2017年8月30日 18:00
知的障害者福祉法とは?概要、改正の歴史、障害者総合支援法との関連、利用できるサービスや制度
このために、国や自治体、施設などは知的障害のある人を保護し、適切な援助を行うことが定められています。
◇自立への努力と機会の確保
・知的障害のある人は、そのもっている能力を使って社会活動、経済活動に参加するように努力しなければならないとしています。
・社会を構成する一員として、自立し、社会、経済、文化などの活動に参加する機会をもっているとされています。
◇国、地方公共団体と国民の責務
国や地方公共団体は、上の理念が達成されるために、国民の理解を促し、必要な援助と保護を行うことが定められています。
国民は、知的障害のある人の福祉について理解を深め、社会経済活動参加する努力に対して協力することが定められています。
◇職員の協力義務
知的障害のある人に援助や保護を行う職員は、児童から成人まで一貫して福祉支援を行うことが定められています。
このように、知的障害のある人が社会の一員として、社会的、経済的な活動に参加できるように、すべての国民、行政、職員が努めることを義務付けたのが、知的障害者福祉法です。
この部分には、知的障害福祉法に関する支援を提供する機関について記載されています。
・支援の実施は、市町村が実施の主体となっていること
・知的障害者の判定は、知的障害者更生相談所で行うこと
などの点が記載されています。この部分はのちの章で詳しく説明します。
知的障害者福祉法のこの項では、知的障害のある人のための施設を運営、設立する際の費用を出す義務者が定められています。また、知的障害のある人がサービスを利用するときには、一部または全部の負担が課せられることになっていますが、その負担は、当事者および扶養者の自己負担の能力に応じることが記されています。
知的障害者福祉法ができたわけ
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10417000175
知的障害のある人への総合的な福祉支援は、どのような理由から展開され、本格的に開始したのでしょうか。
日本で、最初に知的障害のある人への福祉サービスを規定したのは、1947年の児童福祉法です。ここでは、障害の有無についての言及はなく、すべての児童が等しく、生活を保障されなければならないという理念が述べられています。
その後、1953年に「精神薄弱児対策基本法」