幼稚園から始まる「いじめ」。ピークは小2! その原因は「過度な欲求不満」でした
文部科学省の資料では、2019年度は6名だった小学生の自殺件数に対し、2020年度は14名。小学生の自殺が増えています。
いじめが低年齢化してきているのでしょうか?
幼稚園・保育園からいじめは行なわれる!
「そんなに早い年齢から?」と思う方もいるかもしれませんが、なんと、いじめは、幼稚園・保育園に通う園児のあいだでも起こっています。
東京都教職員研修センターの調査(1997年)によると、1995年頃までは「幼児期は発達的に見て人間関係が未熟な段階なので、幼児間のトラブルも発達には必要な経験であり、小学生および中学生の時期に見られるようないじめはない」と考えられていました。
しかし、この調査の結果、約6割の幼児が「いじめられたことがある」と回答したことで、「幼児期にもいじめがある」と認識されたのです。
幼児期のいじめ
幼児期は身体面・言語面での発達の個人差が大きいため、入園して半年が過ぎたあたりから、子どもたちのあいだには力関係が発生します。とはいえ、「幼児期の子どもは成長著しいので、優位な立場に立つ幼児が短期間で交代することも多く、『いじめっ子』と『いじめられっ子』が頻繁に入れ替わることもよくある」とのこと。
また児童精神科医の故・佐々木正美氏も「幼児期にもいじめはある」と述べています。
そして、子どものまわりで「いじめ」が発覚したら、第一に「親子関係を見直すべき」だとしています。詳しくは後述しますが、子どものいじめは「親の関わり」が大きく関係しているのです。
いじめのピークは小学2年生!
小学校に入学すると、いじめ問題はさらに深刻化してきます。文部科学省の調査によると、2020年度にいじめ認知件数が一番多かったのは小学2年生(84,298件)で、小学1年生(81,746件)、小学3年生(78,586件)と続きます。ちなみに2009年度までは、中学1年生のいじめ認知件数が最多でした。約10年で「いじめのピーク」が低年齢化しているのは、なぜなのでしょう?
『不登校新聞』編集長の石井志昂氏は、その理由をふたつ挙げています。ひとつは、「学校側が軽微ないじめも報告するようになったから」。前述したように、2016年度から文部科学省の「いじめ調査の定義」が変わったため、それまでは「悪ふざけ・冷やかし」