[前編]自分の中でやりきった感があったので、今は子どもが主役の人生を純粋に楽しめる。
予想していなかった妊娠にビックリ
43歳の超高齢出産の思い出
女優という仕事に邁進していた水野美紀さんが、俳優でイラストレーターの唐橋充さんと出会い、交際3ヵ月で電撃結婚したのは42歳のとき。翌年、43歳での高齢出産を経て、現在はもうすぐ2歳になるお子さんの子育ての真っ最中である。
「結婚したときは、年齢的にも子どもができるとは思っていなかったので、まず妊娠できたことにビックリ。でも、分かったときは、すごく嬉しくって。高齢出産になるので、後から不安もいろいろ出てきたんですけど、病院では『最近は40代で産むのもふつうだから』とあっさり言われて拍子抜けしました。羊水検査とかも、ちょっと頭をよぎったけれど、結局せずに。ただ、体重管理だけは最後まで厳しく言われましたねぇ」
妊娠中に体重が増えすぎると、母体にも赤ちゃんにもトラブルが起こるリスクが高くなる。
特に、おなかが大きくなって活動量が減り、ぐっと太りやすくなる妊娠後期は要注意だ。
「私は食べづわりだったので、最初の3~4ヵ月で一気に体重が増えちゃって。そこからはずーっと節制、節制の日々でした。妊娠後期はもう水を飲むだけで太っていくという感じだったんですが、水泳を始めたら体重増加がピタッと止まったんです。それで、後半はずっと週3でプールに行って、クロールでガンガンに泳いで、たくさん散歩して、食事は家で自炊していました。
妊娠中、一番不安だったのは、母乳がちゃんと出るかどうか。母乳で育てると、赤ちゃんに免疫がつくというし、母乳がスムーズに出るための情報をいろいろ調べて。カレンデュラオイルを塗って、マッサージしたりしていましたね」
今はさまざまな出産方法を選ぶことができる時代。
水野さんの病院にも、水中出産など多くのバースプランがあり、水野さんは和室での出産を選択した。
「高齢だし、周囲には無痛分娩をすすめられたんですけど、たまたま私が行った近所の産婦人科では無痛を扱っていなかったんです。和室出産を選んだ理由は、分娩台で仰向けになって足を固定されるよりも、陣痛がきたときに、和室のふとんの上で好きな体勢をとれたほうが楽なんじゃないかと思ったから。
実際、和室での出産はすごくよかったです。最終的に陣痛が少しでも楽に感じられると気づいたのが四つん這いの姿勢だったので。和室の天井からは幅の広い長い布が輪になってぶら下がっていて、つらいときはその紐につかまって体重をかけると、痛みを逃がすことができました。