子育て情報『非認知能力は育っているか? 子どもが「目をキラキラさせる世界」があれば安心です』

非認知能力は育っているか? 子どもが「目をキラキラさせる世界」があれば安心です

また、他人とかかわるなかで人間関係の問題にぶつかったら、なんとか折り合いをつけるようなコミュニケーション能力や思いやり、自己制御といった力を得ることもできました。そのようにして、非認知能力を自然に獲得していたわけです。ですから、これまでは非認知能力が特段にフォーカスされることがなかっただけのことです。

でも、むかしとは時代が大きく変化していますよね。まず、習い事などに忙しいいまの子どもは、単純に遊ぶ時間自体が減っています。そのため、遊びを通じて非認知能力を得る機会が激減している。また、いまの親は子どもになるべく喧嘩をさせないようにしています。本来なら、子ども同士でおもちゃを取り合うようないざこざは、社会性を身につける絶好の機会です。
いざこざのなかで、子どもは自分の気持ちを相手にぶつけてその反応を見たり、相手に譲ったりといった経験を通じて成長していくのですからね。

ところが、いまは親のクレームを恐れ、幼稚園や保育所でも子どもの喧嘩をなるべく未然に防ぐようにしてしまっている。これでは、なかなか子どもの社会性は育ちません。

大豆生田啓友先生インタビュー_非認知能力の育て方103


重要となる、子どもの興味関心に親がつき合う姿勢

わたしは、2019年に妻との共著で『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)という本を出版しました。じつはこの本は、「こういう時代であっても、多くの親たちが何気なくやっていることが大事」というメッセージを込めたものでもあるのです。

先にお伝えしたように、非認知能力は特別なものではありません。非認知能力というたいそうな名前がついているがために、特別なことをしなければ育たないと考える人もいるかもしれませんが、そうではないのです。

では、なにをすればいいのか?それは、大人からしっかりと受け止められる経験を子どもにさせること、そして、子どもの興味関心を大人が大切にするということです。
非認知能力の多くは、「主体性」にかかわるものです。人間は、好きなことに対してであれば、主体的に取り組むことができます。みなさんも、大好きなアーティストのコンサートチケットを手に入れるためなら、多少の困難があっても手に入れようと頑張るでしょう?それは、見方を変えれば、困難を乗り越える力を発揮しているともいえます。

子どもだって同様です。親子で散歩に出かけたときに、子どもが落ち葉のことが気になって拾いはじめたら、一緒に拾ってあげればいい。

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