12月3日、東京・銀河劇場で藤原竜也主演の舞台『とりあえず、お父さん』が開幕した。同作は、世界中で愛されるイギリスの喜劇作家アラン・エイクボーンが1965年に発表した4人芝居。エイクボーン初の大ヒットとして、その名を世に知らしめた作品(原題『Relatively Speaking』)だ。舞台『とりあえず、お父さん』チケット情報登場人物は、グレッグ(藤原竜也)とジニィ(本仮屋ユイカ)の若いカップルと、シーラ(浅野ゆう子)とフィリップ(柄本明)の熟年夫婦という4人。勘違いが勘違いを呼ぶシチュエーション・コメディとなっており、藤原にとって海外戯曲のコメディは初挑戦だ。その演出を手掛けるのは、翻訳ものコメディの演出家としても高い評価を得る綾田俊樹。来年結成40周年を迎える劇団「東京乾電池」を共に結成した柄本を綾田が演出するのも見どころのひとつだ。舞台は、ジニィの部屋で朝を迎えシーツにくるまるグレッグと、シャワーを浴びるジニィから始まる。ふたりは出会って1か月の恋人同士。ふざけたり、甘えたり、すねたり……恋愛初期ならではのやりとりは甘さたっぷりで微笑ましい。ジニィと結婚したくてたまらないグレッグだが、気になるのは彼女の元恋人。年上で既婚者だったという元恋人の痕跡は、ジニィの部屋のそこかしこから見つかるが、ジニィに問い詰めてもうまくかわされてしまう。そんな中、ジニィは「実家に行く」と出かけることに。両親に挨拶したいグレッグは、ジニィに秘密で後を追う。同じ頃、ジニィの目的地ではフィリップとシーラ夫妻が探り合いを繰り広げていた。シーラが若い男と付き合っているのではないかと疑うフィリップ。グレッグとジニィのかわいらしいやりとりに比べ、ふたりの掛け合いにはそこはかとなく重みがあり、妻にやり込められるフィリップには滑稽さが漂う。しかしそのフィリップこそがジニィの元恋人であり、いつまでも未練たらたら花やチョコレートを送り付けている男だった。そんなふたりのもとに、ジニィより先にグレッグが到着してしまう。グレッグは夫妻をジニィの両親だと思い込むが……というところからこの舞台の真髄ともいえる部分に突入する。中でも、藤原と柄本がお互いのことを勘違いしたまま対決するシーンは見どころのひとつ。切羽詰まった空気になればなるほど、おとぼけ感が漂い、思わずププッと笑ってしまう。そこには男性の単純さや女性のしたたかさも描かれているが、4人の姿がとても愛らしく、にくめない。年末年始の楽しみにピッタリの作品だ。公演は、12月23日(水・祝)までの東京・銀河劇場を皮切りに、1月には富山、熊本、福岡、大阪、愛知を巡演する。取材・文中川實穗
2015年12月07日イギリスを代表する喜劇作家、アラン・エイクボーンの傑作『とりあえず、お父さん』が12月3日、天王洲銀河劇場にて開幕する。グレッグとジニィの若いカップルと、シーラとフィリップの熟年夫婦。4人の登場人物による恋愛にちなんだ勘違いの騒動を、小粋な笑いの連続で描くシチュエーション・コメディだ。「僕が今までに触れてこなかった作風。新たなものに取り組んでいる感覚です」と語るグレッグ役の藤原竜也と、ジニィ役の本仮屋ユイカ、シーラ役の浅野ゆう子、フィリップ役の柄本明の個性豊かなキャスト陣に、稽古場にて本作への思いを聞いた。舞台『とりあえず、お父さん』チケット情報「演出の綾田俊樹さんが余計なものを削ぎ落とし、よりリアリティのある、ストレートな表現となる演出をつけてくれています。一見シンプルな作品に、4人がそれぞれ葛藤しながら取り組んでいますね」そう神妙に語った藤原に対し、本仮屋は「ジニィは登場シーンがバスローブ姿だったり、キスをしたり!男女のそういう生々しい演技をするのは初めてなので、チャレンジです!」