ)『小学校高学年のお兄ちゃんが学校の宿題で本を読んでいるのを見て、低学年の弟が真似して本を読み始めた』(30代ママ)●(2)昔話や物語の“本”を読み聞かせしていた2つ目は、絵本に限らず、昔話や物語の“本”を読み聞かせしていた、ということです。1冊にたくさんのお話が集められている「○○のお話し30話」などの読み聞かせ本も人気がありました。『毎日寝る前にお話を聞かせようと思って、たくさんのお話が掲載されている本を購入して読み聞かせました。絵が少ない本でもストーリーがおもしろいということが実感できたみたいです』(40代ママ)『子どもが選ぶ絵本は絵が派手なものばかりだったので、絵は地味でストーリー重視の絵本を選んで読み聞かせしました。毎日というわけではなくて、私の気が向いたときだけです(笑)。寝る前だったので、目を閉じて聞いていることも多かったし、“耳で聞く”ことに集中していたと思います』(30代ママ)脇明子氏は、字が読めれば本が読めるという認識は間違いで、本を読むためには『一文字一文字を読むことでなく、言葉をもとに想像力を働かせ、内容を理解し、物語の展開についていくこと』が肝心だといいます。しかし、映像メディアに囲まれて育っている現代の子どもは自分でイメージを作ることが苦手になってきているそうです。絵本が好きという子の中には、「絵を眺めているのが好き」という場合もありますね。絵本の話のストーリーよりも“絵”に惹かれて“見ている”状態のようです。これだとなかなか文字ばかりの“本”の世界には入って行きづらいですね。脇明子氏も、『絵のない物語か、絵はあっても挿絵程度の本をしっかり読み聞かせる』ことの重要性を著書の中で述べています。小学生になると字を読むことに慣れてほしいとの気持ちから、「自分で読みなさい」と言ってしまいがちですが、その前段階として“絵の少ない絵本”や物語を読み聞かせることが大変重要 なのだそうです。読み聞かせというと“幼児”に対して行うことのように感じますが、小学生や中学生にもたくさん良い効果をもたらすそうですから、小学生になってからでもまだまだ十分間に合いますよ!絵本の読み聞かせを落ち着いて聞ける年齢になったら、少しずつ“絵が少ない絵本”“絵のほとんどない本”を読み聞かせして、頭の中で想像力を働かせるトレーニングの機会を作るとよいですね。想像力が育ってくると、一人で本を読んだときにその想像力に助けられて読み進められるようになるようです。ご相談者様も、ぜひ本の読み聞かせをしてみてください。長いお話は何回かに分けて読んでもよいですね。我が家も寝る前に読み聞かせをしていましたが、10分間を毎日続けると、1週間でかなり厚い本でも読みきれました。そうこうしているうちに、10分の読み聞かせで先の展開が気になってたまらなくなり、次の日の朝、息子が自分で続きを読んでいたこともありました。長い物語は最初の部分を越えると急におもしろくなってくる場合も多いですよね。そこを子ども一人で越えられない場合も、読み聞かせだとすんなり通過していけるのでおすすめですよ。【参考文献】・『読む力は生きる力』脇明子・著●ライター/パピルス(フリーライター)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2016年10月02日秋になると、部屋の中に何やらころころ…。子どもが拾ってきたどんぐりが、あちらこちらに転がっていたりしますよね。小さくて、まるくて、つやつやしたどんぐりは子どもの「集めたい欲」を刺激するだけでなく、姿を見るだけでなんだかほっこり(笑)今回は 絵本ナビ 協力のもと、愛らしさ満点のどんぐりを題材にした絵本を集めてみました。■どんぐりころちゃん作・みなみじゅんこ/出版社:アリス館 「どんぐりころちゃん」(絵本ナビ紹介ページ) どんぐりといえば、ちょこんと頭にのったぼうしがかわいらしい印象がありますが、この絵本に出てくるどんぐりはぼうしを逆さまにして、踏み台にしている姿がとてもキュート! 描きこまない素朴な表情ながら「みんなで楽しもう!」という温かい世界観が広がっています。地面に落ちたどんぐりたちは、色や形や大きさなど微妙な違いがあることにも感心。巻末には歌って遊べる楽譜と遊び方が付いているので、親子での手遊びにもおすすめ。まだ、どんぐりを知らない0歳児から楽しめる、愛らしいどんぐり絵本です。■どんぐりむらのぼうしやさん作・絵:なかや みわ/出版社:学研 「どんぐりむらのぼうしやさん」(絵本ナビ紹介ページ) のっぽの「ぽー」、ちいさな「ちい」、くるくるまきげの「くりん」。3つぶで切り盛りしているのは「ぼうしやさん」。売れなくなってしまったぼうしを売るため、別の街に売りにいく3つぶたち。そこで、ねずみのお母さんが買ってくれた4つの同じぼうし。「どうして同じものを買うの?」と思った3つぶが、ねずみ母さんの後をつけていくと…。そこで自分たちのぼうしには足りなかった「あること」に気付きます。ぼうしひとつひとつのデザインにまで気を配る作家さんの愛情を感じる絵本。どんぐりを「1人」ではなく「1つぶ」と数えているのも、なんだか新鮮です。 ■まいごのどんぐり 作:松成 真理子/出版社:童心社 「まいごのどんぐり」(絵本ナビ紹介ページ) コウくんから「ケーキ」と名付けられた木の子ども、どんぐり。コウくんと一緒にかけっこしたり、散歩したり、泳いだり…。そんなある日、まいごになってしまったどんぐりをコウくんは一生懸命探します。どんぐりも見つけてもらおうと一生懸命です。そのうち舞い降りてくる落ち葉の中で眠り込んでしまったどんぐりが、明るい日差しで目を覚ましたとき、目にしたものとは…。変わらない愛情、消えない絆。年月をへてもなお、そこにある何かを感じさせる名作絵本です。■どんぐりころころ おやまへかえるだいさくせん作・絵:スギヤマ カナヨ/出版社:赤ちゃんとママ社 「どんぐりころころ おやまへかえるだいさくせん」(絵本ナビ紹介ページ) 「どんぐりころころ、どんぐりこ~」というフレーズなら、一度は口にしたことがありますよね。童謡「どんぐりころころ」は実は2番まであって、最後は「お山が恋しい」とどんぐりが泣き、どじょうが困ってしまう… という終わり方をしています。では、その後はどうなったのでしょう? そんな疑問を解決してくれるのがこちらの絵本。うちが恋しいどんぐりのため、お池の仲間がしたこととは…。おなじみの童謡が、小さなどんぐりをテーマにしているとは思えないほど、わくわくドキドキの壮大な大冒険物語へと進化をとげた一冊です。ただ愛らしいだけでなく、大人の心をもグッとつかむ「大切なこと」や「変わらないもの」を教えてくれる、どんぐり絵本。童謡の続きを絵本にしてしまう発想も、とてもおもしろいですね。道のすみっこで出会いを待っているどんぐりたち。今すぐ親子で、会いにいってみませんか?データ協力: 絵本ナビ
2016年09月29日「なんにも見えない」「まっくらで怖い!」という理由から「夜が苦手」というお子さんも多いのではないでしょうか。明るくて陽気な昼間に比べ、夜は静かで落ち着いた雰囲気があります。でも窓からぽっかり顔を出すお月さまは、夜しか目にすることができません。「ほら、お月さまが見てるよ」と声をかければ、その不思議で美しい世界に惹きつけられてしまうはずです。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、お月さまを題材にした絵本を集めてみましたのでご紹介しましょう。■おつきさま こんばんは作・林 明子/出版社:福音館書店 「おつきさま こんばんは」(絵本ナビ紹介ページ) 深く紺色の夜空に、まるで本物のように輝くおつきさま。2匹のネコに見守られ、生き生きとした表情で子どもたちの視線をくぎ付けにするおつきさまは、0歳時のファーストブックとしても好評。ページをめくるたびに、うれしそうな顔、悲しそうな顔を魅せるおつきさまの気持ちを汲み取るように、子どもたちもうれしくなったり、心配したり…。「こんばんは」から始まるあいさつもステキですね。■パパ、お月さまとって!作・絵:エリック・カール/訳:もり ひさし/出版社:偕成社 「パパ、お月さまとって!」(絵本ナビ紹介ページ) 娘の「お月さまをとって!」という願いを叶えるべく、月まで長い長いはしごをかけてのぼっていくパパ。果たしてお月さまをとってくることはできるのでしょうか…。この絵本の魅力は、絵本の常識を打ち破る仕掛け。長いはしごはページ2枚分、大きなお月さまはページ4枚分とダイナミックに描かれています。開く楽しさと「おっきい~!」と目で見て感じる驚き。ぜひ、パパに読みきかせしてほしい一冊です。■お月さまってどんなあじ? 文・絵:マイケル・グレイニエツ/訳:いずみ ちほこ/出版社:らんか社 「お月さまってどんなあじ?」(絵本ナビ紹介ページ) 「何がいるの?」「裏側はどうなってるの?」など、疑問の多いお月さま。でも「味」について注目したことは少ないかもしれません。この絵本では、お月さまがどんな味をしているかを確かめるべく、動物たちが超原始的な方法でお月さまに近づいていきます。和紙のような味わいのイラストと、近づくたびに上に逃げてしまうにっこり笑顔のお月さまを見ていると、なんだか安らいだ気分に。動物たちはお月さまを味見することができたのか、お話のエンディングが気になりますね。 ■14ひきのおつきみ作・絵:いわむら かずお/出版社:童心社 「14ひきのおつきみ」(絵本ナビ紹介ページ) 木の枝を切ったり、結わえつけたりして14ひきのねずみたちが力を合わせてつくっているのは、きれいな満月を楽しむためのお月見台。くんちゃん、さっちゃん、ごうくん… とそれぞれに名前がついているので、とても親しみがわいてきます。本物に忠実に描かれた植物のイラストは、色合いがとてもきれいです。最後にあらわれたおつきさまに、ねずみたちがかけた言葉にも胸打たれます。■ぼく、お月さまとはなしたよ作・絵:フランク・アッシュ/訳:山口 文生/出版社:評論社 「ぼく、お月さまとはなしたよ」(絵本ナビ紹介ページ) お月さまの誕生日に贈り物をあげたい… そう思ったクマくんは、山にのぼってたずねます。「たんじょう日、いつですか?」。するとお月さまはクマくんがいったとおりに「たんじょう日、いつですか?」と答えます。そう、クマくんが聞いているのはお月さまの言葉ではなく「山びこ」なんです。それでも質問を重ね、お月さまの誕生日が明日だと知ったクマくんが用意したものとは…? いじらしくて、優しいクマさんにじわ~んと心が溶かされていくようなお話は、山びこを知っている子も、知らない子もどちらにも伝わるものがありそうです。お月さまをテーマにした絵本は色の対比がはっきりしているものが多く、目にも鮮やかなので赤ちゃんにもおすすめ! 秋の澄んだ夜空を親子で眺めながら、絵本も一緒に楽しんでみてくださいね。データ協力: 絵本ナビ
