親の心配は子どもの負担になる。新学期に大切な「聞く」より「聴く」の実践法
親御さんからの質問【1】
先日クラス替えがあり、担任の先生も変わりました。親としては「友だちも先生も変わって大変だ」と思ってしまいますが、実際のところ子どもは新しい環境をどれぐらい負担に感じているのでしょう?また、慣れない日々のなかで、子どもなりに新しい環境に適応しようと頑張ってくると思いますが、帰宅後、子どもにどのような声かけをしてあげれば、より子どもの翌日からの頑張りに変えてあげられるでしょうか?
「子どもが新しい環境の中で戸惑わないか心配だ」というお気持ち、よくわかります。ですが、子どもは意外に適応力があります。初めはうまくいかなくても、友だちの様子を見たり先生から指導してもらったりして、日々成長していきますから、安心してください。
親がいろいろ心配してあれこれ聞くことは、「質問に答えなくては」というプレッシャーを子どもに与え、大きな負担になってしまいます。大人が子どもに「聞く」のではなくて、まずは子どもの話を「聴いて」あげましょう。その中で「頑張ったね!」「大丈夫!」などの言葉かけが大切です。また、子どもにとっては友だちの存在がとても大きいので、低学年であれば一緒に登下校したり、下校後遊んだりできるお友だちを早めにつくるといいですね。
声掛けは「できるでしょう!」より「できるかな?」
親御さんからの質問【2】
ピカピカの1年生になって、モチベーションが上がっている様子の我が子。「これは子どもの自立のチャンスだ」と思い、つい「もう○○なんて一人でできるでしょう?」「1年生なんだからしっかりね!」言ってしまうことが増えています。これって期待のしすぎでしょうか?正直言ってまだまだ甘えん坊なので、プレッシャーを与えていないか心配です。
私も以前、小学校5年生の子をもつ親御さんから、こんな相談を受けたことがあります。“朝、私が時間割をそろえ、靴下まではかせています。「自分でやりなさい」というと「じゃあ学校へ行かない」と駄々をこねるので、ついついやってしまう。どうしたらいいのでしょうか?”
子どもたちの自立は、発達段階に合わせて少しずつ進みます。子どもは生まれたときから、年齢に応じてクリアしていくべき発達課題をもっていて、年齢相応の課題をひとつずつクリアしながら自分ができることを増やしていくのです。
そして、課題をクリアしていくのには適時性があり、最適な年齢でクリアできるとその力が付きやすいという特徴があります。