何をしておけばイイ? 子どもがいない夫婦の現実的な老後対策4つ
人はみんな日常の暮らしの中の多くの場面で自分では気づかないくらい若い人たちや子どもたちに助けられながら生きています。
ここでいう「助けられながら」というのには二重の意味があり、一つは「実際の生活の面で助けられて」ということ。もう一つは「励みとか心の支えという面で助けられて」ということです。
50代後半の筆者であれば、パソコンやスマホを使いこなす上で職場の若い人たちや自分の子どもたちに随分教えてもらいましたし、また自分の子どもの存在というものは他に代わりうるものがないくらい、心の支えとなります。
そしてまた、若い人たちとの接点がある人はたとえ自分に子どもがいなくてもあまり老け込んでいない印象があります。
ただ、自分の子どもがいないご夫婦の場合、若い人たちとのコミュニケーションを持つといっても自分の子どもに対するのと同じようなわけにはいきません。
彼らの手を物理的に煩わせるのではなく、瑞々しい感性と最新の情報を分けてもらえればありがたいといった程度の心づもりで付き合った方がいいでしょう。
また、若い人たちとの接点を維持するためには、もちろん趣味のサークルや地域のボランティア活動などを通してでもいいのですが、パートやアルバイトの仕事を通してだと収入にもつながり一石二鳥 の面があります。
●同じように子どものいない友人を積極的につくるようにし、役立つ情報を共有する
夫婦二人で楽しく穏やかに生きてこられたとしても、いずれはパートナーに先立たれる日は来ます。
男性と女性の平均寿命から考えれば、夫の方が先に旅立つケースの方が多数派でしょう。それまでは嬉しいことも腹が立つことも夫と二人で分かち合って生きてきたのが、分かち合う相手がいなくなります。
この状態はある意味、ずっと「お一人」で生きてこられた独身女性と同様の状態です。
評論家としても活躍している精神科医の香山リカさんは、著書の『老後がこわい』の中で、わが国のシニアシングル女性につきまとう永遠の悩みとして“住まい”と“医療”の問題をあげていますが、これはそっくりそのままパートナーに先立たれたあとの子どもがいない女性の問題でもあります。
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『持家のないシニアシングル女性の住まいに関して、「これだ」という回答はない』
『医療や介護を本当に必要としている人くらい、あまり無理のない自己負担でそれを受けられるようにはできないものなのか』(香山リカ・著『老後がこわい』より引用)