不安障害(不安症)とは?診断基準・種類・治療法・相談先・周囲の対応法まとめ
親族に社交不安症を発症している人がいる人は、いない人より、発症の機会が2~6倍高いという研究結果が出ています。
このような性格の人が、失敗や、恥ずかしい体験をすることが発症の原因になることが少なくありません。このような経験が大きなストレスとなり、過剰に他者の反応を気にするようなる可能性があります。
◇選択性緘黙との違い
人前で話せなくなる点は選択性緘黙と似ています。ですが、不安、恐怖の対象が明らかに違います。選択性緘黙を発症している人は、社交不安を発症している人と違い、他者の反応が気になる場面であっても話す必要のない場所では恐怖を感じません。しかし、選択性緘黙と社交不安が併発することはあります。
◇対人恐怖症との関連
対人恐怖症とは、社会的交流のなかで、自己の外見、行動が他者にどう思われているか不快に思われていないだろうか、評価がさがってないだろうかと過剰に不安、恐怖に思い、社会的交流の場を避けるといった症状が出るものです。
日本の場合「他の人の目」「他者からの評価」を気にしやすい文化背景が原因となっているのではないかといわれています。アメリカの精神疾患概念であるDSM-5の社交不安症/社交不安障害と対人恐怖症がほぼ同じなのかどうか、今も議論されています。
パニック障害は不意に起こるパニック発作を発端とする疾患をさします。パニック障害における発作はきっかけがなくても起こるのが特徴です。
◇症状
パニック発作は、数分以内でピークに達し以下のようなパニック発作が起こります。
激しい恐怖または強烈な不快感の突然の高まりが数分以内にピークに達し、その時間内に、以下の症状のうち4つ(またはそれ以上)が起こる。
注:突然の高まりは穏やかな状態または不安な状況から起こりうる.
(1)動悸,心悸亢進,または心拍数の増加
(2)発汗
(3)身震いまたは震え
(4)息切れまたは息苦しさ
(5)窒息感
(6)胸痛または胸部の不快感
(7) 嘔吐または腹部の不快感
(8)めまい感,ふらつく感じ,頭が軽くなる感じ,または気が遠くなったりする感じ
(9)寒気または熱感
(10)異常感覚(感覚麻またはうずき感)
(11)現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)
(12)抑制力を失うまたは"どうかなってしまう"ことに対する恐怖
(13)死ぬことへの恐怖感
『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)