2016年09月15日絵本の読み聞かせは生後5カ月頃から始められますが、ママが大人の目線で絵本を選んでも、赤ちゃんには難しかったり、なぜか興味を示してくれなかったり…。そこで今回は、赤ちゃんの感性に合う、初めての読み聞かせに最適な絵本を紹介します。出産祝いにもおすすめです。■かわいい動物たちがいっぱい!『たまひよはじめてえほん どうぶつ』出版社:ベネッセコーポレーション猫や犬、ねずみ、うさぎ、猿など、おなじみの動物たちを、シンプルな絵と、それぞれの名前だけで紹介した絵本。3カ月頃からの視力の発達に合わせてつくられているそう。文章がないので大人にはちょっと物足りないのですが、くっきりした輪郭のイラストが、特に月齢の低い赤ちゃんには見やすいようです。ママが即興で動物たちのセリフを考えて話しかけてあげるという楽しみ方もできます。丈夫な厚紙製で、赤ちゃんが投げたり引っ張ったりしても壊れにくいのがポイント。ミニサイズなので、旅行やお出かけのお供にしてもいいですね。■遊びを覚えられる絵本『いないいないばあ』作:松谷みよ子、絵:瀬川康男出版社:童心社顔を手で隠して、「いないいない」、手をぱっと外して「ばあ!」として見せる伝承遊び、「いないいないばあ」をテーマにした定番の赤ちゃん絵本です。大抵の赤ちゃんは、この単純な遊びが大好きで、絵本の中の猫やクマが「ばあ!」と顔を出すたびにキャッキャと大喜び。もう1回読んでと何度もせがまれるかもしれません。ただ、私の子もそうでしたが、中には「いないいないばあ」遊び自体のおもしろさが理解できない、ピンとこないという子も。1、2回読んで反応が悪かったら、別の本を試してみましょう。 ■動きをプラスして読んであげたい一冊『ぴょーん』作:まつおかたつひで出版社:ポプラ社緑色のカエルが描かれた表紙が目印。ページをめくるたびに、カエルや犬、猫などの生き物が「ぴょーん」と飛び跳ねます。絵本の中の生き物がジャンプするときに、読みながら赤ちゃんの体を持ち上げて「ぴょーん」とする遊びが楽しめるのがこの本の魅力。ママが読んで、パパが「ぴょーん」を担当すると、より動きがダイナミックに。絵本より動くことが好き! というわんぱくな赤ちゃんにも、読書の楽しさを伝えることができる名作です。■食べものへの関心を育む『くだもの』作:平山和子出版社:福音館書店離乳食が始まって、果物を食べ始めるようになる7、8カ月頃の絵本デビューにおすすめの本。スイカ、桃、ぶどう、なし、りんごなどの果物が、本物そっくりのリアルなテイストで描かれています。児童館や図書館の読み聞かせ会でもよく読まれていますが、食い入るように見とれたり、手を伸ばして絵の果物を食べようとしたりする赤ちゃんもいて、微笑ましくなります。■不思議な世界観が赤ちゃんを魅了『もこもこもこ』作:谷川俊太郎、絵:元永定正出版社:文研出版文章は「しーん」、「もこもこ」、「にょき」といった擬音のみ。音に合わせて、何かわからない不思議な生きもののような物体が、ふくらんだり、ぱちんと弾けたり…。正直、大人には意味不明のシュールな世界が展開します。難解な現代アートのようなこの絵本、なぜか赤ちゃんウケは抜群。独特の世界に夢中になって何度も読みたがる子や、1ページごとに声をあげて笑う子も多いようです。私の子どもも、一時期、擬音をすべて暗記するほどハマっていました。このほか、お話のある絵本より、図鑑を好むタイプの赤ちゃんもいます。児童館や図書館などでいろいろな本に触れさせて、わが子の好みを探るのもいいかもしれませんね。
2016年09月13日とろけるバターがたっぷりのったパンケーキ、香ばしく焼きあがったクッキー、甘いチョコレートアイスクリーム…。絵本を読みながら思わず「ゴクリ」と喉を鳴らしてしまったことはありませんか? どうして絵本の中の食べ物はあんなに魅力的なのでしょう。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、思わず「美味しそう!」と叫んでしまう絵本を集めてみました。空腹時はご注意を…!■しろくまちゃんのほっとけーき作・わかやま けん/出版社:こぐま社 「しろくまちゃんのほっとけーき」(絵本ナビ紹介ページ) 内容は度忘れしてしまっても「この表紙なら見たことがある!」という人が多いかもしれません。しろくまちゃんがお母さんと一緒につくるのはホットケーキ。「ぽたあん」と落とされた生地が「ぴちぴちぴち」「ふつふつ」と焼けていき、「ふくふく」とふくらみ、「くんくん」と香ばしい匂いがしたら完成まではあと少し。やさしくて、甘い擬音がたくさんつまった一冊です。はっきりとした色使いに魅せられる赤ちゃんもいるようで、生まれてすぐからお手伝いができるようになるまで、長く楽しめる絵本となっています。■あっちゃんあがつく たべものあいうえお原案:みね よう/作:さいとう しのぶ/出版社:リーブル 「あっちゃんあがつく たべものあいうえお」(絵本ナビ紹介ページ) 水辺で読書を楽しむエビフライ? トランプで遊ぶケーキ? 上手に鶴を折るキャラメル? 食べものが人間のように感じられるこちらの作品は、ページごとに作りこまれたストーリーがあり、子どもとの会話をはずませてくれます。言葉遊びの要素があるので「ねえ、なんて読むの?」と文字に興味を持ち始めたお子さんにもおすすめ。楽しみながら読み方を覚えることができますし、「今日のおやつはこれにしようか?」なんて相談もできちゃいますね。 ■いろいろごはん作:山岡 ひかる/出版社:くもん出版 「いろいろごはん」(絵本ナビ紹介ページ) ふっくらした白いごはん。食事には欠かせないごはんも、おにぎり、のりまき、おちゃづけ、ぞうすい、チャーハンといろんなメニューに大変身。「これ、昨日食べた!」と子どももうれしくなってしまいます。実はこの絵本、紙だけを使った貼り絵ですべてを表現しているんだそう。だから、お米一粒一粒にまで存在感があるんですね。家族の大事なイベントごとに、必ず登場するお米。やっぱり日本人で良かったなぁ… としみじみしてしまうママもいるはず。食べることに興味の持てないお子さんにも読み聞かせたい一冊です。■サンドイッチ サンドイッチ作・小西 英子/出版社:福音館書店 「サンドイッチ サンドイッチ」(絵本ナビ紹介ページ) サンドイッチにさまざまな調味料や具材をのせ、完成するまでを描いた一冊。その食材のみずみずしさは秀逸です! 鮮やかな色は新鮮さをイメージさせ、本当に手にとって食べたくなるようなサンドイッチを堪能できます。生野菜が苦手にもかかわらず、この絵本のサンドイッチは「美味しそう」という感想を持つお子さんもおり、なかにはリアルな描写にパンや野菜を思わず手でつかもうとする子も。がぶりとほおばれるくらい成長したら、親子でサンドイッチづくりに挑戦してみるのも楽しいですね。実際に目にしたり、映像で見るものとは違った魅力がある絵本の中の美味しそうな食べ物たち。巷では「絵本に出てきたあのメニューを手作りしちゃおう!」なんてレシピ本も多く発売されています。目を楽しませ、食欲そそる絵本たち。「美味しそう!」を合言葉に、親子だんらんの時間を過ごしてみませんか?データ協力: 絵本ナビ
2016年09月09日夫にも育児に協力してほしいけれど、どう頼めばいいのかわからない。子どもと一緒に遊んでもらおうとしたはずが、なぜかケンカになってしまうことも…。そんな夫には「絵本」を読んでもらいましょう!■特別なスキルは不要!日中は子どもと一緒に過ごせないパパは、育児に参加したくても「何からはじめればいいのかわからない」状態。子どものお気に入りのオモチャや遊び方もわからないので、一緒に遊んでといわれても困ってしまうかもしれません。でも、絵本なら、抱っこしながら読み聞かせてあげるだけでOK! 子どもとスキンシップができるし、楽しそうに聞いているわが子の姿を見れば、より育児に関心を示してくれることでしょう。パパはママと違って、育児に関する情報が不足していることが多いものです。自分の感覚で「これならできるだろう」と思っていても、意外とこなせないことは珍しくありません。「なんでこんなこともできないの!?」と怒ってしまえば、パパのやる気は失われるばかりです。■まずは定番の昔話からパパに読み聞かせをお願するときも、絵本のチョイスはママがするといいでしょう。環境を整えてあげることで、パパも育児に参加しやすくなります。はじめに読んでもらうなら、「桃太郎」などの定番の昔話がおすすめ。自分も内容を知っているから、子どもにも読みすすめやすくなります。鬼が島へ向かうシーンでは、男性の方が効果音などを使って臨場感あふれる読み聞かせができることも。動物が登場する作品を選べば、鳴き声をまねして盛りあげてくれるかもしれません。慣れてきたら、『はらぺこあおむし』のような現代の定番絵本をすすめてみましょう。子どもに人気が高い作品ですが、夫には新鮮にうつり興味をもってくれることでしょう。■パパのこともほめてのばす!夫に絵本を渡すときには、「これならできるでしょ」というフレーズは禁句です。育児にまったく参加する意欲を見せない人だとしても、「お願いする」姿勢を忘れずに。たとえば、「私が読んでもあまり反応がない。上手に読めないから、あなたにお願いしたいの」など、夫を立てる言い方がおすすめです。実際に絵本を読んでもらったら、「やっぱり、パパが読んだ方がよろこんでいるみたい」とほめるのがポイントです。ほめられれば悪い気はしないし、自分にも育児参加ができるということを実感してもらえます。自分から進んで絵本を読んでくれるようになったらこっちのもの。その流れで寝かしつけをお願いしたり、絵本の前にお風呂を頼んだり…。子どもとパパの時間を増やすことで、ママの時間を確保できます。「これをやってほしい」とお願いしないとやってくれない、ほめてあげないとすぐにすねる…。まるで大きな子どもですが、夫をイクメンに育てることは、育児と共通点があるかもしれませんね。
