意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「コロナ禍の災害支援」です。被災地と離れていながらできる、新しい支援に注目。今年も豪雨災害が続いています。7月には熊本を中心に、九州やその他の地域が大きな被害に見舞われました。しかし、このコロナ禍では感染リスクもあり、自由に移動ができません。現地ではやはり人手が足りていないとのこと。とはいえ、県外の方が来ると地元から一斉に不安の声があがり、疑心暗鬼も招いてしまうそうです。そんななか、新しい支援の形が2つ見られました。一つは、被災した当事者がAmazonの「ほしい物リスト」で必要物資を公開し、支援を募るというもの。八代市の水没した保育園では、園児の帽子からフェルトペン、シーツに至るまで具体的に必要なモノと数をリストアップしました。これまでは、被災地で何が必要なのかの情報をリアルタイムに得るのが難しく、物資を送っても自治体の倉庫で管理されて適切に届かないというような問題がありました。その点、この方法は明快で合理的です。もう一つは、熊本地震をきっかけに結成された支援団体「BRIDGE KUMAMOTO」の働きです。広告を手掛けるデザイナーや映像クリエイターらが中心メンバーで、7月の豪雨災害を受け、いち早く基金を創設。これはクラウドファンディングで支援金を募り、被災地支援を行う組織や団体はBRIDGE KUMAMOTOに申請して、助成金を受け取れるというシステムです。全国のクリエイターたちに呼びかけて動画メッセージ集を作るなど、お金以外の支援も行っており、僕もナレーターとして参加しました。このように中間支援団体がSNSを展開して支援に入るというのは新しい動きです。行政では手の回りにくいところを細やかにサポートしています。豪雨や台風災害は今後も起きるでしょう。地震や富士山の噴火の危険もはらんでいます。コロナ禍の複合災害では、外に出られない、外からの支援が得られない状況が続く恐れがありますから、食糧や水、常備薬に加え、マスクや消毒液も適量、備蓄しておいたほうがよいでしょう。これまで避難所ではたびたび、食中毒や感染症の問題が起きていました。コロナにより、衛生面の危機意識が一般的に高まったのは、良かったことかもしれません。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。3月に監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開された。※『anan』2020年8月26日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年08月19日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「9月入学」です。コロナ禍では無理。じっくりと時間をかけて再考を求む。学校の入学・始業時期を4月から9月にする案は「今年度・来年度のような直近の導入は困難」と、見送られることになりました。9月入学制度はこれまでにも何度も議題にのぼっています。世界ではアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ベルギー、トルコ、モンゴル、ロシア、中国などの国が9月入学制度を導入しています。日本も明治維新後、西洋の教育を導入した当初は9月始業でした。ところが、国の会計を4月~3月を一年とする年度制を採用したこと、徴兵制の始まりなどから4月始業に変わり、今に至ります。今年、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために学校の休校が続き、授業の遅れが問題になりました。そんななか、高校生のツイートをきっかけに、全国知事会から国へ9月入学の検討要請があり、安倍首相も「有力な選択肢の一つ」とコメント。いったん検討し始めたのですが、実際に導入するとなると、初年度の入学生徒数が半年分増加し、大量の教員不足が生じてしまうこと、また、保育所の入学待機児童数が増大すること、システムやカリュキュラムの再編など、拙速な対応は無理と判断されたのです。このコロナ禍で、ただでさえ問題が山積するなか、大きな改変をしようとしたのは現場の声を無視した行動だったと思います。授業の遅れを取り戻すことが目的なら、感染者数は地域によって差がありますし、全国一律にすること自体がナンセンスなのではないでしょうか。4月でも9月でも、いつ学校が始まっても継続してきちんと教育を提供できる仕組み作りを議論するべきなのではないかと思います。日本は会社も年度ベースなので、学校の始業時期をずらせば就職にも影響が及びます。会社を通年採用に変え、大学も途中入学を許すなど、個々のスタイルに合わせた社会設計が必要になるでしょう。世界の学校制度はもっと柔軟です。イギリスは年に3回、入学の機会がありますし、フランスでは家庭での義務教育の就学も可能になっています。また、海外は飛び級制度も広く採用されていますね。日本もこれを機に時間をかけて議論し、右に倣えではない、多様な学校制度へと見直してみてはいかがでしょうか。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。3月に監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開された。※『anan』2020年7月15日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年07月09日お笑いコンビ・ココリコの遠藤章造が15日、公式YouTubeチャンネル「ココリコ遠藤のヘンなカタチ」を通じ、19日のプロ野球開幕にあわせて同チャンネルで初の生配信をすると発表した。虎党の遠藤にとって、19日は待ちに待ったプロ野球開幕日。15日に投稿した動画「【重要】皆さんにお伝えしないといけない事があります。」では、「いよいよ始まります!」と喜びを爆発させ、「その6月19日の金曜日、このチャンネルで生配信したいと思います!」と宣言した。配信開始は19日17時45分頃からの約3時間を予定。巨人対阪神の開幕戦をTV観戦しながら、「イチ野球ファン、イチ阪神ファン目線」のトークを「試合終了後のちょっとの余韻」までたっぷりと繰り広げる。遠藤は「ゴリンゴリンに砕けた感じで、いろんな情報を言っていければ」と意気込み、コメント欄でも「初の生配信します!! プロ野球開幕戦巨人VS阪神を観ながらワーワー言います!! 野球ファン、阪神ファン、巨人ファン、そして野球の知らない人も一緒に是非!! 皆さんのコメントも参考にしながらワーワーやります」と呼び掛けている。
2020年06月16日俳優の遠藤憲一(えんどう・けんいち)さんが、2020年6月6日にツイッターを更新。手作りラーメンの写真を公開し、多くの人の食欲をそそっています。遠藤憲一の手作りラーメンに「お店、開いてほしい」遠藤憲一さんが紹介したラーメンには、本人いわく「炒めまくりました」というコーンやモヤシ、肉がどっさり。遠藤です。ラーメンの具を炒めまくりました。 pic.twitter.com/sL80INyGti — 遠藤憲一公式 (@enken_enstower) June 6, 2020 スープは味噌ベースなのか濃厚な色合いをしており、ファンの食欲を刺激しています。・ものすごくおいしそうですね!ラーメンが食べたくなりました。・あー、食べたい!ラーメン店を営業してほしい…。・具がたくさんでいいですね。大好きなラーメンの典型です。遠藤憲一さんは過去にも料理に関するツイートをしており、同年5月31日にはアスパラガスを使ったひと品を紹介。遠藤です。旬のアスパラを切りまくりました。簡単。楽勝。 pic.twitter.com/2GyfnFNUEu — 遠藤憲一公式 (@enken_enstower) May 31, 2020 さらに、同月22日には「包みまくりました」と、これまたおいしそうな手作り餃子の写真をアップしています。遠藤です。包みまくりました。 pic.twitter.com/pCkaHsFTzN — 遠藤憲一公式 (@enken_enstower) May 22, 2020 遠藤憲一さんの料理好きな一面を好意的に見る人は多いようで、毎回、コメント欄には「すごい」「素敵!」といった称賛の声が寄せられています。次はどんな手料理を披露してくれるのでしょうか。遠藤憲一さんの投稿に引き続き注目ですね!遠藤憲一はかわいい!?女性ファンが急増中の理由[文・構成/grape編集部]
2020年06月09日俳優の要潤が25日、公式YouTubeチャンネル「要 潤【Jun Kaname】」に投稿した動画で、トム・クルーズ主演、渡辺謙出演の大ヒット映画『ラストサムライ』(03)のオーディションを受けていたことを明かした。要はその冒頭で、「今日は、僕がどうしても出演したかった作品の話をしようと思います」と切り出し、「僕も役者を20年やっていますので、いろいろな作品に参加してきました。でも、スケジュールとかのタイミングでどうしても参加できなかった作品も同じように多々あります」と俳優人生を回顧。「実はあるハリウッド映画のオーディションを受けていたんです」「そのハリウッド映画は『ラストサムライ』です」と告白した。そのオーディションは、『仮面ライダーアギト』(01~02/テレビ朝日系)を終え、昼ドラ『新・愛の嵐』(02/東海テレビ・フジテレビ系)の準備に入っていた頃。ハリウッド作品の侍役であることや「殺陣ができる人を探しているらしい」という事前情報をマネージャーから告げられ、「『仮面ライダー』で1年間ずっと殺陣の練習をやってきましたし、武士の役のために道場にも通っていました」と要にとっては絶好の機会だった。気合十分でオーディションに挑んだ要だったが、ある不運に見舞われる。動画ではその真相やオーディションの詳しい内容も赤裸々に語っている。コメント欄には「すごいお話」「まじすか」「初めて聞くお話で、びっくり」など、驚きの声も寄せられている。
2020年05月27日アイドルグループ・嵐の松本潤が24日、グループ公式インスタグラムのストーリーズを更新し、作業部屋で撮影した自撮り写真を公開した。松本は、中村勘九郎と中村七之助からプレゼントされた押し隈が写り込んでいる、作業部屋での自撮り写真を公開。「最近はもっぱらここで作業しています好きな絵と素敵な友達からもらった」と説明を添えた。嵐の公式インスタグラムでは、20日よりメンバーが日替わりでストーリーズを更新していく企画を展開中。初日は相葉雅紀がヘルメットコレクションを紹介する動画を、21日は二宮和也が過去のトレーニング中の写真を公開し、22日は大野智がタケノコを使った手料理と自撮り写真をアップしている。
