性交渉の経験がある人は注意。“無症状の性感染症”が引き起こす「不妊症のリスク」
■見えない菌まで調べられるようになり、注視され始めた性感染症も
先ほど紹介した遺伝子検査が登場するまでは、患者さんから採取した検体から菌を取り出し、菌を培養することで増やしていき、それを顕微鏡で見るという方法で検査していました。2000年より前は、培養しても増やすことができない、あるいは顕微鏡でも見えない菌は実証できないため、存在しないのではないかと思われることもありました。
それが分子生物学という菌の遺伝情報を解析して、菌を特定する方法が生まれたことで、この分野でも革命的なことが起きたのです。つまり見えないものが調べられるようになったのです。
そこから調べられるようになったのが、マイコプラズマ(※)やウレアプラズマといった性感染症です。これらは、骨盤内腹膜炎や周産期感染症の原因微生物としても注目を集めています。そして、クラミジア感染症や淋病につづき感染率が高いと言われています。
※マイコプラズマ肺炎の原因菌とは異なる
◇「ウレアプラズマ」
ウレアプラズマの感染経路は、主にオーラルセックスやディープキスを含む性交渉です。
性器の痛みやかゆみ、おりもの異常、のどの痛みや違和感などの症状が出る場合もありますが、自覚症状はあまりないケースが多いとされます。