GEオイル&ガスは2月26日、新潟県刈羽事業所に金属3Dプリンタを導入し、エネルギー産業用プラントにおいて用いられる特殊仕様のコントロールバルブ部品の製造を開始したと発表した。今回導入された3Dプリンタは松浦機械製作所の「LUMIX Avance-25」。同機はファイバーレーザーによる積層造形とマシニングセンターによる金属切削加工という工程を1台で行う事ができる。金属3Dプリンタを導入したことによって、従来法では製造が困難であった中空構造、曲面形状やメッシュなど、複雑な造形が可能となることから、バルブ部品設計の自由度が大幅に向上した。また、一体成型が可能となったことで複数の加工プロセスが不要となり、従来の製造法では約3カ月必要とされていた形状の部品の製造が約2週間でできるなど、製造日数の短縮化や低コスト化が実現した。GEはこれまでにも米国本社で航空機エンジン部品の製造などに金属加工用の3Dプリンタを用いてきた。国内ではGEヘルスケアの日野工場で樹脂加工用の3Dプリンタを導入しているが、日本において金属3Dプリンタを導入するのは今回が初めてとなった。
2015年02月26日島津製作所は2月25日、SCREENホールディングス(SCREEN HD)が製造する高速3D細胞スキャナ「Cell3iMager」シリーズに関して国内販売契約を締結し、製薬市場やアカデミア市場に向けた販売を開始したと発表した。3D培養した細胞塊(スフェロイド)は、通常の2D培養した細胞に比べて、より生体に近い状態のため、創薬におけるスクリーニングや毒性評価において高い有効性が示されている。Cell3iMagerはこのスフェロイドを高速スキャンし、サイズや形態から細胞の増殖や現象を正確に計測する装置。通常、細胞増殖の計測には専用に検査試薬を用い、経時変化の計測には測定点ごとにサンプルを用意する必要があるため同一サンプルでの計測は不可能だが、同装置は検査試薬が不要のため、同一細胞の経時変化を計測することができる。また、同装置にHPLCやLCMSを用いた成分分析では得られない細胞のサイズや形態の情報を付加することができ、より高精度な薬効・毒性評価の確立が期待される。最近では多能性幹細胞の分化誘導時に必要となる胚様体形成の観察にも有用であることが示されるなど用途が拡大している。
2015年02月25日キヤノンマーケティングジャパンは19日、米3D SYSTEMS社製の産業用3Dプリンタ「ProX800」の販売を開始した。税別価格は7,500万円から。3D SYSTEMS社は、1986年に光造型技術を世界で初めて製品化した3Dプリンタ業界の牽引役ともいえるメーカー。今回キヤノンが取り扱う「ProX800」は、紫外線レーザーをUV硬化樹脂に照射し立体物を造型する光造型式の産業用3Dプリンタで、従来モデルより高い精度とプリンタヘッドの長寿命化を実現した。造形物の材料は、耐熱、耐衝撃性、高安定性、透過性、ABSライク、ポリプロピレンライクなど幅広いラインナップを使用できる。最大造形サイズは650×750×550mm、最大パーツ重量は75kg。積層厚は0.05mmから0.15mm。
2015年02月21日キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は2月19日、米3D SYSTEMS製の光造形3Dプリンタ・SLAプロダクションシリーズ「ProX800」の販売を同日より開始すると発表した。「ProX800」は従来モデルよりプリントヘッドの長寿命化、省スペース化を実現。耐熱、耐衝撃性、高安定性、高剛性、高磨耗耐性、透過性、ABSライク、ポリプロピレンライクなど、幅広い材料ラインアップからユーザーの目的に応じた造形物を作成することが可能だ。造形サイズは650×750×550mmで、最大パーツ重量は75kg、積層厚は0.05~0.15mm。価格は7500万円~(税別)で、年間10台の国内販売を目指すという。
2015年02月19日コトブキヤが展開するデフォルメプラモデルシリーズ「D-STYLE」(ディースタイル)より、『D-スタイル ブラックコンボイ』が2015年6月に発売されることが決定した。現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約受付中で、価格は3,456(税込)。「ブラックコンボイ」は、昨年30周年を迎えた『トランスフォーマー』シリーズに登場する星帝ユニクロンによって複製されたコンボイのクローンで、コンボイ司令官と同じ姿、武器、変形能力を持っている。2015年1月に発売された『D-スタイル コンボイ』をベースに、ボディは漆黒に包まれて立体化される。『D-スタイル ブラックコンボイ』には、武器としてレーザーブラスターとバトルアックスの2種、また新規造型パーツ「ジェットパック」も付属し、発売中の『D-スタイル コンボイ』の背中にセットすることも可能。アンテナを動かすとマスクが連動して発声時の動きを再現できる。また、ビークルモードをイメージした「トレーラー」も付属し、『D-スタイル コンボイ』と合わせてディスプレイしたいキットに仕上がっている。商品価格は3,456(税込)で、現在「コトブキヤオンラインショップ」にて予約受付中。商品の発売および発送は、2015年6月を予定している。(C)TOMY
2015年02月18日D2Cは、各種デジタルを活用したマーケティングコミュニケーション全般を網羅した、総合的なデジタル広告・マーケティングのアワード「コードアワード2015」を実施すると発表した。結果発表は6月上旬に行われる予定。なお、応募は無料。対象は2014年4月1日から2015年3月31日の期間に実施/開始された、企業・ブランド・自治体などが提供する商品やサービスなどのデジタルを活用したマーケティングコミュニケーション施策。「コードアワード2015」は、広告主や広告会社、制作会社によって構成されるプロジェクト・チームを対象に、3月3日~4月13日にかけて、応募を受け付ける。応募に必要なエントリーシートは、オフィシャルサイトよりダウンロード可能。審査の結果、最も優れた作品にグランプリを、また、異なる審査視点に基づく「ベスト・イフェクティブ」、「ベスト・イノベーション」、「ベスト・キャンペーン」、「ベスト・クラフト」の4つの賞を設けそれぞれ作品を選出する。このうち「ベスト・イノベーション」と「ベスト・クラフト」は、今回新設された賞。「ベスト・イノベーション」は、新たなビジネスモデルやプロダクト/サービスの付加価値を創造した施策を対象とし、「ベスト・クラフト」は、アプリ、コンテンツなどのデジタル上で展開された広告などを対象に、そのデザイン性・企画性・ユーザビリティなどを総合した技術力が伴う施策を対象とする。
2015年02月12日秋田県横手市羽黒町の横手市立横手南小学校で、3Dプロジェクションマッピング「雪見の夜」が行われる。期間は2月14日~15日。18時~21時の間、約5分間の映像を繰り返し投影する。観覧無料。○かまくらとの幻想的なコラボ同イベントは、同地域で420年続く「横手の雪まつり」のプログラムのひとつ。横手南小学校の校舎をスクリーンとして映像を投影するほか、校庭には「ミニかまくら」を設置する。なお、ロッテが販売している「雪見だいふく」が「かまくら」と似ているという点と、商品の開発者が秋田県出身という縁から、同社が特別協賛として賛同しているとのこと。