2020年04月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「通常国会」です。テレビ中継が審議のすべてではありません。国会には、通常国会(常会)、臨時国会、特別国会、参議院の緊急集会があります。常会は毎年1月に召集され、150日間開催。審議が長引けば、会期を延長します。国会では翌年度の予算を決めたあとに、様々な法案を審議します。令和2年の常会は約50本の法案が提出されました。夏に東京五輪を控えていたため、会期延長は難しいだろうと法案の数が過去最少に抑えられました。多い年は100近い法案があがることもあります。国会というと、テレビで中継されるものがすべてと思われるかもしれませんが、そうではありません。テーマごとに少人数の「委員会」で議論を交わし、そのあとに「本会議」で採決をとります。内閣委員会、総務委員会などの「常任委員会」と、会期ごとに編成される「特別委員会」があり、国会議員は各々専門分野の委員会に割り振られます。委員会ではしっかり内容を揉み、法案の8割以上が与野党全会一致で可決しています。テレビで取り上げられる本会議は、派手な動きがあったり、政府の疑惑や不祥事を追及する場面が多いので、揉めてばかりいる印象ですが、その他の場所で建設的な議論が着々と進められているのです。新型コロナウイルス対策以外に現常会で注目されているのは「年金制度改革関連法案」。定年の延長も推進されることになりました。その他「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案」。巨大IT企業に、運営状況の報告や企業内情報の提出を求めることができる法律です。たとえばアマゾンなどが突然大きな規約変更を行い、取引業者や消費者が不利益を被ったときに、メスを入れられる体制をとるためのものです。また、高齢ドライバーの交通事故対策を盛り込んだ「道路交通法改正案」も審議されています。近年、高齢者ドライバーによる交通事故が多発していることを受けて提案されました。運転技能検査の基準に達しない場合には75歳以上の免許更新を認めないという法案です。私たちの暮らしにかかわる法律が日々作られているのが国会。衆議院、参議院のHPでは、審議中継をインターネットで見ることができるので注目してみてください。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)公開中。※『anan』2020年4月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年04月20日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「指定感染症」です。過度に怖がらず、みんなで、変わらぬ日常を送る訓練を。昨年12月に中国の武漢から発生した、新型コロナウイルスによる感染症。日本政府は1月28日に政令を出し、「指定感染症」に定めました。感染症は、感染症法により、危険度によって5つに分類されています。風しんやインフルエンザは五類。マラリア、デング熱は四類、コレラ、細菌性赤痢は三類、SARS、MERS、結核が二類。深刻な被害をもたらすエボラ出血熱、ペストは一類です。新しい感染症に関しては、検証するまでに時間がかかります。そのため、国が患者に対して入院勧告などができるよう、暫定的に「指定感染症」に定めるのです。今回の新型肺炎は、最初にリスクはそれほど高くないといった情報が流れ、WHOも緊急事態宣言を一度見送ってしまい対応が遅れました。実際には、潜伏期間が予想以上に長く、保菌者でも症状が出ない場合があり、そこから感染が広がることがわかりました。感染者はいま(3月6日現在)南極を除く全大陸で見つかっています。中国は強硬策をとり、武漢を封じ込めました。僕は2月末に、元医療ジャーナリストの武漢市民に、ネットを通じて直接話を聞きました。武漢では隔離生活が続いており、粉ミルクなどのモノの調達が厳しくなってきているとのこと。その方の親戚は5人が感染。そのうちガンの持病があった50代の女性1人が死亡しましたが、健康だった30代のいとこ2人は、入院もせず、薬の投与もなく回復しているそうです。WHOと中国の専門家は、2月20日までに感染した患者5万5924人を対象に共同で調査を行いました。それによると、死亡した患者は2114人で致死率は3.8%。ただし、重症化するのは60代以上の持病のある人で、約8割の人の症状は比較的軽く、肺炎の症状が出ない場合もあると報告されました。手洗いをしっかり行い、よく食べよく寝て、免疫をつけておけば必要以上に怖がることはないと思います。今回、多くの企業がテレワークなどを実施しました。これを機に普段から、家にいながら仕事ができる訓練をしておくとよいと思います。日本は災害国ですから、何が起きても日常を過ごせる強い社会を作りましょう。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)公開中。※『anan』2020年3月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年03月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ニュースとアンアン」。『anan』50周年を記念して、連載でイラストを担当してくださっている五月女ケイ子さんと一緒に国会議事堂見学へ行ってきました。国会議事堂見学に行ってきました!五月女:生きているうちに、国会議事堂に来られてよかったです(笑)。堀:ここで様々なことが決まります。でも、本当に物事が動くのは控室や廊下のほう(笑)。議場は、事前に提出した議案に対して用意していた答弁を読み上げる、いわば「セレモニー」のようなものですからね。五月女:そうなんですか!?それはちょっと悲しい。その場で思いついたことは話しちゃいけないんですか?堀:無責任な発言はできないので、仕方ないですよね。大臣の読む答弁書を作るために、各省庁の官僚は国会が始まると毎日深夜まで働いています。五月女:事前に用意しているはずなのに失言が出るのはなぜ?政治家ってよく失言するイメージがあります(笑)。堀:(笑)。失言は、国会よりも、オフレコの会見や、支持者向けの講演会場で起きることが多いですね。五月女:普段、国会で我慢をしているぶん、支持者の前では気が緩んじゃうんですかね(笑)。「社会のじかん」で毎号イラストを描くようになって、政治の世界って意外に人間的なんだなと思うようになりました。堀:そうですよ!五月女:最初はTPPかPPTかもわからないくらい、時事に興味なかったけれど、堀さんのおかげで面白いと思うようになりました。国同士のいざこざも、家族や身近な社会と同じ、人間関係の縮図なんだなって。喧嘩したり仲直りしたり。喧嘩しているように見えて、世界に向けたアピールだったり。堀:外交は交渉術ですからね。五月女:前は、ニュースを聞くたびに、いちいち怖がっていたけれど…。堀:何もわからない暗闇にいると不安になりますが、全体の構造がわかると、不安も軽減しますよね。僕は『anan』では、普段のニュースでは届かないところに言葉を届けられている感触があります。報道の狭い世界にいると、どうしてもニュース好きの人にだけ向けてしまうところもあるので。五月女:わかります。ニュース番組はよくわからない単語の羅列で、「私には向けられてないんだな」と寂しい気持ちになることも(笑)。堀さんは、どのテーマでも中立で、良い面/悪い面、賛成派/反対派の両方を教えてくださるのがすごくいいなと思います。社会の出来事って、批判的な意見ばかりが聞こえてきて、私はそういうところが好きじゃなかったんです。堀:敵味方に分かれて撃ち合い、それに飽きたら、内輪で叩き合って何も成し遂げられないということは多々ありますね。本気で解決しようとすると、どちらの言い分もあるので簡単にはいきません。でも、僕は両方の意見を知りたいというのが、取材のモチベーションになっています。時代の変化に柔軟に。楽しいをモットーに50年。堀:『anan』は50周年だそうですが、時代ごとに若者もカルチャーも次々入れ替わるのに、先を読み変化し続けているところがすごいですね。五月女:50年って相当な重みですよね。堀:雑誌も年数を重ねると、作り手も一緒に年を取るので、意識していないと若い読者とのギャップに気づけなくなると思います。「社会のじかん」も、上から目線ではなく、僕の経験から知ることを参考までにシェアします、くらいのスタンスでいたいですね。五月女:『anan』は「こうしなさい!」という、高圧的なところがない。そこが、私には居心地がいいです。堀:権威にならないようにしているのでしょうね。国際貢献などの記事をさらりと取り上げてみたり、ニュース解説も、「効率良く生きるための武器としての教養」ではなく、「役に立つかはわからないけど、考えてみると面白いんじゃない?」という軽やかな印象。五月女:根本に、「楽しいこと、面白いことをいちばん最初に見つけて伝えたい!」という姿勢がある気がします。私は、「たかが一票で社会なんか変わらない」と思っていたタイプなんですけど、この連載に関わるようになって、自分のできることをやってみたり、考えたりすることが、社会につながっていくんだなあと思うようになりました。堀:どんな問題も、たどっていくと自分の生活につながります。この連載が、少しでも何かを考えるきっかけになる、楽しい場でいられたらと思います。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3/7公開に。五月女ケイ子イラストレーター。楽しいグッズが買える「五月女百貨店」が評判。エッセイ『親バカ本』、作品集『五月女ケイ子ランド』も発売中。LINEスタンプも好評!※『anan』2020年3月11日号より。写真・大澤千尋題字&イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年03月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「民主主義の歪(ひず)み」です。歪みが生まれたもとにあるのは、果てなき欲望。香港をはじめ、世界中で政府に抗議をするデモが行われています。フランスの黄色いベスト運動は1年以上続いていますし、南米チリでは地下鉄の値上げを発端に、抗議運動が暴徒化しました。昨年、ベルリンの壁崩壊から30年がたちましたが、せっかく自由を得たというのに、旧東欧諸国には民主主義を否定する声も上がっています。なぜ、民主主義にこのような歪みが生じてしまったのか。理由のひとつには、グローバル化により、世界における経済の回る速度がものすごく速くなったことが挙げられるでしょう。