子育て情報『「困り事さえなくなれば」療育に膨らむ過度な期待。成果を実感できず焦っていたあの頃』

2023年12月8日 06:15

「困り事さえなくなれば」療育に膨らむ過度な期待。成果を実感できず焦っていたあの頃

と思っていました。

スバルが自閉スペクトラム症と診断されて1年目の駆け出し療育ママだった私は、とにかく焦っていたのです。
本やインターネットでさまざまな知識や情報を得てもなお「困り事がなくなったら世の中で言うところの『普通』に追いつけるのではないか」という気持ちがくすぶっていたからです。
頭ではそういう問題ではないとわかっているのに、心が追いついていませんでした。


ゆっくりと実を結ぶ、「療育の成果」とは

私は特に成果を感じないまま幼稚園と療育に通い、幼稚園の連絡帳に書かれた「今日も脱走して車を見ていました」の文字に焦る日々を過ごしていました。そんな中、年少のある日からピタッと歩き回らなくなり、座るべき時間に座り、話を聞くべき時間に話を聞くようになりました。

療育に通っていないバージョンのスバルを知らないので「これが療育の成果!」という訳ではないのですが、それによって焦りが少し減った私は、前よりも穏やかな気持ちで療育中のスバルを観察できるようになりました。

不器用なスバルは幼稚園では先生の手を借りて工作をしていましたが、療育でする簡単な工作は、先生の補助なく完成させることができるので、工作に苦手意識のあるスバルも楽しそうに参加することができていました。

例えば折り紙を使った工作だと、初めから折り目のついた折り紙や線の引いてある折り紙などが数パターン用意してあり、今のレベルに合っているものを渡されました。そして少しずつ少しずつ、何日も繰り返し、まっさらな折り紙を折れるようになっていきました。
これは私の頭の中でふわっとしていた「スモールステップ」という言葉がカチリとはまった出来事でした。

椅子に座って先生の話を聞くことも、挨拶と点呼の短い時間から始まり、徐々に集中力を切らさない時間を増やしていきました。
気の散りやすい子どもたちの注目を集め、飽きさせない工夫を感じる手作りの絵本や紙芝居は本当によく考えられていて、スバルもキラキラした目で話を聞いていました。
そしてある日、楽しい絵本でも歌でもない、先生が来週の予定を話しているだけの時間「あ、全員が先生の目を見て話を聞いている」と気がつきました。それらは年齢と共にできるようになった事もあるかもしれないし、療育によってカチリとはまった事もあるかもしれません。どちらにせよゆっくりゆっくり育っていくものなのだと感じました。

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