子育て情報『教えて! 陰山先生 第31回 いつも忘れ物をする小5の息子』

教えて! 陰山先生 第31回 いつも忘れ物をする小5の息子


このように、習慣にするための環境をつくっているのです。
でも、そうは言ってもそれがなかなかできないからこそ、悩んでいるわけですよね。

なぜそれができないか?

それはメモをしたり、それを見る時間が確保されてないからではないでしょうか。本当に大切なのは、この時間の確保なのです。

そのためには、朝食や夕食というような毎日決まった時間の前後に、今日明日中に必ずやることとあわせて、メモを書いたり、そのメモを読んだりする時間を確保するといいでしょう。
その時間の確保がないままメモの重要性を子どもに伝えても、言いっぱなし、聞きっぱなしになってしまうのです。

ひとりの時間を減らすことも忘れ物防止に

最初はメモ帳に自分で書くことが難しい場合もあるでしょう。それならメモも工夫をして、自分のメモ帳に書かせるのではなく、冷蔵庫などに付箋で掲示してみたり、リビングにわが家の掲示板を用意し、そこに予定を書き込んだりするようなところから始めるのもいいでしょう。

こうすれば家族全員で予定などを確かめる時間を作ることになりますから、家庭内全体の日程を確認することもできます。日程の確認が自分だけのことではなく、家庭のものとなる分、習慣化しやすくなります。

気になったのは、ひとりでいることが多く、絵を描くことやゲームなどをしていることが多いということです。お子さんは、ひとりでいることに慣れて、それが心地よくなってしまっているのかもしれません。

すると、どうしても自分の都合で動くことになりますから、忘れ物が増えます。休日などには友だちと外で体を動かすように促すことも、意外と忘れ物を減らすことにつながるかもしれません。友だちと遊ぶ時間が楽しみになってくれば、その予定を確かめることも楽しいことになるでしょう。

最後に、確認の時間を取り習慣化に成功した、わたしの経験をひとつ。
わたしは仕事でよくホテルに泊まるのですが、朝、部屋から出るとき、必ずといっていいほど、エレベーターのある方向とは違う方向に歩き出していました。そして、その理由を「方向音痴だから」と自分で思っていたのです。

しかし、今はそうしたことはほとんどありません。なぜなら今は、最初部屋に入るとき、エレベーターからどう歩いてきたか、部屋の前の廊下ではどんなものが見えたか、確かめるようにしているからです。面倒でもその時間を必ずつくります。
そして、出るときはすぐに歩こうとせず、入ったときのことを思い出してから歩き出すようにすることで、違う方向に行ってしまうことがなくなったのでした。

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