2016年09月05日(Photo by Flickr)今、海外を中心に「さまざまな性」をテーマにした絵本が増えている。 幼い頃、誰もが読み親しんだ絵本。 そんな絵本を通して、子どもや大人に「性」を考える機会を作る試みを追った。 性的マイノリティへの理解が課題の現代社会(Photo by Flickr)昨年ある大学生が、自分が同性愛者であると友人にばらされる「アウティング」を苦に、自殺したという悲しい事件が日本で起きていたと分かった。 今年に入り裁判に発展し、友人たちが「同性愛者は生理的に受け付けない」という類の発言をしていたことや、大学側の対応の実情が明らかになった。 同性愛者のカミングアウトの難しさ、アウティングによる精神的苦痛が浮き彫りになり、ネット上では議論が起きている。 このように、日本ではまだ性的マイノリティの人々の存在が「当たり前」として受け入れられていない。 大学生のような若い世代においてさえもこの現状である。 その原因の一つに、テレビなどのマスコミやインターネットで性的マイノリティの人々を「イジる」風潮が根強く残っているという点があるのではないだろうか。 それを当たり前のものとして受け入れてしまえば、その風潮が普通だという認識のまま、大人になってしまうのも無理はない。 日本だけでなく、世界でもLGBTQだという理由で、人々がいじめや偏見の対象になってしまうような理解の薄い地域は沢山ある。 世界で注目される「性についての絵本」で、幼いころから性を知ろう(Photo by Flickr)しかし今、日本や世界の出版業界で、「絵本」でこの現状を打破しようという動きがある。 そのうちのいくつかをご紹介しよう。(Photo by Amazon)今年4月に、子供向けの「性」について知る児童書、『いろいろな性、いろいろな生きかた』が出版された。 全3巻で、多様なセクシュアリティの現状や悩み、すべての人が生きやすい社会について訴えている。(Photo by Amazon)邦訳版も出版されているオランダの絵本『王さまと王さま』は、お姫様に興味を示さない王さまが、花嫁候補の付き添いでやってきた王子に恋をする物語だ。 「王さま同士が結ばれるおとぎ話もあっていい」というメッセージが伝わってくる。(Photo by goodreads)LGBTへの関心が高い北欧スウェーデンで出版されている絵本『Blompojken(お花の男の子)』。 この作品の主人公はスカートを履き、花冠をつけた男の子だ。 周囲から「ヘンだ」「強く、たくましくなれ」といわれる男の子を、「ありのままのあなたですてきなんだよ」というメッセージが優しく包む。 こうした絵本を通じて子どもの頃から性の多様さを知るのは、「いろいろな人がいて当たり前」という考えを持つ上でとても大切なことだ。 さらに、現に自分の性に悩みを抱えていたり、いじめの標的になっていたりする子どもたちの心の支えにもなるのではないだろうか。 まだ間に合う。大人が読んでも遅くはない(Photo by Flickr)絵本は決して子どもたちだけの物ではない。 子どもに伝わるように言葉を選んで書かれた文やイラストだからこそ、大人の心にダイレクトに刺さるメッセージがある。 「多様なセクシュアリティ」という大きなテーマを私たち大人がどのように知り、受け入れ、伝えていくべきなのか、その一つのツールとして、絵本があってもいいのではないだろうか。 日本ではまだ出版数の少ないLGBTQについて描かれた絵本だが、多様性への理解が問われる現代において、その需要は増していくだろう。 via. Huffingtonpost,産経ニュース,BUZZFEED この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「結婚」も「性別」もない時代 「ゴールデンウィークをレインボーウィークに!」初夏を感じさせるような日々がつづく東京。連休に合わせて「Tokyo Rainbow Pride2015」が開催中された... ーBe inspired!Texted by Minori Okigaki
2016年08月24日待ちに待った夏休み!いつもよりも親子で過ごす時間がぐっと増える夏休みに、山や海へ遠出して過ごすのも良いけれど、お家でひんやりかき氷を食べながらまったりした一時を満喫することも素敵な夏の思い出になるはず。そこでFASHION HEADLINEでは、夏休みに大人も子どもも楽しめる絵本を、本を愛する書店の皆さまに聞きました!目で見て楽しめるアートブックのような絵本、思わず声に出して読みたくなる絵本、頭に残るリズミカルな絵本、じっくり読める絵本など、より感性を豊かにしてくれる個性豊かなラインアップ。連載第2回目の今回は代官山 蔦屋書店がオススメする5冊をご紹介。『すばらしいとき』(ロバート・マックロスキー 訳:渡辺茂男/発売:福音館書店)家族とのかけがえのない夏の想い出。見渡すかぎり雄大な島での自然。終わりのない喜びと、不思議さに驚嘆する感性を人智を超えた荘厳なる視点で語られています。美しい季節のうつろいを五感で味わえる絵本。1957年作。『すばらしいとき』ロバート・マックロスキー(Robert McCloskey)訳:渡辺茂男『アニマリウム ようこそ、動物の博物館へ』(ジェニー・ブルーム 絵:ケイティ・スコット/発売:汐文社)サイエンスとアートを兼ね備えた大型ビジュアル絵本。英国発世界20ヶ国以上で翻訳された邦訳が発売されます。博物館を親子で巡るように、38億年の進化の歴史や生物多様性について160種類以上の動物の美しい細密画から学べます。装丁も秀逸。『アニマリウム ようこそ、動物の博物館へ』ジェニー・ブルーム(Jenny Broom)絵:ケイティ・スコット(Katie Scott)『せかいで いちばん あたまのいい いぬ ピートがっこうへいく』(マイラ・カルマン 訳:矢野顕子・坂本美雨/発売:リトル・ドッグ・プレス)MOMA収蔵作品でコラージュした「GIRLS STANDING ON LAWNS」や新作「Beloved Dog」等カラフルでウイットに富む作品を放つ著者の絵本。自由でやんちゃでおちゃめな愛すべき犬のピートの物語。矢野顕子坂本美雨母娘のユーモラスでビートのきいた共訳も魅力的。『WHERE'S WARHOL?』(キャサリン・イングラム,アンドリュー・レイ/発売:Laurence King Publishing)「Where's Karl?」のように『ウォーリーをさがせ!』パロディー版にもかかわらず、アンディ―・ウォーホール(Andy Warhol)の伝記だけではなく絵画史も俯瞰するユニークな構成。STUDIO54からスタート。表紙にバスキアも!巻末にある交遊録や解説も圧巻。『WHERE'S WARHOL?』Catherine Ingram(キャサリン・イングラム)Andrew Rea(アンドリュー・レイ)『チムとゆうかんなせんちょうさん』(エドワード・アーディゾーニ 訳:瀬田貞二/発売:福音館書店)チムシリーズは、大人の温かなまなざしのもと、好奇心や冒険心を燃やしひたむきに毎日を生きる子どもの本質が描かれているため愛される少年の成長航海記。簡潔な瀬田貞二の文章と、詩情溢れる水彩画から潮の香りも!『チムとゆうかんなせんちょうさん』エドワード・アーディソニー(Edward Ardizzone)訳:瀬田貞二
2016年08月14日2016年8月15日は終戦記念日。今年で戦後71年目をむかえます。憲法改正をめぐるニュースも報道されていることから、あらためて平和について考えさせられる方も多いことでしょう。あの悲惨なできごとを風化させないためにも、家族で読みたい絵本を紹介します。■『まちんと』(偕成社)文・松谷みよ子 絵・司修 原爆投下直後の広島。まもなく3歳になる女の子はトマトを口に入れてもらうと「まちんと、まちんと」とねだります。お母さんは焼け崩れた街にトマトを探しにいきましたが、なかなかみつかりません。ようやく、たった1つだけみつけて戻ったとき、その子は、「まちんと、まちんと」といいながら、もう息をひきとっていました…。“まちんと”とは、「もうちょっと」という意味の方言を幼い子が舌たらずにしゃべっている感じのことばです。よけいな説明はなく、原爆で燃えあがる街でトマトを欲しがる女の子を描写するだけのシンプルな構成です。だからこそ、傷ついて息も絶えそうな幼子が求めるトマトの冷たい感触やみずみずしさが強調され、原爆の残酷さを歴史上の物語ではなく、実際に起こった悲劇してとらえることができるのではないでしょうか。極限の状況で出てくることばに混じる、ふるさとなまりの「まちんと」。その語感がかなしく懐かしい響きに思えてなりません。■『チロヌップのきつね』(金の星社)文・絵 たかはしひろゆき太平洋戦争末期、北の孤島「チロヌップ」を舞台に、漁に来たおじいさん、おばあさんと兵隊に襲われるきつね一家の交流を描く物語です。作者の高橋宏幸は、兵士として1944年の暮れに千島のウルップ島に上陸しました。そこは、たくさんのきつねが暮らす美しい島だったそうです。ある日、密猟者のしかけた鉄のわなに子きつねの白骨体がかかっているのを見つけ、どこにもぶつけようのない激しい怒りを感じたそう。その体験が『チロヌップのきつね』を生み出すきっかけとなったのだとか。実話をもとにつくられた創作童話だからでしょうか、静かな迫力とかなしみにあふれています。鳥や獣が人間のことばを話す物語はよくあります。『チロヌップのきつね』は擬人化されていないにもかかわらず、坊やのきつねを探すため、銃声がこだまするなかへ飛びこむ父きつねの勇敢な姿や、わなにかかった娘のきつねを救おうとする、けなげな母きつねに胸が熱くなります。戦争だけでなく、親子の結びつきや環境問題についても考えさせられる名作です。■『小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話 戦争童話集〜忘れてはイケナイ物語り〜』(世界文化社)原作・野坂昭如 画・黒田征太郎戦争がテーマの連作童話12編がおさめられています。食糧難で空腹の子どもたち、オオカミやクジラの視点で語る人間の修羅場など、さまざまな切り口で展開します。すべての書きだしが「昭和二十年、八月十五日」ではじまります。戦争は終わったけれど、平和の幕開けではないことがわかります。戦争が原因で妹や養父を亡くしている野坂昭如は、このように語っています。「日本人は、いつの間にかあの戦争をなかったことのようにしてしまった。戦後というが、今もなお、戦争は続いている。戦争は、気づいた時にはすでに始まっているものだ」出典:『小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話 戦争童話集〜忘れてはイケナイ物語り〜』『戦争童話集』は1975年に出版され、昨年、黒田征太郎のイラストとコラボレーションして美しい絵本になりました。絵に託されたメッセージと物語の行間ににじむ想いをくみとりながら読んでみてください。子どもといっしょに読みながら、戦争について、生き方について、平和について家族で話しあう機会になれば幸いです。
