“美容”という道具には、もう振り回されない。「キレイな女」をやめて手に入れた幸せ
私がこんなに苦しい思いをしてまで手に入れたかったのはこんなものだったのか……。そう思うとすべてがバカらしくなった。そうして私は自分の意志で、「キレイな女」でいることをやめたのである。
体系維持のための極端な食事制限や運動、清楚でウケの良いファッションやメイク、その他「キレイな女」でいるために無理をしていたすべてのこと。
それらをやめて失ったものは、異性からの人気、知らない誰かからの褒め言葉、SNSでのフォロワー数やイイネの数だ。
私がキレイじゃなくなっても友達は変わらず仲良くしてくれたし、家族は当然の様に私を支えていてくれる。
私にとって、大切なのは後者だ。
私に本当に必要だったもの。
それは世間からの評価や承認ではなく、自分と向き合い本当に大切なものは何かを考えることだった。
しなければならないと思い続けていた美容を手放し、それに気付いたとき、私はやっと長年自分を苦しめていた「どうせ私は綺麗じゃない」「“キレイな女”でいなければいけない」というふたつの縛り付けから自分を解放することができた。高くなった鼻はいつの間にか丸くてぺちゃんこな団子鼻に戻っていた。