花椒の茂みはバラのような棘を持ち、その葉はレモンのような香りを漂わせていました。私に残された仕事は、他のすべての要素も織り込んで、新しい庭をつくることだけでした。フレグランス《李氏の庭》より
出典:http://www.maisonhermes.jp/feature/8757/
恍惚としてしまう。この紹介文を初めて読んだとき、子どもの頃にどこかで嗅いだ、池に浮かぶ蓮の葉の湿った匂いを思い出した。いてもたってもいられなくなってそのままオンラインショップで注文し、届いた「李氏の庭」を手首につけてみると、果たして想像していた香りとそれはほぼ同じだった。
なんだか感激してしまって、それからはときどき「李氏の庭」を枕に吹きかけて寝ている(真っ暗な森の中、池の上で眠っている気分になってたまにうなされるので、寝香水として使うのは個人的にはあんまりおすすめしない)。
■ジッキー、忘れられない女性の香り
前述した「庭園シリーズ」を始め、背景にあるストーリーがユニークだと、香りにまで惚れてしまうことが多い。
私の母はゲランのアクアアレゴリアというシリーズの香水をよくつけていたので、子どもの頃、小学校から帰ってきてリビングに誰もいないと、その香りを頼りに母を探した。