【お医者さんに聞いてみよう!】Q:夫の父親が昨年夏に心臓のけいれんを起こして入院。遺伝の有無と予防策について教えてください。
質問:夫の父親が昨年夏に心臓のけいれんを起こして入院。遺伝の有無と予防策について教えてください。
夫の父親に心疾患の持病があり、昨年夏に心臓のけいれんを起こして入院し、今はペースメーカーをつけて生活しています。
現在、夫は健康体で、年一回の健康診断でも心電図に異常があったことはありません。しかし、夫の父親が患った病気が遺伝するのではないかと、とても心配しております。
遺伝の有無と予防策について教えてください。
島根県:トマトマさん(38)
回答:心臓のけいれんの遺伝と予防策についてお答えします。
――「心房細動」について
義理のお父さまが昨年心臓のけいれんを起こされ、現在ペースメーカーをお使いになっているということですね。
心臓のけいれんは一般に、心房細動に関して使われることの多い表現ですので、ここからは「心房細動」といい換えてお話ししたいと思います。
心房細動は、心臓にある心房と呼ばれる部分がまるでけいれんのように細かく不規則に震える病気です。高齢者に多いことから、心房の筋肉の老化が原因の一つとして考えられています。心房筋に異常があると、そこから本来はないはずの電気活動が発生したり、異常な電気が伝わる回路ができてしまったりします。左心房の中にある肺静脈の周囲からは特に強い電気が発生しやすいことが知られていて、その部分から出た電気が心房の中に異常な電気の流れを起こして、1分間に300~500回にも及ぶ細かい不規則な震えを発生させると考えられています。