2015年02月12日●低価格な光造形式3DプリンタXYZプリンティングジャパンは10日、同社初となる光造形方式の3Dプリンタ「ノーベル 1.0」を発表した。発売は3月上旬。家電量販店やECサイト、同社直販サイトなどを通じて販売する。価格は税込229,800円。素材となる専用レジンは税込15,800円(500g 2本入り)、レジンタンクは税込7,200円で同時発売される。同社は、同日に発表会を開催。XYZprinting会長兼XYZプリンティングジャパン代表取締役の沈軾栄氏や、XYZプリンティングジャパンの吉井宏之ゼネラルマネージャーが登壇し、3Dプリンタ市場における「ノーベル 1.0」の位置付けや、「ノーベル 1.0」の特徴などを紹介した。●市場シェアは約30%「コスト面で優位」○市場シェアは約30%「コスト面で優位」XYZprinting会長兼XYZプリンティングジャパン代表取締役の沈軾栄氏は、2014年のFDM(熱溶融積層法)式3Dプリンタ市場における自社の位置付けについて、約30%のシェアを持っているとした。FDM式の3Dプリンタ出荷台数は、2014年10月のGartner分析によると3Dプリンタ全体の出荷台数10,800台のうち99,000台となるが、この99,000台のなかで「ワールドワイド出荷台数から判断すると約30%ほどのシェアをとっている」と話した。高いシェアの理由として、沈軾栄氏は特にコスト面の優位性を挙げ、今回発表した光造形(SLA)式の「ノーベル 1.0」もFDM方式に引けをとらない価格として、「一般的な光造形式の3Dプリンタより大幅に低価格化した」と自信をみせる。製品の主な仕様は、本体サイズがW280×D337×H590mm、重量が約9.6kg(レジン500g含む)。主な仕様は、印刷方式が光造形(SLA:stereolithography apparatus)、レーザーが4.5nmUV、樹脂材質が光硬化レジン、積層ピッチが0.025/0.05/0.1mm、最大造形サイズが128×128×200mm。対応データフォーマットはSTL/XYZ Format(独自)。本体メニューは日本語(カタカナ)。インタフェースはUSB 2.0。消費電力は60W。対応OSはWindows 7以降で、4月にはOS X 10.8以降への対応も予定する。●誰にでも手が届く3Dプリンタを○誰にでも手が届く3Dプリンタを光造形式の「ノーベル 1.0」は、ガルバノメータ(検流計)で操作したレーザー光を樹脂に照射し、吊り下げ方式で造形する。レーザー光は本体下部から照射され、2枚のミラーで反射してタンクスロットに届く仕組み。素材となる専用レジンは、当初はクリアのみの用意するが、順次レッドやブルーなど、カラーバリエーションを増やしていく。同社の吉井宏之ゼネラルマネージャーも、「ノーベル 1.0」の大きな特徴は価格面と強調する。同社が属する新金宝グループ全体で培った部品調達やコスト削減のノウハウを集結させ、「ダヴィンチ」シリーズと同じく誰にでも手が届く3Dプリンタを目指したとする。製品自体はミドル・ハイレンジとし、「プロシューマーの中の下位モデル、コンシューマ向けの『ダヴィンチ』シリーズの上位モデル」と位置づける。0.025mmの積層ピッチの実現でフィギュアやジオラマなど趣味の分野から、建築事務所やデザイン事務所でのモデル製作まで、「『ダヴィンチ』に満足できなかった人や、プロシューマーも満足する」高精細な出力が可能とした。この他の特徴として、造形レビューや積層ピッチ設定などが行える同梱の専用ソフトウェア「XYZwareNobel」、レジン残量を一定に保つレジン自動充填機能、PCレスでデータを出力するUSBホスト機能などを紹介した。販売チャネルは、家電量販店、ECサイト、販売代理店。家電量販店はビックカメラ、ヤマダ電機、ノジマ、コジマ、ベスト電器、ケーズデンキ、ソフマップ、Joshin、アプライドなど。ECサイトではamazon.co.jp、楽天、Yahoo!JAPANなど。販売代理店ではソフトバンク コマース&サービス、加賀ハイテックで販売する。同社は当面、FDM方式の3Dプリンタ、光造形式の3Dプリンタ、フードプリンタの3本を軸に3Dプリンタ事業を展開する。1年間の販売目標数は、「ノーベル 1.0」単体で7,000台から8,000台を目指す。
2015年02月10日アビーは10日、光造形式3Dプリンタ「SCOOVO」シリーズの新モデル「SCOOVO MA25」および「SCOOVO MA20」を発表した。同日より発売する。希望小売価格は「SCOOVO MA25」が税別2,780,000円、「SCOOVO MA20」が税別2,480,000円。新モデルの「SCOOVO MA25」(MA25)、「SCOOVO MA20」(MA20)は、2014年9月に発売した光造形方式の「SCOOVO MA30」および「SCOOVO MA10」の追加モデルとして発売。2モデルとも樹脂槽を造形エリア外に設け、一般的なレーザー照射方式の光造形3Dプリンタに比べ少量の液体樹脂でオブジェクトが製作できる。また、MA25の最大造形サイズはMA30比で2.5倍に、MA20の積層ピッチはMA30相当の最小0.025mmを実現している。○SCOOVO MA25MA25の主な仕様は、光源がLED&レーザーハイブリッド、光源寿命が約20,000時間、積層方向が吊り下げ式、積層ピッチが0.05mm、造形スピードが約5mm/時間、最大造形サイズがW140×D80×H170mm、XY解像度が0.075mm、造形マテリアルがアクリル樹脂 / ゴムライク樹脂など。入力形式は.stl。対応OSはWindows 7 / 8 / 8.1。消費電力は約500W。本体サイズはW684×D554×H1,142mm、重量が約68kg。カラーはシルバー、ブラック、グレーの3色。○SCOOVO MA20MA20の主な仕様は、積層ピッチが0.05mm/0.025mm、造形スピードが約15mm/時間(積層ピッチ0.05mm時)、最大造形サイズがW80×D60×H90mm、XY解像度が0.1mmとなり、これ以外の主な仕様は上位のMA25と同等。本体サイズはW684×D554×H922mm、重量が約63kg。カラーはシルバー、ブラック、グレーの3色。
2015年02月10日ローランド ディー. ジー.(ローランドDG)は、同社が東京・大阪・福岡・名古屋に保有するクリエイティブセンターにて2015年2月から3月にかけて、同社の3Dプリンタ/切削加工機「monoFabシリーズ」や各種加工機などの説明や、社外のデザイナーによる活用事例、3Dプリンタのトレンドなどを知ることができる「monoFab Experience Day2」を開催する。開催日時は東京会場が2015年2月17日の10:00~17:00、大阪会場が同2月24日の10:00~17:00、福岡会場が同3月06日の10:00~17:00、名古屋会場が同3月13日の10:00~17:00となっている。また、東京会場では14:00~15:00のスケジュールで、富士通デザインを講師に迎え、デザインの現場でデザイナーが抱える日々の課題をmonoFabの活用で解決した複数の事例の紹介を行う参加費無料のセミナー「デザインの現場におけるmonoFab 活用事例の紹介」が開催される(定員30名)ほか、15:30~16:30のスケジュールで、ケイズデザインラボの代表取締役社長である原雄司氏が、3Dデジタル技術の将来展望と具体的な可能性、そして同社独自技術「D3テクスチャー」の特性について語る参加費無料のセミナー「3Dプリンターブームの実際と、少し先の未来」も開催される(定員30名)。ちなみに、他の3会場では、東京会場での講演風景を録画した動画が、14:00~15:00の時間帯に放映される予定だという。さらに、各会場ともに、10:00~12:00、13:00~15:0015:00~17:00の3回に分けて各回2名ずつ(合計6名)、3Dプリンタと切削加工機それぞれの特徴やメリットのサンプルを交えた説明に加え、各機種のベンチマークを無料で実施できる「3D相談会」も開催される。なお、各会場ともに参加費は無料。申し込み方法は同社Webサイトにアクセスし、参加したいセミナーを選択する形となっている。○「monoFab Experience Day2」東京会場日時:2015年 2月 17日(火) 10:00~17:00会場:ローランド ディー.ジー.東京クリエイティブセンター(東京都港区浜松町1-18-16 住友浜松町ビル1F)参加費:無料(事前登録制)大阪会場日時:2015年 2月 24日(火) 10:00~17:00会場:ローランド ディー.ジー.大阪クリエイティブセンター(大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1-14 住友生命 新大阪北ビル1F)参加費:無料(事前登録制)福岡会場日時:2015年 3月 6日(金) 10:00~17:00会場:ローランド ディー.ジー.福岡クリエイティブセンター(福岡県福岡市博多区博多駅東1-9-11 大成博多駅東ビル1F)参加費:無料(事前登録制)名古屋会場日時:2015年 3月 6日(金) 10:00~17:00会場:ローランド ディー.ジー.名古屋クリエイティブセンター(愛知県名古屋市中区錦2-15-15 豊島ビル1F)参加費:無料(事前登録制)各会場の申込みは同社Webサイトにて実施
