こんにちは、ファイナンシャルプランナーでライターのyossyです。皆さんは、「老後破産 」という言葉を聞いたことがありますか?テレビ放送で“老後破産”している高齢者の現状が紹介されて以降、波紋を呼んでいます。今回は、老後破産とはどんな状況なのか、どんな人が陥りがちなのか、見ていきましょう。●年金だけでは生活していけない“老後破産”2014年9月に放送された、NHKスペシャル『老人漂流社会 “老後破産”の現実』。そのなかでは、多くの独居高齢者世帯が生活保護世帯よりも低い収入しかなく、困窮している現状が紹介されました。基本的には、収入が低いにも関わらず生活保護を受けておらず、破産状態にあることを“老後破産”と表現します。●老後破産に陥りやすい人の特徴5つでは、どんな人が老後破産しやすいのでしょうか。5つのポイントに分けて見ていきましょう。●(1)定年後は悠々自適の生活を送るつもりで、働く気がない「ずっと頑張ってきたんだから、定年後はゆったりとしたい」と考え、定年後に働かないでいると困ったことになるかもしれません。年金の受給開始年齢が定年よりも後だったら、その間は貯蓄で生活をつないでいくしかなくなってしまいます。貯蓄がみるみる減り、後々の生活がどんどん苦しくなっていってしまいますね。健康状態によっては働けない可能性もありますが、できる限り健康に気を配り、長く働けるようにしたいものです。●(2)生活レベルを下げられない意外と高収入だった人がなりがちとも言われる老後破産。現役時代よりも収入が減っているにも関わらず、無駄にプライドが高く、生活レベルを下げられない人 は多いものです。早い段階から長期的なマネープランを立てて、収入と支出のバランスを見て、冷静になっておく必要があるでしょう。●(3)貯蓄をせず、定年後に高額の支出が残っている住宅ローンの返済や子どもの教育費などの大きな出費は、現役時代にしっかり完済する、貯蓄しておくなどの対処をする必要があります。先延ばししておいた大きな出費は、老後の生活を苦しいものにさせてしまうのです。また、もちろん老後のための貯蓄も必要ですね。そういった貯蓄をせずに毎月の収入やボーナスを使い切ってしまっているなら、一度生活レベルを見直しましょう。早めが肝心です。●(4)プライドが邪魔をして人に頼れない「国の世話になるわけにはいかないから、生活保護は申請できない」「親族にはこの状況を知られたくない」など、プライドが邪魔をして誰にも相談できずに苦しんでいる 高齢者が多いと言います。早い段階から相談すれば、早く解決できるケースもあるでしょう。●(5)自分の老後やリスクを想像できていない人間、年をとれば病気しがちになり、医療費もかさみます。配偶者に先立たれる可能性や、介護をする可能性だって十分にあるでしょう。近年は若者の雇用が不安定なため、子どもが自立できなかったり、リストラされたりして同居するケースも増えているようです。そのときになってから、「老後の支出がこんなに多いなんて……」と後悔する前に、あらかじめ備えられるリスクには備えておきたいものです。----------生きていれば、誰もが年をとり老後を迎えます。「今は若いから関係ない」と楽観視していると、高齢者になってから苦しい生活を送ることになるかもしれないのです。住宅を購入するとき、子どもの教育プランを考えるとき、保険を検討するとき、毎日のちょっとした贅沢、その一つひとつが老後に影響を与える可能性もあります。ぜひ、早いうちから長期的なマネープランを立てておきましょう。【参考リンク】・老人漂流社会”老後破産”の現実 | NHKスペシャル()●ライター/yossy(フリーライター)
2016年10月03日こんにちは、ライターの渦マキです。今、増税や年金制度が重くのしかかり、老後を心配する中高年が増えています。「老後の資金として○千万円が必要」などさまざまな意見があり、焦りや不安を抱えて暮らしている人も少なくないでしょう。筆者は、現在自動車での移動が必須であるような田舎に暮らしていますが、ご近所の方たちはほとんどがこの近隣出身ではなく、お仕事を引退し、新築したり中古住宅を購入したりして“田舎暮らし”を選んだ年配の方たちです。ところで、持ち家と賃貸とでは、どちらが老後の生活に余裕が持てるのでしょうか?目次持ち家と賃貸、どっちが得?“都会に住み続けるか、引退後田舎暮らしを始めるか”という選択もさいごに●持ち家と賃貸、どっちが得?●持ち家の場合持ち家は、ローンを支払っていれば月々の負担は大きいもの。子どもの成長とともに家計の出費も増えていきます。働き盛りで夫婦共働きであれば負担は軽減されますが、支払いをしているあいだは大変です。しかしながら、終わってしまえば一気に楽 になります。●賃貸の場合一方賃貸は、家賃の支払いが一生ついてまわります。年収に対して家賃に占める割合が大きくなれば、それだけ生活に余裕がなくなっていきます。老後、年金で暮らしていくには当然負担が大きくなってしまいます。安い家賃の物件に引っ越すなどして、生活費の圧迫をくいとめるなど考えなくてはなりませんね。その代わり、住む場所を変える自由 はあります。筆者の近隣の方たちのように、引退後に田舎で暮らし始めるのもひとつの選択肢でしょう。都会にマンションを購入後、田舎暮らしを勧められてマンションを売却し、移動してこられた方もいるようです。高齢になってくると賃貸物件が借りにくくなるという話もあるそうなので、そこは気になるところです。おそらく、孤独死や認知症などの高齢者独特の問題を考慮してのことでしょう。若いころに比べて、すぐ引っ越して次を見つけるということがしづらくなってきますね。●“都会に住み続けるか、引退後田舎暮らしを始めるか”という選択もずっと都市部に住み続けるのであれば、若いうちにローンを組むなどして住居を持つことが理想です。年金暮らしの家計には、ローンの支払いは大きな負担となってのしかかってきます。年金をもらう年齢になる前に完済できるペースでの支払い計画を立てましょう。せっかく頑張って購入した家を手放してしまうことになれば、そのころは建物の価値は驚くほど下がっています。“家を購入する=財産が残る”という過度の期待は禁物 です。引退後に田舎暮らしを選択するのであれば、土地代や物価が驚くほど安いという利点があります。しかし、田舎では公共機関や医療機関も少なく、交通手段はほとんど車に頼ることになるという一面もあり、一長一短といえますね。●さいごに賃貸か持ち家か?どちらが得か?金銭面を考えれば、どちらも大差はないといえるでしょう。利便性が大事なのか、少し不便でもゆったりと暮らしたいのか。結論は、住む人の考え方にあるのではないでしょうか。忘れてはならないことは、“賃貸に住む”という選択をした場合、老後も家賃の支払いがあるということ。余裕をもって暮らすためには、働ける時期に蓄えをしっかりしておくことが大切になってきますね。【参考文献】・『荻原博子の金持ち老後 貧乏老後』荻原博子・著●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年09月28日今、老後破産や老後貧乏、下流老人などが話題になっていて、老後どうなるのか、不安ですよね。それで、年金の受給額が気になっている女性は多いはず。私たちは、老後に年金をいくらぐらいもらえると考えておけばいいのでしょうか?これについて、平成16年に行われた年金の大改正で、国が試算した将来のシミュレーションがあります。難しそうだと思われるかもしれませんが、今回はこのシミュレーションを参考にもらえる年金の受給額を確認していきましょう。■払った金額より多く年金をもらえる?厚生労働省の「世代ごとの保険料負担額と年金給付額について」というシミュレーションの数字は、将来的な物価上昇を考慮して計算された物。よって、物価上昇を考慮していない()で囲まれた数字を見たほうがわかりやすいかもしれません。現在40歳の人は、このシミュレーション当時には29歳ですから、おおよそ30歳の時点での数字だと思えばいいでしょう。30歳(1975年生)の列を見てみると、厚生年金は6,700万円、国民年金は1,800万円が年金給付額となっています。また、厚生年金では2.7倍から2.4倍。国民年金では1.9倍から1.8倍、払った金額より多くもらえることになります。もちろんこれは、あくまでも、平均余命(その年齢からの平均寿命)生きた場合ですが……。■運用利回りが大きな問題になっている「じゃあ安心なのね?」という解釈は大きな間違い。なぜならこの国のシミュレーションには、大きな問題点がいつか指摘されているからです。すべて挙げるとキリがないのですが、もっとも大きな点を1つ挙げるなら、それは運用利回り(年何%で資産を運用できたかを表す数値)です。平成16年のシミュレーションの前提である年金積立金の平均運用利回りは、3.2%でした。この数字だけでも「本当に大丈夫?」と疑いたくなるのに、直近平成21年に開かれた年金制度を見直す国の会議(※財政検証・・・5年に一度年金財政を検証する会議)では、その運用利回りの前提が4.1%に引き上がっているのです。「さすがにこれは無理があるんじゃ……?」などと疑問が出ても不思議ではありません。年金制度をいまの給付水準のまま維持しようとするなら、この運用利回りがないと成り立たないということなのでしょう。逆にいえば、この運用利回りが出せないようであれば、いまの水準の年金を受取ることはできないということになってしまいます。ちなみにこの12年間の平均運用率を見てみると、平成13年度は-4.01%だった実質的な運用利回りが平成24年度には10.21%になっており、大きく変動していることがわかります。ただし、平成24年度はアベノミクス効果で株高になったため、10.21%という高い利回りになっていますが、平均すると1.54%。到底4.1%の数字には届きません。もちろん、「他の国にくらべて、日本の年金運用の実績は悪すぎる。運用方法を改善するべきだ」という意見もあるようですから、今後の数字がどうなってくるかはわかりません。未来は予測したとおりにはならないのですから。■利回りが変わらなかったら80%の額しかし、もしも現在の利回りがこの先も変わらないとするとどうでしょうか?あるシミュレーションでは、現在40歳で平均年収350万円の人が、65歳時点で受け取れる年金は毎月約105,000円になるともいわれています。逆にいえば、このぐらい年金額を下げないと、年金制度が維持できないということです。また、現時点と同じ金額を受け取るには、現在65歳からもらえる支給開始年齢を70歳まで引き上げないといけないという研究者もいます。現在130,000円もらえている年金が105,000円になるということは、おおよそ現在の80%の額しかもらえない計算になるのです。とはいえ、考え方を変えれば、「そうか、いまの80%程度は年金がもらえるんだ」ということにもなるはず。「年金がもらえない」ということと、「年金はいまの80%ぐらいはもらえる」という考え方は全然違います。悲観論で示されるこの金額をひとつの目印として、老後の生活の準備に入っていくのはいかがでしょうか?(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝) 【参考】※(世代ごとの保険料負担額と年金給付額について)年金制度における世代間の給付と負担の関係について-厚生労働省※岡崎充輝(2014)『知らないとヤバイシングルのためのお金の話』彩図社