ベルリンの壁崩壊のころに比べ、金融の仕組みも変わり、インターネットを使ったサービス、流通網が世界に広がりました。人も情報もお金もスピードを増して行き交います。そんななか、多くの民の意見をぶつけあいながら物事を地道に進めていく民主主義は、決定までに時間がかかる。それよりも強い決断力を持つ国家元首の存在が、国民生活の向上には必要だという空気を生み、アメリカンファーストのトランプ大統領や、EUからの離脱を目指す英国のボリス・ジョンソン首相が生まれ、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領が盤石の体制を築きました。しかし、それはあくまで経済発展を基準にした価値観です。独裁的なトップのスピーディな決定により、開発のために個人の土地が強制的に奪われるようなことが、カンボジアやアフリカや南米で起きています。個人の尊厳に価値を置いて世界を見渡せば、個人が国家に弾圧されている状態。それは、民主主義が欲望に耐えられなかった結果なのだと思います。賃金格差が広がり、教育格差が固定されてしまうと、階層社会の下層に追いやられてしまった人は、這い上がることができなくなります。生活の安定を求めて共産主義的なものを求める貧困層と、資本を持ち、大きな力で帝国を築こうとする国家主義がぶつかりあう。これは、第一次世界大戦、第二次世界大戦の始まるころの構図とよく似ているのです。いま個人に最も必要なのは、自分の尊厳を維持できるかどうか。「仕方がない」と魂を売らずに、誇りを持って自分を大切にしてほしいなと思います。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3月7日公開。※『anan』2020年1月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月15日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「日本人の英語力」です。国費を投じても、グローバルな人材を育成すべきです。2020年度から始まる大学入学共通テストで活用される予定だった、英語民間試験の導入が延期になりました。従来の試験では「読む・聞く」能力を問いますが、実践的な英語を身につけるには、「読む・聞く・話す・書く」が必須。この4技能を測るテストを一から作るには技術もコストもかかるため、7種類の民間試験の導入が提案されていました。しかし、受験生の家庭の経済力や、都市部と地方でも受験機会に差が出て、公平性に欠けると問題になり、延期が決まりました。スイスの国際語学教育機関の調べによると、日本の英語力は非英語圏の中では100か国中53位。中国や韓国を大きく下回り、‘18年より4位順位を下げています。日本の英語教育が遅れたのは、日本語だけで事足りる、非グローバル社会だったからだと思います。かつて日本が一流の消費国だった時代は、貿易が盛んでした。しかし、経済が下降し日本は世界から、商売相手として認められなくなりました。かつての日本は長い間、人件費の高い国でしたが、今は円安政策を行っており、人件費も物価も安くなっています。今後、世界の労働産業で、日本は使う側から、使われる側に回らざるを得なくなるでしょう。今、日本人にとって英語教育はとても重要なのに、英語民間試験の問題が起きました。国策にグローバル感覚がないことが明らかになったと思います。国力の低下を正面から受け止められず、格差の現状から目をそらし、一部の業界への利益誘導に終始した結果です。本来ならば、海外で勉強したい学生は、国費を投入してでもどんどん送り出していくべきなのだと思います。そうして、海外との競争力をつけ、日本市場以外でも生きていける日本人を育てることが、多くの問題を抱える日本の打開策でもあり、国の役割なんじゃないかと思います。英語はあくまでコミュニケーションツール。日本人は発音や文法の正確さにこだわりますが、移民の多いアメリカなどでは、訛りや誤りなど気にせず自由に話しています。語学力以上に問われるのが自分の意見です。考えを言語化して伝える習慣を、まずは日本語でつける教育改革が必要でしょう。堀潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が’20年3月7日公開。※『anan』2019年1月1日-8日合併号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月06日日々のニュースや暮らしのなかで、ふと気になることをジャーナリストの堀潤さんにあれこれ聞いてみました!Q. 「結婚=幸せ」とは限りませんが、未婚者が増えることで、社会はどのように変わっていくのでしょうか?(30歳・ライター)A. 基本的には変わらない。少子化対策のために制度変更は必要でしょう。未婚者の増加により社会が変わるということはないと思います。統計によると、結婚しない主な理由は、結婚に興味がないというより、経済面など、結婚後の生活不安からメリットが感じられないためのようですね。ただ、本気で少子化対策を打つのであれば、里親制度を充実させて、同性婚カップルや未婚であっても子供が育てられる社会にしたほうがいいのではないでしょうか。これだけ子供の虐待件数が減らないのは、既存の家族制度に何か無理があるのだと思います。「未(いま)(だ)」婚と書くくらい、結婚することを前提にした家族構成の社会づくりは少々寂しい気がします。Q. 東京五輪が始まっても、都内の交通網はパンクしないのでしょうか?いままで通り通勤できるか不安です。(28歳・会社員)A. 大混雑します。国は休暇取得かテレワークを推奨しています。2020年、国は五輪開会式の前後を4連休、閉会式の前後を3連休にしました。また、五輪期間中は会社を休みにするようにも推進しています。予想来訪者は、選手1万1000人、観客780万人、メディア関係者2万5000人。選手やメディア関係者が1日5万~6万台の車を利用。780万人(パラリンピックと合わせて、約1000万人)の観客が鉄道を利用すると予想されています。ラグビーW杯のときが180万人なので、桁違いですね。交通量を減らすために、企業には、休暇の取得と従業員の50%をテレワークにするよう推奨。普通の通勤はできなそうですし、物流にも影響が出そうです。Q. ネットで見かける情報について正しい情報なのか判断がつきません。堀さんはどういうふうにデータを読み解きますか?(32歳・主婦)A. 自分で見聞きしたもの以外の情報は、すべて疑ってかかりましょう。基本的に、すべての情報を「本当かな?」と疑ってかかったほうがよいと思います。どのような意図、仕掛けで発信しているかはわかりません。参考までに僕も読みますが、真実とは限らないと思っています。先日「若い世代でテレビ離れ進む約1割『見ていない』」という時事通信の世論調査の記事を読みました。テレビ離れが進むと言いつつ、9割は見ているんです。このようにタイトルのつけ方次第でバイアスがかかり、違う印象を受けます。アンケートなども、設問の仕方で結果は異なる。インターネットでは出どころ不明な情報がいくらでも仕掛けられますから、注意が必要です。Q. ふるさと納税をしたいのですが、こんなに災害が多いと自分の自治体に納税しないのは被災時に困りませんか?(29歳・PR)A. 災害で大被害を受けるのは地方。自分の住む地域と同じように考えたいですね。世田谷区や杉並区はふるさと納税の制度により、税収が減って困っていると声かけをしています。ただ、もともと東京に税収が集中しているのを分散させようと始まった制度なので、それは東京目線の意見かなと思います。災害が起きて、圧倒的な被害を被るのは地方です。地方は日本の生命線。農業にしても水源にしても、首都圏の暮らしは地方に支えられています。また、自治体同士で災害時応援協定を結んでいますから、災害被害に遭えば、遭わなかった地域が助けてくれます。困ったときにはお互いさま。自分の地域だけでなく、広い視野で考えていただけたらなと思います。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回はスペシャル版として、堀潤さんが“異常気象”についてイラストレーター・五月女ケイ子さんにレクチャー!想定外の異常気象は今後も起こるでしょう。10年後の気象変動を抑える行動を。五月女:2019年は台風15号や19号があり、大きな被害も出て怖かったです。台風の進路が昔と変わったんですか?堀:そうなんです。気温や海水温の上昇で、最近の台風は勢いを失わないまま本州を直撃するようになりました。千葉など、被害を受けた地域の停電があれほど長引くとは想像していませんでしたよね。五月女:今後、住むところも考えないといけないなと思いました。あの時期、たまたま小学生の娘の学校の授業の一環で、1970年代に起きた多摩川の狛江水害のことを調べていたんです。また、私は2005年の集中豪雨で事務所のマンションの1階が浸水した経験もしていたので、少し覚悟ができていたのかな?と思います。堀:知識や経験を持っていると対処しやすいというのはありますね。どの災害現場に行っても、みなさん「まさか自分が被災者になるとは」とおっしゃいます。避難指示が出ていても、なかなか避難所に行こうとしない。それは災害を経験していないからなんです。正常性バイアスがかかり、大丈夫だと思い込んでしまう。強度のストレスから脳が情報をシャットダウンして、サイレンの音が聞こえなくなってしまうこともあるそうです。五月女:それは怖い…。堀:渦中にいると、正しい判断ができなくなる可能性があることは知っておいたほうがいいですね。五月女:警報も、あまり頻繁に鳴ると、慣れてしまいそうです。堀:今年は「数十年に一度」といわれる大雨警報が毎日のように出ました。気象庁にとっても想定外の出来事。今後も未体験の異常気象が起き得るでしょうから、お役所の言うことに従っていれば大丈夫、とは限らないと思います。五月女:100年単位くらい、長い目で対策を考えることもきっと必要なんでしょうね?堀:はい。都市に人が集中しすぎなのも問題だと思います。都市に人が集まるほど、地方が犠牲になってしまう。2019年の台風も、多摩川は氾濫しましたが、利根川や荒川はギリギリのところで止まりました。それだけ自治体が東京23区を守ろうと事前に投資していたからです。ところが、インフラ投資がなされていない東北や北関東は毎回水害被害が出てしまう。消費者の価値観が変われば、企業も環境対策を積極的に。堀:気候変動は、10~20年前といまを比較すると実感できます。異常気象の原因は諸説ありますが、地球温暖化も大きな要因の一つ。しかし、グレタ・トゥーンベリさんが国連で泣きながら温暖化対策を訴えても、トランプ大統領は冷ややかなコメントをするなど、産業の敵のように捉えています。