2015年02月05日丸紅情報システムズ(MSYS)は2月3日、3Dプリンタによる医療向け3Dモデルを造形する受託サービス「メディカル3Dモデル造形サービス」を開始すると発表した。同サービスは、CTやMRIなどの患者の医療データを3Dプリンタによって立体的に再現し、臓器や血管、骨などの形状や質感までを可視化、可触化した3Dモデルを製作するというもの。3Dプリンタを用いることで複雑な形状でも一体構造で造形することができ、型を製作する必要もないため、3Dモデルの製造期間の短縮・コスト削減を実現する。医療現場において3Dモデルを活用することは、医師にとっては術前計画の効率化が望めるほか、患者とその家族とって病態の理解の助けとなることが期待される。MSYSは今後3年間で、売り上げ総額1億円を目指すとしている。
2015年02月03日●「MakerBot」を体験! 3Dプリンティングの可能性を広げる「シンギバース」の魅力とは累計出荷台数7万台以上を誇る「MakerBot」は、今年発売された新機種で第5世代目を迎えるパーソナル3Dプリンティングブランドだ。通常のデスクトップ型に加え、コンパクトなミニモデルもラインナップしており、より使いやすく進化を遂げている。USB、Wi-Fi接続、内蔵カメラなどの機能を供えるなど、5世代目らしく熟成されたモデルとなっているのだ。そんな「MakerBot」の最新機種とエコシステムを実体験できるワークショップが、株式会社ストラタシス・ジャパンにて毎週金曜日に開催されているという。急速に進化し続ける3Dプリンタの世界。その最新事情を取材した。○「MakerBot」とは何か金曜日の15時。MakerBot製品を販売する株式会社ストラタシス・ジャパンのイノベーションセンターに5名の男女が集まった。彼らが参加するのは、同社が開催する3Dプリンティング入門のワークショップだ。3Dプリンタとは、紙に印刷する通常のプリンタとは異なり、3Dデータをもとに立体物をつくりだすことができる機械のこと。ここ数年間、その市場規模は毎年爆発的に増加しており、世界的なムーブメントを巻き起こしている。ブームの中心は欧米だが、日本でも3Dプリンタブームは少しずつ広がりを見せている。業界を牽引するのは「MakerBot」。2009年にニューヨークで設立され、現在はストラタシス傘下。パーソナル3Dプリンティングマーケットの成長をリードしている。「MakerBot」の「Replicator」そのものは3Dプリンタ、すなわちハードウェア(機械)である。しかし、筆者のような3Dプリンタビギナーにとって、いきなり機械だけを渡されて放り出されるのはハードルが高い。3Dプリンタをどう使えばいいのか、そもそも3Dプリンタが生活のどんな場面で役立つのかわからないからだ。そこで同社が用意しているのが、3Dプリンタ「Replicator」をはじめとするMakerBotのエコシステム。すなわち、「Replicator」をコントロールするためのアプリ(ソフトウェア)、ユーザーからの疑問や要望を受け付けるサポートセンター、そしてもっとも重要なコミュニティサイト「シンギバース(Thingiverse)」である。また、3Dモデルやコレクションの購入も行える「MakerBotデジタルストア」にも注目だ。ストアでは、シンプルな小物や、複雑な造詣のオブジェを始め、誰もが知るキャラクターをテーマにしたものなど、多種多様なデザインモデルが用意されている。魅力的なプリントや、自身でペイント可能な3Dモデル、コレクションを選んで購入することができるようになっている。○3Dデータが豊富にそろうコミュニティサービス「シンギバース」中でも、もっとも重要なのが「シンギバース」。いわば3Dプリンタ愛好家が集まるSNSともいうべきサービスだ。世界中のクリエイターが3Dプリンタのデータをアップロードしており、他のユーザーはこれを自由にダウンロードして使うことができる。これならもう、3Dプリンタを買ったはいいけれど、何に使えばいいかわからない……なんてこともなくなるわけだ。ちなみに気に入った作品に手を加えて再アップロードする、いわゆる「二次創作」も認められている。現在、アップされているデータ数は、なんと21万8000点以上(2014年Q3現在)。現在も急速なペースで数を増やしているという。アップロードされている3Dデータは実に多種多様だ。フィギュアやアクセサリ、ホビー、スマートフォンケース、雑貨、インテリア。変わったところだと、スノーボードやヘルメットなんてものもある。「こんなのまで作れるの!?」と驚いてしまうようなハイクオリティな作品も珍しくなく、カラフルでポップな色合いは眺めているだけでも楽しい。シンギバースはいわばネット上のホームセンターであり、アパレルショップであり、インテリアショップでもある。しかも、量産コストを考えずにクリエイターが自由な発想で制作した、とびきりクオリティの高い作品が手に入る夢のような場所なのだ。ユーザーにはプロのデザイナーもいれば、アマチュアクリエイターもいる。自分がアップロードしたインテリアが北欧の家庭に飾られているかもしれないし、その逆もありうる。気に入った作品にはコメントを残したり、仮に言葉が通じなくても、"お気に入り"ボタンを押して応援したりすることもできる。国籍も年齢も性別も関係なく、3Dプリントを通じて世界とつながれるのがシンギバースの最大の魅力だ。●シンギバースとデスクトップアプリを使って3Dプリントに挑戦○シンギバースとデスクトップアプリを使って3Dプリントに挑戦今回のワークショップでは、実際に3Dデータを使って、プリンティングの一連の流れを体験した。使用する3Dプリンタは、「Replicator」の第5世代モデルだ。プロフェッショナル仕様の「MAKERBOT REPLICATOR Z18」、デスクトップ型の「MAKERBOT REPLICATOR」、コンパクトで自宅にも設置しやすい「MAKERBOT REPLICATOR MINI」がラインナップされている。まずは、シンギバースにアクセス。用意していただいたアカウントでログインし、今回プリントするデータを探す。今年は未年ということで、「sheep」で検索すると……出てくる出てくる!羊をモチーフにした個性豊かな3Dデータが大量に表示された。シンギバースに投稿される作品は、クリエイターが集まる他のコミュニティがそうであるように、季節など時期的な影響を強く受けるという。たとえばクリスマスが近くなればオーナメントが増えるし、iPhoneが発売されるとケースなどアクセサリ類が増えるといった具合だ。そうした"流れ"を考えて歩いてみると、シンギバースとMakerBotの世界がもっと楽しくなりそうだと感じた。さて、今回はsheepで検索された中から、かわいらしくデフォルメされた羊のフィギュア「Wooly Sheep」を選択した。データをダウンロードし、デスクトップアプリを起動する。