2016年9月5日 11:00
回避性パーソナリティ障害とは?「傷つかないよう避けてしまう」症状や治療法、克服するための方法を解説
のイメージと、その理想に届かない「劣等的な自己」のイメージの両方を持っていますが、中間にある「等身大の自己(ありのままの自分)」のイメージが持てていません。そのため、何か行動を起こして失敗したときに自尊心が傷つくことに過敏になってしまっています。
「等身大の自己」を形成するためには、どんなに小さなことでも自らチャレンジして、成功体験を積み重ねることが必要です。不安や恐れ、迷いは一度横に置いてみて、チャンスが巡ってきたときはまず実行してみましょう。小さなことでもチャレンジを続けることで、失敗の恐れや不安は次第に消えていくはずです。
また、うまくいく経験ばかりを求めないことも大切です。失敗する経験は成功する経験よりももっと価値のある体験です。「失敗してもまたやってみればいいや」と気楽に構えてみてください。
どうしても一歩を踏み出せないときは、背に腹は代えられない状況を作ってみるというのも一つの方法です。これまでの自分を守ってくれるものがなくなると、一歩踏み出して動き出したというケースは多いようです。
例えば、引きこもりの青年が、その子をずっと心配していた父親が亡くなるとその年のうちに仕事をはじめ、以来ずっと仕事を続けているというケースもあるそうです。
まずは自分が「やってみたい」と思うことから、少しずつチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
周りはどう支えればいい?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10567000227
回避性パーソナリティ障害を本人が克服するにあたって、周りの人々が対応を工夫することも大切です。ご家族やご友人に障害のある方がいるとき、以下のことに気をつけてみてください。
回避性パーソナリティ障害の人は、「自分は何をやってもダメだ」という否定的な自己イメージを持っています。他者からの評価にも非常に敏感であるため、周囲の人は言葉のかけ方に配慮する必要があります。
自信を失って症状が悪化するのを防ぐために、けなしたり、否定したり、拒絶したりといった対応は避けなければいけません。
逆に、どんなに小さなことでも何かに成功したときは、良かった点を褒めることで本人の自信につながります。結果だけでなく、その過程や意欲、姿勢自体を褒めるのがよいでしょう。
回避性パーソナリティの人に、本人の意志とは無関係のことをやらせ、そしてそれがうまくいかなかったときに本人を責めれば、本人の自尊心は深く傷つき自己肯定感が失われてしまいます。