でも、放置していたら、本当に手遅れになってしまいます。五月女:私たちはどうしたらいいんですか?堀:環境を破壊しているのは圧倒的に企業活動。ビジネスの世界では、環境や人権を脅かす企業には出資しないというESG投資が出てきています。個人では、フェアトレード商品や、生産から消費までの物流の流通経路が追跡できるものを選ぶといいでしょう。五月女:「さんが作った××」と顔写真入りで売られているお米や野菜みたいなものですか?堀:はい。すると自然と近くで生産されているものになり、配送にかかるCO2排出も減らせるかもしれません。いままでは環境よりも安さが優先されていました。でも、私たち消費者が、環境を考えた生産者のものを積極的に選ぶようになれば、企業も環境を考えざるを得なくなります。それと脱プラスチックですね。マイバッグやマイタンブラー、マイストローを持ち歩くとか。五月女:マイストロー?堀:シリコン製でハサミで切れるので、好きな長さに調節できます。洗うのが面倒くさいという意見はありますが、そもそも「面倒」という思いが、効率・合理主義を加速させるすべての元凶でしょう?五月女:そうだ!その通りです。堀:これからは「手間のかかることにこそ価値がある」と思えるようになるといいですね。その価値観が多数派になれば社会は一気に変わると思います。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。そのスペシャル版として今回は、堀潤さんが“多様化する社会”について解説!イラストレーター・五月女ケイ子さんの疑問に答えます!「みんな仲良く一緒に」というのは夢物語。違いを尊重し、分断しないあり方を。堀:多様性やダイバーシティという言葉が浸透して、いまは次の段階にきている気がします。当初は「国籍やジェンダーなど違う者同士、手を取り合おう」という、キラキラした共存体制を思い描いていたと思うんです。しかし、お互いの違いが明確になるにつれ、摩擦が積み重なり、「よくわからないから距離を置こう」「私とは違うから関わるのはやめておこう」と、表面的には秩序を保っていても、内実は分断が起き始めているように思います。五月女:え!そうなんですか。堀:SNSなどでも、「賛成」「反対」と二極化して、価値観の多様性は受け入れられにくいですよね。五月女:出来事に対して、みんな感情的になりすぎなのでは?とちょっと思いますね。堀:問題は、違う考えの人とどう付き合っていくか。五月女:距離感なのかな。ママ友は距離感が大事です!(笑)堀:そうなんですね(笑)。ただ、「理解できない人とは関わらない」というふうになってしまうと、多様性が進むにつれ無関心が増えてしまいます。五月女:身近な人だったら、関心を持って考えられるんですけど。堀:いいポイントです。大きな主語より、小さな主語を使うことが大事なんですよね。分断や排斥には必ず大きな主語がつきまとう。「日本人は~」「女性は~」と大きく括るから衝突します。実際にはいろんな人がいるので、一括りにはできません。五月女:相手を知る、というのも大事ですよね?先日近所で、パラリンピック関連のイベントがあって、スポーツ義足を装着する体験をさせてもらったんです。想像していたよりずっと重くて立ち上がれない。義足を操るのにすごい筋力が必要なのだとわかりました。パラアスリートの方ともお話ができて、娘にもいい体験でした。マジョリティというだけで脅威になるという自覚を。堀:一般に、新しいもの、知らないものに対しては恐怖が先立って、保守的な選択をしがちなのだそうです。違いを知るには勇気がいる。五月女:私はお酒があんまり飲めないのですが、飲む人たちからの「飲まないの?」という声にいつも圧を感じています(笑)。みんながビールを頼むなか、勇気を出してノンアルコールを頼みます。堀:マジョリティの意見は本人の気づかないところで脅威になりやすいんですよね。この数か月、僕は香港を取材していますが、これまでの香港区議会では民主派は2割と少数派でした。ところが11月の選挙で8割以上に。すると、それまでデモ隊を強く弾圧していた警官が、自分たちがマイノリティに変わったとわかった途端におびえ始めたんです。五月女:立場が逆転したんですね。堀:多様性といっても、何もせずに「対等」はありえない。そのことは自覚しておいたほうがいいでしょう。日本では、これまでは会社員がマジョリティでしたが、2020年以降、雇用の流動が進めば、フリーランスが多数派に変わるかもしれません。家族の形も変化して、いまは夫婦別姓に反対する保守派がマジョリティですが、選択的夫婦別姓の議案が再び持ち上がるかもしれません。五月女:フリーランスの私は、常にマイノリティの意識でいました。でも、マジョリティに変わったら威張ってしまうんでしょうか?堀:マジョリティがマイノリティにすり替わったとき、マジョリティだった人たちは防衛本能から「(立場を)奪われた」という意識になり、嫌悪や暴力につながることはよく起きます。欧米で移民政策に反対する人たちにもそういう意識があったと思いますね。五月女:複雑なんですね…。堀:だから、「みんな違うんだから仲良くしよう」という多様性の声かけは失敗します。そんな簡単じゃない。知らない者同士、恐る恐る近づいて、ストレスのかからない付き合い方を模索するしかない。いつも一緒でなくていいと思います。多様性のある社会とは、全員が手をにぎり合う状態ではなく、普段はそれぞれの世界があり、何かのときに協力し合うというのが理想じゃないでしょうか。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月01日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回はスペシャル版として、イラストレーター・五月女ケイ子さんが堀潤さんに“経済・お金”についてレクチャーを受けました!東京五輪景気に期待!その後の落ち込みに警戒を。堀:お金に関することでは、老後の資金問題が大きなニュースになりました。金融庁の報告書にあった、「年金だけでは約2000万円不足する」という話だけが先行してしまい、年金制度に批判が殺到してしまったのですが…。五月女:老後にどれくらいお金が必要かわからなかったので、そういう話が聞けて私はよかったなーと思っていました。堀:あの報告書は実はよくできていて、将来お金が必要になるから、若いときから投資をするなど、お金を賢く増やそう、そのために金融教育にも力を入れようという提言がなされていたんです。投資と貯金の違いなど、ちゃんと教えてほしかったですよね(笑)。五月女:教えてほしかったです!投資とか全くわからなくて。儲かるんですか?堀:投資は、例えば証券会社にお金を預け、彼らが今後成長しそうな企業や国に投資をして運用利益を得るシステムです。途中、多少の上がり下がりがあっても、長期的には世界経済は成長し続けますから、ある程度は増えていきます。五月女:ちょっと博打みたいなイメージもある気が…。堀:「投資」という、お金を投げるみたいな言葉が良くないのでは、という意見も(笑)。日本は資本主義の国。投資、運用するという仕組みのなかで私たちは生きているのに、そういうことを教えてもらえる機会がなかった。「お金儲けは悪いこと」という思い込みがまだ残っているので、意識を変える必要があると思います。五月女:投資について勉強するには、どこへ行けばいいんですか?堀:基本的には証券会社や銀行の窓口です。いまは少額で始められるNISAやiDeCoなどの制度もできています。大手証券会社やメガバンク系であれば、ポートフォリオといって、いっぺんに全額失うような損をしないように、様々な商品を組み合わせて運用しているので安心です。いまは株取引にも人工知能が入ってますから、素人がFXを始めようとしても太刀打ちできないと思います。消費するだけではなく、生産する側にもなってみる。五月女:投資以外にしておくべきことは何かありますか?堀:「自分の手で何かを生み出してみる」ことじゃないでしょうか。そうすれば、消費するだけの側ではなくなります。絵を描く、文章を書く、歌を歌う、雑貨を作る、何でも構いません。自分の趣味や得意なことをお金に換えてみる。いまはインターネットで個人のショッピングモールを開くことができますし、シェアリングエコノミーのインフラも整っています。五月女:私の若いときは、やりたいことがお金につながらなくて表現の世界から離れた人が大勢いました。でも、いまはいろんなところにチャンスがありそうですね。どこからがプロなのか、境界線がわからなくなったけど。堀:必ずしも生業にしなくていいと思います。月に1万でも、「ランチ代10日分、ちょっとしたアイデアで賄う」くらいの感覚でいいんじゃないでしょうか。市場に素人が増えるほど、プロの価値も高まり、再評価されています。五月女:2020年には東京五輪がありますが、オリンピックによって経済って変わるんですか?堀:オリンピックの経済効果は大きいですから、景気は良くなるでしょうね。ただ、五輪後は東京も人口減少が進みますし、景気には陰りが出てくると思います。五月女:わーそれは心配ですね。堀:でも、2025年には大阪・関西万博がありますし、2027年には東京(品川)―名古屋間のリニアモーターカーが開業。IR事業も積極的に計画を進めています。五月女:カジノですね!堀:いま大阪と横浜に開設の審議がなされています。ただ、いずれにせよ、「ハコ頼み」「イベント頼み」の景気刺激策にすぎません。自分の手でお金を作り出すことをしていかないと、いつか行き詰まると思います。例えばパラリンピックに向けて、各メーカーが選手の器具の技術開発を進めてきました。そういうものづくり精神を、2020年の東京オリパラから学んでいけたらいいですね。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年12月31日12月24日に公開された俳優・要潤(38)の動画が注目を集めている。11月20日に『要潤の楽屋ばなし』とのタイトルでYouTubeチャンネルを開設した要。動画では、俳優になったきっかけをインタビュー形式で語っている。香川県から上京し、スカウトがきっかけで俳優になった要。だが当時、要はアルバイトをしながら芸能事務所に飛び込み営業していたという。そんななか、飲食店で働いているときに現在のマネージャーにスカウトされたと明かした。また要の働いていた飲食店は、芸能人や業界人も来るようなお店だったという。警備や工場作業も経験したが、「自分が入りたい世界の人と出会う」という意味でもアルバイト選びの大切さを語った。さらにスカウトされた事務所が小規模だったため、入所を迷ったというエピソードも披露。同じ飲食店で働く板長の「大きいところで歯車になるより、小さいところで看板になったほうが良い」という言葉に後押しされたという。「行動すればきっと誰かの目に留まる」と締めくくった要。ネットでは視聴者から反響が上がっている。《本当に深イイお話。 すべての出会いに感謝ですね私は役者さんになってくれた要さんに感謝です!》《要さん。 いろいろ考えて動く人なんだなー。 成功してる人はやっぱり。 ちゃんと考えてるのね》《めっちゃいいです。 素敵》「要さんは香川県の高校を卒業後、すぐに夜行バスで上京しました。年間20種類ものアルバイトをしながら、オーディションを受ける日々でした。アルバイトが重なったこともありましたが、職場の人たちが送り出してくれたそうです。要さんは『応援してくれた人たちのおかげで今の自分がある』と語っていました。各方面で活躍し続けているのは、人望によるところも大きいでしょう」(テレビ局関係者)NHK連続テレビ小説『まんぷく』や、映画『キングダム』といった話題作にも引っ張りだこ。現在は『悪魔の弁護人・御子柴礼司 ~贖罪の奏鳴曲~』(フジテレビ系)で主演を熱演している。来年でデビュー20年目となる要。今後の活躍ぶりに注目が集まりそうだ――。
