子育て情報『先生は「学校へおいで」と追い詰めなかった——約1年半不登校だった息子が、復学するまで』

2019年6月25日 11:10

先生は「学校へおいで」と追い詰めなかった——約1年半不登校だった息子が、復学するまで

2年生のころ、当時の担任の先生が、クラス全員からの手紙を持って、わが家にいらしたことがある。「早く学校に来てね」との旨の内容がそれぞれの文字と言葉で綴られていたそれに、息子は一瞥もくれなかった。

「あなたはこんなに必要とされているんだよ」ということを伝えたい、先生の愛情と善意であることは理解できる。でも、そこに息子はいないのだ。学校に行くことが辛くてたまらない息子の気持ちが、まるで「改めるべきもの」として扱われているように、私には見えてしまったのだ。
「助けてってお願いしているのに、無視されているような気持ちになった」と、後日息子も述べている。

「N先生って、元気?とか、最近好きな遊びはある?とかは聞いてくるけど、学校に来てねとかは言わなかった。なんかそれが、こっちの気持ちを大事にしてくれているように思えたから」

思いやりや寄り添いは、なにも気遣うような優しい言葉をかけることだけではない。
言葉少なであるからこそ、自分が尊重されていると感じられることは、大人にだってある。

イソップ寓話『北風と太陽』を私は思い出し、次年度もN先生が担任であったらいいなと願いつつ春休みを迎えた。いや、担任がどなたになるかという話の前に、休みが明けたら「やっぱり学校に行きたくない」と息子が言い出す可能性は、なきにしもあらず。

心の準備を、私はした。

《次回に続きます》

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