2016年08月14日待ちに待った夏休み!いつもよりも親子で過ごす時間がぐっと増える夏休みに、山や海へ遠出して過ごすのも良いけれど、お家でひんやりかき氷を食べながらまったりした一時を満喫することも素敵な夏の思い出になるはず。そこでFASHION HEADLINEでは、夏休みに大人も子供も楽しめる絵本を、本を愛する書店の皆さまに聞きました!目で見て楽しめるアートブックのような絵本、思わず声に出して読みたくなる絵本、頭に残るリズミカルな絵本、じっくり読める絵本など、より感性を豊かにしてくれる個性豊かなラインアップ。連載第1回目の今回は、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」がオススメする4冊をご紹介します。『ジャリおじさん』(大竹伸朗/発売:福音館書房)毎日海を見て暮らしていたジャリおじさんは、鼻の頭にひげが生えている。そんなジャリおじさんが、ある日突然、海に背を向けて歩き出す…。「ジャリジャリ」という挨拶、ページいっぱいのシュールな絵、そして突飛なストーリー。日本を代表する現代美術作家である大竹伸朗による絵と、リズミカルな語感。この斬新な絵本にぴったりハマれば、きっと何度も開くお気に入りの1冊に。『ジャリおじさん』大竹伸朗『ぽぱーぺぽぴぱっぷ』(絵:岡崎乾太郎 文:谷川俊太郎/発売:クレヨンハウス)「ぴぴぴー ぴぴーぷ ぷーぺー ぴぷぺぺぺ」思わず口に出して言いたくなってしまう、「ぱぴぷぺぽ」でできたふしぎな言葉たち。とっても単純だからこそ、どのように読むか、読む人の数だけ新しい音が生まれるはず。親子でも、おともだちとでも、声に出して読みたい1冊。そしてなんと言っても造形作家の岡崎乾次郎が描く、カラフルなツノの生えたふしぎな生き物がキュート。『ぽぱーぺぽぴぱっぷ』絵:岡崎乾太郎 文:谷川俊太郎『水の生きもの』(絵・文:ランバロス・ジャー 訳:市川恵里/発売:河出書房新社)なんと、インドの工房にて1冊1冊シルクスクリーンで刷られた手作りの絵本。手漉き紙から伝わる温かさには、1枚1枚ページをめくる幸せがつまっている。インド伝統の民俗絵画、ミティラー画の手法で描かれる細やかな線、次々に現れるサカナやカニたちの表情は異国情緒たっぷり。ぜひ親子で一緒にページをめくりながら読んで頂きたい作品集のような絵本である。『水の生きもの』ランバロス・ジャー(Rambharos Jha) 訳:市川恵里『ドミトリーともきんす』(高野文子/発売:中央公論社)絵本、というより漫画に近いのですが、ぜひ夏休みにおすすめしたい1冊。実在の科学者たちが、もし学生寮「ドミトリーともきんす」に住んでいたら?という架空の設定で描かれたもの。朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹が学生となって登場し、様々な場面で彼らの言葉や著書が紹介される。決して難解ではなく、シンプルな絵と相まって「読んでみたい」「もっと知りたい」と感じられる1冊。さらにその先に続いてゆく読書のためにも、時間に余裕のある夏休みに読んでみては。小学生以上のお子様にはもちろん、大人の方にもおすすめ。『ドミトリーともきんす』高野文子
2016年08月13日今年(2016年)発売された、カラフルな色使い、かわいらしい動物の絵が印象的な絵本『あいであ』(アノニマ・スタジオ)。日本ではなかなか見られない新鮮な感性で描かれたこの絵本は、言葉が少ない分想像力をかきたてられ、0歳から年齢を問わず楽しめます。著者の、こうのあおい(葵・フーバー・河野)さんは、1936年東京生まれ、スイス在住のグラフィックデザイナー・イラストレーター。そんな世界的に活躍している葵さんが来日されていると聞き、絵本についての話を中心に、たっぷり伺いました。 ■“こうのあおい”の絵本が生まれるまで葵さんは、日本を代表するグラフィックデザイナー、河野鷹思氏の長女。東京芸術大学を卒業後にスウェーデン・ストックホルムでグラフィックアートを学び、イタリア・ミラノに拠点を移してからは、世界的なグラフィックデザイナーで、のちに夫となるマックス・フーバー氏のスタジオでイラストレーションを担当。その後、スイスに移り住み、現在までテキスタイルや絵本、おもちゃなど、幅広くデザインや絵画を数多く手がけてきました。「主人がイタリアのエッメ社という出版社から、イエラ・マリ(絵本『あかいふうせん』、『木のうた』など)さんの本のレイアウトを頼まれたのをきっかけに、編集者のロゼッリーニさんと知り合ったんです。何かアイデアがあれば、と声をかけてもらっていたのだけど、実際に絵本を作ったのは、少し後のことでした。絵本は専門ではなくて、ブルーノ・ムナーリ(絵本『きりのなかのサーカス』など、イタリアを代表するアーティスト)さんと本を作るときに、いろいろ勉強しました」 そうして、1972年にイタリアで出版された絵本が『ふゆ』。フランスほか世界5ヶ国で翻訳されたものの、日本ではなかなか読まれる機会に恵まれませんでしたが、刊行から40年後の2012年に、待望の日本語版が出版されました。 『ふゆ』 (こうのあおい・著/アノニマ・スタジオ)『ふゆ』は、ある冬の日、雨が雪になって、少しずつ降り積もり、やがて地面を覆います。雪の上に見つけた、いろいろな足跡をたどると…というお話。グレーや白の、シックな色使いを基調とした、シンプルなイラストで、飾っておきたくなるようなデザイン。余白も多く、真っ白のページに文字だけ入ったページは、だんだん雪に見えてきます。「これは、南スイスの小さな村に引っ越したとき、猫を3匹くらい飼っていたんですけど、見当たらないと思ったら、雪の上に足跡が点々とついていて。そこから、この話を思いつきました。イエラ・マリさんの絵本も文字がないし、最初はテキストもなくしたいくらいだったけど、この場合はちょっとあったほうがいいなと思って。最後のページの動物は、本当はもっとすごい色だったけど、“冬にアフリカの動物がいるわけがない”と、当時編集者から言われて、今の色に落ち着いたんです(笑)」 ■考えて、話し合うきっかけに先頃発売となった『あいであ』は、平和に楽しく暮らしている動物たちの村に、突然事件が起こる、というお話。動物たちは話し合って、“あいであ”を出し合い…。この話の原案は40年前からあり、これまで日の目を見なかった1冊だったのだそう。 『あいであ』 (こうのあおい・著/アノニマ・スタジオ)「原画を出版社に渡すとき、『もしかしたら、失くされてしまうかもしれない』と思って、昔はコピー機がないから、鉛筆で全部下書きを描いたんです。それがあったからできた本。絵を描くのは遅くはないと思いますが、これは1ヶ月~2ヶ月くらいかかりました。細かい葉っぱを描くのに時間がかかりましたね」「これは、スイスので、うちで飼っていた猫がいなくなり、村の猟が趣味の人に撃たれてしまったかもしれないと思ったことがきっかけでした。本を出して、そういうことを防止しないと、と思って考えたんです。でも、今は地震や原発といった、それより怖いものがたくさんあるので、お話をちょっと変えて、編集の方とやりとりをしてストーリーを決めました。問題から逃げても解決はできないけど、話として終わりがないと具合が悪いので、最後に自然エネルギーを思わせるページを加えたんです」必ずしもハッピーエンドだけがいいことではなく、「みんなにとっての大問題は、逃げても解決はない。でもみんなで、本気で考えることが大事」ということをテーマにしたかったと話します。そんな葵さんは、ご自身の絵本をどのように読んで欲しいと考えているのでしょうか?「私は絵からアイデアを考えて、後から話をつけていますが、絵本に関してはテキストがないくらいが理想だと思っています。絵本は絵の本だから、ビジュアルコミュニケーションというのかしら。絵をそのまま見て、感じて、自由に解釈すればいいんじゃないかなと思います」 ■生活と遊びで培われた色彩感覚独特の色彩感覚はどこから生まれたのか、影響を受けたものなど、子どもの頃はどうだったのでしょうか?「私が子どもの当時、絵本はほとんどありませんでしたが、1冊だけ、ミッキーマウスの本がありました。すごくきれいなグリーンだったのは覚えています。私は形よりも色のほうが記憶にあるんです。子どもの頃は戦争もあったし疎開もして、とにかく物がないから、海で石を取ったり、着物の端切れをチクチク縫ったり貼ったりして。食堂ごっこをするのが楽しくて、葉っぱでホットケーキとか、色のついた紙を切って中に石を入れたり、キャラメルに見立てたり、そういう遊びをしていました。物がなければないで、工夫して楽しめるものです」「色感は持って生まれたもの。同じ環境でも色感って違うし、絶対真似はできない。体が要求する、体質的なものだと思います。ただ、個人的に黒色は、そこに穴が空いたように見えるから、使うのは苦手ですね」最後に、絵本を通して伝えたいことを伺いました。「子どもというよりお母さんに伝えたいのですが、日本はいま、いい意味でも悪い意味でも、物が多い。情報も多いし、お母さんは選ぶのが大変じゃないかなと思うんです。それに、望みと関係なく情報が入ってきちゃうのは、子どもにとっても良くないと思います。絵本も『わからせよう』と説明しすぎるのではなく、ある程度放っておくのも大事。そうしていると、子どもも自然と感じてくるし、案外面白い見方をするかも。絵も好きか嫌いでいいんです。頭から順番通りでなく、終わりから見てもいいと思いますよ」(取材・構成:赤木真弓)