2019年12月26日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「2019年を振り返る」です。グローバル化が進む一方で、分断は避けられず。今年、最も印象的だった出来事は令和への改元ではないでしょうか。生前退位により、これまでと違い、お祝いムードでしたし、これほど多くの式典に国民が参加できた改元はほかにありません。また、今年はラグビーのワールドカップや、野球の「WBSCプレミア12」など、国際的なスポーツイベントが日本で開催され、外国人サポーターの方が大勢訪れました。これまではグローバル化というと、日本人が海外に出て活躍することが主でしたが、日本にいながら様々な国の方々と交流が深まる「内なるグローバル化」がようやく進んだ印象です。これは、インバウンド政策により、ビザ要件を緩和し、外国人観光客を増やしたこと。そして、少子高齢化により労働者が不足し、コンビニでも居酒屋でも外国人の方が働くことが当たり前になってきたという背景があります。今年の4月には、改正出入国管理法が施行され、農業や建設、介護などの分野で、「特定技能」の在留資格を得ることもできるようになりました。外国人労働者の数はこれからますます増えていくでしょう。ただその一方で、台風や大雨が昨年に続いて多発し、外国人の方に災害報道が的確に伝わらないという問題も浮き彫りになりました。来年の東京オリンピックを控え、駅や電車などのアナウンス同様、報道でも多言語対応の必要性を強く感じます。政治に関することでは、安倍晋三総理の通算在任期間が、憲政史上最長になりました。しかし、豊かになったのはある特定の層のみで、不満や貧困、格差は広がりました。7月の参議院選挙で、「N国(NHKから国民を守る党)」や消費税廃止を謳った「れいわ新選組」のような、極論を主張する政党が想像以上に多くの支持を集めたのも、印象深い出来事でした。人々の不満が政治に直結していることが顕在化した一例だと思います。外交面では、北方領土や、北朝鮮問題は棚上げ状態。日韓関係は悪化したままで、日米貿易交渉も核心部分は先送りになっています。世界的に分断が進みつつあり、残念ながら、先行きは明るいとは言い難い状況なんですね。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が来年3月7日公開。※『anan』2019年12月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年12月20日お笑いコンビ・ココリコの遠藤章造と田中直樹、お笑い芸人のゆりやんレトリィバァ、吉本興業代表取締役副社長の藤原寛氏が15日、都内で行われた『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで! 絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時』ブルーレイ&DVD発売 記念「あのお仕置きを体感せよ」イベントに登場。遠藤が藤原副社長をいじって笑いを誘う場面があった。はじめにココリコの2人が登場し、昨年の大みそかに放送された『トレジャーハンター24時』についてトーク。田中は「『遠藤20回でたけしになる』これ大好きでした」と振り返り、「やって」とむちゃぶり。遠藤はリクエストに応え、徐々にビートたけしになっていくモノマネを披露した。その後、「○○アウト~」の声でおなじみの藤原副社長が登場。藤原副社長は、闇営業騒動で今年7月に岡本昭彦社長が開いた会見に同席しており、遠藤が「どうですか? これだけの人前で、記者会見以来じゃないですか?」といじって笑いを誘うと、田中が「夏の話ですから」とフォローした。遠藤はまた、「社員さんが進行を全部やっている」と『笑ってはいけない』での藤原副社長の役割に触れ、「毎回下手になってません?」とツッコミ。藤原副社長は「まったく慣れないです。申し訳ない」と苦笑していた。その後、藤原社長が観客の前で「○○アウト~」を生披露。お仕置き隊も登場してケツバットを繰り出し、会場を盛り上げた。
2019年12月15日大野智、櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也、松本潤の5人の「嵐」メンバーがゲストとトークやゲームで盛り上がる「嵐にしやがれ」。11月16日(土)今夜放送回は、俳優の遠藤憲一がゲスト出演。遠藤さんが大好きだという鍋料理でデスマッチ対決が繰り広げられる。悪役俳優として様々な作品に出演するなかで、2009年「湯けむりスナイパー」で連ドラ初主演。その後は「民王」の総理大臣役や映画『ミックス。』の弱気な農家の夫、「健康で文化的な最低限度の生活」の生活保護受給者の男性など多彩な役柄を演じるように。最近では「ドロ刑 -警視庁捜査三課-」やこの春の月9「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」に主人公たちを支える存在として出演。いまや日本映画、ドラマ界になくてはならない存在となった遠藤さん。遠藤さんは3日食べ続けても飽きないほど鍋料理が好きということで、今回は鍋でデスマッチ対決。今年注目の極上十種のキノコ鍋に、大絶賛の牛の石鍋など、この冬食べたい鍋が続々登場する。遠藤さんは前回の屈辱を果たすことができるのか?「MJ倶楽部」では映画共演を機に友人となった宮川大輔と大鍋でパエリア作りに挑戦。美味すぎて笑いが止まらないパエリアに注目。また宮川さんが語る“MJ”秘話もお見逃しなく。さらに話題のものまねグループ「変人」も登場。主役から脇役、優しいお父さんから天才泥棒まであらゆる役柄をこなす遠藤さんが、この冬出演する映画が『午前0時、キスしに来てよ』。同作は片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)演じる国民的スター・綾瀬楓と、橋本環奈演じる超まじめ人間に思われているが実はおとぎ話のような恋愛にあこがれている女子高生・花澤日奈々の、誰にも言えないヒミツの恋を描く作品。「ノーサイド・ゲーム」の眞栄田郷敦や人気モデルの八木アリサ、「パーフェクトワールド」の岡崎紗絵に「あなたの番です」の鈴木勝大など注目の若手キャストも共演。遠藤さんは楓のマネージャー役で出演する。『午前0時、キスしに来てよ』は12月6日(金)より全国にて公開。「嵐にしやがれ」は11月15日(土)今夜21時~日本テレビ系で放送。(笠緒)
2019年11月16日アイドルグループ・乃木坂46の新センター遠藤さくらが、20日に放送されたラジオ番組『乃木坂46の「の」』(文化放送/毎週日曜18:00~18:30)の中で、齋藤飛鳥とペアでライブパフォーマンスした際のエピソードを明かした。遠藤は同じく4期生の金川紗耶、そして3期生の先輩メンバー・梅澤美波とおよそ30分にわたりトークを展開。なお、遠藤が同番組に出演するのはこれが初となった。2019年も残り2カ月とちょっとということで、梅澤から“今年の思い出に残っている仕事”について聞かれると、遠藤は夏に開催された『乃木坂46 真夏の全国ツアー2019』を話題にあげた。そのツアーの中で遠藤は齋藤と「他の星から」をペアで披露したが、振付師のSeishiroが考案したダンスの振り入れに苦戦したという。一方の齋藤は覚えが早く、その姿をまざまざと見せつけられ「2人で振り入れをしていたんですけど、(齋藤は)覚えるのがすごい早いので……。その時点でもう無理だと諦めそうになりました」とエピソードを明かした。遠藤と齋藤はお互いを「あすぴーさん」「えんぴー」と呼び合う仲だ。これについて遠藤は「お仕事をご一緒する機会が1番多いし、1番お話する先輩だと思います」とコメント。そんな2人の姿を普段から見ている梅澤は「2人を見ているとすごいほっこりする」と明かし、金川も「わかります」と同調していた。
2019年10月21日ムロツヨシ(43)が10月12日放送の「嵐にしやがれ」(日本テレビ系)で、「松本潤のTHIS IS MJ」のコーナーに登場。松本潤(36)や綾野剛(37)と「ボトルキャップチャレンジ」「人間テーブルクロス引き」、ARを使った次世代スポーツ「HADO」で勝負した。3人は熱い勝負を繰り広げたものの、ムロが最下位という結果に。罰ゲームとして、松本が撮影したムロの写真を宣材写真として1週間限定で公式HPに掲載することとなった。だが、その写真はほとんど顔が見えないもの。にもかかわらず、ムロの公式HPは一時的にサーバーダウンするほどネットで話題となっている。《ムロツヨシさんの宣材写真…なんだこれ(笑)滲み出る陽気な人柄、MJナイス撮影です!》《ムロさんの宣材写真www 顔、分からんやんw》《ムロツヨシの新宣材写真が顔すらちゃんと見えないの、宣材の意味を成してなくて最高でしかない》ムロの宣材写真が変更されたのは今回が初めてではない。さかのぼると、松本がムロの宣材写真を「イケメンすぎる」と指摘したことが発端だった。まず16年5月、ムロが松本との勝負で負けた際に初めて写真を変更。また同年9月にも、ムロは松本に敗北。そして松本が撮影した写真を一週間限定で掲載した。その苦い経験から、ムロはリベンジすべく「2回負けてるけど3回目勝つ姿が見たいのよ、日本人は」と大きく意気込んでいた。だが、今回も結果は敗北。三度目の正直とはならなかったが、そんな彼に再び挑戦して欲しいという声も上がっている。《やっぱMJ対決はムロさんだよね! 最高だわ。毎週5分でいいからやってくれ!笑》《MJ対決には、やっぱムロさんが必要!いつか勝ってほしい!》ムロが松本に勝利する日はやってくるのだろうか!?
