味・匂い・触感で拒否!子ども時代の食へのこだわり――大人の発達障害の私が振り返る「食べられるようになった理由」
子どものころ、父がよくみかんを箱で買ってきていたので私も食べてみたのですが、飲み込むときに薄皮がのどに詰まりそうになり、とても苦しい思いをしました。この出来事がきっかけで柑橘類は基本的に薄皮までむいて食べるようになったのですが、パンにジャムを塗ることすらめんどくさがる私ですので、当然薄皮をむいて食べるまでが面倒すぎるように感じ、いつの間にかまったく食べなくなりました。
せっかく買ってきても私がまったく食べないので、あるときから母親があらかじめ薄皮までむいた状態で食卓に出すようになりました。その状態であればのどに詰まらせる心配がないので、私もバクバク食べられました。
いまでも皮をむく必要があるくだものを自分で買うことはなく、たまに家に置かれているときには妻を頼り、薄皮までむいてもらっています...。
どうも私は、食卓に座り「食べるぞ!」という気持ちになってから実際に食べるまで時間がかかることにとてもストレスを感じるようです。ですので、カニや殻つきのゆで卵もあまり作りません。どれも味そのものは好きなので、すぐに食べられる状態になっていればバクバクと食べるのが自分でも不思議でなりません。
苦手な食べ物に関する私の経験をまとめてみると…
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10736003904
ここまで記事を書きながら振り返ってみると、子どものころの私が食べられなかったものにはいくつか特徴があるようです。
食感:口に入れたときにベチャベチャしていたりヌルヌルしているもの。
見た目:味が想像できないもの。ベチャベチャ・ヌルヌルしていそうなもの。
匂い:生臭かったり独特な匂いのもの。
これらは私の触覚過敏と、匂いに敏感なことに起因した特徴なのかなと思っています。中でも匂いについては、苦手な匂いに勝る濃い味付けをしたことが、その食材を食べられるようになるきっかけとなった例を紹介しました。もし私と同じように特性による過敏さによって食べられないものがある当事者の方が周りにいる場合、調理方法や味付けを変えてみることで食べられるようになるかもしれません。
それでも私が時間のかかる食べものが食べられないように、どうしてもダメなものもあるかもしれません。
そんなときは本人に、食べられないもののどこがどうダメなのかを直接聞いてみるのも良いかもしれません。