シンギバースとデスクトップアプリは現在、英語のみ。ただし、単語は平易だし、何よりビジュアルがメインなので、英語力に自信がなくてもさほど問題はなさそうだ。デスクトップアプリでは、ダウンロードした3Dデータの調整を行うことができる。今回は仕上がり具合を「スタンダード」に設定。ここで「High(高品質)」を選ぶと、ディテールがさらに細かく仕上がるが、その分、時間がかかってしまう。「Low(低品質)」はその逆だ。諸々の設定を終わらせたら、いよいよプリントに移る。プリンタにはUSBメモリなどを利用するか、Wi-Fi接続でデータを送信することができる。壁際に設置された第5世代「MakerBot」の周りにセミナー受講生が集まり、USBメモリを挿入する。MakerBotがデータを読み取ったら、ボタンを押すだけでプリントがスタートする。操作に迷うことはない。通常のプリンタと同じレベルの手軽さだ。MakerBot内にあらかじめセットしておいたフィラメント(樹脂)が高熱で溶解し、3Dデータに従って羊のフィギュアが形づくられていく。目の前で立体物ができあがっていく様は、2D印刷とはまったく違う不思議な魅力がある。プリントにはそれなりの時間がかかるため、今回のセミナーでは完成を見届けることはできなかったが、MakerBotのエコシステムと3Dプリンティングの魅力は十分に知ることができた。今のところ、3Dプリンタの素材は樹脂のみとなっているが、MakerBotによると近い将来、違う素材をフィラメントに練り込むことで、金属や樹などの質感を表現できるようになるという。そうなれば、3Dプリンティングの可能性がより一層広がるに違いない。筐体が大きく高価な業務用しかなかった数年前と比べて、よりコンパクト、高性能、低価格化が進んだ3Dプリンタ。もしかすると、近い将来のネットショッピングでは、3Dデータを購入して自宅でプリントするのが当たり前――なんて時代が来るのかもしれない。
2015年02月03日●日本限定ハイエンド3Dプリンタから話題の義手まで2015年1月28日~30日にかけて東京ビッグサイトにて「3D Printing 2015 Additive Manufacturing Technology Exhibition」が開催された。今回が初めての開催となる同展示会では個人用のエントリーモデルから工業用のハイエンドまでさまざまな3D造形技術・サービスが集結した。本稿ではその模様の一部をご紹介する。○日本限定の2機種を展示大手3Dプリンタメーカーのストラタシスは日本限定モデルの「Objet30 Prime」と「Objet Eden 260VS」の2機種がメインの展示となった。また、MakerBotの個人向け3Dプリンタも同時に展示されていた。「Objet30 Prime」はデスクトップサイズのPolyjet方式3Dプリンタで、最小積層厚14μmを実現したほか、材料にゴムライク樹脂や生体適合材料などが加わり計12種類の材料が利用可能となった。「Objet Eden 260VS」の特徴は水溶性サポートが選択可能となった点で、複雑な形状の造形モデルでも、サポートを簡単に除去することができる。○ローランドDG初の3Dプリンタが登場ローランド ディー.ジー.(ローランドDG)は「デスクトップ・ファブリケーション」をコンセプトとするmonofabシリーズの3Dプリンタ「ARM-10」と切削加工機「SRM-20」を出展した。「ARM-10」は切削加工機で知られていた同社にとってはじめての3Dプリンタとして注目を集めている製品で、光造形方式を採用している。一方の「SRM-20」は2000年に発売した「MDX-15/20」の後継機にあたるもので、切削スピードが2倍に向上したほか、プリント基板の制作も実現した。○CMにも登場するスタイリッシュな義手DMM.comは、昨年11月に同社が秋葉原で開設したものづくり拠点「DMM.make AKIBA」に入居するイクシーとCerevoの製品を出展。イクシーの「handiii」は、手を失ってしまった人が残っている腕の電気信号を介して直感的に操作できる義手。ビートたけしが出演する「DMM.make AKIBA」のCMにも登場する。Cerevoの「XON snow-1」は、スノーボードとブーツを固定するバインディングにセンサーなどを搭載し、滑走中のボードの状態やルートを記録できるというもの。今年初頭に開催された2015 International CESでも大きな注目を集めた。●当サイトでおなじみの2社も出展○ネットでたのめる3次元造形サービスオンデマンドで切削加工および射出成型によるパーツの試作や小ロット制作を受託しているプロトラブスも出展。3D CADファイルを同社のウェブサイトにアップロードすれば、平均3時間で見積もりの取得、発注まで行うことができる。ちなみに当サイトでは、同社のトーマス・パン社長がものづくりに関るさまざまな人に出会い、意見を交わす「対談! 日本のものづくり - プロトラブズが国内有識者と探る」が絶賛連載中だ。○大田区の工場で作られた3Dプリンタ大田区の工場で3Dプリンタを開発・販売しているスマイルリンクは同社のパーソナル3Dプリンタ「DS.1000」を展示。写真を撮影するのを失念してしまったのだが、同社は最近、人体の3Dデータが取れるボディースキャナの取り扱いおよびプリントサービスを開始しており、その設備も展示されていた。同社の大林万利子社長に連載していただいている「ゼロからわかる3Dプリンタ」ではFDM方式の3Dプリンタの仕組みや、簡単な3Dデータの作り方が紹介されており、これから3Dプリンタの導入を考えている方におススメだ。○日本産業界の英知が集結最後にご紹介したいのが、技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構(TRAFAM)。同機構は日本のものづくり産業がグロバール市場で持続的かつ発展的な競争力を維持するために、「次世代型産業用3Dプリンタ技術開発」と「超精密三次元造形システム技術開発」を目的に、近畿大学、東北大学、産業技術総合研究所、企業27社が参画し、2014年4月に設立された。「次世代型産業用3Dプリンタ技術開発」では三次元積層造形技術や金属などの粉体材料の多様化・高機能複合化などの技術開発に加え、世界最高水準の造形速度と精度を有する金属用3Dプリンタを完成させ、2019年末までに販売することを目指している。また、「超精密三次元造形システム技術開発」では、2018年度からの販売を目指し、鋳型用砂材料を高速で積層造形する三次元砂型積層造型装置の開発に取り組んでいる。
2015年02月02日バンダイの展開するフィギュアシリーズ「D-Arts」より、『D-Arts メタルガルルモン -Original Designer’s Edition-』の予約受付が、バンダイの公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」にてスタートしている。2015年7月発送予定で、価格は5,400円(税込)。「メタルガルルモン」は、昨年で放送15周年を迎えた『デジタルモンスター』シリーズのTVアニメ第1作『デジモンアドベンチャー』に登場する「ガルルモン」が、全身を生体金属クロンデジゾイドメタルで機械化し、ミサイルやマシンガンを内蔵したサイボーグ型デジモン。本商品は、多数の商品化要望の声を受けて、2013年6月に「プレミアムバンダイ」限定商品として立体化された『D-Arts メタルガルルモン』のスペシャルカラー版で、現在では入手が難しくなっていた『メタルガルルモン』を手に入れるチャンスとなる。『S.H.Figuarts メタルガルルモン -Original Designer’s Edition-』は、『D-Arts メタルガルルモン』と比較すると、やや深みが増したメタリック調のカラーに。設定上の金属箇所にもメタリック塗装を施し、硬質な質感を再現。飛行ポーズを始めとするアクションも自由自在に楽しむことができる。セット内容は本体に加え、コキュートスブレス再現パーツ、飛行時羽パーツ、ミサイル、魂STAGE(別売)用ジョイントパーツ。商品価格は5,400円(税込)で、予約締切は後日商品ページにてアナウンス。商品の発送は、2015年7月を予定している。(C)本郷あきよし・東映アニメーション