2019年10月13日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「幼児教育・保育の無償化」です。無償化が先か全入化が先か。親が働ける環境を。10月より消費税が10%となり、増えた税収は、未来への投資として、「幼児教育・保育の無償化」が始まることになりました。対象になるのは、すべての3~5歳児と、住民税非課税世帯の0~2歳児。認可外の保育施設やベビーシッターもこれに含まれます。歓迎すべきことですが、いくつか問題もあります。まず、保育所などに入っていない子供たちは対象外。都市部ではまだ、待機児童問題が根強くあり、入園を諦めていた家庭が、無償になるのならと、新たに申請が増える可能性があります。そのため、無償化よりも、全員が入園できるように、待機児童問題を先に解決するべきではないかという声もあがっています。ただ、全入化のために保育所の数を増やす、というのも容易にはいきません。なぜなら、今後子供の数は減っていきます。保育所を新設したものの、利用者が減り、将来、保育所が余ってしまう心配もあるからです。保育所設置の規制を緩和して、会社のなかに保育所を置く、「企業主導型保育」を増やす案もあります。しかし、満員電車に小さな子供を連れて通勤できるものでしょうか?最も不安視されているのは保育の質です。保育士の数は慢性的に不足しており、待遇もよくありません。数が足りていないと、保育士1人当たりの面倒をみる子供の数が多くなり、安心して預けることができません。これだけ働き方改革、一億総活躍が謳われるのであれば、安心して子供を預けられるよう、保育士の待遇や保育環境の改善をしっかりやらないといけないのではと問題提起もされています。長期的な計画になりますが、雇用の流動性を高めて、在宅ワークやワークシェアリングをもっと進め、働きながら、家で子供も育てられるようにする、というのも一つの解決策になるのかもしれません。子育ては日本の将来に関わる問題です。自分に子供がいる、いないにかかわらず、社会全体で子供を育てるという姿勢は必要だと思います。無理して保育所などに預けなくても、必死に働かなくても、安心して子供を産める、子育てだけはできる、そんな国であってほしいと思います。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げる。9月、3つ目の新会社「わたしをことばにする研究所」を設立。※『anan』2019年10月9日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年10月07日「松潤からカレーと飲み物2本を手渡され、握手してもらいました。つらかった気持ちが一挙に吹き飛びました!」(参加した高校生)9月22日、嵐の松本潤(36)、KAT-TUNの亀梨和也(33)、関ジャニ∞の丸山隆平(35)、NEWSの小山慶一郎(35)らジャニーズ事務所のタレント8人が、台風15号で被災した千葉県館山市をサプライズ訪問。キッチンカーでカレーの炊き出しを行った。「亀梨くんからトレイを、小山くんからスプーンを、カレーライスを松潤から受け取りました。ふだんはダメらしいんですが、この日は気軽に記念写真にも応じてくれました」(参加学生)招待された園児や小中学生のなかには感激のあまり泣き出す子も。「温かいものはありがたいです」とお礼を口にする保護者もいた。「9月27日にジャニーズ事務所副社長に就任した滝沢秀明さんは今回の炊き出し前から自ら館山に出向き、ガレキ撤去に連日精を出していました。これらは昨年7月に同事務所が立ち上げた『Johnny’s Smile Up! Project』の活動の一環として行われているもの。本業のエンタテインメント活動とともに“みんなが笑顔になるための社会貢献活動を継続的に続ける”というプロジェクトなのです」(イベント関係者)今回は松潤が参加していたが、嵐は東日本大震災の復興支援の一環として11年から「嵐のワクワク学校」を開催していた。「同イベントは、電力不足が社会問題となった中で、被災地の役に立てることはないかと考え、通常よりも“省エネ”で実施できるイベントとして始まりました。収益金の一部を東日本大震災の被災地へ寄付するとともに、 実際に被災地にも出向き、翌12年には、宮城県と福島県において無料招待を実施。また、17年には熊本地震で被災した小中学生とその保護者を無料招待しています。炊き出し翌々日の24日に相葉雅紀さんが千葉県庁を訪問し、義援金6千万円の目録を贈呈しました」(前出・イベント関係者)昨年7月にも、大雨に見舞われた広島と愛媛の避難所を松潤、岡山を二宮和也(36)がそれぞれ激励訪問。松本は感激する被災者へ「(嵐の)メンバーも本当に気にしてますし、何か皆さんの力になれることがあったら、ぜひ力になりたい」と呼び掛けていた。「今後『嵐のワクワク学校』は後輩に引き継がれますが、11~18年までの寄付総額は約20億円にも達しています」(前出・イベント関係者)松本は“一区切り”にあたり、こんな心境を明かしていた。「まだまだ大変な思いをされている方はいらっしゃると思います。今後も僕らが寄り添えることは続けていけたらと思っています。そしてこの『ワクワク学校』は後輩たちが意志を継いでもらえたらうれしいです。これまで関わってくださった全ての人たちに感謝しています」嵐の“愛の精神”は、後輩たちへと受け継がれる。
2019年10月03日クラフトマンシップあふれる、モダンなかたいプリンを、乃木坂46の遠藤さくら&筒井あやめが紹介。モダンなかたいプリンWHITE GLASS COFFEE(ホワイト グラス コーヒー)生クリームを入れずぷるっと仕上げた、噛んで味わう『ホワイト グラス コーヒー』の「濃厚プリン」¥380。卵感しっかり。『green bean to bar CHOCOLATE』がプロデュースするロースタリーカフェだけに、スイーツが充実!東京都渋谷区桜丘町23-18TEL:03・6416・45508:00~21:00(土・日・祝日11:00~20:00)無休DIXANS(ディゾン) 神保町パティシエメイドのこくまろプリン。系列のパティスリー『ドゥ・ボン・クーフゥ』『ル・コフレ・ドゥ・クーフゥ』から届く生菓子と挽きたてのコーヒーで、ゆるりと過ごせるカフェ。このプリンはパティスリーでも味わえない、『DIXANS 神保町』だけのメニュー。オーブンで湯煎焼きして仕上げたこくまろな味わいが、アマレットシャンティでさらにリッチに。プリンセット¥1,200(税込み)プリンは神保町店限定メニュー。夕方には売り切れることも。東京都千代田区神田神保町1-24-1~2FTEL:03・5244・56188:00~19:00(18:30LO)、土・日・祝日11:00~18:00(17:30LO)不定休egg baby cafe(エッグ ベイビー カフェ)プリンで味わう卵料理専門店の本気。卵料理専門店のプリンはエッジが立った直方体。熱の伝わり方で食感が変わるからと、色んな型で試行錯誤し、行き着いたのがステンレスのテリーヌ型で大きく蒸し焼きして切り分けるこのスタイル。プリッと中までかたいのに、舌にのせれば想定外に口どけがよく、香ばしいカラメルに負けることなく卵感しっかり。エッグベイビープリン¥450(14:00~)プリンは14:00~取り扱いが始まり、すぐに行列に。卵サンドも人気のツートップ。東京都台東区上野5-10-9TEL:03・6823・115510:00~22:00(21:30LO)無休NORIZ COFFEE(ノリズコーヒー)芳醇に香る、コーヒーのためのプリン。店主・田中宣彦さんが有名ホテルのフランス料理人である友人と生んだ、コーヒーと楽しむプリン。茨城の奥久慈卵を卵黄多めに配合してコクを深め、ラム酒で芳醇な香りを纏わせて。焼き上がりから1~2日寝かせることで、さらにまろやかに仕上がる。深みがありつつ苦すぎない、中煎りに自家焙煎したコーヒーと。自家製プリン¥430(以下、全て税込み)5~6種から豆を選べるドリップコーヒーは¥480。プリンとなら「コロンビア」がオススメ。プリンは+¥60で生クリームのせにも。東京都武蔵野市境2-8-1TEL:非公開10:00~19:00木・金曜休Ayame Tsutsui2004年6月8日生まれ、愛知県出身。4期生。乃木坂46の全シングル衣装の制服を着て撮影した特設サイト、「筒井あやめ 制服コレクション」が話題。ニット¥23,000(カレンテージ/ブランドニュース TEL:03・3797・3673)スカート¥30,000(ビリティス・ディセッタン/ビリティス TEL:03・3403・0320)イヤーカフ¥10,000(サスキア ディーズ/フレームワーク ルミネ新宿店 TEL:03・5324・7676)Sakura Endo2001年10月3日生まれ、愛知県出身。4期生。24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』では初めてセンターに抜擢。おやつはみたらし団子が大好物。ワンピース¥38,000(ビリティス・ディセッタン/ビリティス)リング¥25,600(FARIS/ジョンブル 原宿 TEL:03・3797・3287)※『anan』2019年10月2日号より。写真・山口 明土佐麻理子スタイリスト・武政ヘア&メイク・KUBOKIpakuchan(共にThree PEACE)取材、文・chico(by anan編集部)
2019年09月28日昔懐かしくてキュート。かためプリンがたまらない!名店で愛され続ける、憧れのレトロプリンを、乃木坂46・遠藤さくら&筒井あやめが紹介。レトロなかたいプリンGouter De Maman(グーテ・ド・ママン)『グーテ・ド・ママン』の「キャラメルプディング」¥420 。南蛮窯でじっくり卵の力を引き出すことで弾力と口どけが両立!1983年から続く洋菓子店。三富恵子さんの優しいお菓子に長年のファンも多い。プリンは数量限定、電話で取り置きが安心。東京都港区三田2-17-29-1FTEL:03・3456・320511:00~19:00日曜休(不定休あり)ヘッケルン日常にそっと寄り添う名物プリン。1971年の創業時からコーヒー&プリンが看板の喫茶店。蝶ネクタイがトレードマークの森静雄さんがクルッと鮮やかな手つきで型から出すプリンは、鼈甲色のカラメルが艶やか。舌にふるりととろければ、卵の旨味と穏やかな甘さがじわり。さっぱり素朴、毎日でも食べたくなるこの味を求め、今日も常連さんが通い詰める。ジャンボプリン¥350(税込み)サイホンで丁寧に淹れるコーヒーとプリンのセットは¥600。50年近い常連さんも。東京都港区西新橋1-20-11安藤ビル1FTEL:03・3580・56618:00~19:00(土曜~17:00)日・祝日、第2土曜休喫茶 DEN(デン)プリンを覆い隠す、ソフト巻きの衝撃。プリンを注文すると運ばれるのは、ソフトクリームを巻いた迫力のひと皿。根本さんファミリーが営む喫茶店で40年ほど前から変わらぬ光景であり、遊び心溢れるメニューを次々生み出したお父さんの発明の一つ。ソフトクリームとプリンは一緒に食べるのが正解。すっきりした甘さと乳味がプリンを優しく引き立ててくれる。プリン¥550(税込み)1972年創業。ソフトクリーム&コーンがそびえ立つフロート類など個性派メニューが人気。プリンは弾力あり。東京都台東区根岸3-3-18TEL:03・3875・30099:00~19:00(18:00LO)木曜休武蔵野珈琲店オーソドックスな喫茶店プリンの理想型。