病気を持って生まれた娘。「あなたがこれだけがんばったんだよ」と伝えたくて、私は漫画を描いている
娘は赤ちゃんのときから、力強く手術を乗り越えてくれているので、「私よりもあなたのほうがすごいんだよ」と伝えたい。「あなたがどれだけがんばったか、もう忘れてしまっているかもしれないけど、こんなにすごいことをしてきたんだよ」という記録を残しておきたかったんです。
今は小学生ですが、私が漫画を描いていることや、自分のことが描かれているということはなんとなくはわかっているみたいです。今後、大きくなってから見てもらえればいいかなと思っています。そのときに、私たち夫婦がどういうふうに思って治療を見守ってきたのかというのが伝わればいいなと思ってます。
ー2人目のお子さんの育児はどうでしたか?
【じぇにこさん】
次女の育児は新鮮なことばかりでした。彼女が生まれてきてくれたことで、私も本来の自分を取り戻せた部分もあります。次女がいることで、ゆっくりとした赤ちゃん時代を過ごすことができましたし、ミルク育児も母乳育児も経験させてもらい、二人そろって眠ってくれる姿を見守る瞬間が、今は一番幸せな気持ちになります。
あなたの気持ちはわかってあげられないけど、あなたは宝物
ー妊娠中に口唇口蓋裂と診断されて、今もやもやと悩んでいるママに伝えたいことなどありますでしょうか?
【じぇにこさん】
戸惑う気持ちから原因を探ったりいろいろと調べたり、ご自身を責める気持ちやお腹の赤ちゃんの将来に不安を持たれる人も多いと思います。ですが、口唇口蓋裂を発生する原因はハッキリわかっていないと現状では言われています。同じ口唇口蓋裂でも今まで私が見聞きしてきた症状も軽度から重度と程度も異なり、治療の進め方も一人ひとり違う事が多かったです。
なので、他の人のケースはあくまで参考としてとどめ、誰かと比べるのではなく目の前の我が子の治療をひとつひとつ乗り越えるしかないと感じています。まずはお腹の中の赤ちゃんの成長を見守りつつ、生まれてくるその子に向き合いながら、治療を一緒に乗り越えようという気持ちで迎え入れてあげてほしいです。
ー今、娘さんのことで不安に思っていることなどはありますか?
医療関係の方からは「口唇口蓋裂は治る病気」と言われていますが、当事者本人からすると「治る」という感覚とは少し違うようです。