2016年06月15日【ママからのご相談】ある日、夫の実家から電話があり「借金が返せないから自己破産することにした」とあっけらかんと言われてしまいました。確かに、夫の実家には夫の父が作った大きな借金があります。私たち夫婦も幼い子ども2人を抱えていて余裕がなく、 義実家に仕送りなどは一切していませんでした。今回も義母は「あなたたちに迷惑はかけないから」と言っていますが、自己破産すると義実家や私たち家族にどういった影響があるのでしょうか?●A. 自己破産する人の親族というだけで、法律上悪影響を受けることはありません。ご相談ありがとうございます。アディーレ法律事務所弁護士の正木裕美です。夫の父が自己破産と聞いて大変驚かれたことでしょう。“自己破産”に対しては、一般的に受け入れにくい人が少なくない印象があります。しかし、皆さんが思っているよりも意外とデメリットは少なく、人生を立て直すための有効な手段の一つ なんですよ。●自己破産とはどういうことですか?自己破産とは、借金の返済ができない状態であることを裁判所に認めてもらい、法律上借金の支払義務を免れる制度です。自己破産をすると、免責といいますが、原則として借金の返済義務がなくなります (法律上、税金や養育費など一部免責されないものもあります)。ただ、99万円を超える現金や時価20万円を超える高価な財産(東京地方裁判所の場合)は処分されてしまうので、たとえば持ち家は手放さなければいけません。また、お舅さんが大きな借金を作った経緯はわかりませせんが、浪費等の免責不許可事由というものがあり、事情によっては免責が認められないこと もありますので、個別にご相談いただくとよいと思います。●戸籍に載る、選挙権がなくなるなどの噂は本当ですか?自己破産にはたくさんの噂がまことしやかにささやかれていますよね。でも、そもそも戸籍に載ったり、選挙権がなくなることはないんです。家具・家財道具や電化製品もすべて差し押さえられてしまうと思っている方もいますが、必要最低限の家財道具は差押禁止とされ、高額でない限り原則としてそのまま使うことができます 。破産手続中には海外旅行が制限されることがありますが、手続終了後は制限されることもないですし、破産する本人へのデメリットはみなさんが思っているより小さいのではないでしょうか。高額な財産が処分されてしまうこと以外のデメリットとしては、次のようなものがあります。まず、自己破産すると、信用情報機関に登録されるので(いわゆるブラックリスト)、当分のあいだ新しくクレジットカードを作ったり、ローンやキャッシングをしたりすることはできなくなります。また、破産手続中も働くこと自体は制限されませんが、破産手続が終わるまで一定の職種に就くことが制限される資格制限があります。いわゆる士業(弁護士・税理士等)、警備員、生命保険募集人、保険代理店、パチンコ店等の店長(風俗営業法の営業所管理者)、宅地建物取引主任者などが対象となっていて、場合によっては退職を余儀なくされるケース がありますので注意しましょう。さらに、自己破産をすると、官報という国が発行している機関紙に名前と住所が載ります。みなさんも官報を逐一チェックはしていないですよね。私も弁護士になるまでちゃんと見たことはありませんでした。通常、金融機関等を除いて一般の人が官報をチェックをすることはまれなので、周りに自己破産をしたことを知られる可能性はあまり高くはないと考えられます。●家族に影響はないのでしょうか?では、ご家族に影響があるかというと、自己破産する人の家族、親族というだけで法律上悪影響を受けることはありません。ただ、破産する人の債務の保証人になっていると、貸主から借金を払うよう請求されてしまうので、同時に自己破産する必要 があったり、逆に自分の借金のために保証人になってもらっていた人が破産をすると、別の保証人を立てるよう言われてしまったりする可能性 はありますね。また、今回はお舅さんとは同居されていませんが、自己破産では高額な財産は処分されてしまいますので、破産する家族名義の持家に住んでいる場合、そのままでは住み続けることができず、引っ越ししなければいけないという事実上の影響はあります。もし、今後もその家に住み続けたいときは買い取る必要がありますので、事前に家族で話し合っておくことが大切でしょう。日々の生活を律し、安易に借金をすべきでないのはもちろんです。でも、自己破産は人生の終わりではありません。金銭的にも心理的にも負担を軽くし、人生をリスタートする一つの方法です。借金の整理には、自己破産以外にも任意整理や民事再生といった方法もあり、それぞれに最も適した手段を選ぶことが大切です。借金でお困りのとき、まずは弁護士にご相談くださいね。●ライター/正木裕美(アディーレ法律事務所:愛知県弁護士会所属)
2016年04月17日【ママからのご相談】45歳の専業主婦、高校生の子どもが1人おります。最近さまざまな雑誌やWebのコラムなどで、老後に必要となってくる資金が3,000万円などという記事を目にして愕然としています。私は、どちらかといえばお金をためることが苦手で、 主人にも「考えなしに余分なお金を使いすぎる」と注意されています。貯金ももちろん考えていますが、現状のムダな支出を減らすことから始めたいです。手近なところから何を変えていくべきでしょうか。●A. まずは日常のムダを減らす心がけを。ご相談ありがとうございます、ライターの渦マキです。老後に必要な資金が3,000万円!?詳細については筆者も後ほど調べてみたいと考えていますが、都会と田舎とでは多少誤差がある と思われます。いずれにしても、今から貯金をしておくに越したことはないですね。そうは言っても、相談者さまの子どもさんはまだ就学中。何かと出費がかさみますので貯金もままならないでしょう。今は“増やすこと”よりも“減らすこと”を考える時期ではないでしょうか……。減らすこととは、ご主人さまも指摘されている“余分な出費”のことです。身近なところから“ムダな支出”の見直しを図るべきかもしれません。●日常生活のムダ遣い習慣4つ長年、無意識に続けているため、ついつい気づかなくなっているムダな習慣。この行動をやめてみるとかなり節約につながってきます 。●(1)つけっぱなし・出しっぱなし照明やキッチンの水を当然のごとく“ぱなし”状態にしていませんか?こまめに消す習慣をつけましょう。●(2)電気ポットで一日中お湯を保温必要に応じてやかんや電気ケトルでお湯を沸かしましょう。●(3)給湯パネルのつけっぱなし考えている以上に待機電力がかかっています 。●(4)コンビニ・100均での不必要な買い物なんとなしにコンビニにブラッと立ち寄ることが癖になっていませんか?“新発売”という文字に誘われて、惰性で1,000円以上の金額をレジで支払うことがままあるものですね。100均では、「安いから」という理由で、いま必要がないものも買い込んでしまいます。----------以上4つの習慣をなくすことで、約1万円の節約 になります。ちなみに筆者宅は、(1)〜(3)までは実施できていました。主人と結婚してから、厳しく注意されながら変えていき今に至ったという感じでしょうか。結婚前までは筆者はこういった節約術には無頓着で、長年一人暮らしに慣れていた主人の方がしっかり身に付いていたといえるでしょう。相談者さまも、苦手な部分はご主人さまと協力しあいながら生活をより良い方向に変えていってはいかがでしょうか。「より良い老後は、夫婦で築いていくもの」ということを念頭に、モチベーションを上げていきましょう。【参考文献】・『PHPくらしラク〜る♪(2016年4月号)』PHP研究所●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年03月30日まだまだ先のように思える老後のこと。しかし高齢者の貧困問題が話題になっているいま、老後に対して経済的な不安を感じる人は少なくありません。そこで考えたいのが、老後の生活の支えとなる年金のこと。会社員として働きながら、将来もらえる年金額をアップさせるにはどうすればいいのでしょうか。今回は、節約アドバイザーのヨースケ城山さんに、年金を自分で増やす方法について伺ってきました。早い段階から、老後に向けた準備をしていきましょう。■1:攻めの「個人型確定拠出年金」で年金を増やす会社が企業年金を実施していない場合は、個人型の確定拠出年金に加入することで節税メリットと60歳以降の年金の増額を狙えます。会社員のおよそ2,000~2,200万人が対象となり、自営業の方も利用可能です。個人型確定拠出年金は、原則60歳まで解約不可。60歳以降であれば年金もしくは一時金として受けることができます。年金受け取りの場合は、5~20年で分割受け取り。受け取りの方法は、自分で自由に選択できます。ただし10年以上の加入期間が必要となるので、40代のうちに加入しなければ60歳から支給されません。城山さんは「現実的には40代前半から少しだけの掛け金で加入しておいて、子どもが独立したら掛け金を多くするという形が望ましい」といいます。個人型確定拠出年金の最大のメリットは、掛け金すべてが所得控除対象となること。そして個人年金をやるよりも節税メリットのおかげで、元本割れのリスクがほとんどないことです。また個人型確定拠出年金が“攻めの年金”と呼ばれているのは自分で運用先を選ぶことができるから。運用次第では高額のリターンも望めるのです。城山さんも「ぜひ、検討してほしい年金です」と勧めています。■2:守りの「財形年金」 で年金を増やす会社が財形制度を実施していて、55歳未満であれば財形年金を利用できます。元本550万円までの範囲で、利息が非課税となります。積立方法は、毎月の給料や夏・冬のボーナスからの天引き。積立期間は5年以上が必須です。たとえば54歳で加入し、5年間積み立てをして増やすこともできます。「最近でこそ低金利であるため魅力が低下していますが、給与から直接天引きされ確実に積み立てられます」と城山さん。なかなか老後のための貯金ができない人にもよさそうです。財形年金の受取期間は、満60歳以降に5年以上20年以内。保険商品の場合は、終身受け取りも可能です。積み立て終了から年金受け取り開始まで、5年以内の据置期間(積立てを行わない期間)も設定できます。財形貯蓄は、確定拠出年金にくらべると”守り”の年金増額になるとのこと。そんなに増えることはありませんが、しっかりと確実に積み立てができるのです。■3:70歳まで「厚生年金」に加入しながら年金を増やす70歳まで厚生年金に加入すると、70歳時に年金受取額が再計算されます。65歳以降ずっと厚生年金に加入していれば、65歳から70歳までの厚生年金の期間を含めて年金受取額が計算されるため、年金額も増えることになります。また65歳以降、途中から厚生年金に加入した場合には、その時から70歳までの厚生年金の加入期間を含めて年金受取額が計算されます。65歳以降70歳まで厚生年金に加入していなければ、70歳時の再計算はありません。ただし65歳未満で働くのと65歳以上で働くのではいくらかの違いがあるそうです。城山さんは「一定の収入がある場合、年金が一部減額または全額減額になるので、どれだけ働くかは注意が必要です」とおっしゃいます。基本的に、年金は裁定請求(受け取る手続き)してもらえるもの。みなさんは「厚生年金」と「厚生年金基金」とでは、請求先が違うことをご存知ですか?厚生年金は、国が運営する公的年金制度。厚生年金基金は、企業によって実施される年金制度のひとつです。城山さんは「これを知らない人が意外と多く、年金をもらい忘れている人が多い」と指摘します。厚生年金は日本年金機構に請求となり、厚生年金基金は加入期間が10年以上の場合はその基金に、10年未満の場合は企業年金連合会に請求を行います。10年未満の場合は自動的に基金から連合会に移換されるのです。しかも厚生年金基金は、1ヶ月以上の加入期間があれば受給することができます。60歳からの受給が可能なため、自分の「ねんきん定期便」などの加入記録の中で厚生年金基金の名称がある場合は、注意が必要だといいます。平成24年度のデータによれば、厚生年金基金の請求漏れの未請求者は13.7万人。企業年金連合会の請求漏れの未請求者は133万人と、受給権者数に対する未請求者の割合は合計20.4%となり、およそ5人に1人が請求していないのが現状だそうです。城山さんは、「結婚などで氏名が変わった、引っ越しをしたという方は60歳にもなっても基金、連合会から連絡がないので自分から請求をしないと忘れられた年金となってしまうので注意して下さい」と話します。おぼえておきたいですね。*会社員だからこそ利用できる制度を使うことで、受け取れる年金額を増やすことができます。余裕のある老後生活を実現するためにも、いまから老後資金について真剣に考えていきましょう。(文/椎名恵麻) 【取材協力】※ヨースケ城山・・・節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、AFP、住宅ローンアドバイザー、年金アドバイザー。著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』にもまとめられている。ブログ『節約アドバイザーヨースケ城山ブログ』では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。 【参考】※厚生年金基金等の未請求者の状況について-厚生労働省
