ステロイドの効果と正しい使い方。皮膚科医が解説します
問題となるのは「長期」で使われる場合です。
■ステロイドを局所的に使うときは心配ない
まず、「局所」で使われる場合。かゆみなど問題があるときに、ところどころ局所的に使う場合、問題となることはほとんどなく、安心して大丈夫です。
しかし、同じ場所に長期間使う場合は、皮膚が薄くなったり(皮膚萎縮)、その部位だけ毛が濃くなったり、細かな血管が目立つ(毛細血管拡張)こともあります。
このようなシチュエーションでは、必要な期間は必要な量だけしっかりと使い、ステロイドで炎症を抑え、症状が和らいだらステロイドから違う作用のものへの切り替えを考えることが大切です。ステロイドを無闇にダラダラと使うのは避けてください。
次に「全身」に作用するものの場合。このタイプのお薬が長期で必要となるのは、成人女性でかかる方もいる膠原病や(※)や、腎臓などの自分の臓器がうまく働かずに、移植が必要となった方が拒絶反応を防ぐため、免疫の働きを抑える必要があるときなど、基本的には一般的なケースではありません。
※自分の体を異物として間違って捉え、攻撃してしまう自己免疫疾患と呼ばれる病気
予想される副作用としては、不眠や筋肉の萎縮や感染症にかかりやすい状態、その他、骨がもろくなる骨粗鬆症などが挙げられます。