第3回 “人ごとじゃない子どもの虐待。自分の子どもへの対応は?”
この世から児童虐待がなくなるように、との願いから「#こどものいのちはこどものもの」というチームを組み、さまざまな活動をしているイラストエッセイストの犬山紙子さん。児童相談所で長年子どもの問題を扱ってきた元児童心理司で、『告発児童相談所が子供を殺す』などの著書もあるカウンセラーの山脇由貴子先生。
児童虐待の根絶に向けた活動を続けているお二人に、“#わたしたちでもできること”というテーマで対談していただきました。
※お二人の対談を3回に分けてお送りします。
子どもの泣き声が大きすぎて
もしも自分が通報されてしまったら……
犬山:これまでの話とは逆なんですけど……イヤイヤ期で、毎日ギャン泣きするような子どもがいるお母さんの中には、自分が通報されやしないかとビクビクしている人も多いと思うんですよ。でも、もし通報されて、ちょっと様子を見に来られたとしても、別に堂々としていればいいんですよね。
山脇:そうそう。
通報されたくないからって、タオルで子どもの口を押さえちゃったりするお母さんも本当にいますけど。堂々としていればいいんです。そのあたりは、児童相談所の職員も慣れているので。「近所から通報があったので訪問しました。心当たりがありますか?」って聞かれたら「うちだと思います。いつか通報されるんじゃないかと思っていました。泣き声が大きくて困っているんです」と言って、子どもを見せればいいだけのこと。けっこういますよ、そういうお母さん。
犬山:変に怖がりすぎないことですね。とはいえ、子どもがギャン泣きしているとき「うわ~、隣の家、どう思っているのかなぁ」っていうのは、頭をよぎりますよね。今日もうちの子の通う保育園のクラスメイトの女の子が、イヤイヤ期がすごすぎて、下着姿で登園してきたんですよ。お母さんも「どうしても着せられなかったんです」と言っていて。実際、保育園でも30分くらい着せられなかったみたい(笑)。それくらい大変な子は大変ですもんね。
山脇:あと、中には近隣の人が、子どもの泣き声がうるさいから、児童相談所に通報して「なんとかしてくれ!」っていうケースもある。児童相談所が来ること自体は全然気にする必要はないです。
「たぶん、またあると思います」くらいの対応で平気だと思います。
犬山:あー、よかったー。心がラクになった~(笑)。
山脇:児童相談所って通報するだけじゃなくて、もちろん相談することもできるんです。