2016年03月27日「老後破産」「財政破綻」「経済低迷」…。メディアを通じて伝えられるこうした報道などを見聞きして、将来に対して不安になる若者は少なくない。そしてその不安の内容は「お金」に関するものが圧倒的に多い。だが、メディアを通じたネガティブな報道は、日本で戦後続いた「右肩上がり」の時代を前提にしているケースが多い。ライフネット生命の創業者で同社代表取締役会長兼CEOである出口治明氏は、それとは別の見方をすることによって、「お金」に関して違う行動をとることができるのではないかと著書で提案している。今回は、その著書『働く君に伝えたい「お金」の教養』(ポプラ社、定価1,300円(税別))に関し、インタビューした内容をお伝えしたい。○『世代間格差』を言い立てる学者らは「とんでもない」――出口さんは最近、歴史に関する著書も多いですが、この『働く君に伝えたい「お金」の教養』でも、たとえば年金のできた経緯や保険ができた経緯など、いろんな物事の経緯というものを詳しく書かれていますね。それは歴史が好きか嫌いかにかかわりなく、どんなものにでも、それが生まれた経緯や理由があるのです。物事の本質を理解するためには、淵源の姿を見なければいけないというのは、人間の共通知というか、広い意味で世界の人々の常識だと思います。制度であれ、仕組みであれ、なぜこんなものができたのか、という最初の姿を見ないことには、理解ができないということです。パートナー(もしくは恋人)を理解しようと思ったら、パートナーの生まれた街やそのご両親、通った学校など、こんな環境で育ったからこの人はこうなったんだと理解しようとするのが普通です。それと同じですね。――今回は主に20代の方に向けて書かれたということですが。僕はどんな社会であれ、若者こそが僕たちの未来だと思っています。僕の年金を払ってくれるのは若者しかいないので(笑)。これも人間の共通知で、どこの国にも若者が未来だという格言があります。同じ本を書くなら若い人向けにしたい、というのも世界共通だと思います。――今回の著書でも書かれていますが、メディアは、「世代間格差」とか「老後破産」「下流老人」など、どうしても若者の不安を煽ってしまう傾向にありますね。「世代間格差」を簡単に説明しますと、1961年に国民皆年金・皆保険ができたときは、若者11人で、戦争で苦労したおじいさん・おばあさん1人を養っていた、一つのサッカーチームで高齢者1人を養うという世界です。それが少子高齢化によってサッカーチームは騎馬戦になり、今や肩車に向かっているのです。おじいさんの平均寿命も延びて80歳をはるかに超えたので、20年以上背負わなければいけないという状況になっているのです。世代間の不公平は、この現象を言い換えているだけです。「世代間格差」を言い立てている学者は、支える側の若者がサッカーチームになるまで移民を受け入れようと主張するか、おじいさん、おばあさんには早く死んでもらうようにしましょう、と言わなければロジカルではありません。そう主張できるだけの根性があるなら世代間の不公平という言葉を使ってもいいですが、彼らは煽っているだけなのです。世代間の不公平という耳障りのいい言葉で、不安を煽って商売したいから言っているだけで、冷静に考えたら筋が通っていない理論だと言うしかないですね。○今の20代の人と「バブルおじさん」とは全然違う環境――確かにそうですね。今回の著書では、高度成長時代を生きた「バブルおじさん」の話も出てくるのですが、話している前提が、今の20代の人と「バブルおじさん」とでは、全然違うということを力説されていますね。この本をつくる過程では、20代の編集者とライターを相手に「バブルおじさん」の時代とは外部環境が全然違うということで話を始めたら、そのことを聞きつけたライフネット生命の社内の若手がそれはいい話ですね、私たちも手伝いますよと言って、この本をつくるチームができたのです。普通はライターと編集者の方が僕を取材して、その口述テープをもとに原稿をつくっていただき、それに対して僕がいろいろ意見を言って直しを入れるのですが、今回は僕が直す部分をライフネット生命の若手チームが代行してくれてやってくれました。その後、出口さんの名前で出すので最後の校正だけはやりなさいと指示されたので、原稿を見ていろいろ意見を書いたのですが……その7割くらいは20代の編集者の方と社内の若手チームに却下されてしまいました(笑)。――それは何で却下されてしまったのですか。本の本筋とは違いますと。こんなことはおじいさんのたわごとですとか(笑)。――そんなこと出口さんに言えるのですか。しょっちゅうですよ。――そうすると、この本の中身は…僕が話したことがベースにはなっていますが、その並べ方というか、デザインは20代の若手チームが全部つくってくれました。まさに「20代の20代による20代ための本」といえます。――出口さんのご経験で、京都大学に進学された際、京都は美味しいものがたくさんあるから、美味しいものをたくさん食べてやろうと思って、他は節約したというエピソードが印象に残りました。お金を使う際は「オール・オア・ナッシングの原則」にしているということですが。昔からオール・オア・ナッシングは大好きなんです。集中して楽しいことにお金を使うべきです。――法則的なことでいえば、財産3分法(※「手取りでもらったお金を『財布』『投資』『預金』の3つに振り分ける」)というのもありますね。ドルコスト平均法(※「同じ投資対象を、常に一定の金額で、定期的・機械的に買っていく投資手法」)についても書きました。こういう基本中の基本、原理原則を知っているだけでも、いろいろなことがわかります。――日本の学校では教えてくれないですね。教えるべきだと思います。先進国はこれを教えています。選挙について書いた部分のように、北欧では具体的にどう投票すればいいのかを当たり前に教えるので、他の先進国では若者の投票率も高いのです。――選挙の事前予想が、自分が賛成するものであったら、選挙に行ってその人の名前を書く、白票を出す、棄権する、のいずれかを選べばいい、結果は同じだから、という話ですね。ただし、事前予想が自分の考えと違ったらとるべき手段は一つだけ、選挙に行き、違う人の名前を書く。わかりやすいですね。こういう当たり前のことを教えないから正しい判断ができなくなるのです。教育というのは生きる力を与えるものですから。○「消費税は高齢化対策、税金の姿は社会の動態によって変わる」――出口さんの自由奔放な考え方が、この著書には盛り込まれていると思ったのですがいかがでしょう。世界の常識を話しているだけですから。僕の考えは自由奔放ではなく、むしろ保守的だと思います。日本の常識が世界では非常識なだけです。――消費税の話もそうですね。私は消費税を否定的にとらえていたのですが。消費税は、高齢化対策です。さっきの話で、11人のサッカーチームがおじいさん1人を養うなら、所得税と社会保険料でいい。でも、肩車でサポートするとすれば、所得税と社会保険料だけでもちますか。――無理ですね。おじいさん、おばあさんにも少しは払ってほしいと思うでしょう。それが消費税です。――消費税に反対する人は、消費税には逆進性があるからだめだと主張していますが。逆進性が本当だったら、電気料金や水道料金にもなぜ軽減税率を適用しないのですか。全く論理的ではないと思います。ヨーロッパが全部消費税に向かったのは、高齢化社会になったからです。アメリカでは消費税はやっていないという学者がいますが、当たり前ですよ。アメリカはサッカーチームがラグビーチームに増えているのですから。――移民を受け入れて人口が増え続けていますからね。サッカーチームがラグビーチームに増えているのなら、誰が好んで消費税を入れますかというごく単純な話です。所得税と社会保険料で十分です。税金の姿は、社会の人口動態によって変わるので、人口構成の変化をよく見ないで主張する学者は勉強不足だと思います。――出口さんの「お金のリテラシー」の一つに、ファクトというか、信頼できる機関が出している一次データをきちんと見て、物事をそれで判断しなさいといわれていますが、そういうことなんですね。この本を拝読するまでは、年金は社会保険料でまかなえていると思っていたのですが、かなり税金が入っているんですね。そうです。基礎年金の半分は税金。加えて、そもそも社会保険料というのは一種の目的税です。税金には目的税とそうでない税金がありますが、それは使い道とのリンクの強弱によるので、社会保険料も税金です。アメリカでは社会保険税と呼んでいます。○「日本の高度成長は"キャッチアップモデルが奏功したおかげ"」――高度成長期の「バブルおじさん」が誕生した歴史は大変興味深かったです。極論すれば、スタートは毛沢東のおかげです。――そうですね。中国が共産主義国家になったので、冷戦構造の中で日本が国民党の代わりにアメリカの花嫁になったという。ドッジ・ラインや朝鮮戦争や、いろいろなラッキーな要素が積み重なって、日本の「バブルおじさん」がつくられるきっかけになったということなんですね。若い皆さん、お父さん、お母さんに質問してください。何で日本はお父さん、お母さんの時代に豊かになったのですかと。お父さん、お母さんはきっとこう答えるでしょう。それはお父さんやお母さんが汗水たらして、長時間働いたからだよ、わかるよね、と。でもそれは違います。長時間黙って働けば、成長する条件が揃っていただけです。皆さんがお父さん、お母さんと同じ働き方をしても、絶対8%成長は達成できません。――私も会社に長くいれば、残業代がもらえる制度は疑問を持っているのですが。日本では、残業していたら、たまたま帰ってきた偉い人がその姿を見て、「よう頑張っているな」と声をかけます。日本を除く他の先進国では全く逆で、「こんな時間まで残って残業代をくすねているとんでもないやつだから、早くクビを切らな」と思うわけです。例えば、9時から6時まで、勤務時間内に集中して働く人が一番いい社員なわけです。日本ではバブルおじさんの偉い人が、「遅くまでご苦労さん」とほめる。それを聞いた人はみんなこの会社では遅くまで残っていたらほめられるんだ、遅くまでいたら残業代も入るぞ、と思ってしまう。高度成長期の成功体験を忘れることができないバブルおじさんの価値観にだまされてはいけません。――ちなみに、ライフネット生命はそういう働き方ではない?ライフネット生命はベンチャーです。ベンチャーはとにかく忙しいので残業もあります。ですが、たとえば有給休暇の消化率は75%くらいあります。――すごいですね。3年働いたら1週間の休暇が取れる特別休暇というものもあります。毎日、夜10時、11時まで働いていたら、いつ、人・本・旅で勉強するのか。勉強しなければ、いい知恵なんて生まれないじゃないですか。67年生きてきていろいろな本を読みましたが、長時間働いてこんな素晴らしいアイデアが生まれたとか、生産性が上がったとかいう類の本は、1冊も読んだことがないです。――お金のリテラシーを身に付けるには、そういうことに自分で気づかないとだめですね。本日はありがとうございました。
2016年03月24日いま、「下流老人」や「老後破産」に関するニュースが頻繁に報道されています。定年退職していきなり生活苦になってしまうなんて、絶対に避けたいことですよね。そのためには情報収集をして、老後に備えてお金を貯めておくことが重要です。そこで、節約アドバイザーのヨースケ城山さんに、老後破産を回避するために最低限知っておくべき5つのマネー常識を教えていただきました。年金受給なんてまだまだ先の話だなんて思わず、これらの情報をしっかり頭に叩き込んでおきましょう。■1:厚生年金保険料は平成29年度まで引き上げが続く2004年の政府の年金改革により、厚生年金の保険料は同年から毎年0.354%ずつ引き上げられ、2017年(平成29年)以降は18.3%とすることが決まっているのをご存知でしょうか。今年度は、平成28年9月分~平成29年8月分が18.182%に引き上げられます。当初2004年の改正前は13.58%だったので、ほぼ5%の値上げです。標準報酬月額28万円(平均的な給与)で計算しても2004年は保険料、38,024円でしたが2017年になると5,1240円となります。その差はなんと13,216円です。労働者負担は労使折半となるので、6,608円。毎月6,608円も2004年と比べて多く取られているのがいまの厚生年金保険料の姿なのです。■2:国民年金保険料も平成29年度まで値上げが続くまた国民年金の保険料も、厚生年金と同じように2005年4月から毎年280円ずつ引き上げられ、2017年(平成29年)以降は月額16,900円とすることが決まっています。改正前は13,300円だったので毎月3,600円の値上げです。自営業などで夫婦2人加入だと7200円もの負担増となっています。厚生年金、国民健康保料で問題なのは値上げの分、貰える額は多くなるかというとそうではないのです。まったく給付額は変わりありません。厚生年金は標準報酬月額、国民年金保険料は払込み月数で計算されるからです。これは重要なことなので、覚えておきましょう。■3:介護保険料はものすごい勢いで値上げしているつぎに、介護保険料。これは40歳から納めるようになっており、公的年金のように「ここで支払終了」という年齢がありません。介護保険料は人が亡くなるまで納め続ける、いってみれば「終身」のようなものです。そして介護保険料は、3年ごとに見なおしが行われます。2015年4月に改定された65歳以上の介護保険料は、全国平均で月5,514円と3年前に比べ542円(10.9%)値上がりしました。もっとも高いのは、奈良県天川村の月8,686円。もっとも低額だった鹿児島県三島村(月2,800円)の約3倍です。このように、介護保険は地方自治体によって基準が違います。全国平均保険料は、2020年度で月6,771円、2,025年度で月8,165円になる見込みといわれています。介護保険制度導入時の2000年には、第1号被保険者の支払う介護保険料の平均は2,900円程度。65歳以上の年金受給者は今後この介護保険の値上げとも戦っていかなくてはなりません。また、介護保険料は年金天引きなので払わないという選択肢もありません。つまり年金から終身でこの介護保険料は取られていくので、使える年金の額が減少するのは確実です。■4:公務員の特権「職域加算」はすでに廃止されている会社員のかたは、公務員を羨ましく思うときがあるのではないでしょうか。しかし、公務員はもう憧れの存在とはいえません。公務員には会社員の企業年金に代わるものとして、「職域加算」という制度がありました。しかし、平成27年10月に共済年金が厚生年金保険に統合されると同時に、この職域加算は廃止さたのです。そのためこれから新たに受給できるのは、統合前の期間(公務員になってから平成27年9月まで)をもとに算出された職域加算のみ。今後の年金に関しては老齢年金が名前を変えており、年金払い退職給付という名称になっています。職域加算はすべてが終身年金ですが、年金払い退職給付は半分が終身年金で、もう半分は支給期間が10年または20年(一時金に変更することも可能)の、有期年金になるのです。この変更によって、公務員といえども老後は安泰とはいえなくなってきました。