2019年11月29日 08:00
【ADHD(注意欠如・多動性障害)】0歳から成人期まで、年齢別の特徴や症状の現れ方を解説します
などの発達障害との合併症状が目立ってくることがあります。対人関係がうまく築けない場合、自閉症との合併症状がある疑いもあります。ADHDの症状がみられる人は他の発達障害を合併している可能性もありますので、よくチェックして疑いがある場合には診断を受けてみましょう。
■他人と自分を比較する
思春期になると、他人と自分を比べて悩みやすくなります。ADHDのある子どもも例外ではなく、他人と自分をよく比べるようになります。完璧主義の傾向が強いと“できないこと”に過敏になることもあります。そして、他人にはできて自分ができないことにコンプレックスを感じてしまいがちです。
コンプレックスから次の行動につながる場合があります。
・勉強への意欲の低下、学力の低下が著しくなる
・やる気がなく投げやりな態度
・自分の世界に引きこもりがちになる場合もある
知的機能に問題がない場合でも、不注意の特性が強いと、集団での学習に集中できず、学力の低下に結びつくこともあります。この結果、不登校やひきこもりなどの状態になることもあります。
■薬の服用を嫌がる
自分の障害を受け止めることができず、薬の服用を避けたり量を自己判断で変えて服用したりすることがあります。思春期の不安定な気持ちに寄り添いながら、家族が上手にサポートしましょう。
■大人になるとADHDはどうなるの?
子どものころにADHDと診断された人の中には、成長につれて症状が目立たなくなったり、軽くなったりする人もいます。自分の特性を理解し、苦手な場面にもどのように対処するかを学ぶことで、日常生活の困難を乗り越えている人もいると考えられます。
ですが、ADHDのある大人は、子どものころより困難が多いと感じることも多いようです。
・親や教師のフォローがなくなる
・やることが多くなる
・大人としての行動や責任を求められる
など、周囲の環境の変化が大きいことがその理由と考えられます。
そのため、大人になって日常生活を送るのが難しくなった、と感じるADHDの人が多くいます。
また、大人になってからADHDと診断を受ける人、診断を受けていなくとも同じ症状で困っている人も多くおり、大人の発達障害のなかではADHDの割合がもっとも高いといわれています。■大人のADHDに現れる症状
大人の場合、ADHDによる特徴にはどのようなものが多くみられるでしょうか。