2016年07月31日ママが2人目を妊娠すると、お腹がどんどん大きくなって、上の子も赤ちゃんに会えるのがとても楽しみです。だけど、夜泣きや赤ちゃんがえりなど、妊娠中から出産後も、お兄ちゃんやお姉ちゃんになる子どもの心は落ち着きません。そんなときに読み聞かせをしてあげたい絵本を紹介します。■『おかあさんといっしょ』作/薮内正幸(福音館書店)読んであげるなら1 ~2歳ぐらいからいぬ、ねこ、くま、パンダ、キリンなど、動物の子どもがお母さんと一緒に遊んだり、食べたり、あくびをしたり、親子が触れ合う様子が描かれています。表紙のパンダのお母さんが子どもをむぎゅっと抱きしめる姿には、上の子に手を掛けてあげられない自分のもどかしい気持ちで胸がキューンとなったことを覚えています。動物のお母さんのように、いつもあなたの側にいるからね、と子どもに語りかけながら何度も読み聞かせた一冊です。 ■『どうぶつのおかあさん』作/小森厚さく、絵/藪内正幸(福音館書店)読んであげるなら1~2歳ぐらいからねこ、ライオン、チンパンジー、コアラなどの動物たちが登場し、子どもたちをどうやって運んだり歩かせたりさせているのかを描いています。藪内正幸さんのリアルなタッチで描かれた動物たちの優しい眼差しが、子どもも大人も引きつけるはず。動物の子どもが必死にお母さんにしがみつく様子を見ながら、子どもは抱っこをせがんできたり、ぺたっとくっついてきます。そんなときは、思いっきり子どもを抱きしめてあげましょう。親子の温かいきずなを感じる絵本です。 ■『ねえたんがすきなのに』作/かさいまり、絵/鈴木まさる(佼成出版社)読んであげるなら3歳ぐらいからねえたんのことが大好きなゆうゆ。いつもべったりくっついて、何でも同じことをしたがります。でもある日、ねえたんが、ゆうゆを一人おいて遊びに出かけてしまいます。ひとりぼっちのゆうゆは、さみしくてかなしくて。そんなゆうゆの気持ちが届いたかのように、ねえたんが、ゆうゆを迎えに来ます。幼い姉妹のそれぞれの繊細な気持ちや感情が丁寧に描かれた作品。お兄ちゃん、お姉ちゃんにもうじきなる子どもに、「赤ちゃんが生まれたら一緒に遊べるね」と声掛けしながら読み聞かせをして、弟妹の誕生を親子で心待ちにしていました。■『おとうさんはパンやさん』作/平田昌広、絵/鈴木まもる(佼成出版社)読んであげるなら4歳ぐらいからパンの仕込みで朝早くから働くお父さん。そしてお父さんを手伝うお母さんのお腹が大きいのは、パンを食べ過ぎたからではなく、赤ちゃんがもうすぐ産まれるから。一人で朝食を食べるのは寂しいけど、お父さんが大好きだから頑張る娘のサキ。新たな家族が増えるお父さんと娘の描写がとても素敵な絵本です。赤ちゃんが産まれてからの最後の場面で、サキが弟を抱きしめながら「おとうさんのパン、いっしょにたべようね。おとうさんのパン、せかいいちおいしいよ」と語りかける姿に、何とも言えない感動があります。こんな優しいお姉ちゃん、お兄ちゃんになってね、と気持ちが伝わるように、優しく読んであげたい絵本です。お父さんの働く姿からパン屋さんの仕事を学ぶ絵本ですが、心温まる家族の愛があふれた作品でもあります。絵本を読んであげることで、お姉ちゃん、お兄ちゃんになるための心の準備をさせてあげられるといいですね。2人目が生まれた直後は上の子に寂しい思いをさせてしまうこともあるので、プレママ期間にたっぷり愛情を注いであげましょう。・ おかあさんといっしょ 薮内正幸(福音館書店) ・ どうぶつのおかあさん 作/小森厚さく、絵/藪内正幸(福音館書店) ・ ねえたんがすきなのに 作/かさいまり、絵/鈴木まさる(佼成出版社) ・ おとうさんはパンやさん 作/平田昌広、絵/鈴木まもる(佼成出版社)
2016年07月29日フリーアナウンサーの加藤綾子(31)が29日、神奈川・横浜赤レンガ倉庫で行われた「誕生60周年記念 ミッフィー展」開幕記念イベントに参加。子供たちに絵本の読みを行い、ミッフィーと子供たちと一緒に歌とダンスも披露した。子供が大好きで、大学時代は音楽教育学科に所属し、音楽教師を目指していたという加藤アナ。「中学校と高校の(教員)免許をとりました。ピアノの先生に憧れていて、何か人に教えられる仕事につけたらいいなと思っていました」と振り返り、初の読み聞かせを前に「初体験なのでドキドキしていますが、母が私に読み聞かせをしてくれたことを思い出しながら頑張りたい」と意気込みを語った。そして、「みんな読んだことある?」「読んでいこうね。ミッフィーちゃんだよ」と穏やかな表情で子供たちに話しかけ、「ちいさなうさこちゃん」と読み聞かせをスタート。優しい語り口調で、時折、子供たちに話しかけながら読み進めた。「海行くの!」「水着一丁だよ!」と天真らんまんな子供たちに思わず笑う場面もあり、「海行くんだ」「水着一丁だね」と笑顔で受け止めていた。その後、ミッフィーと歌のお姉さんも加わり、子供たちと一緒に歌をダンスを披露。「ミッフィー、かわいいうさちゃん」「ミッフィー、おりこううさちゃん」と歌いながら、かわいらしいダンスを踊った。「先生になりたいっていう夢がかなりました。素敵な時間でした」と大満足の加藤アナは、子供たちから「ありがとうございました」と言われると、「ありがとうございました」とうれしそうに返していた。「誕生60周年記念 ミッフィー展」は、ミッフィー(うさこちゃん)が2015年に誕生60周年を迎えたことを記念した展示会。昨年より全国を巡回しており、7月30日~8月24日に横浜赤レンガ倉庫1号館にて開催される。世界初公開の1955年『ちいさなうさこちゃん』(第1版)で描かれた「ファースト・ミッフィー」と、おなじみの姿に描き直された1963年の第2版の原画が並べて公開されるほか、資料約300点が展示される。
2016年07月29日夏ならではの遊び場といえば、海や川といった水辺ですよね。きらめく水面と照りつける太陽、熱い体をひんやりさせてくれる海や川が大好きな子どもも多いことでしょう。今回はそんな海や川を題材にした絵本を 絵本ナビ 協力のもとご紹介!「海の中はどうなっているの?」「どんな生き物がいる?」という疑問にこたえ、見る機会の少ない川の始まりと終わりの描写など、子どもたちの「そうなんだ!」という反応が引き出せる絵本を集めてみました。■チリとチリリ うみのおはなし作・絵:どい かや/出版社:アリス館 「チリとチリリ うみのおはなし」(絵本ナビ紹介ページ) チリとチリリが自転車にのっていきついたのは海の中! ピンク色のサンゴの迷路、海藻でできた入り口、貝殻のソファ、魚たちの華麗なダンスショー…。各シーンが色鉛筆による優しいタッチで描かれています。まるで竜宮城のようなその場所に思わず「行ってみたいな~!」と親子でつぶやいてしまうかも。2人がお土産にもらった宝物も気になります!■スイミー 小さなかしこいさかなのはなし作:レオ・レオニ/訳: 谷川 俊太郎/出版社:好学社 「スイミー 小さなかしこいさかなのはなし」(絵本ナビ紹介ページ) 「昔、読んだことがある」という人も多い名作。スイミーが赤い魚たちの目となるシーンは強烈な印象を残し、勇気あるスイミーに元気をもらえる絵本です。けれど、見どころはそれだけではありません。仲間たちが食べられ、ひとり生き残ったスイミーの孤独や虚無感、その後に出会うさまざまな海の生き物たち、この世界のすばらしさ…。文字だけではなく、絵にもスイミーの心境の変化がしっかりと描かれているので子どもと一緒にママにも新しい発見がありますよ!■絵巻えほん 川作:前川かずお/出版社:こぐま社 「絵巻えほん 川」(絵本ナビ紹介ページ) 上流から下流へ、人の暮らしの中をゆらゆらと流れていく川。いろんな場所にいろんな人が住み、それぞれの時間の中で暮らしている様子が、つながった絵巻物で楽しむことができます。川はときには洪水といった災害を引き起こすなど、荒々しい一面も垣間見せます。川と一緒に行く、海までの旅。見るたび、新しい視点がひとつ増えるような、そんな絵本です。 ■かわ作・絵:鈴木 のりたけ/出版社:幻冬舎 「かわ」(絵本ナビ紹介ページ) 源流から河口にいきつくまで、145種類の生き物が登場します。リアルな描写が絵本という域をこえて、図鑑のようです。水や魚の視点で話が進んでいくのも、とてもユニーク。ページを開くたび「次はなんだ?」と、わくわくする子どもの表情が見られるかもしれません。小さな流れが集まって大きな流れとなり、上流、中流、沼や池や田んぼを通り過ぎて下流となり、河口にいきつく。「うちはどこ? 中流? 下流?」など川のそばに住んでいるご家庭ならではの問いかけが聞けるかもしれませんね。■ピンク、ぺっこん作:村上 康成/出版社:徳間書店 「ピンク、ぺっこん」(絵本ナビ紹介ページ) ピンク色のひれをもつ「ピンク」というヤマメが主人公のこの絵本には、1日の出来事が生き生きと描かれています。生き物にとっては日常的な食物連鎖を感じさせるシーンには、ただの絵本にはない緊張感もあり、子どもがどんな表情をするか気になってしまう一幕も。でも、きれいな夕暮れに生きていく強さと明日への希望を感じさせる、生命力あふれる1冊です。毎年楽しみにしている夏のレジャースポットは、どこ(誰)を視点にするかでいろんな楽しみ方があるようです。今年の夏は絵本を読んで、新たな発見をしてみませんか?データ協力: 絵本ナビ
