2016年12月28日 20:20
失語症とは?原因や症状、リハビリの方法や周りの人とのコミュニケーションまとめ
例えば、「スイカ」という単語が思い出せず「ほら夏に食べる、大きくて、丸くて、おいしいの」と言いたいものを抽象的に表現します。
「聞く・話す・読む・書く」のすべての言語機能に障害がある、重度の失語症です。
聞いて理解するのは困難ですが、その人の感情に強く訴える言葉は理解できることもあります。意味のある言葉を言うことがほとんどできなくなり、決まりきった言葉しか言えなくなったり、相づち程度になります。
失語症の診断から検査に至るまで
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失語症の原因は脳の損傷です。言葉が出ない、呂律(ろれつ)が回らないなどの言語症状も、脳の機能の異常を示す症状の一つであり、本格的な脳卒中の前触れかもしれません。少しでも疑いがある場合は、神経内科や脳神経外科への受診をおすすめします。
脳卒中や事故による頭部外傷などで脳に損傷が起こった場合、主治医はその主となる病気やけがの治療にあたります。
その後、後遺症として失語症が起こった場合、主治医の紹介により言語聴覚士が検査や診断、治療にあたります。
言語聴覚士は言語治療のプロフェッショナルです。失語症によって患者さんの気持ちが混乱したり落ち込んだりすることもあるため、失語症の検査は病状が落ち着いたころに始めます。
日本の代表的な失語症検査のひとつは「SLTA(標準失語症検査)」です。言語聴覚士が患者さんに質問をして答えられる割合を調べます。この検査では患者さんの聞く力・話す力・読む力・書く力・計算する力を測ります。回復の程度を調べるために、治療中にも一定期間ごとに何度か行います。
失語症の治療・リハビリテーションはどんなことをするの?
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失語症の治療では、言葉の働きを取り戻すための言語訓練を、言語聴覚士と行います。
言語訓練にはさまざまな方法があり、症状に合わせて最適な組み合わせが選ばれます。
まず、脳の障害の範囲や検査の結果などから重症度を判断します。
まずは、患者の趣味に関することや過去に撮った写真などを用いてコミュニケーションの方法を探します。同時に、周囲の人も失語症の患者さんにどう対応すればいいかを学びます。