子育て情報『”理系ラブ”な私は、算数障害。叶わぬ恋経て、オトナになって』

2017年7月30日 16:00

”理系ラブ”な私は、算数障害。叶わぬ恋経て、オトナになって

計算が複雑になり、情報が増えるにつれ、数字や計算記号そのものを認識しにくいと感じている自分に気付いたのだ。

いくら公式や方程式、考え方がわかっていたところで、土台がガタガタなのだから、正解が出せるはずもない。当時は発達障害だなんて思いもしないから、「学習不足であるに違いない」と、算数や数学の勉強ばかりに勤しんだ。

断っておくが、私は努力家でも何でもない。なんというか、片思いの相手の気を引こうとして、あの手この手を尽くしているような気持ちだったとでも言うべきか。そしてテストで赤点を取るたびに、こっぴどく振られたかのように落ち込んでいたのだ。

それでも理系に進みたかったのは、勉強するのが楽しかったら。後に自閉症スペクトラムと診断される私は、曖昧さのない数字や計算の世界を愛していた。


しかし、大学時代は「楽しい」だけで過ごせても、社会ではそうはいかない―先生にそうした現実を突きつけられ、説得された。私はギリギリまで悩んだが、将来を考え、もうひとつの大好きな道、言葉の世界に進むことを決断、文系にコース変更。そこに一抹の寂しさがなかったわけではないが…


恋に破れた私と、数字に愛された息子

進路変更をした直後、とあるご縁により、私はアルバイトとして原稿納入の仕事を始めた。そして兼業の期間もありつつ、ライターの仕事をしている。訳あって高校を中退、進学はしていないのだが、結局文系の道を歩んでいるというわけだ。

そして自閉症スペクトラムとADD(注意欠陥障害)の診断を受け、同時に算数障害であることを知らされる。

そう、私は数字に振られていたわけではない。単に住む世界が違っただけ。
叶わぬ恋なのは当たり前の話。

現在は、慎重に見比べた上で電卓を使うなどの注意や工夫をし、生活に支障がない程度に数字と付き合うことができている。

数字や科学等、理系っぽいものは今でも大好きだが、恋というよりただのファン。そう割り切っており、科学館へ遊びに行ったり、実験キットで楽しむ程度だ。

”理系ラブ”な私は、算数障害。叶わぬ恋経て、オトナになっての画像

Upload By 鈴木希望

共に暮らす小学2年生の息子は、数字が好きで、なおかつ計算が得意。絵を描くように計算式をノートに綴る彼を見て、羨ましいような切ないような気持ちになりつつ、私は文系の道を選んだことを、決して後悔はしていない。

でも、もし担任教師の反対を押し切って理系の道に進んでいたら、どうだっただろう。


たらればの話をしても仕方がないが…

うん、それはそれで幸せだったに違いない。多分ね。

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