と意欲十分。その勢いの良さに藤原は苦笑いを浮かべ、浅野は「生々しいって表現が…ハハハ!」と吹き出し、柄本もニヤリ。思わず笑みが伝染する和やかなチームワークだ。「会話劇は非常に惹かれるけれど、本当に難しい。皆さん、それぞれオトボケで面白いです。最終的に“女性というのは若くても歳をとっても、したたかだな~”と感じるお話ですね(笑)」(浅野)「“コメディ”って紹介されるのって、ものすごく不利だよね(笑)。戯曲自体がすでに面白いのに、それを三次元にするのはハードルが高い。一生懸命、探り続けていくしかないかな」(柄本)シーラとフィリップをジニィの両親だと思い込んで家を訪ねるグレッグ。その彼を、フィリップを訪ねてきた青年だと思って気楽に招き入れるシーラ。グレッグを、シーラの若い恋人と誤解するフィリップ。そして勘違いの発端でありながら、状況をごまかすために嘘を重ねるジニィ。立ち稽古では、ズレた言葉の掛け合いでそれぞれの思惑が勝手な方向へと弾け出す様子を、4人が力みなく、持ち味を生かして体現。ジニィとの結婚をフィリップに嘆願するグレッグ、その真面目ゆえの間が抜けた、緩い表現がなんとも秀逸で、藤原竜也の新たな一面に強力に惹きつけられる。可憐さの中に小悪魔な表情をのぞかせる本仮屋も、手だれの先輩陣に囲まれながらの瑞々しい演技が好印象だ。訥々と語ったかと思えばいきなりの激高を見せる柄本は、一瞬にして稽古場中を笑いで埋め尽くす。その怪演を、浅野はクールビューティーな横顔と優雅な立ち居ふるまいでがっちりと受けとめていた。緻密に構成された戯曲とともに四者四様の俳優の妙味が、年末、爽やかな笑いを存分に引き出してくれそうだ。公演は12月3日(木)から23日(水・祝)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。その後全国を巡演。取材・文上野紀子
2015年11月20日アーティスト・クリエイターのファンクラブ、ファンサイトの企画・制作・運営を行うSKIYAKIは、上坂すみれや南里侑香、三澤紗千香、増田俊樹、石井マークなど、スペースクラフト・エンタテインメント所属の声優による「スペースクラフト声優部」の会員制公式サイト「スペースクラフト声優部」を、2015年10月5日にオープンした。月額制でさまざまなコンテンツが楽しめる会員制公式サイト「スペースクラフト声優部」では、最新情報に加え、同サイト会員限定の動画、ボイスなどの最新のコンテンツや、所属声優からバースデーメールが届くサービス、直筆文字とボイスで楽しめるおみくじといった、会員限定のコンテンツが満載。さらに、不定期にサイト上で実施されるプレゼントキャンペーンなどにも参加できる。また、10月5日のオープンにあわせて、各所属声優からオープンを祝うコメントボイスが会員向けに寄せられるなど、ファンにとっては見逃せない充実のコンテンツが盛りだくさんとなっている。情報量は月額300円(税別)。
2015年10月05日映画『深夜食堂』の完成披露イベントが13日、東京・中央区の東映本社で行われ、キャストの小林薫、不破万作、綾田俊樹、光石研、安藤玉恵、須藤理沙、小林麻子、吉本菜穂子、山中崇、宇野祥平、金子清文と松岡錠司監督が出席した。安倍夜郎の同名漫画(小学館刊)を実写化した本作は、TBS系で放送されたドラマシリーズの劇場版。繁華街の路地裏にある小さな食堂・めしやは、人々から親しまれている"深夜食堂"。店を切り盛りするマスター(小林)が出す懐かしい味を前に、ちょっとワケありな客たちの人生が交錯する――というストーリーで、31日から全国公開する。