2023年4月24日 14:15
小2自閉症息子、読める字が書けない!テストも不正解…担任に「きれいに書くの諦めます」と言い出せず――作業療法士・野田先生に聞いた「褒めポイント」と「工夫」
結果として手が追い付かなくなり、字が崩れてしまうことがあります。ほかには、「早く遊びたい」と思って焦っている可能性もありますし、キレイな字を書くためには力を入れないといけないので、手の持久力も関係しているかもしれません。
字を書く練習のときのポイントとしては、ゆきみさんも言っていたように「褒めること」。1文字だけでもゆっくり書けたときに「1文字、ゆっくり書けたね」「1文字、きれいに書けたね」などというように、大人の基準での100点を求めるのではなく、できているときにハードルを下げて褒めていくと「こう書いたらいいんだな」とお子さんも理解しやすくなります。
例えば、立ち歩きが多いお子さんに「立たないで、座って」と言うのは、よくあると思いますが、座っているときこそ「ちゃんと座れてて偉いね」と声をかけるというのが褒めるときのポイントの1つなのです。
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ほかには…
適切な高さの椅子、肘の位置、楽な姿勢でかけているかを確認する。
道具を工夫する。
・えんぴつの長さ、重さを変えてみるなど、文具選びでも変わることがあります。
重めで太いものの方が書きやすいお子さんもいたりします。また、筆記用具を持ちやすくする補助具(鉛筆に付けるグリップなど)を使うのも方法です。
・特に覚えたい字だけ、大きな画用紙やA4の紙に、マジックペンで書いてみると、指ではなく腕で書くことになります。そうすると、大きな動きで書字の練習ができるので、指先の細かい操作が苦手なお子さんに有効なことがあります。
・漢字の練習帳もいろいろあって、マスごとに色分けされているノートもあります。一筆ごとに色が変わっているなど、視覚的に分かりやすい教材を利用する方法もありますね。
このように、やり方や環境の工夫をするというのもあります。
人によって字への思いの違いがある!?
ーー:就学前は字のキレイさはあまり気にしていませんでした。
小学校に入学してから、学校の先生が字をキレイにと頑張ってくださっているのですが、私自身は、若干諦めかけていました。でも学校の先生に「諦めます」とはなかなか言えなくて…。
野田先生:「字をキレイに書く」というのは、学校の先生ごとに思いの違いがありますよね。お子さんに周囲のサポートや一定の配慮が必要な場合には、合理的配慮という形で作業療法士が同席して先生と話し合いをさせていただくこともあります。