日常的につけている香水なので、たまに友人と一緒に歩いていて「あ、いまシホの匂いした」と言われることがあって、(図々しいとは思うけれど)それがとても嬉しい。
サンタ・マリア・ノヴェッラの「Eva」
■こんなステージまだあったのかよ、早く言ってよ
最近そんな話ばかり人にしている。
年末、仲のいい友人と向かい合って肉を食べながら香水の話をしていたら、「そんな楽しそうな顔久々に見た」と呆れたように言われた。ちょっと照れて笑ってしまったけれど、たしかに、すごく楽しそうな顔をしていたと自分でも思う。
新しいものを好きになると、嬉しい。
生活って、歳を重ねてゆくにつれてもうこれ以上フィールドを拡張できないRPGみたいに感じてしまうことがあるけれど、本当はそんなこと全然ない、と思う。「こんなステージまだあったのかよ、早く言ってよ」みたいな展開が急に訪れると、怖い半面、やっぱりワクワクする。
香水は、稀に「いい匂いですね」って言ってもらえるけれど、人に気づかれないことのほうが圧倒的に多い。
でもその分、自分のためだけにつけている、というえも言われぬ高揚感がある。
こういう、自分のためだけの喜びみたいなものを少しずつかき集めては増やしながら、ままならないことも多い世間をどうにかこうにか渡ってゆきたい。