子育て情報『言語聴覚士(ST)による発達特性のある子どもへの発達支援とは?言語聴覚療法の内容、保護者へのアドバイスなどーー日本言語聴覚士協会 西野将太さんインタビュー』

2022年8月23日 14:15

言語聴覚士(ST)による発達特性のある子どもへの発達支援とは?言語聴覚療法の内容、保護者へのアドバイスなどーー日本言語聴覚士協会 西野将太さんインタビュー


言語聴覚士(ST)の役割の一つとして子どもの発達支援がある

発達障害のあるお子さんは、発語の遅れやコミュニケーションが難しい場合があります。そんなときに相談したいのが、コミュニケーションと聴こえ、摂食嚥下の専門家である言語聴覚士(ST)です。今回は日本言語聴覚士協会理事の西野将太さんに、言語聴覚士の役割や支援内容を伺いました。

ーー初めに、言語聴覚士の担う役割について教えてください。

西野:言語聴覚士は、コミュニケーションや聴こえ、食べ物や飲み物を飲み込む嚥下機能に障害がある方、高次脳機能の低下がある方をサポートする専門家です。生まれたばかりの赤ちゃんの聴こえや哺乳、言葉や発音の発達に課題があるお子さん、事故や病気で高次脳機能障害になった方のリハビリ、高齢者の聴こえの支援や摂食嚥下機能の回復のサポートなど、幅広い世代が支援の対象です。現在、日本には3万8,000人を超える国家資格保有者がおり、主に医療機関、福祉施設、保健所、教育機関などで仕事に当たっています。

ーー子どもの発達支援分野を中心に活動する方はどれくらいでしょうか?

西野:子どもの支援をメインにする言語聴覚士は日本言語聴覚士協会に属する会員を対象領域ごとにまとめると、全体の8%ほどです。
言語聴覚療法を必要とする子どもたちが、早期にサポートを受けられる体制をつくるためにも、発達障害分野への知見を持つ言語聴覚士を養成していくことや、医療に加え福祉や学校教育の場でも言語聴覚士とつながれるように整備していくことが課題です。

現在、子どもを対象とする言語聴覚士が働いているのは下記のような機関です。

療育センター、医療機関
児童発達支援事業所・放課後等デイサービス
保健所・保健センター
教育機関

近年では、医療分野や福祉分野との学校連携に加え、言語聴覚士として学校に勤務している言語聴覚士や教員として学校に勤務する言語聴覚士も少しずつ増えてきています。


言語聴覚士(ST)は、家族のように子どもの成長に関わる存在

ーー子どもの発達支援では、どんな障害や困りごとが多いですか?

西野:新生児期では聴こえの問題に対し、早期から医師や他職種と連携していきます。哺乳の問題についても医師や他職種と連携します。口唇口蓋裂といって、まだ唇や上顎が十分に形成されていない状態で生まれてきたお子さんは、おっぱいやミルクを吸うことが難しい状況です。

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