■5:民間の退職金減少と同時に公務員の退職金も激減している公務員にとって残念なニュースは他にもあります。「国家公務員の退職給付の給付水準の見直し等のための国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律」が、平成24年11月16日に成立したのです。これにより国家公務員の退職手当は、次のような3段階を経て、平均で約400万円も引き下げられることになったのです。【平成25年1月1日~】平成24年12月31日時点の退職手当より、平均で約140万円引き下げられます。【平成25年10月1日~】 平成24年12月31日時点の退職手当より、平均で約280万円引き下げられます。【平成26年7月1日~】平成24年12月31日時点の退職手当より、平均で約400万円引き下げられます。これは、民間の退職手当がここ10年間で400万円以上下がったための緊急措置なのです。いまは、公務員であっても退職金も減らされる時代となっているということ。この傾向は、今後も続くものと思われます。*最後のふたつは会社員のかたには無縁の話かもしれません。しかし、最初の3つを知っていたかたはそれほど多くないはず。城山さんは「これらの値上がりや給付額の減少が老後破産へとつながっていく」とおっしゃいます。常日頃からこのような情報を集めて、老後への備えをしっかりしておきましょう。(文/水野渚紗) 【取材協力】※ヨースケ城山・・・節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、AFP、住宅ローンアドバイザー、年金アドバイザー。著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』にもまとめられている。ブログ『節約アドバイザーヨースケ城山ブログ』では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。
2016年03月10日連載『「老後破産」を回避せよ! - アラサーから始めるマネー対策』では、FPの馬養雅子氏が、貧困により老後の生活が破綻する「老後破産」をどのように回避すればよいのか、アラサーのうちからできる対策法をご紹介します。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――昔に比べると、今はお金と接する機会が減っています。お給料は口座振り込みで、受け取るのは明細書だけ。それすら、ペーパーは発行されずネットで確認するという会社もあるでしょう。その方が効率的だし、現金を落としたり盗まれたりする心配もないというメリットはありますが、"お金"を受け取ったという実感はありません。といっても、もう既にみんな慣れてしまっていると思いますが。支出に関しても、口座引き落としやクレジットカード払いが増えて、現金をおサイフから出すことが減りました。光熱費や通信費などはもちろん、スーパーで食料品や日用雑貨を買うのにクレジットカードを使う人も増えています。さらに、ネットショッピングではクレジットカードが必須。今や、クレジットカードのない生活は考えられません。○つい使いすぎてしまうクレジットカードただ、クレジットカードは現金がなくても買い物ができることから、つい使い過ぎてしまうという人もいるのではないでしょうか。そのせいでお金が貯まらないということもあるかもしれません。使い過ぎてしまうという人はクレジットカードを使わないようにするのが一番ですが、なかなかそうもいかないので、使い方を工夫しましょう。クレジットカードはお金を払った実感がなく、いくら使ったかわかりにくいのが難点。なので、カードを使ったらその日のうちに、何にいくら使ったかをメモするのを習慣にするのがコツです。つまり、「カードを使った」=「お金を使った」ということがわかるように記録するのです。それは、手帳でもいいし、スマホのメモアプリでも構いません。記録することによって「使った」ことが実感できるし、翌月以降に支払わなければいけない金額もわかり、カード代金の引き落とし日に口座の残高が足りないということも防げます。いちいちメモするなんて最初は面倒くさいかもしれませんが、我慢して続ければ習慣として身についてくるはずです。○使いすぎの原因は「タイムラグ」にある老後破産を回避するためには、先取り貯蓄で計画的にお金を貯めていくことが大切。収入からまず貯蓄をして、残ったお金を支出に回すというやり方ですね。クレジットカードの場合、問題になるのは、買い物した日と代金を支払う日のあいだにタイムラグがある点です。「今月はもうお金がない」という状態でも、クレジットカードなら買い物できてしまいます。でも、確実に翌月以降に支払いがあるのですから、その月は使える金額が少なくなり、お金が足りずにまたクレジットカードで買い物をする……。これを繰り返していたのでは支出をコントロールできません。そこで、クレジットカードで買い物をしたら、メモしておくと同時にその時点でお金を使ったことにしてしまいましょう。使った金額をおサイフから出して、取り分けておくのがベストです。それも面倒だということであれば、クレジットカードではなくデビットカードを使うことを考えてみてはどうでしょう。デビットカードはクレジットカードと異なり、使った時点で銀行口座から代金が引き落とされます。口座残高以上は使えないので、買い物しすぎる心配がありません。最近はデビットカードが使えるところが増えていて、ネットショッピングでも利用可能。カードによっては利用金額に応じたキャッシュバックもあります。「ついクレジットカードを使い過ぎてしまう」、「クレジットカードはお金の管理がしづらい」という人には、デビットカードがおすすめです。
2016年03月04日実は、老後という言葉は戦後に生まれたものです。その証拠に、以下の数字を見てください。1947年の平均寿命:(男性)50.06歳(女性)53.96歳1980年の平均寿命:(男性)73.35歳(女性)78.76歳2014年の平均寿命:(男性)80.50歳(女性)86.83歳終戦直後の昭和22年日本人の平均寿命は、男性約50歳・女性約54歳しかありません。つまり、60年前まで日本に「老後」という価値観は存在しなかったことになります。いい方を変えれば、いまの60代は「老後」という言葉が誕生してから「老後」を迎えている初めての世代となるわけです。ですから、「老後にいったいどのくらいのお金が必要なのか?」ということも、日本人はいま初めて体験しているところなのです。では、いったい老後にはいくらのお金が必要なのでしょうか?■老後までに3000万円ぐらい必要!総務省が出した統計調査によれば、毎月の生活費に62,326円の不足が発生します。老後が仮に20年続くとすれば、約1,500万円の不足です。しかし、これはあくまでも生活費の不足を補うための金額。他に住宅リフォーム費用や医療費・介護費用、葬儀等の準備資金などを考慮すると、ざっと2,500万円から3,000万円の金額を老後までに準備する必要があります。たとえば現在35歳の夫婦が、65歳までに3,000万円を準備しようとなると毎年100万円ずつ老後資金を貯めていかなければなりません。こう考えると、誰でも焦ってしまうものではないでしょうか。■老後の資金を貯めるタイミングが大事しかし、焦って個人年金保険や投資信託に手を出すのは禁物です。そこには、老後資金の準備を焦られて金融商品を売ろうとする営業マンがたくさんいるから。大切なのは、冷静になること。30代のいちばんのテーマは「マイホームをどうするのか?」と、この先に増える「教育費の準備」です。まず、この大きな山を乗り越える必要があります。慌てて、老後資金の準備を金融商品ではじめてしまった結果、教育費のピークに預貯金がなくなり、その金融商品を解約する。そんなケースをよく見かけます。金融商品は、長期運用することでメリットが生まれるもの。多くの場合、中途解約では損失が出てしまいます。その結果、家計のお金を減らしてしまったのでは本末転倒です。つまり、老後の資金の上手な貯め方のコツは、「どのタイミングからはじめるのか?」ということなのです。現実的には、教育費のピークが終了したタイミングからでないと、とりかかるのが難しいケースが多いでしょう。子どもが大学を卒業するときに自分が55歳だったとすれば、「その先10年間でどれだけ老後資金を貯めることができるのか?」ということになります。それ以降は子ども教育費がかからないのですから、ちゃんと取り組めば年間数百万円単位でお金を貯めることが可能です。しかし、多くの家庭では子ども教育費が終わると気が抜けてしまい。家計の支出が大雑把になってしまうのです。そこを引き締めていけば、意外と老後の資金は貯まります。ただ、家庭によっては子ども教育費が終わるタイミングと老後に入るタイミングとが重なるケースや、住宅ローンが多すぎて繰り上げ返済をすると老後のお金がなくなってしまうこともあるでしょう。そうならないように、まずはライフプランをちゃんと作成することが必要なのです。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝) 【参考】※岡崎充輝(2015)『20代・30代で知っておきたい これからかかるお金で困らない本』日本実業出版社
2016年03月01日40歳代後半から50歳代にかけては、そろそろ第二の人生が気になる時期。老後の資金プランについても考え始める人も多いと思います。資金プランというといくらのお金をどのように用意するかということばかりに目が行きがちですが、老後の保障のことも一緒に考えてみてください。○定年と同時に保険料払い込みが終わる保険はそのまま継続すべき?若い頃に加入したままずっと見直しをしていない保険は、どのような契約になっているのか一度確認してみましょう。メインの保険は保険料の払い込みが60歳前後で終わるという商品に加入している人も多いはず。死亡保障の保険の場合、払い込み期間が終了すると同時に死亡保障額がぐんと低くなる契約が多いので、これまでの保障のままのつもりでいると、老後に「アテにしていた保険金がもらえなかった」ということになりかねないので注意が必要です。現在の保障額が何千万円もあったとしても、実はそのほとんどが掛け捨ての保障である可能性が大きいため、保険料の払い込みが終わった後は数百万円しか保障が残らなかったということも。掛け捨てが良くないとか死亡保障が数百万円だから老後の保障として少なすぎるということではなく、これまでかけてきた保険に対しての期待と現実が大きくかけ離れているケースが多く見られるので、早めに現実的なところを冷静にチェックしておき、保障内容を見直すべきところは早めに手を打っておくことが肝心です。保障が減るとわかって慌てて損をしてしまわないためにも事前の確認は必須です。○老後の死亡保障はいくらあれば安心なの?実際、老後の死亡保障額は300万円~500万円程度、低い人だと150万円ぐらいになってしまう保険に加入している人がほとんどです。この老後も残る保障額は終身保険といって一生涯保障される部分。それ以外の数千万円は掛け捨てで安心を買っているのだと割りきりが必要です。さて、残った終身保険の保障額で老後の死亡保障が足りるのかどうかということが問題です。60歳前後から終身保障の保険に加入するには、保険金額とほぼ同じだけの保険料を払わなければならないケースも。保障を充実させるために老後資金を使ってしまうという事にもなりかねないので慎重に検討することが求められます。死亡保障は残された家族が困らないためのお金なので、子供たちが独立した後は夫婦お互いが万一のときに残されたほうが生活に困らないだけの保障を確保しておくというのが基本的な考え方です。その場合、年金がいくらもらえるのか、老後資金として用意しているお金がいくらあるのか、持ち家かどうかなどによって必要額は違ってきます。一人残されたときには遺族年金と貯蓄でなんとか生活できるのであれば、極端な話、葬式費用程度あれば死亡保障は十分と割り切ることもできます。若いころは貯蓄も少なくそれに対して必要な支出が多いため、万一のときの大きな保障が必要でしたが、そのころの感覚で保険を準備する必要はありません。老後のための資金準備がきちんとできていて、相続など特別な資金準備の必要性もなければ死亡保障はなくてもいいケースもあります。ですから、死亡保障がガクンと減ってしまうことを極度に心配し、必要もない保険に加入することがないよう、しっかり保険で準備しなければならないお金があるのか検討してください。○医療保障が心配だけどこれから加入できる?医療保障に関しては、メインの保険に特約で入っているだけという人は、終身タイプの保険を追加することも検討できます。死亡保障の保険に吹かされている保険は、80歳などで保障が満了してしまうものが多いからです。ただし、医療保障も老後の資金プランをどのように設計しているかによって追加で加入が必要かどうかを冷静に判断してください。病気などのための備えも含めて老後資金を作っているなら、あえて保険に入る必要はありません。がんなど深刻な病気になったときに特別な治療を望む場合には、通常の医療保険ではなく、治療費を補償するタイプの保険で備えるという選択もあります。老後は、何でも保険でリスクに備えるのではなく、蓄えも考慮し必要な保障だけ選んで確保する方向で見直しを考えてみましょう。<著者プロフィール>ファイナンシャルプランナー 堀内玲子証券会社勤務後、編集製作会社で女性誌、マネー関連書などの編集を経て1993年に独立。1996年ファイナンシャルプランナー資格を取得。FPとして金融・マネー記事などの執筆活動を中心に、セミナー講師、家計相談などを行う。著書に「あなたの虎の子資産倍増計画」(PHP研究所・共著)「年代別ライフスタイル別生命保険のマル得見直し教室」(大和出版)など。
