家族みんながハッピーに過ごせる「リビング快適術」
子育てファミリーのリビングでありがちな「なんだかくつろげない」「片づけに時間がかかる」「キッズスペースのおもちゃが溢れる」といったお悩み。
今回は、建築士で整理収納アドバイザーでもあるすはらひろこさんに、「小さい子がいるおうちのリビングを快適にする方法」を教えてもらいました。
読者の皆さんの工夫も紹介します!
イラスト/柴田ケイコ
目指すべき理想はどんなリビング?
今はSNSで「まるで、子どもがいないかのようにスッキリ整ったリビング」を公開しているママがたくさんいます。
そうした人のノウハウを参考にするのは悪いことではありませんが、わが家と比べて「こんなにキレイにできない」と落ち込む必要はありません。
もともと片づけが苦手な人が、そのレベルを目指そうとすると、苦行になってしまいます。片づけに追われる生活は楽しくないですよね。
「リビングをもっと快適にしたい」と思ったとき、もっとも大切にしたいのはSNS映えではなく、「家族みんなが伸び伸びできて、居心地が良いこと」。
そのためには、パパも一緒に、まず「どんなリビングにしたいか、どんなふうにリビングで過ごしたいか」、わが家の理想のリビングについて話し合ってみましょう。
子どもが中学生くらいになれば、大人優先のインテリアにできますが、それまでは子どもも含め「ファミリーとしてどう過ごすか」という視点が重要です。
お話を聞いたのは
片づくおうちプランナー すはらひろこさん
株式会社アビタ・クエスト代表取締役。一級建築士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー。All About収納ガイド。インターネットやテレビ、セミナーなどを通じて片付け術を広く伝えている。著書に『片づけ・収納・掃除・洗濯の教科書』他多数。
大人がくつろげるリビングのポイントは「収納」にあり!
片付けの目標は3分! だから収納は3歩以内に
人は散らかっている場所では、ゆったりできないもの。「簡単に片付くリビング」にすることが、くつろげるリビングへの近道です。
片づけの目標時間は3分。毎回3分以内で原状復帰できれば、ママも疲れませんよね。
「3分なんてムリ!」という場合は、収納を見直してみましょう。物の定位置が決まっていなかったり、決まっていても使う場所から遠かったりすると片づけに時間がかかります。
家族も自分で戻してくれず、つい出しっぱなしに…ということも起こりがちです。物の定位置は「使う場所から3歩以内」にするのがポイント。
掃除道具もすぐ手に取れる場所にしまっておくといいですね。
とは言っても、一般的なマンションや建売住宅の間取りは、リビングの収納が不足することが多いようです。
リビングに置くべきものを洗い出し、収納の容量と比べて収納が不足していれば買い足しを検討して。
必要な収納スペースを確保したら、物をそれ以上増やさないように気を付けましょう。
収納がギュウギュウになると物を戻しにくくなるので、常にゆとりがある状態を目指しましょう。
【読者のうちのPoint】
リビング収納の工夫
● 家具を少なくし、引き出しは全てラベリングしています。(なまけものこ)
● 引き出し付きのダイニングテーブルにして、頻繁に使う小物はここに。リモコン、ペン、印鑑、爪切り、塗り薬、ハンドクリームなど、さっと出せて便利です。(ぽんぽこぽん)
● ノートパソコン、保護者会役員の資料、DM、読みかけの本、製作途中のドールハウスなど、一時保管用にワゴンを買ったらスッキリ!(ままち)
【読者のうちのPoint】
ママ&パパのくつろぎタイム
● インテリアはすべて夫の好みで統一。家にいる時間が少ない分、家では気持ち良く過ごしてもらいたいです。
● リビングのカウンター下に収納場所を作り、夫のCD入れにして、夜、自由に聞けるようにしています。(ももなし)
● お父さんのコレクションシェルフを設置しました! これを話題に子どもたちとも話ができるようです。(ニンニン)
リビングに置いている家具、本当に必要?
