子どもが賢く育つ家はどうつくる? 一級建築士がアドバイスする家とインテリアの使い方
人間は周囲の環境から影響を受けながら成長します。そう思えば、「子どもが賢く育つ家」もあれば、そうではない家もありそうです。お話を伺ったのは、2010年に上梓した著書『わが子を天才に育てる家』(PHP研究所)が高く評価された一級建築士の八納啓創さん。そのままずばり、「子どもが賢く育つ家というものはあるのでしょうか」と聞いてみました。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)
「時間泥棒」になるツールの扱いに要注意
「賢い」とひとことでいっても、そのとらえ方は人それぞれでしょう。子どもが社会に出たときにストレスフリーで過ごせて、楽しく生きていくために必要な力を身につけていることを「賢い」というのなら、これまでの記事で述べてきたように、その賢さは家の使い方次第で大きく伸ばすことができます。
リビング学習やダイニング学習では、社会で生きていくために重要なさまざまな社会性を伸ばせますし(インタビュー第2回参照)、子ども部屋の使い方によって、子どもに自立を促す訓練をさせることもできます(インタビュー第3回参照)。
では、他に子どもの成長のためにできる家やインテリアの使い方などについて、わたしがおすすめするものをいくつか紹介しておきましょう。まずはテレビの扱いです。テレビというものは、無意識に観ているとどんどん時間を奪ってしまうものです。人生を無駄にさせるものだといっても大げさではないでしょう。ですから、本当に観たい番組だけを観るという習慣をつけることが大切です。
そのための方法は、テレビを観ないときには画面に布をかけておくというもの。また、リモコンの電池をつねに抜いておいて、使うときだけ入れる。そうすると、無意識にテレビを観ることがなくなります。
これらのことは、ゲーム機やパソコンなどの扱いにもいえます。ゲーム機をテレビにつなぎっぱなしにせず、遊ばないときはしまう。パソコンもタイマーをセットして決まった時間でスリープモードになるようにする。そのようにして、「時間泥棒」になるツールが子どもの時間を奪ってしまわないようにしましょう。
また、ファミリーライブラリーとでもいうような、家族でひとつの本棚を共有することもおすすめです。むかしからずっとある良書はやはりいい本です。そういった、親が好きな本、あるいは子どもが大人になったら読んでほしい本を本棚の高い位置に置いておく。