2023年3月7日 14:15
学校行事は「怖い」「イヤ」小6自閉症娘の見通し不安、無理強いで失敗も。「参加できた」自信を積み重ねるために…
また、テーマパークによっては、ゆいのように不安が強い人たちをサポートする冊子が準備されている場合があります。この冊子には全てのアトラクションの写真と、大きな音が鳴る・フラッシュがたかれるなど効果の説明が載っています。いわゆるネタバレになってしまうのですが、ゆいのように、何が行われるか分からないことで不安を強く感じてしまう子どもでも、アトラクションが楽しめるよい配慮だなとうれしく思っています。
Upload By 吉田いらこ
とにかく予習をたくさんしておく
下見は手間も時間もかかりますが、このように工夫すれば初めての場所にだって行けるんだということが分かるのは、本人にとって良いことだと思います。できた!という体験を何度も重ねていき、いつか一人でも気楽に外出できるようになる日が来たらいいなと思っています。
執筆/吉田いらこ
(監修:初川先生より)
遠足や社会科見学等を不安に感じるゆいちゃんが安心して行事に臨めるための工夫のシェアをありがとうございます。何が起きるか分からないところへ出向くのは不安になるのは多かれ少なかれみなさんありますが、「楽しむ」レベルを超えて不安になってしまうと、せっかくの機会がもったいない面がありますし、何より、ゆいちゃんは完全に拒否をしているわけではなく、楽しみたい気持ちもあるわけで(それに気づいているゆいちゃん本人もいらこさんも素敵です)、だとしたら、少しでも安心した気持ちで臨めるように、と工夫するのはとても大事なことですね。
今はさまざま情報が出ているので、ネットで調べたり、SNSで調べたり、写真を見たり、地図を見たり、または予習として事前に行ってみたりして、安心して臨めるようにする。ネタバレではあるのですが、大事なのはそこで初めて知って驚くことではなくて、安心して参加して「楽しかった」と思えること。不安要素がいっぱいあるならそれを減らして、ゆいちゃんの場合は、「友達と一緒に楽しく過ごしたい」に注力できるようにする。素敵な手立てだと思います。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。