子育て情報『「僕に分かる言葉でしゃべってほしい」 よく話せる息子がクラスでは孤立してしまう理由』

2017年8月3日 16:30

「僕に分かる言葉でしゃべってほしい」 よく話せる息子がクラスでは孤立してしまう理由

かつて私自身も、初めて海外で暮らしたとき、同じような経験をしたことを思い出しました。先生や特定の大人が話す外国語は理解できるようになっても、クラスメイトたちがワイワイ盛り上がっている場にいくと、途端に何を話しているのか分からなくなってしまうのです。私はクラスメイトたちがワイワイ盛り上がっている場はずっと苦手でした。気付いたら話題から取り残されていて、どのタイミングで会話に入っていけば良いかまったく分からなかったのです。

もしかしたら息子にとって、大人数の中でのコミュニケーションの言葉は「外国語」に近いのかもしれない…!と私はこのとき気付いたのでした。


日本語が話せる=コミュニケーションができる、という先入観を捨ててみる。

「僕に分かる言葉でしゃべってほしい」 よく話せる息子がクラスでは孤立してしまう理由の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28208000749

息子の言語能力を評価する際に、「これだけ日本語が話せているのだから、コミュニケーションもできている」という先入観があったことに気付きました。

私とこれだけ話が出来ているということは、他人とコミュニケーションを取ることだって難しくないはずだ…言語能力が高いのだから、他人の話もきちんと理解できているはずだ…私はこんな思い込みを常に持っていたのです。


けれども、息子にとって慣れていない友達同士や、対多数との予測不可能なコミュニケーションは、「外国語を聞く」という感覚に近かった。だから、息子はいつも仲間の輪に入ることに大変な疲れを感じていたのです。

「この子は今日は一日、外国語の海の中に身を置いていたのか」という気持ちで接すると、息子が帰宅後にぐったりと疲れてしまうことにも、心から寄り添えることができるようになりました。

せめて、私や特別支援の先生方だけでも「分かる言葉」を息子に投げかけることができたら。いつも安心できるコミュニケーションの相手でいることができたら。息子は自信を失うこともなく、さらにコミュニケーションの芽を育む助けになれるかもしれません。

私はまた一つ、自分が担える大切な役割に気づくことができました。息子との日常の会話、その一つひとつをこれまで以上に大切にして、日々歩んでいこうと思っています。

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