最初にお店で嗅いだとき、たしかにシェービングクリームの焦げたような匂いがして、その再現性の高さに思わず笑ってしまった。けれど、インパクトのあるトップノートから時間が経つに連れライムやラベンダー、バニラの甘い香りが仄かに漂ってきて、個人的にすごく好みの香水だった。
それから、ETAT LIBRE D’ORANGE(エタ リーブル ド オランジェ)というフランスのメゾンには、「アイアムトラッシュ(ゴミの花)」というものすごい名前の香水がある。直訳すると、「私はゴミ」。このメゾンを扱っている香水ショップで初めてその名前を聞いたときはギョッとしたけれど、聞けば、香料の残滓、つまり本来ならば捨ててしまう部分を使って作り上げられた香りだと知って素敵に思った。柑橘系の爽やかな印象の香りで、「ゴミ」なのに、人を選ばないいわゆる“いい香り”なのも面白い。
私が日頃いちばん頻繁につけている香りは、サンタ・マリア・ノヴェッラというイタリアのブランドの「Eva(エバ)」。
「アダムとイブ」のイブ(Eva)に由来しているというストーリーも、「女性の名を持つ男性用」というユニセックスなコンセプトも気に入っている。