2021年9月30日 11:00
供給遅れの懸念も…「インフル予防接種は11月中に」医師が警鐘
しかし昨季の激減ぶりや、いまなおコロナ禍が続いていることを考えると、今年の冬も国内でインフルエンザが猛威をふるう可能性は低いようにも思える。日本ワクチン学会の理事で、長崎大学の森内浩幸教授は次のように語る。
「昨シーズンは流行の規模が小さく、感染者数も少なかったことで、インフルエンザに対する集団免疫が落ちていることも考えられます。そのため、今シーズンは再び流行するという見方もあるのです。例年、夏から秋にかけて流行している、乳幼児にとっては新型コロナよりも危険なRSウイルスによる呼吸器の感染症は、インフルエンザ同様’20年はほとんど起こりませんでした。ところが今年は、RSウイルス感染症が夏前からコロナ禍前のシーズンの2~3倍の勢いで流行を起こしています。要因としては、RSウイルスに免疫を持つ人が減っていたことが挙げられます」
インフルエンザの流行が例年どおりだとすると、12月から患者数が増えはじめ、1~3月ごろにピークを迎える。そこで心配なのは新型コロナの第6波と重なることだ。
森内先生が語る。
「冬になると温度、湿度ともにコロナウイルスにとっては有利な状況になります。第6波の到来は確実にあるものと思っておいたほうがいいでしょう」