2015年01月31日ボンサイラボは29日、ドイツ・ニュルンベルクで開催中のトイフェア「Spielwaren messe」にて、安全面に配慮し玩具市場にフォーカスした3Dプリンタ「BS TOY(ビーエス・トイ)」を発表した。販売開始は2015年末を予定。「BS TOY」は、筐体サイズが20cmのキューブ型、重さ約2kgという小型で安全面に配慮したデザインの小型3Dプリンタ。コンパクトな筐体ながらも、13cm(幅)×12.5cm(奥行)×10cm(高さ)という造形サイズを実現している。また、熱融解方式の3Dプリンタはフィラメント材料を200℃前後で融解させるのが一般的だが、同社のパートナー企業である米Polymakrが「BS TOY」向けに開発した、通常の半分以下の80℃という低温で造形できる新素材フィラメント「LT80」(Low Temperature)を使用することで、安全かつ仕上がりが軟らかで強度も高く、生物分解性で環境にも配慮され、米国FDA認可の原材料により子どもにも安全の造形物を作成することが可能となっている。ちなみに同社は、130℃で造形ができる「LT130」も参考出品しており、今後の商品化に向けて改良していくとしている。なお、現段階では無色のみだが、発売時にはカラーバリエーションも用意するとのことだ。このほかの「BS TOY」の仕様として、ノズル径が0.4mm標準(0.2mm~0.5mmの全4種類)、積層ピッチ0.1mm推奨。主要部品はすべて日本製を使用し、機械精度にもこだわった"ジャパン・クオリティ"だとしている。ちなみに「BS TOY」は「LT80」のほかに、通常のフィラメントも使用できる。なお、1月30日まで東京都・有明の東京ビッグサイトで開催中の「3D Printing 2015」会場内にある3Dプリンター振興協議会ブース内において、「TL80」ならびに「TL130」のデモを実施している。
2015年01月29日4月18日(土)に公開される『ドラゴンボールZ』の劇場版最新作『ドラゴンボールZ 復活の「F」』がIMAXデジタルシアターで3D上映されることが発表された。前作『DRAGON BALL Z 神と神』もIMAXシアターで上映されたが、本作は日本映画史上初となる3Dで上映される。その他の写真『ドラゴンボールZ…』は、鳥山明が原作だけでなく、脚本とキャラクターデザインを務め、悟空と仲間たちの前に立ちはだかる復活を遂げた最強最悪の敵フリーザとの戦いを描く。鳥山明自身が「すさまじい対戦」と太鼓判を押す本作が、IMAX3Dでどのような“神次元バトル”を見せてくれるのか期待が高まる。『ドラゴンボールZ復活の「F」』4月18日(土)公開
2015年01月28日チームラボは、3Dプリンタを利用してオリジナルのスマホケースを製作・購入可能なKDDIのWebサービス「3D PRINT LAB.」の制作を担当したことを発表した。利用料金は3,980円 (税抜・送料込、一律料金)。「3D PRINT LAB.」は、 Webブラウザ上でデザインしたスマホケースを高性能3Dプリンタで造形し、 約2週間で注文者が指定した住所へ届けるサービス。 同サービスの制作は、チームラボとDMM.comの「DMM.make 3Dプリント」が連携して行っており、チームラボはサービス企画や3Dエンジン設計、システム構築を担当。 スマホケースの造形は「DMM.make 3Dプリント」にて行い、ベースとなるスマホケースのデザインは、PRODUCT DESIGN CENTER代表/プロダクトデザイナーの鈴木啓太氏が手がけた。また、同サービスでは、好みのベースデザインやカラ―、 立体スタンプを選んで配置するシンプルな操作でデザインのカスタマイズを行うことができる。選択可能なのは、ベース(5種)、ケースカラー(5色)、立体スタンプ(約80種)。チームラボが開発した3Dエンジンによって、どの立体スタンプを選んでもスマホケースとの隙間も自動で埋められる仕様になっているため、3Dモデリングの知識や経験がないユーザーでも操作可能なものになっているという。そのほか、対応しているスマートフォンの機種は、Androidスマートフォン(isai VL LGV31、Xperia Z3 SOL26、Xperia Z1 SOL23、Xperia UL SOL22、Xperia VL SOL21、HTC J butterfly HTL23)、iPhone 6/iPhone5s/iPhone5/iPhone4S。デザイナー・吉岡徳仁氏が本体デザインを担当した「FirefoxOS Fx0」に関しても、2015年2月下旬より対応予定。なお、 同サービスはPCからのみ利用可能となっており、申し込みにあたってau IDが必要。推奨ブラウザはWindowsの場合、Internet Explorer Ver.11以降、Fire Fox Ver.24以降、Google Chrome Ver.31以降。Mac OSの場合、Safari Ver.6以降となっている。
2015年01月27日XYZプリンティングジャパンは26日、ABS/PLA両対応の2色出力3Dプリンタ「ダヴィンチ 2.0A Duo」を発表した。価格は税込89,800円。家電量販店やネットショップ、同社Webサイトなどで同日より発売する。「ダヴィンチ 2.0A Duo」は、対応素材にABS樹脂のほか、PLA(ポリ乳酸)樹脂にも対応した、2色出力の3Dプリンタ。PLAはABSより堅く、出力中の温度変化による変性が少ないという特徴がある。一方、ABS樹脂はPLAより表面処理や塗装が行いやすいという特徴があり、出力オブジェクトに応じて、素材を選択できるようになった。また、前モデル「ダヴィンチ 2.0 Duo」に続き、デュアルノズルを搭載。2色カラーでの出力に対応する。主な仕様は、印刷方式が熱溶解樹脂積層方式、印刷ヘッド数がデュアル、ヘッド直径が1.75mm、ノズル直径が0.4mm、積層ピッチが0.1/0.2/0.3/0.4mm、最大出力サイズが150×200×200mmなど。インタフェースはUSB 2.0。対応データフォーマットはSTL、XYZ Format(独自)。本体サイズはW468×H510×D558mm、重量は24.5kg。対応OSはWindows 7以降、OS X 10.8以降。なお、「ダヴィンチ 2.0A Duo」の発売にともない、前モデル「ダヴィンチ 2.0 Duo」の販売は終了するが、サポートは継続する。また、「ダヴィンチ 2.0 Duo」ユーザー向けにPLA樹脂対応のバージョンアップを、2月より22,800円(税込、往復送料込)で提供する予定。