2016年01月19日平均寿命80歳を超える現代、みなさんは自分の老後がどうなると想像しているでしょうか。フィデリティ投信が2014年に行った女性1万4,000人アンケートで、アラサー女子の未来観を聞いています。■独身か既婚かで変わってくる「将来のイメージ」2014年3月末から4月にかけて全国の勤労者3万人(うち1万4,109人が女性)に行ったインターネット調査で「退職後の生活のイメージ」を聞きました。女性の退職後の生活のイメージ(単位:%)20代女性は既婚・未婚を問わず「のんびり・マイぺース」型がもっとも多くなっているのが特徴です。一方、30代、40代では、既婚と未婚で大きなちがいが出ています。既婚者は「明るく・楽しい」が一番多く、未婚者は「つらく・不安」が一番多いのです。いまの高齢者と比べると?「いまの高齢者と比べて自分の老後はどうなるのか」という質問では、驚きの結果がでています。女性が考える退職後の生活の程度―現在の高齢者と比較して(単位:%)20代女性は既婚・未婚ともに「いまの高齢者よりよい生活が送れると思う」と答えた人は、全体の1割にもおよびませんでした。さらに、「いまの高齢者より悪くなっていると思う」人が5割近いのです。皆さんかなり悲観的に考えているようですね。老後に必要な生活費のイメージは?老後の生活費は、働いていたときと比べてどのくらい減るのでしょうか。交際費などは少し減るような気がするものの、「よくわからない」というのが本音かもしれません。退職における生活費の変化(単位:%)アンケート結果でも、20代女性の5割近くが「わからない」と答えています。それ以外の回答で多かったのが「働いていたときの3割未満/5割未満」です。みなさんかなり減少すると考えているようです。実際にはどうでしょう。過去の家計調査の結果などから分析すると、現役時代の「7割程度」という目安がみえてきます。老後にかかる生活費のイメージがつかないために、安く見積もりすぎてしまったようですね。このアンケートの結果をみると、とくに20代女性は、「退職した後の生活を理解しないまま」(=5割近くが「わからない」と答えています)、「その生活を心配している」(=5割近くが自分の老後の生活は、いまの高齢者より悪くなると考えています)といえそうです。見通しを立てるところからはじめてみましょう退職後の生活なんて、いまから想像できないですよね。でも、目安をもつことは意外と簡単にできるのです。アンケートに回答した50代未婚女性の平均年収は約345万円です。「退職後は退職直前年収の7割が必要になる」とすると、年間で約240万円。60歳で退職して仮に85歳までと設定すると、6,000万円(345万円×7割×25年)が必要となります。このうち、公的年金でカバーできる部分もあります。女性の受給額(厚生年金受給者の場合)は、年間平均で110.0万円。※1受給は65歳からとなりますので、単純計算で、20年間で2,200万円(110.0万円×20年)もらえます。この場合、差額の3,800万円が自分で用意する必要のあるお金といえます。ただし、今後一層の高齢化が進展する日本で、いまの年金水準を将来も期待することはむずかしいといわざるを得ません。支給額が減り、自助努力で用意しないといけない金額は、より大きくなると思っておいたほうがよさそうです。「わからないから不安」から「実際の必要額を知り、早い時期から準備」という次のステップへ、一歩踏みだしてみませんか。※1出典: 「平成24年老齢年金受給者実態調査」(厚生労働省)
2015年12月27日老後資金は3,000万円必要といわれますが、「そんなに貯める自信がなくて不安」だという人も多いのではないでしょうか。しかし『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』(扶桑社)の著者・佐藤治彦さんによると、この金額はナンセンス。老後資金は1,500万円でも3,000万円でもないのだそうです。なぜならお金がいくらあっても、不安はなくならないからです。それに、人によって必要なお金も異なります。もっとも大切なのは、しっかり家族と話すこと。ケチケチ節約しても、家庭不和を招いたのでは意味がありません。また、自分にはいくら必要なのか、しっかり計算することも大切です。忘れるべきでないのは、健康、家族との話し合い、そして知識。そして、老後に備えるためにやってはいけないことがあるのだといいます。いくつかご紹介しましょう。■1:節約と我慢ばかりする最近の老後資金本は、節約と我慢ばかりを強いているような気がします。ですが、節約ばかりしていても、あまり意味はありません。それよりは、時給800円のパートを週に1回した方がお得なこともあります。我慢ばかりしていませんか?それは本当に老後のためになっていますか?節約ばかりではなく、無駄な買いものをしていないか注意しましょう。不安にかられて1円2円を節約しても、「ちりも積もれば」せいぜい「小山」です。■2:バーゲンで洋服を買うバーゲンで服を買うのはやめましょう。安いからとバーゲンで買っても、それほど着ないはず。どうせなら流行の品をいち早く買って、着倒して、オークションに出しませんか?正価でもこだわって買いものした方が、長く着られるので結果としてお得。買いものにはこだわりを持つことをおすすめします。■3:チョコチョコ買いをするまた、チョコチョコ買いもいけません。たとえばスタジアムや映画館で、「ついでにポップコーンとコーラ、フランクフルトも買おう」といろいろ買ってしまったり。それだけでなく「物足りないから」と晩ごはんも食べたり。そして太って洋服が着られなくなったからダイエット……。こんな生活していませんか?自分が本当に欲しいものしか買わない、そう意識を変えてみてください。■4:キャッシングをするお金が足りないとき、キャッシングを利用していませんか?キャッシングして生活費を補填しても、来月には支払+利息を払わねばなりません。それだけ無駄が積み重なるのです。今月借金をするということは、来月の生活費が減るということ。「今月は予定外の出費があったから」。では、来月はないといい切れるのでしょうか?また、毎月の赤字をボーナスで補填するのもやめましょう。ボーナスは、ボーナスが出た月から、その次のボーナスが出る間までの臨時支出として使ってください。家計を健全に見なおせば、支出の無駄がわかります。そして知らず知らずのうちに貯金体質になっているのです。ギャンブルなど、もってのほか!■5:保険制度の確認をしない保険制度の確認も重要です。保険には民間保険と公的保険の2種類があります。公的年金制度だけでも、遺族年金や障害年金などの制度があります。遺族年金なら、夫が亡くなっても子どもが18歳まで年間100万円がもらえます。厚生年金ならさらに積み増しがあります。これなら、子どもが生まれた時点で1,800万円の生命保険に入っているのと同じことになります。公的年金は払った方がお得なのです。また、「ねんきん定期便」をしっかりと確認しましょう。*なにより大切なのは、「完璧な老後の準備はできない」と覚悟することだと著者はいいます。幸せな老後を迎えるために、家族で、特に夫婦で話し合いましょう。そのためには、知識が必要です。本書を読んで知識をつけ、老後の不安を減らしてくださいね。(文/渡邉ハム太郎)【参考】※佐藤治彦(2015)『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』扶桑社
2015年12月10日年を重ねるごとに、不安になってくるのが老後のこと。一生独身の場合は、ひとりで自分の生活費を確保しなくてはいけません。2014年の日本人の平均寿命は、女性86.83歳、男性80.50歳となっています。ということは、60歳で定年を迎えたとしても、独身女性はそれから25年以上ひとりで生活をしていくことになります。もちろん貯金や退職金、年金などがあって無理なく生活できる人もいるでしょう。ですが、最近では老後破産も問題化しているだけに、いまから自分の老後について知っておいて損はありません。そこで節約アドバイザーのヨースケ城山さんから、おひとりさまがどのように老後を過ごすべきかを伺ってみました。■おひとりさまの老後の家計のイメージまずは、将来の家計イメージを知っておきましょう。総務省「家計調査(2013年)」によれば、60歳以上の「高齢無職単身世帯」の生活費と税・社会保険料は、約15.6万円。対して実収入は約12.3万円となり、約3.4万円の不足分があることに。月3.4万円の不足分を仮に30年分で試算すると、3.4万円×12か月×30年=1,224万円。老後の生活を考えると、生活費だけでもこれだけの額を貯蓄しておく必要があるようです。しかし、もし貯金できなかった場合は、どうすればよいのでしょうか。■老後資金の不足分は働いて稼ぐべき総務省統計局労働力調査(平成25年)の平均データを見てみると、就業率は60歳~64歳で58.9%、65歳~69歳は38.7% 、70歳~74歳は23.3%となっています。注目すべきは、60~64歳の6割近くが定年後も働いていること。10年前と比較すると、60~64歳の就業率は、50.7%(平成15年)から58.9%(25年)に増加しています。定年後は、悠々自適な暮らしを想像する人が多いかもしれません。しかし現実的には多くの人が、60歳以降も働くことで生活費をカバーしていくことになるのです。城山さんは「おひとりさまで貯金がない場合は、最低でも75歳まで働き続ける覚悟が必要です」とアドバイスします。60歳以降も働く場合は、60歳になる前に働き口を確保しておくことが大事だといいます。正社員で60歳まで働いている人は、継続雇用でまずは65歳まで働き続けることを目指しましょう。城山さんいわく、雇用形態は問わず、継続できることが1番大切。60歳でその会社を退職する場合には、退職前に次の働き口を見つけておきましょう。■高齢者でも働ける職種は意外とある定年後のアルバイト探しは、職種を選べば難しいものではないかもしれません。実際に、高年齢向けのアルバイトも多くあります。たとえば、交通誘導員や警備員、清掃員、工場や営業所などでの荷物や商品の仕分け作業のお手伝いなどです。女性の場合はお惣菜の調理や清掃、保育所やベビーシッターといった職種で高齢者が活躍しています。面接のときには、何歳まで働けるかを確認することを忘れずに!■知恵で生活を上手に切り詰めていく60歳以降も働いているからといって、生活に余裕があるとは限りません。場合によっては、引っ越しを検討することになるかもしれません。「公営住宅なら家賃も安くすみます。家賃は入居者の所得で決まるため、収入が少ないほど安い家賃で借りることができます」と城山さん。ただし公営住宅に単身入居するには条件もあるため、まずは市や区の役所に確認するべきだといいます。他にも経済的負担を減らすため、食費や光熱費、交通費等も節約することになるでしょう。働くことと同時に、生活を上手に切り詰めて暮らしていくことが大切なのです。*ゆとりある老後は、誰もが願うこと。まだまだ先のことに思えても、少しずつ意識して貯蓄したり、老後について考えたりしておくことが必要なのかもしれませんね。(文/椎名恵麻)【取材協力】※ ヨースケ城山・・・節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、AFP、住宅ローンアドバイザー、年金アドバイザー。著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』にもまとめられている。ブログ『節約アドバイザーヨースケ城山ブログ』では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。【参考】※ ヨースケ城山(2012)『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』 ごま書房新社
