「アーレン症候群」を知っていますか。文字が回ったり歪んだり…娘の検査からアーレンレンズを手にするまで
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この頃は学習面での困難が全く表面化していなかったため、私としては「アーレン症候群の疑いを今のうちに消しておくのもいいだろう。」くらいの軽い気持ちでの受診でした。
相談用の個室にて、アーレン協会のライセンスを持つ先生が、質問票を確認しながら娘に優しく語りかけ話を聞いてくださいました。
すると母である私は全く気がついていなかった、娘の「感覚」や「困難を感じたことへ自分で工夫し乗り越えてきた様子」を初めて知ることになりました。
こんなに小さな娘が一人で対処してきたのか、と驚きと共に申し訳ない気持ちになりました。
先生の的確な質問とご説明のおかげで、娘の感じている世界、見えている世界の一端を知る事ができました。
会話の多い子育てを心がけてきただけに、母親である私がいかに単一的な自分の視点ばかりで娘のことを捉えていたのかに気がつき、大きな衝撃を受けました。
当事者である娘は、自分の世界を理解してくれ言語化してくれる初めての存在に出会えた安堵感を感じ、少しほっとしていたように見えました。
そして幾つかの検査を経て、「アーレン症候群の可能性がとても高い。」との結果が出ました。
アーレンレンズのフィッティングで疲労困憊に。
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10138001478
アーレン症候群の症状は、その人に合ったアーレンレンズのメガネをかけることで解決出来る場合があります。どのレンズがその人に合うのかは個人差が大きく、フィッティングを通じて最も見やすいカラーのアーレンレンズを選ぶ事になります。
後日、アーレンレンズの色を決めるフィッティングの為、改めて筑波大学の心理発達教育相談室を訪れました。
文章を実際に見ながら、様々なカラーレンズを順に目に当て、自分にとって読みにくさが軽減する色を選んでいきます。
全体からこれぞという1枚を決めたら、次はそれに重ねるとさらに良いと感じる2枚目。
そして3枚目・・・とできる限り読みやすくなるまで、繰り返しカラーレンズを重ねていきます。
8歳の頃は1枚のカラーレンズのみを選び、重ねない選択をしましたが、2度目のアーレンレンズフィッティングの際には、なんと13枚ものレンズが重なりました。
娘の場合は、それほどの枚数を重ねてようやく、80%ほど見えやすさが改善した感覚とのことで、先生も100%完全に見えやすい状態にする、というのは現時点では難しい、と仰っていました。