2017年8月17日 11:50
祖父の一言で息子のパニックはみるみる鎮火。電話口から放たれたアドバイスとはいったい
虫歯が何十本もあったら全部抜くんだ。どうしよう。」とありえないような最悪のケースを想像して、部屋の中をぐるぐると回っています。
こんな想像をしていて、歯医者さんにまともに受診できるはずがありません。いつも椅子に座る前からパニックでした。こんなとき、私は絵を描いたり、説明をしたりして、必死に息子の過剰な想像をおさめようとしていました。
「大丈夫、絶対そんなことにはならないよ」「もう1回状況を復習しよう」
ところが、私が息子を落ち着かせようとすればするほど、息子はパニックになっていくのです。
息子は最悪のパターンを想像しているときは、私の励ましなんて「雑音」にしか聞こえない様子。もう私にできることは何もない、どう声をかけていいかもう分からない…と、私はほとんど諦めていました。
息子の表情を劇的に変えた、一本の電話。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038003002
息子の「初めてのことに最悪のパターンを想像する」という厄介な思考パターンは、小学校に入学しても炸裂していました。そうです。小学校でのどんな勉強もテストも、「初めて」なのです。
特に「テストを受ける」ということ自体が息子にとっては経験のないこと。そのテストにどんな問題が書いてあって、どういう形で受けるかも分からないのです。初めてのことが怖い息子が、怖がらないわけがありません。
息子は起きている間中、
「テストが0点だったらどうしよう。」
「みんなにバカにされて、廊下に立たされるかもしれない」
と言いながら、思い悩むようになりました。そのうちに、登校中に毎日のように腹痛を訴えるようにまでなってしまったのです。
私は、「0点は絶対ないよ」「ドラえもんの見過ぎ。あれは漫画だよ。」「一緒に勉強すれば大丈夫」などといつものように励ましの言葉をかけ続けました。けれども、いつもどおり息子の耳はちくわ状態。息子は0点を恐れ、机にかじりつき必死に勉強しますが、恐怖心を払しょくできません。もはや、どうすればいいのか分からなくなったとき、偶然一本の電話がかかってきたのです。
それは息子と同じADHDのある、私の父でした。
テストのことが頭から離れない息子は、「おじいちゃん、テストで0点取ったらどうしよう」と電話で必死に訴えていました。