2015年11月22日都市部で自活し、食への意識が高いあまり、日常的に外食する独身女性・外食女子に注目が集まっています。収入が比較的高く、オシャレなお店を知っていて、食の流行に敏感なこうした外食女子は、華やかで都会の成功した女性のイメージそのもの。ですが、節約アドバイザーのヨースケ城山さんは「いまのままの外食生活を送っていたら、高齢無職となったときに平均的な食費をも下回る生活が待っている可能性があります」と警鐘を鳴らします。なんともショッキングな指摘です。今回は経済的な観点から、城山さんに聞いたいますぐ自炊グセをつけた方がいい3つの理由をご紹介します。■1:おひとりさまの老後支出は実収入を上回っているからまずは、おひとりさまの老後生活費のデータを見てみましょう。総務省「家計調査(2013年)」によると、60歳以上の「高齢無職単身世帯」では生活費と税・社会保険料を合わせた支出が約15.6万円、対して実収入は約12.3万円。「約3.4万円の不足分を貯蓄で取り崩して補っているのが、おひとりさまの老後家計のイメージです」と城山さん。月3.4万円の取り崩しを、仮に90歳までの30年分で試算すると、3.4万円×12か月×30年=1,224万円。生活費だけでも、最低それだけの不足を補う貯蓄が必要なのです。■2:女性は男性よりも外食費が高くなりがちだから「独身の男女が普段利用する店を見ると、男性は牛丼屋、ラーメン屋など、サクッと食べられる安い店が多いのに対し、女性たちは居酒屋やファミリーレストランなどの利用率が高いようです」と城山さん。これはひとりで牛丼屋やラーメン屋に入ったときの、男性からの「好奇の目」から逃れるためだとか。「ひとりでご飯食べているさびしい女性」と思われたくないという心理が働いて、おひとりさまの外食女子はこういった安くて済むお店を避ける傾向がある、というわけです。すると、男性は1食500円程度で済むのに対し、女性は1食1,000円前後と、倍近い食費がかかってしまう結果に。大雑把に1か月×3食=90食で比較してみると、男性はひと月45,000円で済むのに女性はひと月90,000円もかかってしまうことになります。この計算はもちろんすべて外食ということで出した計算ですが、女性の方が外食費がかかりがちなのは仕方がないようです。■3:老後生活の準備は30~40代から始まっているから上記で紹介した総務省「家計調査(2013年)」の通り、高齢無職のおひとりさまの実収入は約12.3万円。さらに、この高齢無職のおひとりさま家計の内訳を見ると、食費が約3.3万円。そんななかで、外食費に5~6万円も使う生活はできません。「60代になってから生活習慣を変えることは、はっきりいって不可能です。生活習慣とは長い間の習慣であり、いきなりは変えられないもの。ですから30代、40代のうちからゆったりと時間をかけて生活習慣を変えていく必要があるのです」(城山さん)働いている間はお給料がもらえるので、「おいしいものをたくさん食べて仕事をがんばろう」と、食を仕事へのモチベーションにすることにそれほど罪悪感はありません。でも、ここまで見てきた通り、そんな外食中心の生活を老後まで続けることは困難。城山さんは、「しかし、食費を抑える工夫ができるのも女性です。節約主婦などの本、雑誌もたくさん出ていますから、そういったものを参考にいまから生活パターンを変えていくことが、老後破産から身を守るとても有効な手段です」とアドバイスします。*しかし、どうすればいままで外食ばかりしていた女性に自炊癖が身につくのでしょうか?「いきなり自炊ではハードルが高い、時間がない、という人は、まずコンビニやスーパーでお惣菜を買うことから始めてください。それだけでも食費は変化します。これが最初のステップです」と城山さん。その習慣ができてきたら、次はいよいよ自炊へ。しかし、城山さんのアドバイスは意外にも「ここでいきなり完全自炊は目指さないこと」。最初は、「ご飯を炊く」ことからスタート。これでもう自炊のレベルに達します。おかずはお惣菜でも、充分食費を安くすることができます。「まずは外食をする習慣を減らすことから始めて、内食、自炊へと変化させなければいけないのが30代、40代のうちからやらなければいけないこと。50代からではもう遅いのです」と城山さん。自分へのご褒美や楽しみとして、ときにはお金をかけて外食をすることも大事。ですが、高齢無職となったときの家計にも思いを馳せ、今から外食依存の体質を改善していくことが豊かな老後のためには大切なのです。(文/よりみちこ)【取材協力】※ ヨースケ城山・・・節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、AFP、住宅ローンアドバイザー、年金アドバイザー。著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』にもまとめられている。ブログ『節約アドバイザーヨースケ城山ブログ』では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。【参考】※ ヨースケ城山(2012)『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』 ごま書房新社
2015年11月14日老後のライフプランを実現するための老後資金の準備方法というと、個人年金保険を思い浮かべる方も多いと思いますが、その他の方法もありますので、いくつかみていきましょう。預貯金普通預金や定期預金を利用して、準備していく方法があります。一定額になるまで普通預金等で積み立て、その後一定期間、定期預金に預けるという方法です。定期預金は、普通預金と違って、預けたお金の出し入れは簡単にできません。その分、金利が普通預金よりも高めに設定されています。個人年金保険と比べると中途解約をしても元本割れはしませんので、流動性は確保されているといえます。ただ流動性が良いことを逆視点でとらえると、確実に老後の生活費を準備していくという点では、安易に使ってしまうことができることから、弱点になる可能性があります。投資信託運用によるリスクは高いですが、逆にリターンも大きくなる可能性があり、少額から積み立てることができる投資信託を、老後の生活費の準備資金に利用することも可能です。投資信託とは、多くの人が出資したお金を集めてひとまとめにし、運用のプロが運用を行い、そこで出た利益を出資した額に応じて配分します。ただ、プロが運用するからといって、必ずしも利益を生むわけではなく、元本割れの可能性もあります。必要な老後の生活費を投資信託だけで準備していくことは、元本を保証していないため、リスクがあるということを知っておきましょう。確定拠出年金確定拠出年金とは、私的年金のひとつで、拠出された掛金が個人ごとに明確に区分され、掛金とその運用収益との合計額をもとに年金給付額が決定される年金制度です。掛金金額を確定し、運用商品のなかから、加入者等自身が運用指図を行います。そのため、年金金額は運用により変動します。確定拠出年金は、「企業型」と「個人型」があります。企業型確定拠出年金を実施している企業に勤めている方は、「企業型」を利用することになりますし、自営業者や、企業年金を実施していない企業に勤めている方は、「個人型」を利用することができます。確定拠出年金は、支払った掛金額が全額所得控除になります。年金保険料として支払った金額が控除されるため、税制面では有利といえます。運用商品は、預貯金、公社債、投資信託、株式、信託、保険商品等から選ぶので、選択によっては、元本割れの可能性もあることには注意が必要です。さまざまな準備の方法を組み合わせるこのほかにも、老後の生活費を準備していくために利用できる商品はあります。特徴を理解し、自分に適した商品をいくつか組み合わせて、各方法で資金のリスク分散をはかり、老後の準備をしていくことを考えてみてはいかがでしょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年11月12日今回いただいたテーマは「老後」である。はっきり言って、漫画家という職業に関係なく暗黒のビジョンしか思い浮かばないので、できるだけ考えないようにしている話である。私がそう思っているだけでなく、今や多くのメディアが、貴様らの老後はデスロードだ、お先は真っ暗であると報道しているのだ。○老後は地獄のデスロード…?最近「老後破産」というテーマで組まれたテレビ番組を良く目にする。タイトル通り、バラエティ豊かな破産した老人が出てくるという、「とにかくブルーになりたい」という人以外は見ない方が良い内容だ。他人の不幸を米以上の主食にしている、いわば「不幸ソムリエ」たる私だが、子どもや老人の不幸は酢に匹敵するほどすっぱくなった古いワインのようなもので、テイスティングの対象外となる。あくまで、健康で働き盛りの癖にギャンブルとかして困っている人が好きなのだ。しかもこういう番組に出てくる老人は、若い頃散財しまくって今困っているというわけでは決してない。確かに見通しは若干甘かったのかもしれないが、普通に暮らしていたらこうなった、もしくは突発的不幸で老後の計画が狂ったという人がほとんどなのである。つまり我々の老後は、贅沢していたら死ぬ、普通にしていても死ぬ、何か起こったら死ぬ、というDead or DEAD or Die、モヒカン頭の悪漢がジープで走り回ってなくても、かなり世紀末な世界観となる。そういう番組ではそうならないためにどうするかを示してくれる場合も多いが、ほとんどの場合、結論は「働けるうちに老後の資金をためておけ」である。具体的にいくらぐらい貯めれば良いかという金額はメディアによってまちまちだが、夫婦二人で大体3000万円から5000万円ぐらいというのが相場だ。もうこの時点で、テレビを爆破してpixivを見に行ってしまいたくなる額面である。○「明るい老後」を無理矢理イマジンするこのように暗い老後にまつわる事ならいくらでもイマジンできるのだが、逆に「明るい老後」というのは一体なんなのだろう。ステレオタイプ的に考えると、息子夫婦あたりと同居し、孫の面倒を見ながら畑をいじったり、ゲートボールをしたりする感じであろうか。しかし、私はそういう例を見るたびに「嫌だぜ、そんな生活」と思うのである。現在夫と二人暮らしだが、私はほとんど部屋から出てこないので、お互い多くの時間を一人で過ごしている。それがベストなのだ。それなのに、突然嫁や孫に囲まれたら、かえって病むに決まっている。それに、現時点でネット漬けの人間が老後になって突然畑に目覚めるとも思えないし、還暦をすぎてゲートボールチームに入れるようなコミュニケーション能力が開花する、ということもないだろう。開花するなら今してほしい。しかし、何せ老いているのだ。一人ではできないことも増えるだろう。どれだけ一人が好きで孤独に強かろうと、いつかは他人の世話が必要となるのだ。それに、子世代だって自分の生活で手一杯で親の面倒が見られるかはわからないし、むしろ面倒を見てもらうつもりだった子どもが、親の年金を食いつぶす穀潰しに成長してしまうこともある。そのせいか、年をとっても身内の世話にはなりたくない、介護施設に入ると思っている人も多いようだ。しかし、その介護施設も数が足りないそうだし、さらにそこで起こる虐待など、とにかく人をブルーにさせるニュースに事欠かない。介護施設もピンキリなようだが、やはり良いところに入ろうとすると数千万の準備がいるようだ。ここまで来ると、再度pixivを見に行ってしまうのもやむなしといったところだろう。前に桂米朝師匠が「芸事をやる人間は末路哀れは覚悟のうち」と言っていたという話をしたが、今では芸をやっていなくても「末路哀れ」を覚悟しておかなければいけないのである。とはいえ、ここで「どうせ末路哀れなら今を謳歌するぜ」という方向に行くと末路の哀れ度が増す。やはり、そんなに哀れでない末路をたどるためには、若い頃我慢して金を貯めろと言う話になってしまう。このように考えれば考えるほど暗い想像しか出来ないのだが、逆に「明るい老後」の方が「円満離婚」ぐらい無理がある言葉のような気がする。少なくとも肉体的には衰えていくのだから、明るくはないだろうと思うのだ。老後破産だ何だとむやみに国民の不安を煽るのは良くないが、明るい老後、悠々自適だのと言って油断させるのもまた良くない。将来に危機感を持ち、備えることがやはり大切なのだ。つまりは、哀れじゃない末路を目指して今から5000万円貯めておけば良いということである。しかし、問題が解決できない原因の大半は「解決策がわからない」のではなく、「方法はわかっているが実行できない」という点にあるのだ。「5000万の貯金」に代わる実行可能な解決策を、なんとか老後を迎える前に考えたいと思う。とりあえず今日はピクシブで推しキャラの18禁創作を読むことにしよう。老後も大切だが、今を楽しむことも大切なのである。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。連載作品「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中、9月18日よりWeb連載漫画「ヤリへん」を公開開始。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は10月27日(火)昼掲載予定です。
