「周囲に黙って生活を…」体調悪いのに受診しない人が増加中
と警鐘を鳴らすのは、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号に派遣された医師の一人で、感染症が専門の「のぞみクリニック」筋野恵介院長だ。
「実際の臨床現場では、働いてる世代の受診の遅れが目立ちます。去年は、熱が出たり体調が悪ければ、その日のうちに受診するケースが多かったですが、今年に入ってから、4~7日経ってから受診される患者が増えています。『風邪だと思って仕事をしていた』というケースがほとんどです」
自身のクリニックでPCR検査も行っている筋野院長のもとを訪れた人の中には、実際に次のようなケースがあったという。
【 ケース(1)】30代後半の男性の場合
「微熱があり、かかりつけの病院をすでに受診していて『コロナの疑いがある』ということでPCR検査を勧められていたそうです。しかし、その病院ではPCR検査を行っていなかったため、その日と翌日は普通に出勤して仕事をして、翌日の仕事後に当院に検査に来ました。結果は陽性でした」(筋野院長)
【 ケース(2)】40代の男性の場合
「症状が咳だけなのでずっと普通に仕事に行っていたそうです。しかし、1週間経っても咳が治まらず、『ちょっとおかしい』と思って当院を受診されました。