2016年12月28日 20:20
失語症とは?原因や症状、リハビリの方法や周りの人とのコミュニケーションまとめ
この損傷の原因の9割以上が脳出血、くも膜下出血、脳梗塞といった脳卒中です。脳卒中の患者は中高年が多いため、失語症も中高年に多くあらわれます。
そのほかは交通事故や転落による頭部外傷、脳腫瘍、脳炎などになっています。
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出典:加藤正弘・小澤知幸監修『失語症のすべてがわかる本』(講談社,2006)
失語症になるとどんな症状があらわれるの?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272003365
失語症になると、話すことだけでなく聞く、読む、書く、計算することすべての能力に困難が生じます。
しかしその症状やその重さは一様ではなく、脳の損傷の場所と大きさによって違いが生じます。失語症の症状を「話す」「聞く」「読む」「書く」「計算する」の5つの側面に分けて説明します。
・言いたい言葉が浮かんでこない
思ったことを言葉ですらすらと表現できなくなります。特に人名や地名などの固有名詞が出にくく、「ここまででているんだけど」というもどかしさを感じます。
また、「包丁」と言いたいのにその言葉が思い浮かばないため「魚を切るやつ」と遠回しな回りくどい表現をすることもあります。
この症状は記憶力の低下によるものではなく、意味の引き出しと言葉の引き出しがうまく対応していないために起こっています。
・思ったことと違うことを言ってしまう
「病院」を「学校」、「みかん」を「りんご」のように単語を言い間違える場合と、「メガネ」を「メダネ」、「時計」を「トテイ」というように違う音に言い誤る場合があります。言葉の言い間違いがひどい場合は、まったく意味不明の言葉(ジャルゴン)が続くようになります。
・文章で話すことが難しくなる
「オトーサン…カイシャ…ヤスミ…」のように単語でポツリポツリとしか話せなくなってしまったり、「お父さんは会社へ休みでいます」のようにすらすらと話せても正しい文章ではないことがあります。・同じ言葉が言えたり言えなかったりする
一度言えた言葉でも、もう一度言おうとすると言えないことがあります。反対に、さっき言えなかった言葉が今度は言えるということもあります。
・前に言った言葉が続いて出てくる
いったんある言葉が出始めると、その言葉ばかり繰り返し出てしまうことがあります。