濃いめのコーヒーとよく合うプリンには、マスター・上山雅敏さん曰く「一度知ったら他は使えなくて」と、マダガスカル産バニラビーンズを惜しみなく使う。お皿にしっかり立つプリンを口にするとたちまちフワッと消えて、卵とミルク、そしてバニラの香りに包まれる。ビターすぎないカラメルでまとめられる、余韻までも心地いい。プリン¥450(税込み)吉祥寺で38年、静かに時を刻む珈琲店。コーヒーは全てネルドリップ。又吉直樹さんの小説『火花』にも登場。東京都武蔵野市吉祥寺南町1-16-11-2FTEL:0422・47・674111:00~23:00無休Ayame Tsutsui2004年6月8日生まれ、愛知県出身。4期生。乃木坂46の全シングル衣装の制服を着て撮影した特設サイト、「筒井あやめ 制服コレクション」が話題。ニット¥23,000(カレンテージ/ブランドニュース TEL:03・3797・3673)スカート¥30,000(ビリティス・ディセッタン/ビリティス TEL:03・3403・0320)イヤーカフ¥10,000(サスキア ディーズ/フレームワーク ルミネ新宿店 TEL:03・5324・7676)Sakura Endo2001年10月3日生まれ、愛知県出身。4期生。24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』では初めてセンターに抜擢。おやつはみたらし団子が大好物。ワンピース¥38,000(ビリティス・ディセッタン/ビリティス)リング¥25,600(FARIS/ジョンブル 原宿 TEL:03・3797・3287)※『anan』2019年10月2日号より。写真・山口 明土佐麻理子スタイリスト・武政ヘア&メイク・KUBOKIpakuchan(共にThree PEACE)取材、文・chico(by anan編集部)
2019年09月28日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「8050問題」です。100万人以上の人がひきこもりになっている時代。ひきこもり状態が長期化し、50代のひきこもりの子供を80代前後の親が養い続ける事態が起きています。子供だけでなく、高齢になり、精神的・経済的に限界を迎えた親も孤立。これを称したのが「8050問題」です。5月に起きた川崎市登戸通り魔事件や、元官僚がひきこもりの息子を刺殺した練馬の事件をきっかけに、世間で広く注目されるようになりました。ひきこもりの定義は「自宅にひきこもり、社会参加をしない状態が6か月以上持続し、精神障がいが、その第一の原因とは考えにくいもの」です。ひきこもりは、2000年代から継続的に調査されていたのですが、調査対象が15~34歳だったため、若年層の問題のように捉えられていました。しかし、近年の調査で、中高年層のひきこもりの実態が明るみになり、2019年3月時点で、40~64歳の中高年のひきこもり人口は61万3000人。若年層も合わせると日本には100万人以上のひきこもりがいる計算になります。親が健在なうちは、50代の子供も働かなくても、実家暮らしで生活は成り立ちますが、将来、親が他界したあとが問題です。ひきこもりの支援団体の中には、「精神の問題だ」と、恫喝して強制的に外に連れ出し、立ち直らせようとするところもあります。しかし、そのやり方は当人の尊厳を傷つけますし、間違った行為だと思います。いまの社会慣習の枠に無理やり当てはめることは正しい解決法とは思えません。もう一つ大きな問題は、5月の事件もそうですが、報道で「加害者はひきこもりでした」「8050問題です」と言われることで、ひきこもりが犯罪者の予備軍かのようなレッテルを貼られてしまうことです。そのことが余計に、ひきこもりやその家族を孤立化させ、問題を深刻化させてしまいます。家から出なくても、オンライン上で仕事をしたり、社会活動に参加できるかもしれません。また、定義からすれば、職場になじめず退職し、半年ほど実家で休養するうちに働く気力がなくなり家にこもった状態にある人も、「ひきこもり」になります。本人の自覚がなくても、多くの人がひきこもりになり得る時代になってきているんです。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年9月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年09月20日俳優の遠藤憲一と、アイドルグループ・A.B.C-Zの塚田僚一が、森永製菓「ザ・クレープ」「板チョコア イス」の WEB動画CMに起用されたことが19日、明らかになった。新WEB動画CM「アイスアクターズ」編、「食感発声練習」編、「ボディ ランゲージ」編、#4「演技の向こう側」編、おまけ「まさかの結末」編の全5話を、19日から12月18日まで期間限定で配信。キャンペーンポスターを東急東横線渋谷駅、JR大阪駅にて23日〜29日まで期間限定で掲出するという。さらに、毎年話題のイベント「地味ハロウィン」(主催:Daily Portal Z)とのコラボキャンペーン「アイス地味ハロウィン」を実施し、「ザ・クレープ」「板チョコアイス」を使った仮装の写真投稿を24日からTwitterで募集する。入賞作品は、10月27日に渋谷カルチャ ーカルチャーで行われる「地味ハロウィン」の会場モニターで発表する。WEB動画は、グラフィック撮影のためアイスを演じることになった遠藤と塚田……という設定。撮影はスムーズに進むはずだったが、究極の演技を追求する遠藤が「小道具などは使わずに、演技でアイスを表現したい!」 と言い出し、塚田とスタッフは振り回される事態となる。同じ映画に出ていた経験はあるものの実質初共演の2人だが、スタートから息の合った様子で、2人のアドリブを活かしながらの撮影となった。撮影後、遠藤は塚田を「絡みやすい、すごい」と絶賛。 塚田は「やっぱり遠憲さんが引っ張ってってくれて、随所にアドリブとかもあって、そういう面白さもあるんで、すごく楽しみながら撮影ができたと思います」と感謝し、あうんの呼吸で撮影に臨めたという。アイスになりきるという難役だったが、遠藤は「脳、脳の中だけ、一応脳と気持ちだけ、そっちになるべく思い浮かんでやるように。だけど、実際撮られるものは全然違う方向に持ってかれるっていう。そこのキョトンっていう感じとなりきり感と両方出てると面白い作品になるんじゃないかなと思って、そこを注意しました」と深い回答。一方塚田は「僕はやっぱ板チョコアイスは、もうこうパキパキ感なんで、体で表現するためにトレーニングをして」と腹筋を見せた。互いの印象を聞かれると、遠藤は塚田について「思ってたイメージと同じかな。なんか爽やかだし謙虚だし。素もそういう感じなんでしょ?」と尋ね、塚田も自ら「ずっとこんな感じです」と肯定する。また遠藤は「今日びっくりしたのが、アドリブで俺『何年やってんの?』って言ったら、『20年』と言われたのが、『そんなにやってんのかよ』って。小学生の頃からやってたって聞いてびっくりした」と、塚田の芸歴に驚いた様子。塚田は「まさか、20年前の自分に言い聞かせたいです、遠憲さんの耳たぶプルンプルンするよって」と、「食感発声練習」編の1シーンにしみじみとしていた。
2019年09月19日ここ最近、佳作が多いと話題の深夜ドラマ枠ですが、今季も注目の作品が目白押し。遠藤憲一さんが主演の『それぞれの断崖』。少年犯罪を描いた社会派ミステリードラマで、息子を殺された被害者の父が、なんと加害者の母と惹かれ合うという物語。その父親・志方恭一郎が、遠藤さんの役どころ。「お話をいただいて本を読みましたが、正直、おいそれと“やります”とは言えない内容でした。僕の役は、共感されるどころか、反発しか予想されない男。こんな男を演じて大丈夫なのかって、心底悩みました。でも考えてみると、これまでにとんでもない役はたくさんやってきているし、役者・遠藤憲一のイメージをここでぶっ壊してもいいかなって。守りに入ってる自分に気がついて、やろう、踏み出そうと決めました」遠藤さんが演じる恭一郎は、コンピューター会社の企画開発部長。仕事で窮地に陥った日、深酒をし、深夜帰宅すると、14歳の息子が殺されたという連絡が入り…。「恭一郎は息子を失いパニクっている状態で、いろいろととんでもないことをやらかしていくんです。たとえば、週刊誌に手記を書くんだけど内面を吐露しすぎて世論に叩かれたり、死に際の息子の状況が知りたくて面会謝絶の被害者の病室に忍び込んだり…。“え、なんでそうなっちゃうの!?”ってことばっかりやるんですよ。一生懸命やればやるほど、ヘンなことになっていく様が、ちょいちょい描かれていて。確かにシリアスなドラマではありますが、演じているこっちも、正直“おい、おまえ大丈夫か!”って思いながら、演じている部分もあるので、そこはぜひ、突っ込みながら見ていただきたいです」息子を殺めた少年の母親と、恋に落ちる主人公。一般的にはなかなか共感されにくいキャラクターですが、だからこそ、遠藤さんはやりがいがあると語ります。「今回は、主人公に共感してもらえなくてもいいから、ドラマとして“続きが見たい”と思わせる作品にするのが目標。なので、思いつく限り、演出家はもちろん、スタッフにいろんなアイデアを提案させてもらっています。でもその物づくりがすごく楽しい。前のドラマから休みなく現場に入っていることもあり、体力的に結構大変なんですが、かつてないくらい充実していますね」「オトナの土ドラ」と名付けた枠でのドラマ。そんなドキドキも、期待できるのでしょうか…?「僕が思う大人のドラマは、繊細な心模様を描きながらエッジがあって、映像が美しく、そして色っぽさがあること。今回もそういう場面はもちろんあります。とはいえ僕も、58歳でまさかキスシーンを演じるとは思っていなかったし、しかも結構ラブラブなんですよ(笑)。でも大人のドラマゆえ、軽い感じでは許されないと思っているので、モットーは、激しく美しく。20~30代のみなさんをドキドキさせられるよう、頑張ります(笑)」『それぞれの断崖』小杉健治の同名小説を原作としたドラマ。恭一郎の妻を田中美佐子さん、恭一郎と恋に落ちる加害者の母親を田中美里さんが演じる。毎週土曜23:40~、フジテレビ系「オトナの土ドラ」の枠で放送中。えんどう・けんいち俳優。1961年生まれ、東京都出身。初期はVシネマを中心に活躍した後、’09年ドラマ『湯けむりスナイパー』でブレイク。12月に出演映画『午前0時、キスしに来てよ』が公開予定。※『anan』2019年8月14日‐21日合併号より。写真・中島慶子スタイリスト・中本コーソーヘア&メイク・村上まどか(by anan編集部)