2016年07月28日子どもにぴったりの絵本を探すとき、どんなテーマで選ぶことが多いですか? 「車が好きだから乗り物の絵本」「動物好きだから動物が主役の絵本」など、ジャンルを決めて絵本探しする人も多いですよね。でも、たまにはテーマにこだわらず、子どもの心をキャッチする一冊をプレゼントしたいもの。そんな人は色をテーマにしてはいかがでしょう。今回は夏にぴったりな水色(青色)を題材にした絵本を 絵本ナビ 協力のもとご紹介します。 ■みず ちゃぽん作:新井 洋行/出版社:童心社 「みず ちゃぽん」(絵本ナビ紹介ページ) たくさんのしずくに、それぞれ表情が描かれたみずの絵本です。ぴちゃ、ぽと ぽた ぽしゃ、ちょろちょろー、じょぼぼぼー! など、水の音と形がおもしろく、優しく表現されています。落ちた瞬間の、みずの表情がなんともいえず良い表情で、思わず笑ってしまうことも。水色と白というシンプルなカラー展開がいさぎよく、子どもが五感で楽しめる絵本となっています。■しずくのぼうけん作:マリア・テルリコフスカ/絵:ボフダン・ブテンコ/訳:内田 莉莎子/出版社:福音館書店 「しずくのぼうけん」(絵本ナビ紹介ページ) この本は水の性質をわかりやすく、ストーリー仕立てで解説する科学絵本です。ひとしずくの水が長い旅の途中で氷になったり、蒸発したり、雲や雨になったり…。勉強しているというより、一緒に冒険を楽しみながら水の変化を感じられるので、知らないうちに「水はこうなる」という知識が身についていくかもしれませんね。■ふねくんのたび作:いしかわ こうじ/出版社:ポプラ社 「ふねくんのたび」(絵本ナビ紹介ページ) ふねくんは小さな町に住む男の子から手紙を預かり、大きな町に住む女の子に届けます。嵐にも負けず、きれいな星空や虹を楽しみ、朝日に輝く海を渡って、ついに目的地に到着! 船がテーマの乗り物絵本ですが、見開きページは圧巻! 広い空、どこまでも続く海、そのどちらも鮮やかな青色で描かれ、気持ちを明るくしてくれます。男の子だけじゃなく、女の子にもおすすめの1冊です。 ■あめかな!作・絵:U.G.サトー/出版社:福音館書店 「あめかな!」(絵本ナビ紹介ページ) 実際の雨粒のように、しずくのリアルさが新鮮な絵本。とことんシンプルでありながら、雨の姿をさまざまに表現しています。グラデーションがかった深みのある色彩は、年齢を問わず、惹きつけられるものがあるようです。見るたびに創造力をふくらませてくれるような、良い意味で「赤ちゃんらしくない」アート作品といえます。■みずいろのぞう作・絵:nakaban(ナカバン)/出版社:ほるぷ出版 「みずいろのぞう」(絵本ナビ紹介ページ) みずいろのぞうは、自分が並べた石ころをキッカケにして、遠くへ旅することを決めました。途中には出会いがあり、それぞれの決断と別れが訪れます。「自分を探す旅である」というメッセージを絵本を通して感じますが、同じように「誰もが選べる自由」を持っていることにも、また気づかされます。1人きりになっても前に進むことを決めたぞう。どんな感想を抱くかは、読む人によって違うかもしれませんね。同じ色でも元気や明るさをもらえたり、優しさやいたわりを感じたりと違いがあるものです。今回は水に関連したものが多かったですが、その内容はさまざま。色をテーマにした絵本選び、ぜひ実践してみてくださいね。データ協力: 絵本ナビ
2016年07月21日雨の多い季節は「また今日も雨~?」と、うんざりしてしまうお子さんも多いですよね。でも、雨の日ならではの楽しみ方もちゃんとあります。しとしと、ザーッという音の変化や雨だから出会える生き物たち、スニーカーとは違う長靴の感触、雨のにおい。今回は 絵本ナビ 協力のもと、「雨の日もけっこういいかも」そんな気持ちにさせてくれる、雨の日絵本をご紹介しましょう。■あめ ぽぽぽ作:ひがし なおこ/絵:きうち たつろう/出版社:くもん出版 「あめ ぽぽぽ」(絵本ナビ紹介ページ) 黄色の雨がっぱ、黄色の傘、黄色い長靴のぼくはママと雨の日の公園へ。雨の音が歌のようにやさしい響きとなって、キラキラ落ちてきます。よく見ると雨粒には表情があり、ひとつひとつに命があるみたい…。雨に会いに、雨がうたうのを聞きに、外に出てみたくなる1冊です。■雨、あめ作:ピーター・スピア/出版社:評論社 「雨、あめ」(絵本ナビ紹介ページ) 雨が降ってきた瞬間にうれしそうに家をとびだす、おねえちゃんとおとうと。水たまりにじゃぶじゃぶつっこんだり、傘をひっくりかえして雨粒を集めたり、雨の日の楽しみ方を文字ではなく、読み手に想像させてくれる絵本です。読み始めは「こんなにめちゃくちゃに遊んで…」と、うなってしまうママも「子どものころ、こんな遊びしたかったなぁ」と自分の幼少時代を思い出し、目を細めてしまうかもしれませんね。■ぼく、あめふりお作・絵:大森 裕子/出版社:教育画劇 「ぼく、あめふりお」(絵本ナビ紹介ページ) てるてるぼうずだけれど自分のまわりでは雨がふってしまう、ふりお。「おひさまに会いたい」と、ひとり旅にでるも、雨、雨、雨….。そんなときに出会った、雨の大好きな女の子。ふたりでたくさん遊ぶうちに、ふりおは女の子が大好きになりますが…。ふりおがした最後の決断に胸がしめつけられますが、おひさまのような女の子との出会いは、いつまでも色褪せないと思える1冊です。 ■あめふりさんぽ作:江頭 路子/出版社:講談社 「あめふりさんぽ」(絵本ナビ紹介ページ) 幻想的にも見えるさわやかな水彩画は、雨というテーマにぴったり。雨の日に出会うものたちに、自分の持ち物をさしだす女の子。その思いやりに心がじんわり癒されます。雨の日を楽しんだ後に待っている、雨上がりの景色にも感動してしまうでしょう。■バムとケロのにちようび作:島田 ゆか/出版社:文溪堂 「バムとケロのにちようび」(絵本ナビ紹介ページ) 几帳面できれい好きの犬のバムと、いたずら好きなカエルのケロ。愛嬌たっぷりの2ひきの物語が人気の「バムケロ」シリーズ。雨の日の「にちようび」は、おやつに揚げるドーナツの数にびっくり! ちらかった部屋を片付けて、ドーナツを手にゆっくり本を読もうとしたら… 。キャラクターの持つ愛らしさが存分にあふれる、子どもに人気の絵本です。雨の日は家の中にいることも多いですよね。そんなときこそ、今回ご紹介した雨の日絵本の出番です。読み聞かせで「雨の日ってつまらない」というイメージを「雨の日って特別かも」に変えるチャンス! 親子で一緒に、雨の日を楽しんでみてはいかがでしょうか。データ協力: 絵本ナビ
2016年07月14日梅雨どき、お天気が雨ばかりだと「お出かけできなくてイヤだなぁ」と思ってしまうもの。でも、雨が降ってうれしそうにしている生き物や、雨の日の思わぬハプニングをテーマにした絵本もたくさんあります。そうした絵本を読めば「意外と楽しめるかも」と雨の日のイメージが変わっていく子もいるかもしれません。今回は雨の日の生き物たちを主役にした絵本を 絵本ナビ 協力のもとご紹介します。雨なのになんだかわくわくする…! そんな気持ちにさせてくれる絵本です。■あめふり 改訂版作・絵:まつい のりこ/出版社:偕成社 「あめふり 改訂版」(絵本ナビ紹介ページ) 0歳の赤ちゃんから楽しめる字のない絵本は、読み聞かせの必要がなく、眺めたい時間の分だけ子どものペースに合わせることができます。また、読むたびに物語を自由につくれるのもこの絵本のいいところ。雨がふって喜んだり、あわてたり、こわがったり…。生き生き動く動物たちに感化され、雨の日がちょっと好きになれるかもしれません。■のんびりつむりん あめのひいいな作・絵:おおいじゅんこ/出版社:教育画劇 「のんびりつむりん あめのひいいな」(絵本ナビ紹介ページ) のんびりしている、かたつむりの「つむりん」。つむりんの家族は、みんなのんびり屋さんです。かたつむりにとって雨の日は「いい天気」! ふんわりとしたイラストと優しい文章が心をあたたかくしてくれます。雨の日にはかたつむりを見かけたことのある人もいますよね。この絵本を読んだ後は「パパやママはどこかな~?」など、見つけたかたつむりの家族を探してみたくなるはずです。■あめのもりのおくりもの 作・絵:ふくざわ ゆみこ/出版社:福音館書店 「あめのもりのおくりもの」(絵本ナビ紹介ページ) 大きなクマと小さなヤマネ。見た目には正反対の2ひきが織りなす、心あたたまる絵本シリーズです。今回の舞台は雨の森。雷が苦手なクマくんのために、森に咲いたあじさいの花ととってこようとするヤマネくん。でも洪水をおこした川の中にヤマネくんが落ちてしまって… というストーリーは、少しハラハラする展開もありますが、お互いを思いやる2ひきの姿に胸打たれる人が続出! 大人も楽しめる1冊となっています。 ■かえるのおでかけ作・絵:高畠 那生/出版社:フレーベル館 「かえるのおでかけ」(絵本ナビ紹介ページ) 雨なのにカツバーガーをもって、うきうき気分で出かける、ちょっと変わった「かえる」のお話。傘もささないから、すぐに全身びしょぬれで「大丈夫?」と思ってしまいますが、雨の日を楽しそうに過ごす姿を見ているうち「ああ、かえるは雨の日が最高の日なんだ」と納得。ダイナミックなイラストと、人間とは正反対な反応を見せる様子がおもしろく、お気に入りの1冊にする子も多いはず。読み聞かせが、大人のカチカチに固まった頭をやわらかくするいい機会にもなりそうです。■あかいかさ作・絵:ロバート・ブライト/訳:清水 真砂子/出版社:ほるぷ出版 「あかいかさ」(絵本ナビ紹介ページ) 赤い傘だけ赤色で、あとは白黒で描写されたシンプルでクラシカルな絵本です。女の子が開いた傘の中に「ぼくも(わたしも)いれて」と次々はいってくる動物たち。女の子の傘は、それに合わせてどんどん大きくなっていきます。雨の中、ひとりじゃなく、みんなで傘の中にはいるのはとても楽しそう! 傘ブームがきているお子さんにもおすすめです。雨がふるとなぜか憂鬱になってしまう人は、今回ご紹介した絵本をぜひ読んでみてください。雨の日を喜び、生き生きと活動している生き物たちを目にすれば、きっと自分にも雨の日ならではのお楽しみが見つかるはずです!データ協力: 絵本ナビ
