学びの種はアニメにも! ジブリ映画『天空の城ラピュタ』から、親子でイギリスの社会と文化を学ぼう
産業革命の引き起こした急激な工業化の歪みを、労働者自身が団結することで、是正しようとしたのです。
ジョン・レノンが1970年に Working Class Hero「労働者階級の英雄」という歌を発表したことを、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
労働者階級には、労働者階級独自の文化やものの考え方があり、そこに誇りを持つべきだ、という考え方は、今でもイギリス社会に根強く残っています。
アニメ映画をきっかけに親子で学びを深めよう
さて、ウェールズ、階級といったテーマに着目して、皆さんに親しみのあるアニメ映画のモチーフをいくつか解読してみました。
子どもを持つ親としては、そういった知識を背景に、家庭での語り合いを広げたいですし、また、これをきっかけにより広い作品群へと手を伸ばしていきたいところです。
では、ウェールズの作家、あるいは労働者階級を扱った物語で、日本語で入手しやすい作品には、どのようなものがあるでしょうか。
人気作家「ロアルド・ダール」の児童書から階級問題を学ぶ
ウェールズ出身の児童小説家でどうしても忘れることができないのは、ロアルド・ダールです。『チョコレート工場の秘密』『マチルダはちいさな大天才』などの作品を目にしたことがある方も多いでしょう。
『チョコレート工場の秘密』はティム・バートン監督により映画化され、ジョニー・デップも出演して話題を集めました。『マチルダはちいさな大天才』は『ハリー・ポッターと賢者の石』が出る以前、イギリスで児童書部門の売り上げ1位を独走していた作品です。
独特のブラックユーモアで知られる作者ですが、彼の作品群から階級間の対立を描いた『ダニーは世界チャンピオン』をご紹介しましょう。
労働者階級の父と子の愛情を軸に、犯罪物語を「子ども向けに」書いてしまうダールならではの作品です。
我が家の読み聞かせは6歳ぐらいから始まりましたが、自分で読むのであれば小学校中学年以上でしょうか。日本語訳は少々分厚い本になりますが、子どもをぐいぐいと引き込むお話です。
映画やテレビ、そしてゲームでも、身近に知っている作品の中には、しばしばより広い世界へと結びついているものがあります。
以前ポケモンとシェイクスピア、今回は『天空の城ラピュタ』とイギリスの労働者階級についてお話ししましたが、それだけではありません。