連載記事:パパママの本音調査
「男性の育休義務化」半数が戸惑い。夫がいても妻の負担が増えるだけの声も【パパママの本音調査】 Vol.348
■男性の育児休業、どう変わればいい?
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それでは、男性の育児休業については、現在の状況からどのように変わればいいのか、コメントをもとに考えてみましょう。
<その1、父親としての自覚を持ってほしい>
●妻の気持ちを受け止め、寄り添ってほしい。女性の自分の時間がないほどの大変さを感じて欲しい
●子どもにとっても父親の存在は大きい。子どもを愛おしいと思ってほしい
●男性には、「父親」として自覚を持ってほしい
<その2、育休よりも継続的に休める制度へ>
●出産前後に1週間、健診や予防接種で14日分など休める日を作って欲しい
●子どもの風邪や病気で使える看護休暇が欲しい
<その3、会社や環境が変わる必要あり>
●会社が育休を取りやすい雰囲気に。
現在、暗黙で「取ってはいけない」空気、復帰後の冷たい態度、嫌がらせがある
●給料や立場が悪くなる状態ではなく、取得した方がより良い方向になる仕組みにしてほしい
<その4、夫婦それぞれが役割を果たす>
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●夫婦でしたいこと、夫に期待するフォローをきちんと話し合わないと、男性にとってはただの連休になる可能性がある
●性別関係なく得手不得手がある。女性が家事育児というレッテルを貼らないとうまくいくのでは
<その5、上司が育休を後押しする>
●自分は育児休暇が取れなかった。だから部下が申し出たときに承認欄には印鑑を押す
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ここまで、男性の育児休業義務化について、さまざまな意見を見てきました。そもそもこの記事でも「男性の」育児休業という言い方をすること自体に、男女差があることをあらためて実感させられたような気がします。こうした議論をしなければならないこと事態にも、改善の必要性があるように思えます。
女性の就業状態や、実家や義実家の協力度合い、子どもの人数や住んでいる地域など、さまざまな要因から、夫の育児休業取得の賛否は、家庭ごとで異なるでしょう。
またコメントからもわかるとおり
義務化しただけで何もかもが解決する問題ではないように思えます。男性側がただの連休となってしまわないようにするためには、意識改革も必要になるでしょう。
そのためには男性の家事育児能力の向上のための教室などが必要かもしれませんし、妻としても、どうすれば夫が育児参加をしやすくなるのか十分にコミュニケーションをとる必要があると思います。とくに育児で主導権を握りがちな妻が夫にダメ出しばかりしてしまうと、
育児へのモチベーションも下がってしまうかも。
さらに育児休業中の給付金、
パタハラ(パタニティ・ハラスメント/男性の育児休業制度などを利用で 上司・同僚がいやがらせをすること)が起こらない組織づくり、女性の収入面向上など、問題は山積みのように思えます。
でも夫婦でお互いにできることとできないことを再確認して、補い合うことができれば、この先も同じ方向に協力しながら歩いていけるように思えます。子どもたちの大切な一瞬しかない幼い時期を、できれば夫婦どちらかが1人で抱え込み過ぎず、夫婦でいっしょに乗り越えていけるといいですね。
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