2015年10月20日老後は、都会の喧騒から離れて田舎でのんびりと暮らしたい、と考える人がいる一方で、通院や買い物などの不便さを考えると都会の方が生活しやすいという現実もある。そこで今回は、マイナビニュース会員の男女300名に「老後に過ごすなら、都会と田舎どちらが良いですか?」と質問し、それぞれを選んだ理由を尋ねてみた。Q.老後に過ごすなら、都会と田舎どちらが良いですか?都会 62.0%田舎 33.7%その他 4.3%Q.選んだ理由を教えてください■都会を選択 : 利便性が良いから・「病院やスーパーなどが近くにあるほうが暮らしやすいから」(28歳女性/学校・教育関連/専門職)・「足腰も弱るし車も運転できなくなるので、便利なところに住んだ方がいい」(24歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)・「病院や生活関連店が近くになるし、バリアフリーな街が多い・田舎は段だらけ」(47歳男性/電力・ガス・石油/技術職)■都会を選択 : 田舎は人間関係が不安・「田舎は人付き合いが面倒」(30歳女性/ソフトウェア/秘書・アシスタント職)・「田舎は不便だし古い考えをもつ人が多いから」(26歳男性/電機/技術職)・「田舎の人間関係が嫌」(25歳男性/機械・精密機器/技術職)■田舎を選択 : のんびり暮らしたい・「静かな土地でゆったりと暮らしたいので」(31歳女性/小売店/秘書・アシスタント職)・「静かにまったり出来そうだから」(26歳男性/農林・水産/技術職)・「人混みが嫌いなので田舎でのんびりしたいから」(29歳男性/不動産/その他)■田舎を選択 : 自然が豊かだから・「暮らすには都会が便利だと思うが、環境を考えると田舎が良いと思う」(50歳以上男性/建設・土木/技術職)・「自然に囲まれて生活したいから」(32歳男性/商社・卸/事務系専門職)・「田舎の方が空気がきれいだから」(28歳女性/機械・精密機器/専門職)■総評今回のアンケートでは、老後に過ごすなら都会が良いと回答したは6割強、田舎が良いと回答したは3割強という結果であった。都会を選んだ人のほとんどが、都会の便利さや田舎の不便さを理由にしており、「都会の方が病院やスーパーマーケットなどが近くにあるから」との回答が数多く寄せられている。田舎の人間関係が不安と回答した人は3人にとどまり、その他には「刺激が欲しいから」「ボケ防止のため」「虫が少ない方が良い」といった回答もあった。田舎を選んだ人は、「のんびり暮らしたい」「自然が豊かだから」との回答がほとんどで、「生活コストが安い」「地元に帰りたい」といった意見も見られた。結局のところ今回のアンケートでは、都会の便利さと田舎ののんびりとした暮らしのどちらを取るのかで、都会派と田舎派に分かれたようだ。調査時期: 2015年7月22日~7月24日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性141名 女性159名合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年09月30日物価の上昇、子どもの学費、給料の低下……。生活が大変なのはどの家庭も同じですが、なかでも、特に老後の生活が心配な人たちがいます。それは主婦や主夫。アメリカの主婦(夫)の3分の2は老後のための準備ができておらず、半数はまったく生活する手立てがないというのです。アメリカでは家事を切り盛りする人の81%が女性。そして実は、男性よりも女性のほうが老後の生活が厳しいのだそうです。アメリカのニュース専門放送局『CNBC』では、最新の研究から、女性の老後の生活に警鐘を鳴らしています。特に主婦のみなさんは必見です。■女性のほうが老後の生活が不利!アメリカで行われた調査により、女性のほうが男性よりも老後の生活が厳しいことがわかりました。まず、平均寿命が女性のほうが長いため、単純にお金が必要な期間が長くなります。現在65歳の女性の予想平均寿命は86.6歳となっており、男性の84.3歳に比べて4年ほども長いのです。したがって、女性のほうが伴侶を亡くす率も高くなっています。2013年には65歳以上の女性の49.7%は、伴侶が亡くなったり、離婚、別居のためにひとりで生活したりしていました。男性ではこの数字は22.8%と半分以下です。なんらかの理由で伴侶がいなくなることは、残された女性の生活に大きな打撃を与えることを意味します。主婦が離婚した場合、収入は平均で41%減るといわれているのです。これは男性の倍の数字です。伴侶が亡くなった場合も、男性は収入が平均22%しか減らないのに対し、女性は37%も減るのだといいます。■女性のほうがお金の管理が苦手?一家の家計を管理しているのは女性という印象がありますが、実は、女性のほうが一般にお金の管理が苦手な傾向にあることが指摘されています。研究を行った退職研究トランスセンター(TCRS)社長のキャサリン・コリンソン氏は、昔からの習慣で女性がお金に関して口出しできなくなっていること、女性に対してのお金の情報が少ないことなどを指摘しています。「私たちが調査した限りでは、女性向けのウェブサイトにはウェディングドレスの説明は載っていても、その金額が書かれていないようなものばかりでした」主婦は貯金する習慣がない人も多いともいわれています。アメリカでは、子どもがいる主婦のうち、習慣的に貯金している人はわずか29%でした。これは子どもにも悪影響を与えると考えられています。しかしコリンソン氏によると、これは主婦にとってチャンスなのだそう。これを機に家計に興味を持ち、お金について勉強することで、子どもにもお金の大切さを教えることができるのだといいます。「子どもは両親に大きな影響を受けます。家族でお金について話すことは、子どもにとってもいい勉強になるのです」女性の平均寿命のほうが長い以上、夫に先立たれる確率が高いというのは事実です。税金などのお金の計算が苦手な人も、老後や夫が亡くなったときに備えて、いまから少しでもできることを始めてみてはどうでしょうか?(文/スケルトンワークス)【参考】※Half of homemakers have no retirement strategy-CNBC
2015年09月24日老後を豊かに暮らすためには、どれくらいの費用が必要なのでしょうか?(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える一カ月の最低日常生活費は、平均22.0万円となっています。また、ゆとりある老後生活を送るための費用として、最低日常生活費以外に必要と考える金額は平均13.4万円となっています。つまり、老後を豊かに暮らすための費用が、約35万円必要であると考えている人が平均的であるといえるでしょう。老後の生活費は実際にそんなにかかるの?実際、60歳以上の無職世帯の生活費は、1カ月にどれくらいかかっているのでしょうか。図1 世帯主が60歳以上の無職世帯(2人以上の世帯)の1カ月間の収入と支出資料:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)平成26年(2014年)」をもとに作成世帯主が60歳以上で無職である2人以上の世帯の家計における消費支出は約24.7万円となっています。一方で、手取り収入は約17.6万円となっており、毎月約7万円が不足しているという様子がわかります。では、世帯主が60歳以上単身の場合の無職世帯をみてみましょう。図2 世帯主が60歳以上の単身無職世帯の1カ月間の収入と支出資料:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)平成26年(2014年)」をもとに作成世帯主が60歳以上単身の無職世帯における消費支出は約14.3万円となっていて、手取り収入は約10.2万円となっています。無職である2人以上の世帯ほどではないにしても、毎月約4万円が不足しているのが現状です。老後の生活に不安を感じる?(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」によると、自分の老後生活に不安を抱えている人の割合は9割近くにものぼります。その具体的な不安内容を見てみると、圧倒的に多いのは、「公的年金だけでは不十分」という回答。次いで、「日常生活に支障が出る」、「自助努力による準備が不足する」といった回答が続きます。図3老後生活に対する不安の内容(複数回答) 上位10項目資料:(公財)生命保険文化センター「平成25年度生活保障に関する調査」をもとに作成不安に対する対策を講じよう!図1と図2をみて分かるように、日常的な支出も預貯金等の切り崩しが必要になる可能性が高いといえます。さらに、ゆっくりと旅行などを楽しむことも老後のライフプランに思い描くのであれば、老後に備えて、今から少しずつ確実に資産形成を行っていくことが、必要といえるでしょう。そのため資産形成の方法は、積み立て預貯金商品のほかにも、個人年金保険など価格変動リスクが極めて低い商品で行うことが望ましいといえます。漠然とした不安にさいなまれるのではなく、自分たちの思い描く老後の生活のために、どれくらいの準備が今から必要なのか具体的に考えてみることをおすすめします。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年09月17日老後に必要な資金は3,000万円ともいわれる時代、年金制度のほころびもどんどん明らかになり、若いうちから老後資金について考える人が増えてきています。しかし30代は結婚し、子どもを持ち、家や車を買うなど、出費もかさむもの。そんななかで老後資金づくりにまで手が回りません。そんなとき、「こんな行動はNG」という指針があると助かりますよね。そこで今回は、経済に関するトピックを紹介するサイト『Business Insider』が2人のファイナンシャルプランナーに取材した“30代が陥りやすいお金の失敗”をご紹介。ゆとりある老後を送りたいと思ったら、こんな行動はNGです!■1:必要以上の金額を個人年金に回す先々への備えも必要ですが、大切なのはその内訳。30代は大きな支出が目白押しですし、けがや病気など不測の事態への備えも必要です。たまの家族旅行などの支出にも対応できるよう、手元の貯蓄も増やしましょう。■2:自分の老後資金よりも子供の教育資金を優先させる子どもの教育費は大切。でも老後資金を教育費に回していると、老後に資金が底をついたとき子どもが補てんすることになり、教育ローンより高くつくことに……。実は、自分自身の老後資金への備えは教育費よりも優先すべきものなのです。■3:生命保険・医療保険に入っていないとはいえ、民間の生命保険、医療保険に加入しておくことも重要です。保険が生きてくるのは40代や50代、あるいはそれ以降。30代ではまだ危機感が薄いですが、軽視しているとあとで痛い目に遭うことも。■4:所得保障保険に加入していない日本には失業保険や国民年金の障害給付・遺族給付などの制度がありますが、働けなくなった場合の収入源についても考えを巡らせておくのは大切なこと。将来の備えや「もしも」にきちんと向き合うのが、30代の責任です。■5:パートナーとお金の話をしていないお金の話をするのは難しいことですが、結婚を前に一度お互いの金銭的な状況や希望ときちんと向き合いましょう。結婚後、お金に対する価値観の違いからすれ違いが生じることも防げます。■6:結婚式にお金をかけすぎる日本でもアメリカでも、結婚費用の相場は平均300万円以上。しかしプランを練り、必要なポイントを絞れば100万円以下で満足のいく結婚式を挙げることは可能です。もし盛大な式をしたいなら、早い段階から結婚資金として貯蓄していきましょう。■7:第一子にお金をかけすぎる待望の第一子には、お金をかけたくなってしまうもの。しかし初めての子育てには予想外の出費がたくさん。ベビー用品にお金を必要以上にかけてしまうと、あとあと後悔します。初めてのときは、財布のひもを締め気味にするくらいでちょうどいいのです。■8:車にお金をかけすぎるさまざまなことにお金のかかる30代、車のローンも馬鹿にはなりません。10年で買い替えるとしたら、ローンは少なくとも最初の5年で終わるように設定しましょう。そうすれば、車のローンが終わった後の5年は貯蓄を別のことに回せます。■9:将来の見通しなく大学院に行くMBAを初めとした大学院進学は、キャリア形成にどう役立てるか具体的なイメージを持っていることが大前提。そうでないのであれば、働きながら通うという選択肢も検討してみる必要があります。■10:「働くのは今月の生活費のため」と思っている一般的に、働き盛りは30代後半から40代前半。30代前半で仕事を探す場合は、働き盛りのその時期にさらに収入が増えるかどうかを指針にすべき。場当たり的な働き方を続けていると、老いてから不安を抱えることになってしまいます。■11:「将来はもっとお金が稼げるはず」と思っている人生、楽観も必要です。しかし、お金に関しては楽観しすぎが自分の首をしめることになります。将来のお金のことは少しシビアに考える癖をつけましょう。30代にとってまず必要なのは、老後資金の貯蓄をスタートさせることなんですね。そのためには、残った分を貯蓄に回すのではなく、続けられそうな金額を設定して毎月の収入から先取り貯蓄し、“残った分で生活する”に発想を転換しましょう。そうすれば、自ずと生活レベルを押さえ、貯蓄を増やすことができます。ゆとりある老後のため、30代からできることはたくさんあります。前向きに資金づくりを進めていきましょう。(文/よりみちこ)【参考】※The 11 worst money mistakes to make in your 30s―Business Insider
2015年07月15日ラッパー、俳優、企業家として活躍する50セントことカーティス・ジャクソンが、自己破産を申請した。50セントは、3日前に彼が流出したとされるセックステープの被害者に対し、500万ドルを支払うよう判決を受けていた。またヘッドフォーンのデザインを盗用した件でも、裁判所から、1720万ドルの支払いを要求されている。50セントは、自らの資産を1000万ドルから5000万ドルであるとしているが、同時に「負債も同じくらいある」と報告している。50セントは、現在北米公開中の『マジック・マイクXXL』に出演。今月北米公開されるアントワーン・フークア監督の『Southpaw』にも出演する。その他の出演作に『ラスト・べガス』『コードネーム:プリンス』などがある。文:猿渡由紀
