代表的なのが、偽陽性(ぎようせい)の問題です。 偽陽性とは、「病気でない人が検査で異常と診断される確率」で、健康診断や人間ドックでは、この偽陽性が一般の方が思うよりずっと多いのです。
例として、「1万人にひとりがかかるガンの検査」を受けるとします。 この検査の信頼性(病気をただしく陽性と判断する確率)は99%と言われました。
あなたが検査で「異常あり」だった場合、ガンである確率はどのくらいでしょうか?実は、たったの0.98%しかありません。
前回のコラム「医師が教える、乳がん検診のデメリット」でも乳がん検診の偽陽性について書きましたが、「要精密検査」「要再検査」と言われたら不安になる人が多いのではないでしょうか。
多い方が安心だからと、やたらと検査を追加するのは、もしかすると余計な不安を抱えることになるかもしれません。
■腫瘍マーカーによるガンの早期発見は難しいことも
よくオプションで追加される検査に、血液を使って調べる「腫瘍マーカー」があります。
もともと腫瘍マーカーは癌の診断や、治療の有効性を知るための検査として使われていました。
病院では患者さんの症状や診察の所見から、「この人はガンの可能性が高い」