教育の「ICT化」とは? 知っておきたい教育界の最前線
文部科学省の「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」によると、2017年度における「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」は5.6人(前年度5.9人)、「普通教室の無線LAN整備率」は34.5%(前年度29.6%)でした。これを見ると、ICT利用環境は順調に整備されつつあるように思えますが、実は大きな地域差があるのです。
「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」が最も少ないのは、佐賀県の1.8人。一方、最も多いのは埼玉県の7.9人でした。東京都は平均に近い5.4%です。1台当たりの児童生徒数が多いと、ひとりひとりが充分にコンピュータを利用することができず、狙い通りの教育効果を上げられないかもしれません。
また、「普通教室の無線LAN整備率」が最も高かったのは静岡県の68.6%。最低は福岡県の9.4%でした。
ちなみに、東京都は47.3%です。普通教室で無線LANが利用できないと、コンピュータは従来どおり、コンピュータ室のデスクトップPCを使うことになるでしょう。そうなると、いつもの教室にタブレットを持ち込んでインターネットに接続することができず、遠隔授業も実現できません。教育のICT化を促進するために、やるべき施策は多くありますが、「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」および「普通教室の無線LAN整備率」の地域間格差を是正することが目下の課題だといえるでしょう。
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あまり知られていない、教育現場におけるICT事情についてお伝えしました。「タブレット教育」「プログラミング教育」ばかりが注目されがちな昨今ですが、最新テクノロジーを教育に導入することには、もっと多様なメリットがあるのです。お子さんの通う幼稚園や学校ではどうなのか、調べてみてはいかがでしょうか?
(参考)
コトバンク|ICT
文部科学省|小学校学習指導要領
文部科学省|幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント
文部科学省|教育の情報化加速化プラン~ICTを活用した「次世代の学校・地域」の創生~
文部科学省|2019年度概算要求のポイント
文部科学省|発達障害のある子供たちのためのICT活用ハンドブック
文部科学省|発達障害とは
文部科学省|遠隔教育の推進に向けた施策方針
文部科学省|「新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて ~柴山・学びの革新プラン~」について
文部科学省|教育振興基本計画
文部科学省|学校のICT環境整備について
文部科学省|平成29年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)