2015年07月14日オウチーノ総研は23日、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住者を対象とした「『老後』に関する実態調査」の結果を発表した。それによると、自身の老後に対して「悲観的(計)」に考えている人は42.0%に上った。悲観的に考えている理由については、「老後資金・年金に不安があるから」が突出して多かった。他方、「楽観的(計)」は28.0%、「わからない」は30.0%となった。現在用意している老後資金の金額を聞くと、「用意していない」は34.3%、「500万円未満」が15.1%、「1,000万円未満」が8.8%、「2,000万円未満」が10.4%、「3,000万円未満」が4.8%など。一方、退職までに用意する予定の金額は、「用意しない予定」が18.4%、「500万円未満」が5.9%、「1,000万円未満」が6.6%、「2,000万円未満」が9.4%、「3,000万円未満」が8.0%などとなった。老後もゆとりのある生活を送るためには3,000万円の資金が必要ともいわれるが、今回の調査では、3,000万円以上の資金が用意できる見込みのある人は14.7%にとどまった。また、自身が老後の暮らしを送る頃、日本の高齢者の暮らしは「今より悪くなっている」と答えた人は過半数の52.2%に上った。調査期間は2015年6月12~15日、調査方法はインターネット、有効回答は40~59歳の個人860人。
2015年06月23日子育て真っ最中のWoman.excite ママ世代でも、何となく「老後が不安」と感じている人は多いのでは? 「『老後を不安』に感じる最大の理由は、『わからないこと』に原因があるんです」と言うのは、定年後の第2の人生=セカンドライフに詳しい大江英樹さん。ご自身も野村證券を定年退職し、まさに「老後」生活の真っ只中なのに、生き生きしていて、楽しそう! あれ? 老後って案外悪くない!? そんな大江さんに、年金についてのお話を伺った。■自分の年金額を知っていますか? 今回は年金の特集なので、老後のお金について簡単な質問を2つしよう。<問1>自分が国からもらえる年金額を知っていますか? <問2>夫や自分が勤務している会社から、(定年まで勤めたら)退職金をいくらもらえますか? この2つの問いに、すぐさま回答できる人はいないのでは? それも、そのはず。大江さんは元々、野村證券で確定年金部長をしていた経験があり、今でこそ年金のプロだが、そんな大江さんでも年金の担当になった時は、「年金は、わかりにくいです。僕は年金業務の担当になった当初、実にたくさんの本を読みました。それでもわからないので、『サルでもわかる年金』という冊子を読んだのですが、それでもわからない。『自分はサル以下なのか』と落ちこみました」という状態だったそう。■年金がわかりにくい理由「実は、年金がわかりにくいのは、『年金』という言葉が最大のネックなんです。」えっ、どういう意味!? と思った人は、下記の図を見て欲しい。 老後、国からもらえるのが「公的年金」。一方で、勤めていた会社からもらえるのが「企業年金」。この2つは、全然違う仕組みの制度なのに、同じ「年金」という言葉で括られている。これが、年金を難しく感じる元凶だという。では、どう考えればいいのだろうか? その答えは次回、「年金、私は結局いくらもらえるの?」で、年金制度の骨格を整理することで明らかになるはずだ。年金についてもっと詳しく知りたい人は? ◇ 自分で年金をつくる最高の方法確定拠出年金の運用【完全マニュアル】 (著者:大江英樹/日本地域社会研究所) 定価:本体1,680円(税別)
2015年06月02日なんだか漠然と老後の生活が不安…、そう感じることありませんか? さすがに女子会で、年金の話題が出る訳もなく…。でも、みんながどういう風に考えているのか正直気になります。そんなあなたは、こちらの調査結果を見てみて。この調査は、世界34の国と地域の18~65歳を対象に実施する労働者意識調査「ランスタッド・ワークモニター」の2015年第1四半期の結果です。(ランスタッドホールディング・エヌ・ヴィー調べ)■老後の生活資金は個人の責任か? 老後の生活資金の準備について、日本の働き手の82.0%が雇用主でなく個人の責任であると回答しました。年齢別では、55~65歳で91.1%と個人責任の意識が非常に高い結果でした。調査国の平均は63.7%、もっとも個人責任との回答が多かったのはシンガポールで、85.1%でした。次にインド(84.1%)で、日本はそれに次ぐ3番目です。反対に個人責任の回答が少なかったのは、ハンガリー(33.8%)、ルクセンブルク(40.7%)でした。国によってかなり差があるようですね。■老後の生活資金のために貯蓄は必要? 老後の資金として、日本の働き手の42.2%が収入の2割以上を貯蓄すると回答しました。自分自身の貯蓄金額と比較していかがでしょうか? これはシンガポール(54.0%)、インド(49.2%)、マレーシア(44.4%)についで、4番目に高い数値です。やはり老後の生活資金を個人の責任と考える国は、貯蓄金額も高いようですね。老後の生活資金のために収入の2割かそれ以上を貯蓄すると答えた、調査国の平均は、24.5%。地域別では、アジア(43.7%)、北米(36.7%)、中南米(29.1%)オセアニア(27.0%)の順で、ヨーロッパが16.1%ともっとも低くなりました。ランスタッド株式会社人事本部長の柄沢雅生さんは、日本の超高齢化と少子化により、年金や医療費などの社会保障給付の支給額の減額が必至である背景を踏まえ、「ここ10数年、将来の退職金を自己運用する確定拠出型年金を導入する企業が増えるなど、企業年金の制度も変化を遂げつつあります。自社でどんな制度があるのか、将来に向けての貯蓄の計画など、自己のキャリアプランとともに考えていく必要があるのではないでしょうか」とコメントしています。老後のことなどまだまだ先と思いがちですが、今からでもできることはたくさんあるはずです。たとえば、貯蓄について真剣に考えて、少しずつでも実行に移したり、スキルを磨いて生かすなどキャリアアップを考えたり、さらには結婚や出産といったライフプランについても考えておくことが大切なのではないでしょうか。・ランスタッド株式会社 公式サイト
2015年04月30日宝島社は26日、別冊宝島『老後に必要なお金が貯まる本 老後資金は3000万円なくても大丈夫!!』を発売した。ファイナンシャルプランナーの畠中雅子氏監修。価格は833円(税別)。同書は、お金にまつわる将来のライフプランを「見える化」する技を紹介。「いつ・どのくらい・どうして」必要となる金額や貯めどきを可視化することで、簡単に老後資金対策の目処を立てることができるという。また、年金や保険、税金、ローンといった大切なお金の知識や「マル得術」も大判図解で解説する。巻頭には切り取って使えるライフプランシートが付属する。主な内容は、「第1章 貯めどきと必要額がわかる! ライフプランシートでお金を"見える化"しよう」「第2章 いつから、いくらもらえるの? 知っておきたい『年金』のしくみと増やし方」などとなっている。監修者の畠中雅子氏は1963年東京都港区生まれ。大学時代よりフリーライターとして活動を開始し、1992年にファイナンシャルプランナーの資格を取得。教育資金アドバイスを行う「子どもにかけるお金を考える会」、高齢者施設への住み替え資金アドバイスを行う「高齢期のお金を考える会」などを主宰。著書に『結婚したら知っておきたいお金のこと』(海竜社)などがある。
2015年01月26日第一生命保険は18日、「老後に向けた経済的不安と就労意識」に関する調査結果を発表した。それによると、正社員・正職員として働く40・50代の6割強が老後、「公的年金だけでは生活できない」と答えた。調査期間は2013年11月、調査方法はインターネット、調査対象は、40・50代の正社員・正職員1,353人。老後、公的年金(厚生年金、国民年金等)しか生活資金がなかったとして生活できると思うかと尋ねたところ、61.6%が「生活できない」と回答。性別、年齢別に見ると、男性より女性、50代より40代の方が「生活できない」と答えた割合は高かった。老後の生活のための準備は、「預貯金」が57.9%、「私的年金(民間の個人年金など)への加入」が36.7%、「生命保険への加入」が27.8%。一方、老後の生活のための準備をしていない人にその理由を聞くと、「現在の生活だけで精一杯で、老後資金の準備のための余裕資金がないから」が64.2%で最も多かった。経済的な分野で不安に思っていることについては、「老後、生計維持のために必要な就労ができなくなること」(79.9%)、 「老後、生活費用が支払えなくなること」(79.8%)、「自分や配偶者の病気の治療費の負担が重くなること」(79.3%)の3つが8割近くに上った。働き続けたい年齢は、「60歳未満」が9.1%、「60~64歳」が30.2%、「65歳以上(計)」が60.6%。60歳以降も働く理由の1位は「生計を維持するため」で75.3%。また、60歳以降の希望する働き方としては、「今の勤務先でフルタイムで働く」が42.4%、勤務先は問わず「短時間勤務で働く」も約4割を占めた。
2014年12月19日帝国データバンクは12月10日、DJ機器で知られるベスタクスが、東京地裁より破産手続き開始決定を受けたと報じた。負債は約9億円の見込み。同社は「Vestax」ブランドを展開し、DJ用のミキサーやターンテーブルなどで高い評価を受けていた。ベスタクスは、プロ用楽器の設計販売を行う椎野楽器設計事務所として1977年に設立された。1987年に社名をベスタクスへ改名し、エフェクターやプリアンプのほか、DJ向けのミキサーやターンテーブルの製造を中心に事業規模を拡大。「Vestax」ブランドのDJ機器は国内外で高い知名度を持つ。しかしながら、景気減速や音楽機器市場の変化にともなう消費の低迷によって需要が減少。海外製の安い製品が台頭するなどの影響もあり、売上がぜん減していた。金融機関との交渉などでしのいでいたものの、資金繰りも悪化し、2014年8月末までには事業を停止していた。
2014年12月11日帝国データバンクは10日、DJ機器メーカー「ベスタクス」が、12月5日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けていたことを報じた。負債は約9億円の見込み。同社は、1977年に「椎野楽器設計事務所」の商号にて設立。1987年には現商号に変更し、DJ向けのミキサーやターンテーブルなどの製造販売を主力に事業規模を拡大、「Vestax」ブランドを展開した。同ブランドのミキサーやターンテーブルは海外での受賞歴もあるなど、クラブシーンを中心に国内外で高い知名度を獲得。また、大手音楽機器メーカーへのOEMによる製品提供も行うなど技術力への評価も高く、2002年3月期には年売上高約25億1,400万円を計上していた。しかし、景気減速に伴う消費の低迷から需要が減少していたほか、海外市場においても苦戦を強いられたことで売り上げが漸減。近年は新たな海外法人の設立で収益体制の改善に取り組んでいたが奏功せず、近時の年売上高は5億円を下回っていた。金融機関へのリスケ要請等でしのいでいたが、資金繰りも悪化し、8月末までに事業を停止していたという。
2014年12月10日ソフトブレーン・フィールドは14日、主婦を対象に実施した「貯蓄」に関する意識調査の結果を発表した。それによると、貯蓄の目的は「老後の資金」が6割強を占めることがわかった。同調査は、2014年10月22日~28日にインターネット上で行われ、20代以上の既婚女性1,039人から有効回答を得た。まず、貯蓄の使い道について尋ねたところ、「老後の資金」が62.9%でトップ。次いで「子供の教育費」が55.0%、「緊急・災害時のため」が30.8%となった。「老後の資金」について準備しておきたい(準備した)金額を聞くと、「1000万円~2000万円未満」が30.1%で最多。以下、「2000万円~5000万円未満」が26.7%、「500万~1000万円未満」が23.4%、「500万円未満」が11.7%、「5000万円以上」が8.1%と続いた。準備状況については、「準備していないが、今後する予定」が60.5%、「準備している(準備した)」が37.2%、「準備しておらず、今後もする予定はない」が2.2%。準備を始める時期については、これから準備を始める人では「40代から」と「50代から」の合計が84.1%。一方、既に準備をしている(した)人では「30代から」が40.6%で最も多く、「20代から」も17.6%いた。現在の貯蓄額を夫が知っているかどうかについて尋ねると、「知っている」が41.6%、「貯めていることは知っているが金額は知らない」が36.2%、「知らない」が22.2%となり、6割弱の夫が貯蓄額を把握していないことがわかった。
2014年11月14日