2015年01月27日新しい年を迎え本連載も2年目に入りました。大田区3Dプリンタメーカ スマイルリンクの大林万利子です。年が改まり、当社でも3Dプリンタの出力物を飾りエントランスのディスプレイを刷新しました。ちょっとした小物を飾るだけでも雰囲気が変わります。無料の3Dデータがアップされているサイト(図1)もデータが日々充実してきていますので、試してみてはいかがでしょうか。○成人式に3Dボディースキャナ(人体スキャン)当社では人体の3Dデータが取れるボディースキャナの取扱い及びプリントサービス(図2)を始めました。先日の成人式の日に記念としてフルカラー3Dプリントしたのが図3です。これはハイエンドの3Dプリンタで造形したもので、石膏でできています。ターンテーブル上で1分間回ることで全身360度のデータを取ることができます。その後パソコン上でデータを重ね合わせるなどの処理をして、3Dプリンタで出力します。これからは写真だけでなく、フルカラーのフィギュアでカタチを残しておくのも楽しいかもしれません。○「積層ピッチ」と「造形時間」についてさて、今回は沢山のご質問を頂く「積層ピッチ」についてお話しします。パーソナル3Dプリンタの多くはFDM(積層溶解)方式を取っており、「ホットエンド(溶けたプラスチックの出口)の先端からソフトクリームを重ねるように」造形しています(詳細は第1回をご覧ください)。そこでよくお客様からお問合せを頂くのが「積層ピッチ」についてです。積層ピッチとはホットエンドが描く1層の大きさを言います(図4)。当社の3DプリンタDS1000の最少の積層ピッチは0.05mmです。積層ピッチはユーザー側で指定することができます(DS1000の場合0.05mmから0.35の間で設定が可能です)。○積層ピッチを小さくすると時間が・・・例えば私がDS1000の最少積層ピッチである「0.05mm」を指定して積層すると、1mm重ねるために20層重ねる計算になります(1÷0.05=20)。積層ピッチを「0.25」にした場合には、4層ですむことになり(1÷0.25=4)5倍速く造形できることになります(図5)。一般的に積層ピッチを細かくした方がきれいな造形ができますが、一方で造形時間は長くなるという欠点もでてきます(積層ピッチ以外の設定値を固定した場合。実際には吐出量、吐出スピード、中身の詰め具合等によっても造形時間は変化します)。実際に私が使う積層ピッチは殆ど0.1mmか0.25mmです。FDM方式のパーソナル3Dプリンタでは、積層ピッチの調整によって見栄えを改善することはできても、層の縞を完全にみえなくすることは難しいようです。積層方向を変更するなどみなさん造形時に工夫を重ねているようです。3Dプリンタにはデフォルトの値が設定されていますので、まずはそこからスタートして、いろいろ試してみることをお勧めします。今週の28日から東京ビッグサイトにて開催される3D Printing2015に当社もブース出展します。冒頭にご紹介したボディースキャナも体験頂けます。よろしければスマイルリンクブースにてお試しください。次回は3Dプリンタの現状について3D Printing2015の会場の様子を含めてレポートしたいと思います。お楽しみに。
2015年01月27日KDDI、沖縄セルラーは、3Dプリンタを利用したオリジナルスマートフォンケースの作成サービス「3D PRINT LAB.」を27日より提供する。サービス利用料は税別3,980円(送料込)。「3D PRINT LAB.」は、ウェブページ上で利用者がデザインしたスマートフォンケースを3Dプリンタで造形し、指定住所まで届けてくれるサービス。ケースデザインは、5種のベースデザイン、5種のカラー、約80種の立体スタンプを選んで配置し、最短約3分で作ることができる。対応機種はAndroidスマートフォンがisai VL LGV31、Xperia Z3 SOL26、Xperia Z1 SOL23、Xperia UL SOL22、Xperia VL SOL21、HTC J butterfly HTL21の6機種、iPhoneが、iPhone 6/iPhone 5s/iPhone 5/iPhone 4Sの4機種、ほか2月下旬からはFirefoxOS Fx0も対応する。利用にあたってはau IDが必要。パソコンからのみ申込みを受け付ける。パソコンの利用環境はWindowsがInternet Explorer Ver.11以降、Fire Fox Ver.24以降、Google Chrome Ver.31以降。MacがSafari Ver.6以降。決済はauかんたん決済(通信料金合算支払い、クレジット支払いに対応)で行う。納期は注文より2週間以内。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年01月26日KDDI、沖縄セルラーは3Dプリンタを活用してオリジナルのスマホケースの製作・購入ができるサービス「3D PRINT LAB.」を1月27日より提供開始すると発表した。同サービスは、Webページ上で自分でデザインしたスマホケースを、高性能3Dプリンタで造形し、指定した住所で受け取れるというもの。ベースデザイン(5種)、カラー(5色)、立体スタンプ(約80種)を選んで配置するだけで、オリジナルケースを作ることができる。なお、ケースの造形はDMM.comの「DMM.make 3Dプリントサービス連携・API」を利用するほか、ベースとなるスマホケースのデザインは、プロダクトデザイナー・鈴木啓太氏が手掛ける。また、WEB上で3Dデータ作成・デザインができる機能は、チームラボの3Dモデリングエンジンによって実現した。料金は一律3980円(税抜・送料込)で、納期は注文より2週間以内。決済方法はauかんたん決済(「通信料金合算支払い」「クレジット支払い」に対応)となる。
2015年01月26日XYZプリンティングジャパンは、パーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチ」シリーズの新モデルとして、2色出力、ABS樹脂、PLA樹脂に対応した「ダヴィンチ 2.0A Duo」の販売を開始した。販売店は、ダヴィンチシリーズを取り扱う家電量販店、ネットショップ、同社Webストアなど。価格は8万9,800円。「ダヴィンチ 2.0A Duo」は、ABS樹脂のほか、PLA(ポリ乳酸)樹脂フィラメントによる出力にも対応した2色出力の3Dプリンタ。PLA樹脂で出力したオブジェクトには、出力中の温度変化による変形が少ないという特徴がある。一方、既存のABS樹脂はPLA樹脂と比較して、表面処理や塗装の面で優れた面があるという。同機種では、出力するオブジェクトの特性に合わせて使用するフィラメントをABS樹脂かPLA樹脂かを選択できるため、例えばスマホケースなど薄いものには温度変化による収縮が少ないPLA樹脂を、模型などの出力後に塗装するものにはABS樹脂を使うといった選択が簡単に行えるということだ。PLA樹脂フィラメントのカートリッジは既存のABS樹脂のものと同型で、ユーザーはフィラメントを交換することで樹脂を変更できる。さらに、「ダヴィンチ 2.0A Duo」は2つの出力ノズルを搭載し、2色のフィラメントを同時に使った出力も可能。これにより、色のコントラストを表現したカラフルなデザインの作品や、最終的には切り取る部分の色を変えてより精巧で完成度に優れた作品づくりが可能となっている。また、従来モデルの「ダヴィンチ 1.0」もしくは「ダヴィンチ 2.0 Duo」のユーザーを対象に、PLA樹脂およびABS樹脂対応プリントヘッドへのバージョンアップサービス「PLA対応バージョンアップサービス」(有料)を、2月よりスタートするという。価格は、ダヴィンチ1.0のPLA対応バージョンアップサービス一式が1万9,800円、ダヴィンチ2.0のPLA対応バージョンアップサービス一式が2万2,800円(ともに往復の送料込、ただし、離島や一部地域は追加送料がかかる場合あり)となっている。なお、ダヴィンチ 2.0A Duoの本体サイズは468mm(幅)×510mm(高さ)×558mm(奥行)、重量は約24.5kg(本体のみ)。印刷方式はFFF/熱溶解フィラメント製法。プリントヘッドはデュアルヘッド(2色)で、ヘッド直径は1.75mm、ノズル直径は0.4mm。積層ピッチは0.1mm / 0.2mm / 0.3mm / 0.4mm。対応ファイルはSTL、XYZフォーマット。最大出力サイズは150mm(幅)×200mm(高さ)×200mm(奥行)。インタフェースはUSB 2.0。対応OSはWindows 7以降、OS X 10.8以降。