2016年07月10日絵本原画コンペティション「ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)」について、その歴史と功績を紹介する展覧会「BIB 50周年 ブラティスラヴァ世界絵本原画展―絵本の50年 これまでとこれから―」が、7月9日から8月31日まで、うらわ美館館(埼玉)で開催される。スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで2年ごとに開催される「ブラティスラヴァ世界絵本原画展(略称 BIB=Bienial of Illustrations Bratislava)」は、現在のチェコ共和国とひとつの国、チェコスロヴァキアであった1965年にユネスコと国際児童図書評議会の提唱によって創設された世界最大規模の絵本原画の国際コンペティション。1967年に第1回目のBIBが開かれた。そして、2015年秋には記念すべき第25回目が開催され、創設50周年を迎えた。同コンペティションは、実際に出版された絵本の原画を審査の対象にすることを特徴にしており、芸術性の高い作品や、実験的でユニークな作品が集まることでも知られる。また、BIBの創設は、戦後日本の絵本文化が大きく花開こうとしていた時期にあたり、過去のBIBにおいて日本の絵本は毎回のように受賞し、高く評価されてきた。81タイトル、約300点の絵本原画を展示する本展は2部構成。第1部では、創設50年の節目を迎えた国際コンペティション「BIB」について、その歴史と功績を辿る他、BIBの歴代参加作品の中から「日本の絵本の歴史50年」を振り返り、過去半世紀の歴代“日本選抜”作品を紹介する。会場では、長新太の《キャベツくん》をはじめ、赤羽末吉の《スーホの白い馬》、田島征三の《ちからたろう》、丸木位里・丸木俊の《日本の伝説》、井上洋介の《まがれば まがりみち》、酒井駒子の《金曜日の砂糖ちゃん》、荒井良二の《うちゅうたまご》などが展示される。さらに、絵本のイラストレーションの最新動向を紹介する第2部では、昨年秋に行われた第25回BIBのグランプリ作品をはじめとする受賞作品および、日本からの出品作品を公開し、絵本の今、そして絵本のこれからを期待させる新鮮な表現や独創的な試みにフォーカス。会場では、準グランプリの「金のりんご賞」受賞の栄誉に輝いたミロコマチの《オレときいろ》をはじめ、松本大洋の《かないくん》、ローラ・カーリンの《あなたがつくる世界》《アイアンマンー鉄の男》、エレナ・オドリオソーラの《フランケンシュタイン》などが展示される。会期中には、自由に工作したり、絵を描いたりできる創作コーナーが設置される他、図書館ボランティアによる絵本の読み聞かせ会、学芸員と一緒に展示室を巡り、本物の作品を前に子供や親子で会話しながら楽しむ美術鑑賞ツアーなどが行われる予定だ。イベントの詳細やスケジュールについては、うらわ美術館の公式サイトで確認出来る。なお、本展は、うらわ美術館を皮切りに10月29日から12月11日まで岩手県立美術館、2017年1月4日から2月26日まで千葉市美術館、2017年4月8日から5月28日まで足利市立美術館、2017年7月8日から8月27日まで平塚市美術館と、国内の美術館5館を巡回する予定だ。【イベント情報】「BIB 50周年 ブラティスラヴァ世界絵本原画展ー絵本の50年 これまでとこれから―」会場:うらわ美術館住所:埼玉県さいたま市浦和区仲町2丁目5番1号 浦和センチュリーシティー3階会期:7月9日~8月31日時間:10:00~17:00※土、日曜日は20:00まで※入場は閉館の30分前まで料金:一般610円、大高生410円、中小生無料休館日:月曜日(7月18日は開館)、7月19日
2016年06月28日人とコミュニケーションを取る上で、話す・聞く力は大切なもの。臨床心理士の伊志嶺美津子さんが答えます。illustrationKAWAZOE MutsumiQ.話をしっかり聞ける子になるにはどうしたらいいですか?4歳の息子は人の話をしっかり聞いて行動するのが苦手です。園でも先生の話をよく聞いていないため、工作活動が特に苦手です。絵本を読み聞かせるときも聞いていないことがあります。[東京都・よもぎこ]A.家庭でのコミュニケーションを丁寧に行いましょう4歳はまだ自己中心性が抜けていないので、自分の興味がない話には注意が向きにくい年齢です。また不安なことがあるときも、人の話に集中できない場合があります。話をしっかり聞ける子になるためには、まず家庭でのコミュニケーションを丁寧に行うことがとても大事です。日頃からママが一方的に話して、「分かった」と言えば済んでしまうようなやりとりが多いと、人の話を聞き流すようになってしまいます。また、子どもの顔を見て、子どもの興味や関心に合った話をすることも大切です。自分のことを分かってもらえたという経験をたくさん積み重ねて、子どもは人の話を聞く姿勢を身に付けていくものなのです。工作が苦手なのは、手先が不器用だったり、空間を把握する力が発達途中なせいかもしれません。褒め過ぎる必要はありませんが、「ここはよくできたね」「すごいね」とお子さんの作品を認めて自信を育てていきましょう。園の先生はお子さんの個性を理解しているはずですから、相談してみるのもいいと思います。お子さんがやりたいことや、泥んこになって遊ぶなど、園でさまざまな経験ができるといいですね。そしておうちでも、興味を持ったことに取り組める環境を用意して、お子さんが自分の意思で選び、行動できるように見守っていきましょう。
2016年06月22日「今日はこれを着ようね」「イヤイヤ!」「そろそろ行こうか」「イヤイヤ!」…。魔のイヤイヤ期が到来すると頭の中では「冷静に」と思っても、ついイライラしてしまいますよね。いつも以上に手間がかかり、うまくことが運ばない子育て中、ちょっと絵本でひと息いれてみてはいかがでしょう。子ども自身に問いかけたり、子どもへの接し方について考えさせられたりする、おすすめの絵本を編集部が厳選! ぜひ参考にしてみてください。■にゃんこちゃん えほん(4) いやいや にゃんこ絵・文:ひがしくんぺい/出版社:復刊ドットコム 「にゃんこちゃん えほん(4) いやいや にゃんこ」(絵本ナビ紹介ページ) お風呂がきらい、あるいはすぐに入ろうとしない子におすすめのお風呂絵本。最初はお風呂を嫌がっていたにゃんこも、ちょっと不気味な魔法使いのおばあさんがやりたい放題してきて…。冒頭で登場する石けん遊びのシーンに心奪われつつ、お風呂に入る気持ち良さをわかりやすく伝えてくれます。■いやだいやだ作・絵:せな けいこ/出版社:福音館書店 「いやだいやだ」(絵本ナビ紹介ページ) 主人公のルルちゃんはどんなことにも「いやだいやだ」。そんなルルちゃんにママも「いやだいやだ」することに。大好きなおやつも、たいようさんも「いやだいやだ」になったら、ルルちゃんはどうする? 読み手に問いかけたまま、物語は終わります。ママの感じ方や子どもの受け取り方も実にさまざま! 多くのレビューがあるので「どんな子どもに」「どうなってほしいときに」読むといいか、参考になりますよ。■スージー・ズー いやいやウィッツィー作・絵:スージー・スパッフォード/訳・文:三原 泉/出版社:BL出版 「スージー・ズー いやいやウィッツィー」(絵本ナビ紹介ページ) 人気の愛されキャラクター、スージー・ズーのシリーズです。今回の主役は「イヤイヤ」ばかりするウィッツィー。首をぶんぶんと振るシーンがとてもかわいらしく、イヤイヤすること自体が楽しくなっている様子が、自分の子どもと重なって見える人もいるのでは? 仲間たちが「どうしたら一緒に遊べるかな?」と考えるところに優しさを感じてほっこり…。子どもへの接し方として、ひとつの参考になるかもしれませんね。 ■だめだめママだめ!作:天野 慶/絵:はまの ゆか/出版社:ほるぷ出版 「だめだめママだめ!」(絵本ナビ紹介ページ) ママが子どもに「だめ!」と言い聞かせる絵本なのかな? と思いきや、実際は真逆のお話。ある日突然、部屋は散らかしっぱなし、食べたいものだけ飲み食いして、服もはちゃめちゃ、気の向くままに行動するママに…。そんなママにぼくは何度も「だめー!」と叫ぶ始末。読み聞かせをされた子どもたちは「ママがこんなことするなんて!」という驚きとわくわく感でいっぱいに! 立場を逆転させたおもしろさの中に、感慨深さがある1冊です。■おばけのやだもん作・絵:ひらのゆきこ/出版社:教育画劇 「おばけのやだもん」(絵本ナビ紹介ページ) やだやだする子にまとわりつくおばけ「やだもん」のお話です。とりつかれると、ちょっと目つきの悪い「やだもん顔」になってしまうところが笑えます。子どもにとってはちょっぴり恐ろしいのか、やだもんにとりつかれないように「イヤイヤ」が少しだけおさまった! という子もいるよう。やだもんの「駄々っ子」探しは今日も続いているようです。「イヤイヤ」するのがとにかく気に入っている子、こだわりがある子、わがままを言いたい子…。イヤイヤ期を経験していないほうが珍しいですし、ママ自身も子どもの頃、きっとこの「イヤイヤ期」を通ってきたはず。「今はそういう時期」と割り切る潔さも必要かもしれませんが、子どもの心によりそった絵本を選ぶことで、心境の変化が見られることも。ゆるりと子どもの「イヤイヤ期」をやり過ごす、手助けの1冊となりますように。データ協力: 絵本ナビ
