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[第1回]「他人と比べなければ、失敗はない」クラスに馴染めず自分の殻に閉じこもっていたあの頃

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アメリカ合衆国在住教育関係のITベンチャーでプログラマーとして働く

[第1回]「他人と比べなければ、失敗はない」クラスに馴染めず自分の殻に閉じこもっていたあの頃


編集部:まずは現在のお仕事からお聞きしてもいいですか?

上杉:職種はプログラマー、アメリカで学校関係者が使うシステムを作っています。

アメリカの授業って日本と少し違って、先生たちは授業準備のときにプリントや教科書だけでなく、自分の学校に合ったITアプリを探す場合も多いんですね。

例えば「この1時間の授業をどう作ろうか」と考えたときに、20分講義、20分グループワーク、最後は20分でデジタル教材で学ぶ、とか。ほら、マインクラフトを使って算数を学ぶのが面白かったりしませんか?

編集部:え、そうなんですか?マインクラフトってあのオンラインゲームの?いま、日本の子どもたちにもすごい人気ですよね。

上杉:そうそう、それです。そうやって学校の先生が、授業に合ったツールを選ぶんです。先生たちがツールを探す際に使うシステムを、僕は作っています。

編集部:どうして現在のお仕事に?

上杉:キッカケは偶然ではあるんですけど、僕は中学生のときにアメリカに引っ越してきてからはずっとこっちで育ちました。


漠然と、シリコンバレー(AppleをはじめITベンチャー企業の聖地と言われるアメリカの地域)で働きたいなという気持ちがあったので、大学生のときにAppleやFacebookでインターンをして、新卒でシリコンバレーのベンチャーに就職しました。そこから色々とご縁あって今に至ります。

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算数は得意だったけど、図工はバカにされた記憶しかない(笑)


編集部:プログラマーとして働くようになったのは、昔からそういう分野に興味があったんですか?

上杉:…しいて言えば、昔からものづくりは好きだったような気がします。ものづくりと言うよりも、ゲーム性のあるものを攻略して、自分で作る事ですね。

編集部:例えば…

上杉:うーん、あ、小6の夏休みに、自分でRPGを作った事がありました。(RPG:ロールプレイングゲーム)

その頃はまだプログラミングが出来なかったので、サイコロを2つ使って出る目の確率を計算しながらゲームを設計していきました。ゲームのストーリーはもう忘れてしまったけど、システムはポケモンに近かった気がします。当時からプログラミングできればよかったんですけどね…

[第1回]「他人と比べなければ、失敗はない」クラスに馴染めず自分の殻に閉じこもっていたあの頃

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28177002054

編集部:確率って、中学の数学で習いますよね?それを小6から?

上杉:算数は昔から出来るほうで、低学年のときには中学受験の参考書を読んでいました。
教科書が簡単だったから…

まぁ友達があまりいなかったので、結果的に自分でゲームを作るとかインドアな遊びにはまっちゃったんですよね(笑)

編集部:そうでしたか。

上杉:でも得意なのは算数だけで、他は大体苦手でした。

国語、体育、図工…暗記系はほとんど出来なかったですね。図工なんか、馬鹿にされた記憶しかないです(笑)

編集部: なんだか意外です。

上杉:小学校ではクラスに馴染めずいじめられていて、中学から引っ越したアメリカでは英語が喋れずにずっとクラスから浮いていました。

勉強も得意不得意の差が激しくて、成績は芳しくありませんでした。

いつだって「子どもなりの主張」にきちんと耳を貸してくれた母がいた

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編集部:親御さんは、学力の差に何ておっしゃっていたんですか?

上杉:とくに色々言わなかったですね。

でも、僕の興味を遮るような事はなくて、むしろ没頭できる状況をつくる手助けをしてくれたと思います。


たとえば、僕はゲームをするよりも攻略本を読んで「ゲームの仕組みを知る」のが好きでした。なので、1つのゲームにつき何種類もの攻略本を欲しがっていました。

それを「こないだ買ったでしょ」「全部同じでしょ」なんて言わずに買ってくれました。子どもなりにそれぞれの攻略本が欲しい理由があるってことを、ちゃんと理解してくれたんですよね。

そんな風に自分の主張を聞き入れてくれた親には感謝しています。

振り返れば、こうやって友達とは遊ばず、1人遊びが好きだったのは失敗を恐れていたからかもしれません。人と比べなければ失敗もなにもありませんしね。自分だけなら、成功するまで続けられるから。


そんな上杉さんが「人生の転機」と語る大学時代について、詳しくお話をうかがっていきます。

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