2019年08月10日J1リーグ全18クラブの人気選手の素顔を続々とご紹介しているananwebに、満を持して元日本代表・ガンバ大阪の遠藤保仁選手が登場してくれました! ご自分のプレーや性格を分析していただいたほか、意外な趣味や好みのタイプまで、知られざる遠藤選手の魅力を大公開します!写真・黒川ひろみ 文・伊藤順子日本サッカー界のレジェンド・遠藤保仁選手!取材当日は、近畿地方の梅雨明けから数日経ったジメジメと蒸し暑い日。練習を終えた選手のみなさんは、まるでシャワーを豪快に浴びたかのようにびっしょりと汗をかかれていました。それは、遠藤保仁選手も然り。遠藤保仁選手 大阪の夏は暑いですねぇ。でも、気合いですよ。夏バテ防止は特に何もしていません。強いていえば、寝ればどうにかなるかなと思っています。とはいえ、僕は選手のなかでも睡眠時間は短いほうだと思います。だいたい9時間くらいはみんな寝ていると思いますが、僕は7時間ほど。時間よりは質を気にしていますね。しっかり食べて、しっかり寝る。そして、ストレスを溜めないことも夏に負けない体作りに重要なのではと思います。ーーストレスを溜めないというと…?遠藤選手 好きなことをする、ですね。僕の場合は、街ブラです。『Yatto7(ヤットセブン)』というアパレルブランドを持っていることもあり、面白いアイデアはないかな、と大阪の街をよく散策します。斬新なデザインがほしいので、本当なら海外まで足を伸ばしたいんですよ。台湾の下町のような雰囲気の場所に行って、刺激を受けたいですね。あれ、なんか宣伝みたいですみません(笑)。ーー服がお好きでブランドを立ち上げられたのですか?遠藤選手 それもありますけど、そもそものきっかけは、サポーターのみなさんと接する機会を作りたかったからです。同じ服を着てもらうことで、一体感を味わってほしいというか、何か交流ができたらいいなと。その思いが発端ですね。応援してくださるみなさんには本当に感謝をしていて、僕がここにこうしていられるのも、サポートしてくださっているみなさんのおかげだと思っています。通算1000試合を前にしてーー遠藤選手は、小野伸二選手や稲本潤一選手など、1999年のFIFAワールドユース・ナイジェリア大会で準優勝したメンバーから成る「黄金世代」のおひとり。W杯はなんと3大会に出場され、プロデビュー22年目にして20年連続Jリーグの開幕戦スタメン出場という輝かしい実績をお持ちです。さらには、通算1000試合という偉業すぎる数字達成が目の前に迫っていますね(取材は7月25日)。遠藤選手 選手生活をこれだけ長くやってこられたのは、先ほども言ったように、支えてくれたみなさんのおかげと、良い運に恵まれたからだと思いますが、実感としては歳を取ったなと。それが一番の感想ですね。ーー具体的にどんなところに年齢を感じますか?遠藤選手 僕の先輩にあたる方々の顔と名前が一致しないという若い選手が出てきたり、 僕がデビューした年、もしくはそれ以降に生まれた選手とプレーしているときに思いますね。彼らはもう僕の息子みたいです。でも、若い選手に混じってボールを蹴っていると楽しいですよ。負けたくないという思いも当然あります。ーーライバルでもある、ということでしょうか。遠藤選手 チームメイトは全員ライバルですよ。でも、テクニックや戦術など、何か聞かれれば、普通に教えています。ただ、自分の考えが100%合っているわけでもないし、選手一人ひとりにビジョンもあると思うので、これをしろという強制的な言い方ではなく、こうしてもいいんじゃない? といった、選択肢のひとつとして捉えられるようなアドバイスの仕方をしていますね。ーー日本サッカーの頂点ともいえる遠藤選手を前にして、若い選手は萎縮してしまいそうです。遠藤選手 自分でいうのもなんですが、全然そんなことないと思いますよ。確かに1年目の選手は話しづらいかもしれないですけど、2、3年目ともなればチーム的に上下関係がさほどないですし、僕も自然体で接しているので、距離は近いと思ってくれているはずです。(笑)ーーライバルの話に戻りますが、チームメイトの方全員を意識されているんですね。遠藤選手 でもまぁ、一番のライバルは過去の自分だと思っています。観ている人達は、どうしても日本代表だった時の僕のプレーといまを比べるので、常にそのレベルでありたいと思っていますね。サッカーは、三国志のようなものーーズブの素人の私からしてみれば、遠藤選手のイメージというと、何事も動じない、冷静沈着なプレーをされるという印象があります。遠藤選手 そうですね、自分でも動じないと思いますし、緊張もほぼしません。それは、昔からなのですが、無理に背のびをしないからだと思います。自分はここまでしかできないと自覚していて、その先はできる人に譲るんですよ。だから、心の揺らぎが少ないのかなと思いますね。でも、サッカーをあまり知らない人に説明するならば、僕のプレースタイルは「わかりにくいのが特徴」と思います。物事をシンプルにするというか……(考え込みながら)わかりやすくいうと、パスを見てほしいんですけど、でもどういうパスなのかと言うと……(また考えて)10回試合を観に来てもらわないとわからないと思います。(笑)ーー10回見ればわかるということで、新たな目標ができました(笑)。では、遠藤選手にとって、サッカーとは? 魅力を教えてください。遠藤選手 サッカーは三国志に似ていると思っています。単純に言うとサッカーは、ゴールを決めてゴールを守るゲーム。でも、それをする間にいろいろな駆け引きや戦いがあるわけで、それらは、三国志のように戦略家がいて、それを体現する人がいて、最後にキーパーという将軍がいると例えられると思うんです。それらを破ることができたら勝利を手にすることができる。ゴールはひとつしかありませんが、攻め方は無限にあるので、相手の予想以上の戦略を立てて攻撃するのが醍醐味だと思っています。また、攻める側は、相手にとって複雑な戦術にするほど簡単にゴールできるので、そのプランをバレずに成功させるのが面白いですね。サッカーは頭を使うスポーツなんですよ。賢い人が多いほど勝てる確率が高くなるんです。ーー世界的に見てもサッカー人口が多いのは、手軽にできるだけでなく、その奥深さも理由のひとつのような気がします。観る側にとっても、どのような戦術で点を奪うのか、ゴールシーンだけでなく、その過程も注目すべきなんですね。Jリーグでいうと、ほかに観戦ポイントはありますか?遠藤選手 海外のリーグに比べて、試合前にイベントが開催されていたり、おいしいグルメが揃っていたりと、エンターテイメントの要素が多いと思います。それに世界一安全なリーグといってもおかしくないほど健全だと思うので、子どもからお年寄りまで安心して観れますよね。海外だと、いまでこそ多少おとなしくなりましたが、暴動が起きたり、多くのサポーターが囲んで選手のバスが出れなくなったりと、熱狂的になりすぎて身の危険を感じるほどです。それに比べるとJリーグはなんて素晴らしいんだ、と思いますね。Jリーグが誕生して26年経ちますが、技術レベルも上がってきているし、ありがたいことにお客さんも安定して観にきてくれています。専用スタジアムも増えて、全体的にレベルアップしていると思います。最近は、多くの若い選手が海外に出ている印象がありますが、残りの選手がしっかりいい試合をし続ければ、よりよいリーグになると思いますね。性格は穏やかです。趣味は高級住宅街に行って…ーーここまで、ピッチ上のお姿同様に、淡々とかつ丁寧にお話をしてくださっていますが、普段の遠藤選手はどのような感じなのでしょう。遠藤選手 プレーではクールとか、落ち着いてると言われますが、僕の性格をよく知っている人は「クールではない」と言うでしょうね。そのへんの39歳と一緒ですよ。人前ではそんなに出しませんが、笑っていることが好きなのでよく笑いますし、観る映画やドラマによっては時に泣いたりもします。穏やかな性格だと思います。ただ、負けず嫌いではありますね。ーーよく笑い穏やか、とは! そのようなお人柄なゆえ、若い選手も距離をあまり感じないのでしょうね。仲が良い選手の方を教えてください。遠藤選手 (今夏、ジュビロ磐田に移籍した)今野泰幸選手が一番の仲良しでした。大きい弟みたいな存在で、若いときから気が合いましたね。趣味(ゴルフ)が一緒でよく遊びに行くんですよ。ほかに、たむけんさんや、同じ歳のナオト・インティライミさんと交流があり、ナオトさんとはこっちでライブがあると観に行ったり、食事をしたりしています。ーーご趣味がゴルフなんですね。他にもありますか?遠藤選手 物件探しが好きですね。引っ越す予定はないんですけど、マンションや戸建ての外観を見回って、こういうところに住みたいなと想像を膨らませています。具体的には、高級住宅街にわざわざ車で行って、スピードを落としてゆっくりと街を回るんですよ。しかも、昼と夜ではライトアップなどで表情が違うから、1日に2回見に行くんです。まるで変質者のようですよね。下手すると通報されるレベルです。(笑)ーーなかなか変わったご趣味ですね(笑)。では、愛する奥さまとお子さまがいらっしゃるので恐縮ですが、好きな女性のタイプも教えてください。遠藤選手 背の高い女性が好きです。ヒールを履いて僕より上くらいの背がちょうどいい。歩いているとカッコいいなと思いますね。あとは、いつも髪をキレイにセットしている女性が、ふと乱れたときに、あれ、雰囲気が違う! とドキッとしてしまいますね。(笑)僕の原動力と日本代表への思いーー普段のお人柄や意外な趣味、好みの女性など、遠藤選手の素顔を知ることができました。最後に、日本サッカー界のレジェンド「遠藤保仁」を作った原動力を教えてください。遠藤選手 18歳の頃、ワールドユースなどの海外をはじめとした数多くの試合経験を積めたことで、もっとうまくなりたい、という強い向上心が芽生えました。その一心で20代を過ごすことができ、どうしても下降線をたどってしまう30代はそのカーブを緩やかに抑えることができたと思っています。だから、18歳のあの時の経験と湧き出た強い気持ちが、いまの僕を作っていると思いますね。ーー日本代表への思いは?遠藤選手 現役でいる限りは入りたい場所であり、パフォーマンス次第ではまだできると思っています。ただいっぽうで、どんどん代表入りしている若い選手を応援もしています。久保建英選手(レアル)や冨安健洋選手(ボローニャ)が中心になっていくと思いますね。また、同じポジションでいえば、柴崎岳選手(デポルティボ)がリーダーとなって、もう一段階上のレベルへ日本を導いてほしいと思います。個人的には、乾貴士選手(エイバル)に返り咲いてほしい。彼のプレーは観ていて楽しいし、実際に僕と波長が合うと思いますね。ーー来る8月10日(土)のガンバ大阪ホーム戦(vsサンフレッチェ広島)は、遠藤選手の愛称「ヤット」にちなんで「810(ヤット)の日」イベントを開催! 似ていると評判の(!)ガチャピンがパナソニックスタジアムにスペシャルゲストとして来場するそう。「ガチャピンが大好きなので、来てくれて嬉しい」と遠藤選手。「歳を感じる」とおっしゃりながらも、39歳の戦士はいくつもの思いを背負ってまだまだピッチ上を走り抜けてくれるはず。この夏もこれからも、その大きな背中を応援し続けます!Information「810(ヤット)の日」に遠藤選手を見に来ませんか?8/10(土)vsサンフレッチェ広島(19:00キックオフ@パナスタ)チケット好評発売中!
2019年08月03日7月9日、俳優の遠藤憲一(58)がインスタグラムを更新。映画『午前0時、キスしに来てよ』の撮影風景を投稿し、話題を呼んでいる。投稿された写真は、イケメン俳優・綾瀬楓役を演じる片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE・24)に、マネージャー・高橋茂雄役の遠藤が日傘をさす一場面。その献身的なマネージャーぶりには、多くのファンから「ピッタリな役!」「エンケンさん、イメージにピッタリ!」「エンケンさんに支えられたい」と好感の声が寄せられた。一方で、写真の遠藤は冷静で険しい顔をしており、片寄の一歩後ろで前方を気にしている様子。これに一部のファンは「マネージャーよりSP見たい(笑)」「ボディーガードかと思いました」と命も守ってくれそうな気迫を感じているようだった。また、映画の公式SNSではクマの着ぐるみを着て、疲労困憊の様子でベンチに座る遠藤の写真も公開。ギャップのある2枚の写真は遠藤の幅の広さを感じさせた。映画『午前0時、キスしに来てよ』は12月公開。
2019年07月10日