自閉症息子、家事のスキルアップは「母の観察」にあり!?カーテン開けにも苦戦していたのに中3の今では
苦手はずっと残るかもしれませんが、苦手な作業に対しては『乾燥機能のある洗濯機を使う』『パックご飯を使う』などの対応策をとれることもたくさんあります。
できるようになることをコツコツ積み上げていくなかで、コウが「ここは苦手だな」と思うことも見つけていけるといいなと思っています。そして、苦手なことに対しては『対応策はいっぱいあるんだな』と思えるようになれたらいいなと願っています。
執筆/丸山さとこ
(監修:森先生より)
丸山さん、お子さんと家事との関わり方についての貴重な体験談をありがとうございます。年齢に応じて徐々に役割が変わっていくことになかなか順応できないお子さんは少なくありません。そのまま大人になってしまうと、一人暮らしをしてから健康を損なったり、結婚して家庭を持ってから配偶者に負担がかかってしまうことにもなりかねません。幼いうちから家事を自分事として考えられるような教育は、大変素晴らしいですね。
さて、一般に、特性がある方は家事があまり得意ではないことがあります。
家事には「正解」や「終わり」がないので、「完成図」が分かりにくいのです。また、家事には複雑な作業の同時進行が求められます。発達の特性があると、脳の実行機能に偏りがあるため、家事に苦労することが多いのです。たとえばお料理であれば、作るものをイメージして、材料を買って、野菜を切りながらお鍋を煮込む、といった作業になりますよね。発達の偏りがある方は、重要な食材を買い忘れたりお鍋を焦がしてしまったり、というような失敗をしやすいのです。
丸山さんのように、早いうちから家事の大切さを教えて、できることを少しずつ増やして達成感を得られるようにすると、楽しく家事を身に付けていけるのではないでしょうか。これからもお子さんが自立に向かって前向きに取り組んでいけるように願っております。
https://h-navi.jp/column/article/35030209
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。
現在は下記の表現になっています。