認知症薬「アデュカヌマブ」既存薬との“画期的な”違い
だが、新薬『アデュカヌマブ』のメカニズムは全く異なる。
「脳内のアミロイドβを増やさない、そして脳内にたまったアミロイドβの量を減少させるという働きが報告されています。アルツハイマー型の進行に関わる物質を減らす効果が見込めるため、“初の根治薬”といえるでしょう」(新井さん・以下同)
バイオジェン社の臨床開発責任者の発表によると、“アデュカヌマブを78週間投与された認知症患者は、未投与の患者よりも症状の進行が23%抑えられた”とのこと。
「『軽度認知障害』の段階で同薬を使用すれば、理論上は、認知症の進行を阻止できるのです」
これまで開発不可能とされてきた認知症の進行を止める薬--。気になるのはいつ日本で承認されるかということ。
「承認を急ぐファーストドラッグとして審査されれば、通常2~3カ月で承認されます。そうなれば、日本でも承認に向けて申請をすることとなるでしょう。スムーズに事が進めば、’21年中にも承認されると思います」
米国で年内に承認を受けることができれば、約1年以内に日本でも「アデュカヌマブ」が承認される可能性があるのだ。
“夢の新薬”は、認知症患者へ福音をもたらすのか。FDAの判断を注視したい。
「女性自身」2020年7月28日・8月4日合併号 掲載