2015年01月26日Microchip Technologyは1月23日、3Dジェスチャ検出に機能を絞り込み、簡単にコンシューマおよび組み込み機器の設計に3Dジェスチャ認識機能を追加することができるコントローラ「MGC3030」を発表した。同製品は、無償で提供されているAUREAグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を利用すると、簡単に各種の設定を行うことができる。さらに、汎用ポート(Gesture Port)を利用すると、ホストMCUを使わずにジェスチャ検出機能を実装することが可能な他、同製品の32ビットDSPはリアルタイムでジェスチャ認識を高速処理し、外付けカメラもホストコントローラも使わずに自然な機器操作を実現できる。また、設計プロセスをより簡単にして市場投入までの期間を短縮するため、同製品では「GestIC」ファミリ開発ツールを最大限活用する。例えば、Colibri Gesture Suiteは、「MGC3030」が内蔵する使いやすいジェスチャ機能ソフトウェアライブラリで、人間の手の自然な動きを認識し、機器を直感的かつ快適に操作できる。例えば、機器に触れずにフリックやエアホイールといったジェスチャ、近接検出などでオーディオトラックの変更、ボリュームの調整、バックライトの点灯など、多くの操作を実行できる。このような全てのジェスチャをオンチップで処理できるため、少ない開発労力で魅力的なユーザーインタフェースを実装できる。この他、「GestIC」テクノロジによるプログラマブルな近接検出による自動復帰機能は約100uWの消費電力で動作できるため、消費電力が厳しく制限されるアプリケーションでもジェスチャセンシングを常時有効にできる。また、ユーザーの操作が検出されたらシステムをフルセンシングモードに切り換え、ユーザーがセンシング範囲から離れたら、低消費電力モードに戻すことで消費電力を大きく低減できる。これらの特徴と機能により、低コスト、低労力でジェスチャ検出機能を大量生産製品に組み込むことができるとしている。なお、パッケージは28ピンSSOP。
2015年01月24日ドスパラは、ドスパラは、スマートフォンをマウントし、ステレオペアで作成した3D画像や動画を鑑賞できるヘッドマウント型レンズ「DN-12690」を、同社運営の「上海問屋」で販売開始した。価格は1,599円。同製品は、スマートフォンをマウントし、ステレオペアで作成した画像や動画などを、「平行法」を用いて立体的に観賞可能にするヘッドマウント型レンズである。スマートフォンは、本体のフタ部分を開け、吸盤部分に取り付ける。装着可能なスマートフォンは、液晶ディスプレイが3.5インチ~5.6インチ、本体サイズが縦15×横8cmまでの機種(iPhone 6は装着可、iPhone 6 Plusは装着不可)。ケース部スリットから充電ケーブルやイヤホンなどを接続したままの動画再生もできる(スマートフォンの端子の位置によっては非対応)。また、レンズ幅(間隔)の調節が可能である。本体のサイズはW155×H90×D115mm、重量は135gとなっている。
2015年01月21日NTTデータエンジニアリングシステムズ(NDES)は1月21日、独EOS製の3Dプリンタの造形トレーニングプログラムの提供を2月1日より開始すると発表した。EOSの3Dプリンタはコンシューマー向けの3Dプリンタとは異なり、最終製品の量産も視野に入れたハイエンドな装置として開発されているため、造形物のデータ設計から造形までをトータルに含めた製造プロセスを確立する必要がある。NDESが提供を開始する造形トレーニングプログラムは、3Dプリンタを活用するための高度なトレーニングと、最終製品の量産を実現するためのアプリケーションコンサルティングまで、ハイエンド3Dプリンタの早期導入を実現するための総合的な内容となる。価格は68万円~で、オンサイトまたは同社のAMデザインラボによる講習で5名まで受講が可能だ。同プログラムの内容は以下の通り。基礎トレーニング内容: 装置の運用に必要な基礎知識と操作方法対象機種: EOS M、EOSINT P3 、EOSINT P7、FORMIGA受講日数: 5日3Dデータ設計手法トレーニング内容: 従来の工法とは異なる、3Dプリンタの利点を生かした設計をするための知識 (設計ルールの学習と造形限界の把握、高度な造形を実現するための留意点と手法、高度なサポート構造体の設計)対応機種: EOS M受講日数: 2日レーザー照射パラメータ設計トレーニング内容: 造形物の物性改良や材料開発に必要なパラーメータの活用法 (パラーメータについての学習、パラメータの編集方法、目的に応じたパラメータ調整に関する知識と検証方法)対応機種: EOS M受講日数: 2日アプリケーションコンサルティング内容: 金属積層造形技術を用いた最終製品の量産を実現するための総合支援サービス (実現可能性の検討、材料開発支援、製品開発支援、品質管理支援など)対応機種: EOS M
2015年01月21日○建築で対象となる3D点群の規模とその目的建築分野ではこうした建築物の3D点群データ化において、「設計」「工事中(施工)」「完成後の保守(補修工事)」「リフォーム」などの各作業段階において、それぞれ個別のメリットが存在します。撮影対象の規模としては、大きく複雑な建築物(所謂ゼネコンが請け負うような、高層ビルやプラント、橋やトンネルなど)に対して、3D点群スキャンの活用が行われることが多いです。その理由ですが、高精度で広範囲を3DスキャンできるLIDAR式スキャナーは、ゼネコンや重工業会社に土木系の測量会社など、この目的に沿った大企業でないとすぐには購入できないような高額な製品であることが普通だからです。そもそも、高精度な計測器とは、使用する人も少ないので、高額であるのが普通ですが(ちなみに筆者の前職の東陽テクニカは計測器の会社でした)。また、広範囲の3Dスキャンが活きるのは大きく複雑な建築物です。複雑な建築物ほど、設計通りのものを現場で作れているかを施工中になるべく小さなコストで確認していきたいので、3D点群データ取得して、デジタルに自動化していくことや、建築中の各途中段階で(例えば鉄骨のみの状態で)データとしてアーカイブしてゆくことが活きてきます。もちろん戸建てを建てる程度の施工でも、デジタル化して3D形状を保存することは当然メリットがありますが、戸建てを建てる程度の工事規模では、配管や、寸法のチェックなどは、人数さえかければ直接できますので、高価格のスキャナーが活きる規模ではないと言えます(注:今後、高精度もしくは中くらいの精度の広範囲3Dスキャンが低価格化してくると、規模が少ない(予算が多くない)工事でも、3D点群化の応用が伸びる可能性はあります。本連載の"第66回"で紹介したMatterportも、この低価格化を狙うものと言えます)。こうしたスキャナーで3D計測すれば、建築物の構造や寸法(各点のカラーも取れるので色合いも)をデジタルに保存することができるますので、設計図が3D CADで作成してある建築物であるものであれば、その設計図の3D CADデータとの(形状同士の)比較がそのままできます。画像での処理とは違い、点群は実スケールそのものでデータを取得できるので、なおさらこういった設計図と実際の建築物の比較が容易です。当然ながら部分的な寸法を測りたい場合も、その場で実物の長さや幅などの寸法を測るわけではなく、複雑な形をした対象でも、その形のままの形状をデジタル的にとらえていくことが可能です(この話はKinectなどの安価なデプスセンサーでも同様の話です)。点群データは対象のボリュームや形そのものを撮影できているので、丸いものでもそのままの形をデータ化して、その体積を計算することも可能です。