リビングを窮屈に感じるなら、当たり前のように置いている家具を「これって本当に必要?」と疑ってみましょう。
場所を取っている固定ソファを座椅子やクッションに替えたり、ダイニングテーブルをローテーブルに替えたりすると、空間が広く感じられますよ。
通称「人をダメにするソファ」を置いています。(める)
キッズスペースのルールは「子どもの目線」で考える
子どもの発達に合った使いやすい収納を
かつては子ども部屋におもちゃや絵本を置く人が多かったのですが、今はリビングの一部をキッズスペースにする家庭が増えています。
リビング学習が広まり、その前段階としてリビング中心の生活にしている人も多いようです。
キッズスペースはなんとなく作るのではなく、「ここがあなたの場所」と明確に分かるようにすることがポイント。ラグやマットを敷くと、子どもでも分かりやすいですね。
おもちゃの収納は、子どもの発達に合わせて「自分で出せる&しまえる方法」に。
園の収納方法をまねするのもおすすめです。幼児期は、その子が扱いやすい大きさ・重さの収納ボックスを。
場所を移動して使うものはキャスター付きボックスに入れると便利です。
中身が見えない収納ボックスにはラベルを付けたり、工作やブロックの制作途中で一時保管したいときの置き場所なども決めておくといいですね。
「おもちゃが溢れて困る」という場合は、「収納に入る量だけにする(=溢れた分は処分)」というルールにしてみて。
新しいおもちゃをほしがったら、「あの中に入るかな?」と子どもに考えてもらいましょう。
自分のおもちゃを自分で管理させることは、しつけの一環にもなります。
絵本も自分で出し入れ、飾る作品は親子で相談を
絵本も「自分で出せる&しまえる方法」で。表紙が見えると選びやすいでしょう。
棚に入れるときはピッタリ詰めず、余裕を持たせた方が出し入れがラクです。
子どもの作品は、展示エリアを決め、その範囲内に収めて。
新しい作品は飾るかどうかを子どもと相談を。
最新作にこだわらず、お気に入りを飾ってあげたり、リビングではなく廊下などに飾ってもいいですね。
キッズスペースの片づけは時間を決める
キッズスペースは子どもが自由に伸び伸び遊べることを最優先に。
そのエリア内なら、どれだけおもちゃや絵本を出しても許してあげましょう。
いつもキレイにしておく必要はなく、「パパが帰ってくる前」「寝る前」など1日に1回、時間を決めてきちんと片づければOKです。
【読者のうちのPoint】
おもちゃの収納
● 子どもが片づけやすいように、おもちゃの収納ケースにそれぞれラベリングしました。(すみたいママ)
● リビングの隅にキッズスペースを作り、なるべくそこで遊ぶようにしています。おもちゃは箱にしまうなどして散らからないように。(ゆずいち)
● おもちゃの場所を一カ所に決めて箱を置き、子どもが片づけやすいように。ソファで隠れる高さと位置に配置し、リビングに入った瞬間はおもちゃが目に入らないようにしています。(かわだ)
● ジャンルごとに収納箱があるので、子どももポイポイ収納でお片付けしてくれます。また棚の高さが低いので子どもでも見やすいです。(Tママ)
【読者のうちのPoint】
本の収納
● 寝る前に読む習慣があるので、読みたい本を自分で出して片づけもできるように動線を考えて、リビングと寝室の近くに置いています。(まろ)
● おもちゃと本の棚が一体化している収納があり、自分で本を取ってこれます。(ここねこ)
【読者のうちのPoint】
作品展示スペース
● 子どもの作品スペースはリビングに設置してパパと共有してます! ここに飾れる分だけで、増えたら古いものはファイルにしまっています。(アップルパイ)
● 額に飾ると大変だし、そのまま壁に貼ると作品が傷んでしまうので、学校用の作品掲示ケースを購入。絵をスポッと上からポケットに入れるだけです。(のルル)
「わが家の理想のリビング」についてパパと話し合ったら、それをどう実現するか、維持するかも相談しましょう。リビングは家族全員が使う場所。すべてをママが1人で担う必要はありません。
リビングの片づけは、遅い時間に帰宅するパパでもできる家事。「平日は育児も家事もする時間がない」というパパにこそシェアしましょう。
収納場所にラベルを付けておくと、パパでも片づけやすくなります。
3分程度で片づくリビングにしておけば、仕事で疲れて帰ってきても無理な負担ではないはず。
それでママの笑顔が増えれば、ハッピーな家事シェアですよね。
今回は、建築士で整理収納アドバイザーでもあるすはらひろこさんに、「小さい子がいるおうちのリビングを快適にする方法」を教えてもらいました。
読者の皆さんの工夫も紹介します!
