睡眠時無呼吸症候群が花粉症や頻尿での受診から判明することもある【医師解説】
一方、ナステントは最初からチューブを入れておいて舌根が喉の奥にぶつからないようにするというのが基本的な考えで、空気の通り道がそこで確保されます。
私がナステントを処方しているのは、普段CPAPを使っている方が海外旅行で長時間飛行機に乗るような場合が多いです。現在、JALやANAの機内ではCPAPを使うことができるとアナウンスされていますが、状況によっては機内でのCPAP使用が難しいこともあるため、そのような場合にナステントを使って寝るようにしてもらっています。
私自身も睡眠時無呼吸症候群でCPAPを3台所有しており、普段寝るときにはCPAPを使っていますが、海外旅行に行く飛行機の中では、機内食が出た後にナステントを鼻に挿して寝るようにしています。
ナステントは一時期販売を見合わせていましたが、販売再開にあたって提供方法が変更となり、現在は医療機関で医師の指示書を入手していただいて購入することになっています。医療機器として登録されている製品ですから、私も本来はそういった形のほうが適切であると思います。患者さんの判断だけでナステントを購入して使い続けていると心配な面もあります。
患者さんとしてはいびきが減るのでナステントだけを使っていても満足されるかもしれませんが、仮に80だったAHIが半減して40になっていたとしても、AHIが40というのは依然として重症の状態であり、何ら治療をしていないのと変わりません。