また、撮影した3D点群をメッシュデータ化できるソフトウェアを活用すれば、スキャンしたデータから綺麗な3D CADデータを(半自動的もしくは自動的に)作成し、その3D化された街並みや環境の中を仮想的に探索することができますし、一方で、メッシュ化したデータを3Dプリンタで出力して模型の代わりに使用することもできます (注:綺麗な欠けの無いメッシュデータを点群から自動で作ることがいつもできるとは限りません。複雑な形状の場合は特にですが、3Dプリントするためにはメッシュ化して以降も手作業でプリントできる形状にまで編集する必要も発生します)。これらのソフトウェア的な処理による活用については、3Dスキャン技術の導入紹介が一通り済んで以降紹介していきます。林 昌希(はやし まさき)慶應義塾大学大学院 理工学研究科、博士課程。チームスポーツ映像解析プロジェクトにおいて、動画からの選手の姿勢の推定、およびその姿勢情報を用いた選手の行動認識の研究に取り組み中。(所属研究室が得意とする)コンピュータビジョン技術によって、人間の振る舞いや属性を機械学習・パターン認識により計算機で理解する「ヒューマンセンシング技術」全般に明るい。技術商社でエンジニアをしていたこともあり、海外のIT事情にも詳しい一方、デプスセンサ等で撮影した実世界の3D点群データの活用を推進するための「Point Cloud コンソーシアム」での活動など、3Dコンピュータビジョンのビジネスでの普及にも力を入れている。また、有料メルマガ「DERiVE メルマガ 別館」では、コンピュータビジョン・機械学習の初~中級者のエンジニア向けの、他人と大きな差がつく情報やアイデアを発信中(メルマガでは、わかりやすい理論や使いどころの解説込みの、OpenCVの初心者向け連載なども展開中)。翻訳書に「コンピュータビジョン アルゴリズムと応用 (3章前半担当)」。
2015年01月20日JSRは1月19日、3Dプリンタ用フィラメント材料「FABRIAL」シリーズの第1弾として、PLA系で強靭さを高めた「FABRIAL Pシリーズ」の販売を開始すると発表した。フィラメントとは熱溶解積層方式の3Dプリンタで使用する樹脂材料。熱溶解積層方式の3Dプリンタは工業用途から個人用まで幅広く展開されており、主にPLA系やABS系の材料が主に使われている。しかし、強度が低い、加工過程でフィラメントが折れて長時間安定的に成形できない、完成品がもろいといった課題ある。「FABRIAL Pシリーズ」は上記のような課題を克服し、実用製品に必要な強度の成形品を制作することができるという。なお、同製品は1月28日から東京ビッグサイトで開催される「3D Printing 2015」で紹介される予定となっている。
2015年01月19日ムトーエンジニアリングは、パーソナル3Dプリンタ「Value 3D MagiX シリーズ」に、新ヘッドを搭載した後継機「MF-1100」と、簡易3Dソフトを同梱した「MF-1150」を発売する。販売開始は1月19日。価格は「MF-1100」が22万円(税別)、「MF-1150」が23万円(税別)。このたび発表された「MF-1100」および「MF-1150」は、同社が開発・製造を手がけ昨年発売された個人向け3Dプリンタ「Value 3D MagiX MF-1000」の後継モデル。「MF-1000」の機能を継承しながら、高い熱容量を安定的に維持できるように開発された新しいヘッドを搭載し、造形スピードが1.2倍の高速化(同社比)を実現。これにより、樹脂マテリアル吐出を高精度にコントロールでき、樹脂の太さが安定し、バリや返しが出ない高精度な造形が可能になったという。加えて、筐体の剛性化を高めてX、Y、Z 軸のズレを最小限に軽減し、さらにマテリアル特性を勘案してヒーター付き成型テーブルを装備し、樹脂の急激な温度変化による収縮と反りを抑える仕組みが搭載されている。さらに、ヘッド部分にダブル冷却ファンを搭載し、造形物を適切な温度まで素早く冷却して樹脂を硬化させて、ブリッジやオーバーハングの厳しい形状を補助材なしで造形できる特長も継承しているということだ。また、これまでオプション販売されていたLEDライト(内部照明)が標準搭載され、付属のスライサーソフト「Slic3r 日本語版」がVer0.9.10bからVer1.0.0 にバージョンアップするなどの変更もなされている。なお、両モデルともに外形寸法は500mm(奥行)×550mm(幅)×530mm(高さ)、本体重量は17kg。最大造形サイズは最大200(奥行)×200(幅)×170(高さ)mm。造形方式は熱溶融積層(FDM)方式。積層レイヤーは100ミクロン、積層ピッチは0.1mm~0.5mm。同梱ソフトウェアは、制御ソフトウェア「Pronterface 日本語版」と、スライサーソフト「Slic3r 日本語版」で、ともに対応OSはWindows7、8、8.1。入力データはSTL。さらにフィラメント(PLA3mm白1Kg)や予備用ポリイミドテープ(4枚、1回分)などが付属し、「MF-1150」には簡易3Dソフトも付属する。消耗品の価格は、フィラメント(白/赤/黒/青/蛍光緑/蛍光オレンジ/透明/紫/グレー各1kg)が各5,000円、ポリイミドテーブルが6,000円、ヒーターヘッドは1万円(価格はいずれも税別)となっている。ちなみに同製品は1月28日~30日、東京ビックサイト(東6ホール)で開催される3Dプリンティングの技術展「3D Printing 2015」に展示される予定となっている。
2015年01月19日ダイキン工業は、複数階の建物全体の設備図を3Dで確認・編集できる3次元設備CAD「FILDER Cube」を1月30日より発売すると発表した。また、電気設備図の作成に特化した電気設備業者向けCAD「FILDER Cube 電気」も同日に発売する。「FILDER CUBE」は空調・給排水衛生・電気設備業者向け3D設備CAD。BIMに対応しており、鋼材や吊り金具、ボルトなどの部材も3Dで表現され、各階の配管同士の干渉箇所なども3Dで確認しながら変更することができる。3Dの設備図上で編集した内容は、平面図に即座に反映される。平面図においても、設備部品の形状や向きなど細部までリアリティを追求することで、図面の見誤りを防止する。また、CADで作成された建築図のPDFデータを読み込んで、直接作図・編集することが可能。リニューアル物件などで紙の図面しかない場合でも、スキャナーで取り込んでPDFデータ化し、CADに読み込ませることで編集可能な建築図として活用することができる。距離と角度を補正し、不要箇所は消しゴム機能で削除することができるため、建築図を一から作成することなく設備図の作成・編集が可能となった。このほかにも、積算見積もりソフト「PLANEST Bitz」「PLANEST ef」(コスモ・ソフト製)とデータ連動することで見積書作成にかかる時間を短縮するなど、業務効率向上のためにさまざまな工夫がなされている。価格は「FILDER Cube」が1ライセンスあたり145万8000円、「FILDER Cube 電気」が1ライセンスあたり97万2000円となる。
2015年01月15日FAROは1月8日、3Dハンディスキャナ「FARO Scanner Freestyle3D」を発表した。同製品は最長3mまでスキャンすることができ、1.5mm以上の高精度で1秒間に最大8万8千点をキャプチャすることが可能。独自の自動補正光学システムにより、ウォームアップ時間が不要で、ユーザーはすぐにスキャンを開始できるという。また、Microsoft Surfaceタブレットが付属しており、キャプチャした点群データをリアルタイムで確認することができる。同社は「FAROのお客様は、3Dレーザースキャナを使い続けていくポイントとして、作業フローの簡潔さ、携帯性、手頃な価格を重視しています。弊社は、このようなお客様の声に応えるべく、重量1kgにも満たない、使いやすい産業向けハンディレーザースキャナを開発しました」とコメントしている。
2015年01月08日