イラスト/柴田ケイコ
目指すべき理想はどんなリビング?
今はSNSで「まるで、子どもがいないかのようにスッキリ整ったリビング」を公開しているママがたくさんいます。
そうした人のノウハウを参考にするのは悪いことではありませんが、わが家と比べて「こんなにキレイにできない」と落ち込む必要はありません。
もともと片づけが苦手な人が、そのレベルを目指そうとすると、苦行になってしまいます。片づけに追われる生活は楽しくないですよね。
「リビングをもっと快適にしたい」と思ったとき、もっとも大切にしたいのはSNS映えではなく、「家族みんなが伸び伸びできて、居心地が良いこと」。
そのためには、パパも一緒に、まず「どんなリビングにしたいか、どんなふうにリビングで過ごしたいか」、わが家の理想のリビングについて話し合ってみましょう。
子どもが中学生くらいになれば、大人優先のインテリアにできますが、それまでは子どもも含め「ファミリーとしてどう過ごすか」という視点が重要です。
お話を聞いたのは
片づくおうちプランナー すはらひろこさん
株式会社アビタ・クエスト代表取締役。一級建築士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー。All About収納ガイド。インターネットやテレビ、セミナーなどを通じて片付け術を広く伝えている。著書に『片づけ・収納・掃除・洗濯の教科書』他多数。
大人がくつろげるリビングのポイントは「収納」にあり!
片付けの目標は3分! だから収納は3歩以内に
人は散らかっている場所では、ゆったりできないもの。「簡単に片付くリビング」にすることが、くつろげるリビングへの近道です。
片づけの目標時間は3分。毎回3分以内で原状復帰できれば、ママも疲れませんよね。
「3分なんてムリ!」という場合は、収納を見直してみましょう。物の定位置が決まっていなかったり、決まっていても使う場所から遠かったりすると片づけに時間がかかります。
家族も自分で戻してくれず、つい出しっぱなしに…ということも起こりがちです。物の定位置は「使う場所から3歩以内」にするのがポイント。
掃除道具もすぐ手に取れる場所にしまっておくといいですね。
とは言っても、一般的なマンションや建売住宅の間取りは、リビングの収納が不足することが多いようです。
リビングに置くべきものを洗い出し、収納の容量と比べて収納が不足していれば買い足しを検討して。
必要な収納スペースを確保したら、物をそれ以上増やさないように気を付けましょう。
収納がギュウギュウになると物を戻しにくくなるので、常にゆとりがある状態を目指しましょう。
【読者のうちのPoint】
リビング収納の工夫
● 家具を少なくし、引き出しは全てラベリングしています。(なまけものこ)
● 引き出し付きのダイニングテーブルにして、頻繁に使う小物はここに。リモコン、ペン、印鑑、爪切り、塗り薬、ハンドクリームなど、さっと出せて便利です。(ぽんぽこぽん)
● ノートパソコン、保護者会役員の資料、DM、読みかけの本、製作途中のドールハウスなど、一時保管用にワゴンを買ったらスッキリ!(ままち)
【読者のうちのPoint】
ママ&パパのくつろぎタイム
● インテリアはすべて夫の好みで統一。家にいる時間が少ない分、家では気持ち良く過ごしてもらいたいです。
私は子どもが寝てからウエアラブルネックスピーカーで音を気にせず海外ドラマなどを楽しむのがストレス発散になっています。(あちゅ)
● リビングのカウンター下に収納場所を作り、夫のCD入れにして、夜、自由に聞けるようにしています。(ももなし)
● お父さんのコレクションシェルフを設置しました! これを話題に子どもたちとも話ができるようです。(ニンニン)
リビングに置いている家具、本当に必要?