松岡監督と共に鏡開きを行った主演の小林薫は、本作の魅力を、「ズバリ、今日登場してる常連客のみなさん。店に馴染んでホッとしてる姿を通して、マスターなり店なりが見えてくる」とずらりと並んだ"常連客"の面々をアピール。劇中では、映画『かもめ食堂』やNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』などで活躍したフードスタイリスト・飯島奈美氏による料理も見どころとなっており、小林が、「たらこを焼いたのとかタコウィンナーとか、たいしたもん出てないんですよ。でも、それがやたら美味かったりする。隠し味とかじゃなく、当たり前のものが本当に美味しい」と顔をほころばせると、綾田も、「カットがかかってもみんな食べ続けてる」と明かしていた。また、決まってお茶漬けを注文する独身OL3人組“お茶漬けシスターズ”の1人である須藤は、「常連客は好き勝手言ってるけど、マスターは『うん』とか『あぁ』とか、聞き役に徹してくれる。家に帰るみたいな感覚になる店です」と話しつつ、“お茶漬けシスターズ”の小林麻子、吉本と賑やかにトークを展開。その様子に、松岡監督は、「しゃべり過ぎでしょ!?仕事中なのに、現場でも世間話してて……。想像力が不足してるのがこの3人のミソ。それくらい良い空間なんだろうな」と苦笑いを浮かべながら、「小林薫さんが『本当に問題がない作品』と言っていた。何でもないものがこの映画の魅力。気軽に肩の力を抜いて最後まで楽しめるんじゃないか」と、本作の仕上がりに胸を張った。イベント後に行われた舞台あいさつでは、300坪の倉庫で制作された巨大セットの話になり、小林は、「光石さんのデビュー作『博多っ子純情』のポスターが見えないところに貼ってあったり、キメ細かいんですよ。ツアーを組んで、チラシ探しをしてました」とディティールにこだわったセットを大絶賛し、最後に、「戸をガラガラっと開けてカウンターで料理を食べるお客になってみたいなという気分になってくれると思います」と自信を持ってアピールしていた。
2015年01月14日安倍夜郎の人気コミックを映画化する『深夜食堂』の完成披露舞台あいさつが1月13日(火)に丸の内TOEIで開催される。当日は、小林薫らキャスト9名と松岡錠司監督が登壇する。その他の写真本作は、ビッグコミックオリジナルで連載中の安倍夜郎の人気コミックをドラマ化に続いて映画化するもの。繁華街の路地裏にある小さな“めしや”にやってくるさまざまな客たちの人生模様を描く。ドラマ版に引き続き“めしや”のマスターを小林薫が演じている。完成披露舞台あいさつには、小林のほか、ドラマ版で常連客を演じた不破万作、綾田俊樹、安藤玉恵、須藤理彩、小林麻子、吉本菜穂子、宇野祥平、金子清文と松岡監督が登壇する。チケットは、いち早プレリザーブ(最速抽選)が12月27日(土)より受付開始。プレリザーブ(先行抽選)は、来年1月1日(木・祝)より受付を開始し、一般発売は、1月8日(木)より発売される。『深夜食堂』完成披露舞台あいさつ1月13日(火)会場:丸の内TOEI開場18:00/開映18:30(上映前舞台あいさつ)登壇者(予定):小林薫、不破万作、綾田俊樹、安藤玉恵、須藤理彩、小林麻子、吉本菜穂子、宇野祥平、金子清文、松岡錠司監督料金:大人 2000円、大学・高校生 1700円、3才~中学生 1200円、シニア 1300円、障がい者手帳お持ちの方(付き添い1名様まで同額)1200円いち早プレリザーブ:12月27日(土)11:00AMより~1月5日(月)11:00AMまでプレリザーブ:1月1日(木・祝)11:00AMより~7日(水)11:00AMまでチケット発売:1月8日(木)10:00AMより
2014年12月25日