2016年06月16日子どもといっしょに絵本を読む時間は、親子の絆を深める大切なひととき。でも、同じ絵本ばかりで飽きてしまう、どんな絵本を買えばいいかわからないとお悩みの方もいることでしょう。そんなときは、絵本カフェがオススメです。バラエティ豊かな絵本がそろうカフェなら、お気にいりの1冊と出会えるかも。東京と神奈川のステキな絵本カフェを紹介します。■ティール・グリーンinシード・ヴィレッジ(東京都大田区)閑静な住宅街にあるかわいらしいお店。エントランスには四季を感じさせる花が咲きほこり、心おどります。店内に入るとたくさんの絵本が! 「本との出会いをここちよく」をモットーにつくられた空間には、国内外選りすぐりの絵本や児童書が集められています。よく見ると小さなテーブルとイスが置かれたコーナーがあり、子どもがお気に入りの絵本をゆっくり読むことができます。小さな中庭をはさんだところにあるカフェスペースでは、白壁の落ちついた空間で絵本を読みながら、大人も子どももゆったりとお茶を楽しめます。人気メニューは、くるみのクッキー(3コ)180円、紅茶ゼリー280円。紅茶とコーヒーは450円~。キッズメニューのジュース(リンゴ・オレンジ)120円~もありますよ。中庭やカフェスペースではさまざまなイベントも開催されています。お話の会やコンサートのほか、お絵描きやフェルト教室などのワークショップも毎回大盛況です。絵本の取り寄せや郵送もしてくれるので、読みたい絵本があればたずねてみてはいかがでしょう。ティール・グリーンinシード・ヴィレッジ東京都大田区千鳥2-30-1tel.03-5482-7871open.11:00~18:00月・第2火定休東急多摩川線 武蔵新田駅より徒歩約4分■うみべのえほんや ツバメ号(神奈川県横須賀市)海の色をおもわせる水色の扉をあけると、たくさんの絵本と物語のキャラクターたちが迎えてくれます。まるで絵本の世界にトリップしたような雰囲気。ここは、常時1,000冊以上の絵本が置いてある絵本専門店。子どもから大人まで楽しめるものばかりです。ドリンクやフードを注文したら、カフェスペースで自由に絵本を読めます。販売もしているため、気にいった絵本をおうちに連れて帰ることもできます。小さな子ども用のイスや絵本の話にあわせて遊べる木のおもちゃもあり、幼い子どもも飽きずに楽しめそう。料理やスイーツはすべて手づくり。キッシュとスコーンのランチセット(サラダ・スープ付き)850円、全粒粉・くるみ入りワッフル(バニラアイス・生クリームのせ)600円、カスタードプリン310円が人気です。挽きたての豆を1杯ずつハンドドリップで淹れる香り高いコーヒーや、授乳中のママも安心して飲めるカフェインレスのデカフェもありますよ。2階は木のぬくもりが心地よいギャラリーになっていて、絵本の原画展やおはなし会、絵本作家さんのイベント、ワークショップなども開催されています。 うみべのえほんや ツバメ号神奈川県横須賀市津久井1-24-21tel. 046-884-8661open.10:00〜19:00水・木定休京急線 津久井浜駅より徒歩約1分絵本は子どもの脳や情緒の発達にとてもいいと言われています。最近では、大人への癒やしの効果も注目されています。育児や家事、仕事でハードな毎日を送るママにはもちろん、忙しい女性たちにとって心の栄養スポットになりそうです。
2016年06月10日子どもに絵本を読んでいるうちにグッときて、思わず涙ぐんでしまったことはありませんか? 「ママって泣き虫!」と、子どもから言われることもあるように、涙を誘うツボは大人のほうが多く持っているのかも…。そこで今回は 絵本ナビ の人気順に涙腺が思わずゆるむ「ママが泣ける絵本」をご紹介します。ハンカチの準備はよろしいでしょうか(笑)。■おへそのあな作:長谷川 義史/出版社:BL出版 「おへそのあな」(絵本ナビ紹介ページ) 世のママたちから「あの日の感動がよみがえる」と圧倒的な支持を集める1冊。お腹の中にいる赤ちゃんは産まれるその日まで、ママのおへそからみんなの様子を見ています。もうすぐ弟か妹が産まれてくるねと、この絵本を読み聞かせたことで、上の子がお腹の子どもに話しかけるようになったというママも。赤ちゃんからの最後のひとことが気になりますね。■おこだでませんように作:くすのき しげのり/絵:石井 聖岳/出版社:小学館 「おこだでませんように」(絵本ナビ紹介ページ) いつも怒られているぼくが何もいわないのは理由があるんだ。叱られて、怒られて、七夕の日に短冊にかいた「おこだでませんように」。どうしていつも怒られるようなことばっかりするの? と思ってしまう私も、子どもの立場になってみると「なんで怒られなきゃならないの?」と真逆の感想を抱くことにハッとさせられます。できなかったことじゃなく、どう思ったか、どう感じていたかを知ろうと思えるママになりたい! と強く思う秀作です。■100万回生きたねこ作・絵:佐野 洋子/出版社:講談社 「100万回生きたねこ」(絵本ナビ紹介ページ) 知っている人も多い、深く心に刺さるロングセラー。自分より大切なもの、その存在を持っていることこそが幸せだった、と気づける絵本です。人生とは、この絵本と同様、「本当の幸せとは何か」を探し続けることなのかもしれませんね。子どもが自分と同じ大人になっても、いつまでもそばに置いておきたい1冊です。 ■ちいさなあなたへ作:アリスン・マギー/絵:ピーター・レイノルズ/訳:なかがわ ちひろ/出版社:主婦の友社 「ちいさなあなたへ」(絵本ナビ紹介ページ) 子どもの成長はあっという間。毎日ぺったりとくっついていた赤ちゃん時代から、何でもひとりでできるようになり、そこからいつかは巣だっていく。ママ自身がそうだったように、子どももまた自分だけの道を歩いていきます。命の流れをシンプルに描いた様子は寂しいようで誇らしい! 感慨深い1冊です。■あかり作:林 木林/絵:岡田 千晶/出版社:光村教育図書 「あかり」(絵本ナビ紹介ページ) 家族の優しい時間に灯されてきた、あたたかいろうそくの灯。心を和ませる灯に見守られながら成長していく女の子。反比例するように小さく小さくなっていくろうそくに、なんともいえない切なさを感じながら、「ありがとう」とささやきたくなる1冊です。出産してから涙腺が弱くなった、とよく聞きますが、実際に私もそうなりました。命の尊さ、子どもの成長、幸せの存在…。絵本のことばはどれも優しく、あたたかいものばかりです。読み聞かせ中も「きょとん」としている、小さなお子さんをお持ちのママも、泣ける気持ちを子どもと共有できるようになるときが待ち遠しいですね。データ協力: 絵本ナビ
2016年06月09日あなたは、お子さんに絵本の読み聞かせをしていますか?働くママは「毎日忙しくて、そんな時間はないわ!」と思うかもしれませんね。しかし、普段お子さんとゆっくり接する時間が少ない働くママにこそ、絵本の読み聞かせをおすすめしたいのです。絵本の読み聞かせは、子どもに対してたくさんの良い影響をもたらしてくれるからです。今回は、絵本の読み聞かせが子どもに与えてくれるメリットについてご紹介します。想像力や知的好奇心、表現力が育まれる 絵本を読んでもらいながら、子どもたちは「次のページではどんなことが起こるかな」「このとき、主人公はどんな気持ちでいるのだろう」と、わくわくどきどきしながら、さまざまな思いをめぐらせています。この積み重ねが、子どものイメージ力や想像力を育んでくれるのです。また、絵本を読んでもらうことで、まだ自分の知らない世界や物事に対して「これは一体何だろう」「これはどういう意味だろう」という知的好奇心が生まれます。また、絵本で使われている言葉や、イラストの表情やポーズなどを真似ることで、子ども自身が自分の気持ちを伝えるときに必要な表現力を身につけることもできます。社会常識や優しさ、思いやりの気持ちを学ぶことができる絵本という世界を通して、子どもは社会勉強をします。「こういうことをすると周りの人が困る」「お友達と楽しく遊ぶためには、約束や順番を守らなくてはいけない」などの社会的なマナーや 挨拶の仕方や、トイレの使い方、四季の行事などについての常識を、絵本を通じて子どもに学ばせることができます。また、絵本は「お友達が悲しい思いをするような意地悪な言葉は使わない」「困っている人がいたら、助けてあげたい」など、誰かのことを思いやる気持ちや優しい心、善悪を判断する道徳心を育てるお手伝いをしてくれます。絵本を読みながら「○○ちゃんはどう思う?」などと子どもと会話していくことによって、子どもは自分の頭と心を働かせて常識やマナー、道徳心を身につけていくことができます。そして、幼い頃に知らず知らずに育まれた常識やマナー・道徳心は、やがて子ども自身の社会適応力につながっていくのです。絵本の読み聞かせは学力の基礎となる親が子どもに絵本を読み聞かせてあげると、子どもはお話を最後までしっかりと聞く集中力を身につけるとも言われています。この集中力は、人の話をよく聞ける能力でもありますので、幼稚園や小学校での先生からのお話も注意深く聞き、行動できる子どもになるのです。また、親がさまざまな種類の絵本を読み聞かせることで、子どもは多種多様な語彙に触れることができます。語彙力がある子どもは、自然と国語力や読解力が伸びていくのです。読解力は、国語だけでなく数学や科学などの問題を解くための基礎にもなるものですから、絵本を読むことが、子どもの全体的な学力を伸ばす可能性を高めるとも言えるでしょう。子の「読解力」は成長してからつけようと思っても、そう簡単に身に付けられるものではありません。幼い頃から、親が絵本を読み聞かせ、子どもがその内容をイメージしたり、理解したりすることを繰り返し行うことが「読んで、理解する力」を育てるのです。子どもの未来のためにも読み聞かせをしよう最近は共働き家庭も増え、子どもは保育園や学童から帰ると急いで食事をとり、お風呂に入って、ろくに親子のコミュニケーションも取らないまま、慌しく就寝するというケースも多いようですね。「甘えたい盛りの子どもに寂しい思いをさせているのではないか」と心配しているママは是非、寝かしつけ前の20分か30分間、子どもと寄り添ってスキンシップしながら絵本を数冊、読み聞かせてあげましょう。このたった20~30分の絵本を通じた親子の触れ合いが、子どもの自己肯定感を高め、EQ(情動)の発達につながるからです。EQとは「心の知能指数」「感情調整能力」とも言われており、社会的に成功したり、人間関係を円滑にしたりするのに必要不可欠なものです。慌しい毎日の生活の中で、たった数十分だけだったとしても「親が自分のために優しく本を読んでくれた」ということで、子どもはしっかり親の愛情を感じ、自己肯定感を高めることもできるはずです。EQも自己肯定感も、子どもたちが幸せな人生を歩むためにはとても大切なものと言われています。忙しいママにこそ、絵本の読み聞かせをおすすめします。
2016年06月02日