リビングを窮屈に感じるなら、当たり前のように置いている家具を「これって本当に必要?」と疑ってみましょう。
場所を取っている固定ソファを座椅子やクッションに替えたり、ダイニングテーブルをローテーブルに替えたりすると、空間が広く感じられますよ。
通称「人をダメにするソファ」を置いています。(める)
キッズスペースのルールは「子どもの目線」で考える
子どもの発達に合った使いやすい収納を
かつては子ども部屋におもちゃや絵本を置く人が多かったのですが、今はリビングの一部をキッズスペースにする家庭が増えています。
リビング学習が広まり、その前段階としてリビング中心の生活にしている人も多いようです。
キッズスペースはなんとなく作るのではなく、「ここがあなたの場所」と明確に分かるようにすることがポイント。ラグやマットを敷くと、子どもでも分かりやすいですね。
おもちゃの収納は、子どもの発達に合わせて「自分で出せる&しまえる方法」に。
園の収納方法をまねするのもおすすめです。幼児期は、その子が扱いやすい大きさ・重さの収納ボックスを。
場所を移動して使うものはキャスター付きボックスに入れると便利です。
中身が見えない収納ボックスにはラベルを付けたり、工作やブロックの制作途中で一時保管したいときの置き場所なども決めておくといいですね。
「おもちゃが溢れて困る」という場合は、「収納に入る量だけにする(=溢れた分は処分)」というルールにしてみて。
新しいおもちゃをほしがったら、「あの中に入るかな?」と子どもに考えてもらいましょう。
自分のおもちゃを自分で管理させることは、しつけの一環にもなります。
絵本も自分で出し入れ、飾る作品は親子で相談を
絵本も「自分で出せる&しまえる方法」で。表紙が見えると選びやすいでしょう。
棚に入れるときはピッタリ詰めず、余裕を持たせた方が出し入れがラクです。
子どもの作品は、展示エリアを決め、その範囲内に収めて。
新しい作品は飾るかどうかを子どもと相談を。
最新作にこだわらず、お気に入りを飾ってあげたり、リビングではなく廊下などに飾ってもいいですね。
キッズスペースの片づけは時間を決める
キッズスペースは子どもが自由に伸び伸び遊べることを最優先に。
そのエリア内なら、どれだけおもちゃや絵本を出しても許してあげましょう。
いつもキレイにしておく必要はなく、「パパが帰ってくる前」「寝る前」など1日に1回、時間を決めてきちんと片づければOKです。
【読者のうちのPoint】
おもちゃの収納
● 子どもが片づけやすいように、おもちゃの収納ケースにそれぞれラベリングしました。(すみたいママ)
● リビングの隅にキッズスペースを作り、なるべくそこで遊ぶようにしています。おもちゃは箱にしまうなどして散らからないように。(ゆずいち)
● おもちゃの場所を一カ所に決めて箱を置き、子どもが片づけやすいように。ソファで隠れる高さと位置に配置し、リビングに入った瞬間はおもちゃが目に入らないようにしています。(かわだ)
● ジャンルごとに収納箱があるので、子どももポイポイ収納でお片付けしてくれます。また棚の高さが低いので子どもでも見やすいです。(Tママ)
【読者のうちのPoint】
本の収納
● 寝る前に読む習慣があるので、読みたい本を自分で出して片づけもできるように動線を考えて、リビングと寝室の近くに置いています。(まろ)
● おもちゃと本の棚が一体化している収納があり、自分で本を取ってこれます。(ここねこ)
【読者のうちのPoint】
作品展示スペース
● 子どもの作品スペースはリビングに設置してパパと共有してます! ここに飾れる分だけで、増えたら古いものはファイルにしまっています。(アップルパイ)
● 額に飾ると大変だし、そのまま壁に貼ると作品が傷んでしまうので、学校用の作品掲示ケースを購入。絵をスポッと上からポケットに入れるだけです。(のルル)
すはらひろこさんからメッセージくつろぎも片づけもパパとシェアしよう!
「わが家の理想のリビング」についてパパと話し合ったら、それをどう実現するか、維持するかも相談しましょう。リビングは家族全員が使う場所。すべてをママが1人で担う必要はありません。
リビングの片づけは、遅い時間に帰宅するパパでもできる家事。「平日は育児も家事もする時間がない」というパパにこそシェアしましょう。
収納場所にラベルを付けておくと、パパでも片づけやすくなります。
3分程度で片づくリビングにしておけば、仕事で疲れて帰ってきても無理な負担ではないはず。
それでママの笑顔が増えれば、ハッピーな家事シェアですよね。