「あなたはだあれ?」アスペルガーの娘に起きた、突然の解離症状
いつも通り「これを飲んでね。」と差し出すと、「毒じゃないの?」と疑って聞かないのです。必死で説得して飲んでもらい、やれやれでした。
深夜1時。大学病院に、やっとの思いで電話をかける
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娘が眠ってから、すぐに大学病院に電話をかけました。深夜1時を過ぎていました。
当直医に状況を伝えると「うちの病院では、すぐに入院できないが、どうしてもと言うなら、緊急救急システムを使う方法がある。」と教えて下さいました。
他害や自傷などで命の危険があるときに、緊急で入院措置をとってくれる病院を紹介してもらえる、というような説明でした。すがるような気持ちで、緊急救急システムに電話をかけました。
しかし「おとなしく眠っている現在の状況ではシステムは使えない。もっと深刻な場合に限る。仮に使っても、遠隔地の病院しか空いていない」とのことで紹介してはもらえませんでした。
明日の朝まで、別人格と対峙しようと、私は覚悟を決めました。長い長い夜が過ぎて行きました。眠れない一夜を明かし「娘が目を覚ました時には、元の娘に戻っていますように」と、心の底から祈りました。
朝が来て、別人格の娘との2日目が始まった
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朝になり目覚めた娘は、別人格のままでした。そして「家に帰りたい」と再び言い出したのです。
別人格の娘は、朝ごはんを食べ、毒ではないかと疑いながらも薬を飲み、だんだんと私を頼ってくれているのではないかと感じるようになりました。
娘ではないけれど、暴言は吐かないし、言葉使いも丁寧で、穏やかな性格のようだ…。私は次第に、別人格の娘も愛おしく思えてきたのでした。
そんな時、突然娘が「おばさんの事、お母さんと呼んでいい?」と言ったのです。
私は嬉しさのあまり、「いいよ!呼んで!」と笑顔で答えていました。
「お母さん優しいから、ずっとこのまま ここにいてもいい?」
「うん!いいよ。ここにいて!」
「じゃあ、家に帰らなくてもいいわ。ここにいる!私、名前がないから、お母さん 名前つけて!」
別人格の娘がそういうので、娘の名前を告げてみましたが「そんな名前嫌いよ!大っ嫌い!」